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地上権 - Wikipedia

地上ちじょうけん

工作こうさくぶつまたはたけ所有しょゆうするためなどの目的もくてき他人たにん土地とち使用しようする権利けんり

地上ちじょうけん(ちじょうけん)とは、工作こうさくぶつまたはたけ所有しょゆうするためなどの目的もくてき他人たにん土地とち使用しようする権利けんり日本にっぽん民法みんぽうではだい265じょう以下いか規定きていもうけられている。

  • 日本にっぽん民法みんぽうは、以下いかじょうすうのみ記載きさいする。

概説がいせつ

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地上ちじょうけん意義いぎ

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地上ちじょうけんとは他人たにん土地とちにおいて工作こうさくぶつまたたけ所有しょゆうするため、その土地とち使用しようする権利けんりである(だい265じょう

土地とち直接的ちょくせつてき支配しはいできる強力きょうりょく権利けんりゆうし、権利けんり所有しょゆうしゃは、地主じぬし承諾しょうだくなく、地上ちじょうけん登記とうきし、第三者だいさんしゃ譲渡じょうとし、転貸てんたいすることができる。また、地主じぬしには法的ほうてき登記とうき協力きょうりょく義務ぎむがあり、借地しゃくちけんしゃ希望きぼうにより地上ちじょうけん登記とうきおうじる義務ぎむがある[1] [2]

日本にっぽんほうでは土地とち建物たてものとは別々べつべつ不動産ふどうさんであるとの法制ほうせいをとるが、欧米おうべいでは「地上ちじょうけん土地とちしたがう」のほう原則げんそくから、基本きほんてき建物たてもの土地とちごうする関係かんけいにあるとみられ、日本にっぽんのような借地しゃくち例外れいがいてきとされる[3]

なお、日常にちじょうにおいて「地上ちじょうけん」というかたりもちいられる場合ばあい民法みんぽうじょう地上ちじょうけん(265じょう)ではなく、賃貸借ちんたいしゃくもとづく土地とち使用しようけん地上ちじょうぶつ採取さいしゅけんしてもちいられることもあり、注意ちゅういようする[4]

地上ちじょうけんせきスル法律ほうりつ

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明治めいじ33ねん1900ねん)の地上ちじょうけんせきスル法律ほうりつ明治めいじ33ねん3がつ27にち法律ほうりつだい72ごう)は「本法ほんぽう施行しこうぜん他人たにん土地とちニ於テ工作こうさくぶつまたちく所有しょゆうスルため其ノ土地とち使用しようスルしゃ地上ちじょうけんしゃ推定すいていス」(どうほうだい1じょう)とし、ただし、「だいいちじょう地上ちじょうけんしゃ本法ほんぽう施行しこうにちヨリいち箇年かねんない登記とうきためスニサレハこれヲ以テ第三者だいさんしゃ対抗たいこうスルコトヲとくス」と規定きていしていた(どうほうだい2じょうだい1こう)。ただ、この法律ほうりつもとづく登記とうき件数けんすう実際じっさいにはすくなかったといわれる[5]

土地とち賃借ちんしゃくけんとの差異さい

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地上ちじょうけん同様どうよう土地とち利用りようけんとしてもちいられる権利けんりに「土地とち賃借ちんしゃくけん」がある。建物たてもの所有しょゆう目的もくてきとする地上ちじょうけんおよ土地とち賃借ちんしゃくけんは「借地しゃくちけん」として借地しゃくち借家しゃくやほう適用てきようける(借地しゃくち借家しゃくやほう2じょう1ごう)。その結果けっか土地とち賃借ちんしゃくけんについても借地しゃくち借家しゃくやほう適用てきようによる対抗たいこうりょく具備ぐび長期ちょうき存続そんぞく期間きかん更新こうしん事由じゆう法定ほうていなどによりかぎりなく物権ぶっけんちかづいており(賃借ちんしゃくけん物権ぶっけん[6]譲渡じょうとせいなどのてんのぞいて地上ちじょうけん土地とち賃貸借ちんたいしゃくとのちがいはおおきなものではなくなっている[3]。とはいえ現実げんじつもちいられているほとんどの土地とち利用りようけん地上ちじょうけんではなく土地とち賃借ちんしゃくけんである[6]地上ちじょうけん賃借ちんしゃくけん不明ふめい場合ばあい当事とうじしゃあいだ意思いし解釈かいしゃく地方ちほう慣習かんしゅう借地しゃくち目的もくてきなど一切いっさい事情じじょう考慮こうりょ判断はんだんすべきとされるが、今日きょう約定やくじょうによる地上ちじょうけん設定せってい例外れいがいてきであることから、原則げんそくとして賃借ちんしゃくけん推定すいていすべきとされる[7][8]

