地上ちじょう権けん設定せってい登記とうき

地上ちじょう権けん設定せってい登記とうき（ちじょうけんせっていとうき）は、日本にっぽんにおける不動産ふどうさん登記とうきの態様たいようの1つで、当事とうじ者しゃの設定せってい行為こういにより地上ちじょう権けんが発生はっせいしたことについての登記とうきをいう（不動産ふどうさん登記とうき法ほう 3条じょう参照さんしょう）。不動産ふどうさん登記とうきにおいては一部いちぶの例外れいがいを除のぞき、法定ほうてい地上ちじょう権けんと通常つうじょうの地上ちじょう権けんは特とくに区別くべつされていない。民法みんぽう 388条じょうの条文じょうぶんが設定せっていされたものとみなすとなっているからである。

地上ちじょう権けんは不動産ふどうさんに関かんする物権ぶっけんであるから、その発生はっせいを第三者だいさんしゃに対抗たいこうするためには原則げんそくとして登記とうきをしなければならない（民法みんぽう177条じょう）。ただし、借地しゃくち借家しゃくや法ほうや罹災りさい都市とし借地しゃくち借家しゃくや臨時りんじ処理しょり法ほう（廃止はいし）の例外れいがいがある。

略語りゃくごなどについて

説明せつめいの便宜上べんぎじょう、次つぎのとおり略語りゃくごなどを用もちいる。

法ほう: 不動産ふどうさん登記とうき法ほう（平成へいせい16年ねん6月がつ18日にち法律ほうりつ第だい123号ごう）
令れい: 不動産ふどうさん登記とうき令れい（平成へいせい16年ねん12月1日にち政令せいれい第だい379号ごう）
規則きそく: 不動産ふどうさん登記とうき規則きそく（平成へいせい17年ねん2月がつ18日にち法務省ほうむしょう令れい第だい18号ごう）
記録きろく例れい: 不動産ふどうさん登記とうき記録きろく例れい（2009年ねん（平成へいせい21年ねん）2月がつ20日にち民みん二に500号ごう通達つうたつ）
旧きゅう記載きさい例れい: 不動産ふどうさん登記とうき記載きさい例れい（1979年ねん（昭和しょうわ54年ねん）3月がつ31日にち民みん三さん2112号ごう通達つうたつ）
区分くぶん地上ちじょう権けん: 民法みんぽう269条じょうの2に規定きていされる地下ちか又または空間くうかんを目的もくてきとする地上ちじょう権けん

目的もくてき物ぶつ

一筆いっぴつの土地とちの一部いちぶを目的もくてきとする地上ちじょう権けん設定せってい契約けいやくをすることはできるが、分筆ぶんぴつの登記とうきをしなければ地上ちじょう権けん設定せってい登記とうきはできない（令れい20条じょう4号ごう、1960年ねん（昭和しょうわ35年ねん）3月がつ31日にち民みん甲かぶと712号ごう通達つうたつ第だい14-1参照さんしょう）。

また、所有しょゆう権けんの一部いちぶや共有きょうゆう持分もちぶんの全部ぜんぶ又または一部いちぶを目的もくてきとする地上ちじょう権けん設定せってい契約けいやくは無効むこうであるから、地上ちじょう権けん設定せってい登記とうきもできない（1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）3月がつ26日にち民みん甲かぶと844号ごう通達つうたつ・登記とうき研究けんきゅう320-63頁ぺーじ参照さんしょう）。

既すでに地上ちじょう権けん設定せってい登記とうきがされている土地とちにつき、重かさねて地上ちじょう権けん設定せってい登記とうきをすることはできない（令れい20条じょう7号ごう）。登記とうきされた地上ちじょう権けんの存続そんぞく期間きかんが満了まんりょうしていることが登記とうき記録きろく上じょう明あきらかな場合ばあいでも、同様どうようである（1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）5月がつ4日にち民みん甲かぶと1262号ごう回答かいとう）。一方いっぽう、既すでに地上ちじょう権けん設定せってい登記とうきがされている土地とちにつき、地上ちじょう権けん設定せってい仮かり登記とうきをすることはできる（登記とうき研究けんきゅう211-54頁ぺーじ）。

また、既すでに区分くぶん地上ちじょう権けん設定せってい登記とうきがされている土地とちにつき、地上ちじょう権けん設定せってい登記とうきをすることはできないが、既すでに地上ちじょう権けん設定せってい登記とうきがされている土地とちにつき、区分くぶん地上ちじょう権けん設定せってい登記とうきはすることができる（民法みんぽう269条じょうの2第だい2項こう参照さんしょう）。

登記とうき事項じこう

絶対ぜったい的てき登記とうき事項じこうとして以下いかのものがある。

登記とうきの目的もくてき
申請しんせいの受付うけつけの年月日ねんがっぴ及および受付うけつけ番号ばんごう
登記とうき原因げんいん及およびその日付ひづけ
登記とうき権利けんり者しゃの氏名しめい又または名称めいしょう及および住所じゅうしょ並ならびに登記とうき名義めいぎ人じんが複数ふくすうであるときはそれぞれの持分もちぶん（以上いじょう法ほう59条じょう1号ごうないし4号ごう）
順位じゅんい番号ばんごう（法ほう59条じょう8号ごう、令れい2条じょう8号ごう、規則きそく1条じょう1号ごう・規則きそく147条じょう1項こう及および3項こう）
設定せっていの目的もくてき（法ほう78条じょう1号ごう）
区分くぶん地上ちじょう権けん設定せっていの場合ばあいにおける、目的もくてきたる権利けんりの範囲はんい（法ほう78条じょう5号ごう）