地上ちじょうけん目的もくてき

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地上ちじょうけん目的もくてき工作こうさくぶつたけ所有しょゆうである(だい265じょう)。「工作こうさくぶつ」とは、建物たてもの道路どうろ橋梁きょうりょう水路すいろいけ井戸いどトンネルテレビ塔てれびとうゴルフじょう鉄塔てっとう地下鉄ちかてつ地下街ちかがいなど一切いっさい地上ちじょうおよ地下ちか施設しせつをいう[9][10][11]。また、「たけ」とは植林しょくりん目的もくてきとする樹木じゅもく商品しょうひん)やたけるいをいうが、いねむぎくわちゃ果樹かじゅ野菜やさいなどの農業のうぎょう耕作こうさくのための栽植はえい小作こさくけん目的もくてきとなる[9][12][13]

ただ、あくまでも地上ちじょうけん土地とちそのものを目的もくてきとするものであり、使用しよう目的もくてき限定げんてい仕方しかた、あるいは工作こうさくぶつたけげん存在そんざいするかかは地上ちじょうけん存立そんりつ影響えいきょうしない[9][12][13]

地上ちじょうけん取得しゅとく

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法律ほうりつ行為こういによる取得しゅとく

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地上ちじょうけん設定せってい行為こうい

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通常つうじょう地上ちじょうけん地上ちじょうけん設定せってい行為こういにより取得しゅとくされる(設定せってい行為こういによる地上ちじょうけん約定やくじょう地上ちじょうけん[7])。地上ちじょうけん設定せってい行為こうい契約けいやくまたは遺言ゆいごんによる[10][5]。このうち地上ちじょうけん設定せってい契約けいやくだくなり要式ようしき物権ぶっけん契約けいやくである[7]

地上ちじょうけん譲渡じょうと契約けいやく

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地上ちじょうけん譲渡じょうと契約けいやくによっても取得しゅとくしうる。後述こうじゅつ地上ちじょうけんしゃ権利けんり地上ちじょうけん処分しょぶん)を参照さんしょう

その原因げんいんによる取得しゅとく

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法定ほうてい地上ちじょうけん

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法定ほうてい地上ちじょうけん同一どういつ所有しょゆうしゃぞくする土地とち建物たてものについて抵当ていとうけん実行じっこうまたは強制きょうせい競売きょうばいおこなわれた結果けっか土地とち建物たてもの所有しょゆうしゃことなることとなったとき、法律ほうりつ規定きていにより発生はっせいする地上ちじょうけんである(だい388じょう民事みんじ執行しっこうほうだい81じょう国税こくぜい徴収ちょうしゅうほうだい127じょう)。内容ないよう通常つうじょう地上ちじょうけんとほぼ同様どうようである[7]法定ほうてい地上ちじょうけんみとめられるときには、土地とち評価ひょうかの6~7わり部分ぶぶん法定ほうてい地上ちじょうけん部分ぶぶんとして土地とち所有しょゆうけん評価ひょうかから減額げんがくされ、建物たてもの評価ひょうか加算かさんされる。法定ほうてい地上ちじょうけんにおける地代じだい当事とうじしゃ請求せいきゅうにより裁判所さいばんしょさだめる(だい388じょう)。法定ほうてい地上ちじょうけん当事とうじしゃ特約とくやくによって排除はいじょすることができないとされる(通説つうせつ判例はんれい判例はんれいとしてだい判明はんめい41・5・11みんろく14輯677ぺーじ[14]

取得しゅとく時効じこう

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地上ちじょうけん取得しゅとく時効じこうにより取得しゅとくしうる(だい163じょうさいはんあきら45・11・26ばん596ごう41ぺーじさいはんあきら46・11・26ばん654ごう53ぺーじ[5]不動産ふどうさん賃借ちんしゃくけん時効じこう取得しゅとくしうることから、両者りょうしゃ区別くべつ問題もんだいとなる場合ばあいがありうるが、設定せってい行為こういによる場合ばあいとはことなり当事とうじしゃ意思いしによって取得しゅとくする場合ばあいではないことから原則げんそくとして地上ちじょうけん推定すいていすべきとされる[7]

相続そうぞく

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地上ちじょうけん相続そうぞくによっても取得しゅとくされる[15]

地上ちじょうけん対抗たいこう要件ようけん

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地上ちじょうけん対抗たいこう要件ようけん登記とうきである(不動産ふどうさん登記とうきほう78じょう借地しゃくち借家しゃくやほう10じょう罹災りさい都市とし借地しゃくち借家しゃくや臨時りんじ処理しょりほう10じょう[16]

地上ちじょうけん効力こうりょく

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地上ちじょうけんしゃ権利けんり

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  • 土地とち使用しようけん
    地上ちじょうけんしゃ目的もくてき範囲はんいない土地とち使用しようする権利けんりゆうする(だい265じょう)。地上ちじょうけんしゃあいだあるいは地上ちじょうけんしゃ土地とち所有しょゆうしゃとの関係かんけいについては原則げんそくとしてあいとなり関係かんけい規定きてい準用じゅんようされる(だい267じょう)。
  • 物権ぶっけんてき請求せいきゅうけん
    地上ちじょうけん物権ぶっけんほんけん)であるので物権ぶっけんてき請求せいきゅうけんみとめられる[17][18]
  • 地上ちじょうけん処分しょぶん
    • 土地とち賃借ちんしゃくけんとはことなり、地上ちじょうけんしゃ所有しょゆうけんしゃ承諾しょうだくなくして自由じゆう土地とち第三者だいさんしゃ譲渡じょうと賃貸ちんたいしうる(賃貸ちんたいにつきだい判明はんめい36・12・23みんろく9輯1472ぺーじ[19][20]。したがって借地しゃくちけん場合ばあい、その経済けいざい価値かちは、地上ちじょうけん賃借ちんしゃくけんかで影響えいきょうけることとなる(不動産ふどうさん鑑定かんてい評価ひょうか基準きじゅん各論かくろんだい1しょう)。譲渡じょうと賃貸ちんたい禁止きんしする特約とくやく可能かのうであるが、禁止きんし特約とくやくには登記とうき方法ほうほうがなく債権さいけんてき効力こうりょくのみであり第三者だいさんしゃ対抗たいこうすることができない(高松たかまつだかばんあきら32・5・10したみんしゅう8かん5ごう906ぺーじ[21][20][18]
    • 地上ちじょうけんへの抵当ていとうけん設定せってい可能かのうであり所有しょゆうけんしゃ承諾しょうだくようしない(だい369じょう2こう[18]
  • 土地とちじょう工作こうさくぶつたけ処分しょぶん場合ばあい
    伐採ばっさい目的もくてきでのたけ処分しょぶんなどをのぞき、土地とちじょう工作こうさくぶつたけ処分しょぶん原則げんそくとしてその存立そんりつ基盤きばんとなっている地上ちじょうけんともなう(だい判明はんめい33・3・9みんろく6かん3ごう48ぺーじだい判明はんめい37・12・13みんろく10輯1600ぺーじ大連たいれん判明はんめい39・2・6みんろく12輯174ぺーじ大判おおばんだい10・11・28みんろく27輯2070ぺーじ[21][22]第三者だいさんしゃ対抗たいこうするには登記とうきようする(177じょう[18]

地上ちじょうけんしゃ義務ぎむ

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  • 地代じだい支払しはらい義務ぎむ
    えい小作こさくけんにおける小作こさくりょうとはことなり、地上ちじょうけんにおける地代じだい地上ちじょうけん要素ようそではないので、地上ちじょうけんしゃ地代じだい支払しはらい義務ぎむしょうじるのは当事とうじしゃあいだ約定やくじょうのある場合ばあいかぎられる[21][23]判例はんれいには地代じだい支払しはらいについて契約けいやく締結ていけつされなかった場合ばあいにつき無償むしょう地上ちじょうけん設定せっていされたものと判断はんだんした事例じれいがある(大判おおばんだい6・9・16みんろく23輯23ごう1352ぺーじ[24]。ただ、実際じっさいには当事とうじしゃあいだ地代じだい支払しはらいが約定やくじょうされるのが通例つうれいである[24]。なお、法定ほうてい地上ちじょうけんにおける地代じだいについては388じょう後段こうだんさだめがある。
    地代じだい内容ないよう設定せってい行為こういによってさだまるが金銭きんせんかぎられない[24]地代じだい一時払いちじばらいか定期ていきばらいかをわない[21]地代じだい定期ていきばらいの場合ばあいにはだい270じょうからだい276じょうまでの規定きてい準用じゅんようされ、また、その性質せいしつはんしないかぎ賃貸借ちんたいしゃくかんする規定きてい準用じゅんようされる(だい266じょう)。判例はんれいは266じょう1こう任意にんい法規ほうきであるとするが(だい判明はんめい37・3・11みんろく10輯264ぺーじ)、学説がくせつ多数たすうせつ強行きょうこう法規ほうきかいすべきとする[25]
    地代じだい対抗たいこうりょくをもつには登記とうきようする(不動産ふどうさん登記とうきほう78じょう2ごう・3ごう罹災りさい都市とし借地しゃくち借家しゃくや臨時りんじ処理しょりほう17じょう)。地代じだい約定やくじょう地上ちじょうけん譲受人ゆずりうけにん対抗たいこうする場合ばあいについては登記とうき必要ひつようせつ多数たすうせつ)と登記とうき不要ふようせつがあり対立たいりつする[26]
  • 工作こうさくぶつとうおさむ義務ぎむだい269じょう

地上ちじょうけん存続そんぞく期間きかん

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民法みんぽう規定きてい

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  • 存続そんぞく期間きかんさだめのある場合ばあい
    地上ちじょうけん存続そんぞく期間きかんは、通常つうじょう設定せってい行為こういあるいは当事とうじしゃあいだ約定やくじょうによってさだめられる[27][28]地上ちじょうけん存続そんぞく期間きかんを「永久えいきゅう」とする永久えいきゅう地上ちじょうけん永代ながよ地上ちじょうけん)について、学説がくせつ永久えいきゅう所有しょゆうけん土地とち利用りようけんうばうことになるとしてこれを否定ひていする無効むこうせつと、借地しゃくちけん確立かくりつによる現代げんだい土地とち利用りようけん分解ぶんかい根拠こんきょにこれを肯定こうていする有効ゆうこうせつ対立たいりつするが、判例はんれい有効ゆうこうせつをとる(だい判明はんめい36・11・16みんろく9輯1244ぺーじ[29]。また、地上ちじょうけん存続そんぞく期間きかんを「期限きげん」とする地上ちじょうけんについて、反証はんしょうのないかぎり、期限きげんさだめのない地上ちじょうけんであるとした判例はんれいがある(大判おおばんあきら15・6・26みんしゅう19かん1033ぺーじ[17][28][29]
  • 存続そんぞく期間きかんさだめのない場合ばあい
    民法みんぽうじょう地上ちじょうけんしゃ設定せってい行為こうい地上ちじょうけん存続そんぞく期間きかんさだめられておらず別段べつだん慣習かんしゅうもないときには、いつでもその権利けんり放棄ほうきすることができる(だい268じょう1こう本文ほんぶん)。ただし、地代じだい支払しはらい義務ぎむがある場合ばあいには1ねんまえ予告よこくするか、または、期限きげん到来とうらいしていない1ねんぶん地代じだい支払しはらわなければならない(だい268じょう1こう但書ただしがき)。地上ちじょうけんしゃが268じょう1こう規定きていによりその権利けんり放棄ほうきしないときは、裁判所さいばんしょは、当事とうじしゃ請求せいきゅうにより20ねん以上いじょう50ねん以下いか期間きかん工作こうさくぶつたけ種類しゅるいおよ状況じょうきょうその地上ちじょうけん設定せってい当時とうじ事情じじょう考慮こうりょしてその存続そんぞく期間きかんさだめる(だい268じょう2こう)。

民法みんぽう施行しこうほうじょうとくそく

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民法みんぽう施行しこうほう44じょうとくそくがある。

借地しゃくち借家しゃくやほうじょうとくそく

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借地しゃくちけん該当がいとうする地上ちじょうけん場合ばあい借地しゃくち借家しゃくやほうによる(借地しゃくち借家しゃくやほう3じょう・5じょう・6じょう・7じょう)。

地上ちじょうけん消滅しょうめつ

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地上ちじょうけん消滅しょうめつ原因げんいん

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  • 地上ちじょうけん放棄ほうき
    地代じだいともなわない場合ばあいには地上ちじょうけんしゃ期間きかんさだめの有無うむにかかわらず一方いっぽうてき意思いし表示ひょうじにより自由じゆう放棄ほうきしうる[30][31]地代じだいともな場合ばあいには268じょう1こうおよび266じょう制限せいげんける。地上ちじょうけん放棄ほうき第三者だいさんしゃ権利けんりがいする場合ばあいには消滅しょうめつ第三者だいさんしゃ対抗たいこうすることができない[32]
  • 約定やくじょう消滅しょうめつ事由じゆう発生はっせい
    消滅しょうめつ事由じゆうあらかじ約定やくじょうすることができるが276じょう規定きていより不利ふり約定やくじょうむすぶことはできない(通説つうせつ[32]。また、借地しゃくち借家しゃくやほう10じょうによる制限せいげんがある。
  • その消滅しょうめつ原因げんいん
    土地とち滅失めっしつ存続そんぞく期間きかん満了まんりょう混同こんどう消滅しょうめつ時効じこうにより地上ちじょうけん消滅しょうめつする[30]。なお、地上ちじょうけん設定せってい契約けいやくについて地主じぬしがわ解除かいじょけんはないが、当事とうじしゃあいだ合意ごうい解除かいじょがなされたときには地上ちじょうけん消滅しょうめつする[33]

地上ちじょうけん消滅しょうめつ効果こうか

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  • おさむけん買取かいとりけん
    地上ちじょうけんしゃ地上ちじょうけん消滅しょうめつとき土地とち原状げんじょう回復かいふくして土地とちじょう工作こうさくぶつおよたけおさむすることができる(だい269じょう1こう本文ほんぶん)。ただし、土地とち所有しょゆうしゃ時価じか相当そうとうがく提供ていきょうして土地とちじょう工作こうさくぶつたけむね通知つうちしたときには、地上ちじょうけんしゃ正当せいとう理由りゆうがなければこれをこばむことができない(だい269じょう1こう但書ただしがき)。この場合ばあいに269じょう1こう規定きていことなる慣習かんしゅうがあるときには慣習かんしゅうによる(だい269じょう2こう)。借地しゃくち借家しゃくやほう13じょうは269じょうとくそくとして借地しゃくちじんがわから地主じぬしへの買取かいとり請求せいきゅうけんみとめている[20]
  • 有益ゆうえき償還しょうかん
    地上ちじょうけんにおける必要ひつよう有益ゆうえき償還しょうかんについて民法みんぽう規定きていいていない[34][20]必要ひつようについては償還しょうかん請求せいきゅうできないとされる[30]

区分くぶん地上ちじょうけん

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区分くぶん地上ちじょうけん意義いぎ

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地下ちか土地とちじょう空間くうかん一定いってい範囲はんい目的もくてきとして設定せっていされる地上ちじょうけん区分くぶん地上ちじょうけんという(だい269じょうの2)。部分ぶぶん地上ちじょうけんともいう[35]地下ちか駐車ちゅうしゃじょう地下鉄ちかてつなど地下ちか設定せっていされる地下ちかけん地下ちか地上ちじょうけん)とモノレール橋梁きょうりょうなど空間くうかん設定せっていされる空中くうちゅうけん空間くうかん地上ちじょうけん)がある[36][32][37]。なお、「空中くうちゅうけん」には、さい開発かいはつにおける容積ようせきりつ移転いてん取引とりひきかんする意味いみがある[ちゅう 1]

区分くぶん地上ちじょうけん建築けんちく技術ぎじゅつ進歩しんぽ生活せいかつ環境かんきょう複雑ふくざつ背景はいけいに、土地とち立体りったいてき利用りよう規律きりつすることを目的もくてきとして昭和しょうわ41ねん民法みんぽう269じょうの2として新設しんせつされたもので、今日きょうでは地上ちじょうけんなかでももっと多用たようされ、今後こんご広範こうはん利用りよう見込みこまれている[35][38][37][39]

区分くぶん地上ちじょうけん設定せってい

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区分くぶん地上ちじょうけんについては設定せってい行為こうい地上ちじょうけん行使こうしのためにその土地とち使用しよう制限せいげんくわえることができる(269じょうの2だい1こう)。第三者だいさんしゃがその土地とち使用しようまた収益しゅうえきをする権利けんりゆうしている場合ばあいにも、その権利けんりまたはこれを目的もくてきとする権利けんりゆうするすべてのもの承諾しょうだくがあることを条件じょうけん設定せってい可能かのうである(だい269じょうの2だい2こう)。

なお、対抗たいこう要件ようけんとして通常つうじょう地上ちじょうけん同様どうよう登記とうきようする(177じょう不動産ふどうさん登記とうきほう78じょう2ごう・5ごう)。また、借地しゃくち借家しゃくやほう適用てきようもある[18]

区分くぶん地上ちじょうけん価格かかく

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土地とち経済けいざい価値かちは、地表ちひょうからの上下じょうげ空間くうかんにおける立体りったいてき土地とち利用りようによる効用こうよう集積しゅうせきかんがえられるものである。また、当該とうがい部分ぶぶん効用こうよう区分くぶん地上ちじょうけん設定せってい全体ぜんたい効用こうようとも関係かんけいする。これらのことから、不動産ふどうさん鑑定かんてい評価ひょうか基準きじゅんは、区分くぶん地上ちじょうけん価格かかくを「区分くぶん地上ちじょうけん設定せってい全体ぜんたい経済けいざい価値かちのうち、平面へいめんてき立体りったいてき空間くうかん分割ぶんかつによる当該とうがい権利けんり設定せってい部分ぶぶん経済けいざい価値かちおよ設定せってい部分ぶぶん効用こうよう保持ほじするため空間くうかん部分ぶぶん利用りよう制限せいげんすることに相応そうおうする経済けいざい価値かち」の貨幣かへいがく表示ひょうじ位置いちづけている。したがって、区分くぶん地上ちじょうけんあらたに設定せっていする場合ばあい価格かかくは、設定せっていしゃからると経済けいざいてき合理ごうりせいはんする不動産ふどうさん分割ぶんかつで、区分くぶん地上ちじょうけんしゃにとっては補完ほかん不動産ふどうさんとの併合へいごう[ちゅう 2]による経済けいざい価値かち発生はっせいがあるため、原則げんそくとして限定げんてい価格かかくとなる[40]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 日本にっぽんでも、さい開発かいはつ促進そくしんはかるために容積ようせきりつ規定きてい柔軟じゅうなんとなり、容積ようせきりつ移転いてんする取引とりひきが「空中くうちゅうけん取引とりひき」とばれて定着ていちゃくし、「空中くうちゅうけん」という言葉ことば意味いみもこちらの意味いみもちいられることがおおられる(池田いけだまこと空中くうちゅうけんめぐ税務ぜいむじょう取扱とりあつか』pdf2ページ)。
  2. ^ れいとして、設定せってい部分ぶぶんがトンネルの場合ばあい出入口でいりぐち部分ぶぶん土地とちなどがある。

出典しゅってん

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  6. ^ a b 近江おうみ幸治こうじちょ 『民法みんぽう講義こうぎ物権ぶっけんほう だい3はん』 成文せいぶんどう、2006ねん5がつ、265ぺーじ
  7. ^ a b c d e 近江おうみ幸治こうじちょ 『民法みんぽう講義こうぎ物権ぶっけんほう だい3はん』 成文せいぶんどう、2006ねん5がつ、268ぺーじ
  8. ^ 遠藤えんどうひろし原島はらしま重義しげよし水本みずもとひろし川井かわいけん広中ひろなか俊雄としお山本やまもと進一しんいちちょ 『民法みんぽう2 物権ぶっけん だい4はん』 有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1996ねん12月、228ぺーじ
  9. ^ a b c 近江おうみ幸治こうじちょ 『民法みんぽう講義こうぎ物権ぶっけんほう だい3はん』 成文せいぶんどう、2006ねん5がつ、267ぺーじ
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  15. ^ 遠藤えんどうひろし原島はらしま重義しげよし水本みずもとひろし川井かわいけん広中ひろなか俊雄としお山本やまもと進一しんいちちょ 『民法みんぽう2 物権ぶっけん だい4はん』 有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1996ねん12月、227・234ぺーじ
  16. ^ 川井かわいけんちょ 『民法みんぽう概論がいろん2 物権ぶっけん だい2はん』 有斐閣ゆうひかく、2005ねん10がつ、196ぺーじ
  17. ^ a b 近江おうみ幸治こうじちょ 『民法みんぽう講義こうぎ物権ぶっけんほう だい3はん』 成文せいぶんどう、2006ねん5がつ、269ぺーじ
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  19. ^ 近江おうみ幸治こうじちょ 『民法みんぽう講義こうぎ物権ぶっけんほう だい3はん』 成文せいぶんどう、2006ねん5がつ、269・271ぺーじ
  20. ^ a b c d 川井かわいけんちょ 『民法みんぽう概論がいろん2 物権ぶっけん だい2はん』 有斐閣ゆうひかく、2005ねん10がつ、201ぺーじ
  21. ^ a b c d 近江おうみ幸治こうじちょ 『民法みんぽう講義こうぎ物権ぶっけんほう だい3はん』 成文せいぶんどう、2006ねん5がつ、271ぺーじ
  22. ^ 遠藤えんどうひろし原島はらしま重義しげよし水本みずもとひろし川井かわいけん広中ひろなか俊雄としお山本やまもと進一しんいちちょ 『民法みんぽう2 物権ぶっけん だい4はん』 有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1996ねん12月、226・242ぺーじ
  23. ^ 遠藤えんどうひろし原島はらしま重義しげよし水本みずもとひろし川井かわいけん広中ひろなか俊雄としお山本やまもと進一しんいちちょ 『民法みんぽう2 物権ぶっけん だい4はん』 有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1996ねん12月、227・241ぺーじ
  24. ^ a b c 遠藤えんどうひろし原島はらしま重義しげよし水本みずもとひろし川井かわいけん広中ひろなか俊雄としお山本やまもと進一しんいちちょ 『民法みんぽう2 物権ぶっけん だい4はん』 有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1996ねん12月、241ぺーじ
  25. ^ 川井かわいけんちょ 『民法みんぽう概論がいろん2 物権ぶっけん だい2はん』 有斐閣ゆうひかく、2005ねん10がつ、198-199ぺーじ
  26. ^ 川井かわいけんちょ 『民法みんぽう概論がいろん2 物権ぶっけん だい2はん』 有斐閣ゆうひかく、2005ねん10がつ、199ぺーじ
  27. ^ 近江おうみ幸治こうじちょ 『民法みんぽう講義こうぎ物権ぶっけんほう だい3はん』 成文せいぶんどう、2006ねん5がつ、269ぺーじ
  28. ^ a b 川井かわいけんちょ 『民法みんぽう概論がいろん2 物権ぶっけん だい2はん』 有斐閣ゆうひかく、2005ねん10がつ、197ぺーじ
  29. ^ a b 遠藤えんどうひろし原島はらしま重義しげよし水本みずもとひろし川井かわいけん広中ひろなか俊雄としお山本やまもと進一しんいちちょ 『民法みんぽう2 物権ぶっけん だい4はん』 有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1996ねん12月、238ぺーじ
  30. ^ a b c 近江おうみ幸治こうじちょ 『民法みんぽう講義こうぎ物権ぶっけんほう だい3はん』 成文せいぶんどう、2006ねん5がつ、273ぺーじ
  31. ^ 遠藤えんどうひろし原島はらしま重義しげよし水本みずもとひろし川井かわいけん広中ひろなか俊雄としお山本やまもと進一しんいちちょ 『民法みんぽう2 物権ぶっけん だい4はん』 有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1996ねん12月、235ぺーじ
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  33. ^ 遠藤えんどうひろし原島はらしま重義しげよし水本みずもとひろし川井かわいけん広中ひろなか俊雄としお山本やまもと進一しんいちちょ 『民法みんぽう2 物権ぶっけん だい4はん』 有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1996ねん12月、235・240ぺーじ
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  35. ^ a b 内田うちだたかちょ 『民法みんぽうだい3はん 債権さいけん各論かくろん』 東京とうきょう大学だいがく出版しゅっぱんかい、2011ねん2がつ、176ぺーじ
  36. ^ 内田うちだたかちょ 『民法みんぽうだい3はん 債権さいけん各論かくろん』 東京とうきょう大学だいがく出版しゅっぱんかい、2011ねん2がつ、175-176ぺーじ
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  40. ^ しん不動産ふどうさん鑑定かんてい評価ひょうか基準きじゅん』271 - 272ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
  • 監修かんしゅう日本にっぽん不動産ふどうさん鑑定かんてい協会きょうかい 編著へんちょ 調査ちょうさ研究けんきゅう委員いいんかい鑑定かんてい評価ひょうか理論りろん研究けんきゅうかいしんようせつ不動産ふどうさん鑑定かんてい評価ひょうか基準きじゅん住宅じゅうたく新報しんぽうしゃ 2010ねん ISBN 9784789232296 270 - 278ぺーじ区分くぶん地上ちじょうけん

関連かんれん項目こうもく

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