また、相対そうたい的てき登記とうき事項じこうとして以下いかのものがある。

権利けんり消滅しょうめつの定さだめ
共有きょうゆう物ぶつ分割ぶんかつ禁止きんしの定さだめ（争あらそいあり）
代位だいい申請しんせいによって登記とうきした場合ばあいにおける、代位だいい者しゃの氏名しめい又または名称めいしょう及および住所じゅうしょ並ならびに代位だいい原因げんいん（以上いじょう法ほう59条じょう5号ごうないし7号ごう）
地代じだい又またはその支払しはらい時期じきの定さだめ
存続そんぞく期間きかん又または借地しゃくち借家しゃくや法ほう22条じょう前段ぜんだんもしくは23条じょう1項こうの定さだめ
地上ちじょう権けん設定せっていの目的もくてきが借地しゃくち借家しゃくや法ほう23条じょう1項こう又または2項こうに規定きていする建物たてものの所有しょゆうである旨むね
区分くぶん地上ちじょう権けん設定せっていの場合ばあいにおける、民法みんぽう269条じょうの2第だい1項こう後段こうだんの定さだめ（以上いじょう法ほう78条じょう2号ごうないし5号ごう）。
借地しゃくち借家しゃくや法ほう24条じょう1項こうの特約とくやく（争あらそいあり）

ただし、借地しゃくち借家しゃくや法ほう22条じょうの定期ていき借地しゃくち権けん又または同どう法ほう23条じょうの事業じぎょう用よう定期ていき借地しゃくち権けんを設定せっていする場合ばあいは存続そんぞく期間きかんの定さだめは絶対ぜったい的てき登記とうき事項じこうである。

本稿ほんこうでは、上記じょうきの登記とうき事項じこうのうち代位だいい申請しんせいに関かんする事項じこう以外いがいの事項じこうについて、登記とうき申請しんせい情報じょうほうの記載きさい方法ほうほうを説明せつめいする。申請しんせいの受付うけつけの年月日ねんがっぴ及および受付うけつけ番号ばんごうについては不動産ふどうさん登記とうき#受付うけつけ・調査ちょうさを参照さんしょう。

登記とうき申請しんせい情報じょうほう（一部いちぶ）

登記とうきの目的もくてき

登記とうきの目的もくてき（令れい3条じょう5号ごう）は、「登記とうきの目的もくてき　地上ちじょう権けん設定せってい」のように記載きさいする（記録きろく例れい250）。区分くぶん地上ちじょう権けんの場合ばあい（記録きろく例れい251）や法定ほうてい地上ちじょう権けんの場合ばあい（b:民事みんじ執行しっこう法ほう第だい81条じょう参照さんしょう）でも同様どうようである。

登記とうき原因げんいん及およびその日付ひづけ

登記とうき原因げんいん及およびその日付ひづけ（令れい3条じょう6号ごう）は、設定せってい契約けいやくの成立せいりつ日びを日付ひづけとして「原因げんいん　平成へいせい何なん年ねん何月なんがつ何なん日にち設定せってい」のように記載きさいする（記録きろく例れい250）。ただし、地上ちじょう権けんの目的もくてきたる土地とちが農地のうち又または採草さいそう放牧ほうぼく地ち（b:農地のうち法ほう第だい2条じょう1項こう）である場合ばあい、設定せってい契約けいやく成立せいりつ日びとb:農地のうち法ほう第だい3条じょうの許可きょか書しょの到達とうたつ日びのうち遅おそい日ひを原因げんいんの日付ひづけとする。

法定ほうてい地上ちじょう権けんの場合ばあい、原則げんそくとして買受かいうけ人じんが代金だいきんを納付のうふした日ひを日付ひづけとして（b:民事みんじ執行しっこう法ほう第だい79条じょう参照さんしょう）、「原因げんいん　平成へいせい何なん年ねん何月なんがつ何なん日にち法定ほうてい地上ちじょう権けん設定せってい」と記載きさいする（1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）8月がつ28日にち民みん三さん5267号ごう通達つうたつ第だい3-1-5）。

地上ちじょう権けん設定せっていの目的もくてき

地上ちじょう権けん設定せっていの目的もくてき（令れい別表べっぴょう33項こう申請しんせい情報じょうほう、法ほう78条じょう1号ごう・4号ごう）の記載きさいの例れいは以下いかのとおりである。

建物たてもの所有しょゆうを目的もくてきとする場合ばあい、1991年ねんの借地しゃくち借家しゃくや法ほうの施行しこうにより「目的もくてき　建物たてもの所有しょゆう」と記載きさいするとされた（1992年ねん（平成へいせい4年ねん）7月がつ7日にち民みん三さん3930号ごう通達つうたつ第だい1-1(2)、記録きろく例れい253参照さんしょう）。ただし、「目的もくてき　鉄筋てっきんコンクリート造づくり建物たてもの所有しょゆう」（記録きろく例れい250・旧きゅう記載きさい例れい182）のような従前じゅうぜんの記載きさいも可能かのうであるとしている（同どう先例せんれい）。
竹たけ木き所有しょゆうを目的もくてきとする場合ばあい、記録きろく例れい252・旧きゅう記載きさい例れい184は「目的もくてき　竹たけ木き所有しょゆう」としているが、「目的もくてき　杉すぎ所有しょゆう」のように具体ぐたい的てきに記載きさいするべきであるとする説せつ（注解ちゅうかい不動産ふどうさん法ほう6-742頁ぺーじ）がある。建物たてもの以外いがいの工作こうさく物ぶつについても同様どうように「目的もくてき　電柱でんちゅう所有しょゆう」や「目的もくてき　記念きねん碑ひ所有しょゆう」のように具体ぐたい的てきに記載きさいするべきであるとする説せつがある。建物たてもの以外いがいの工作こうさく物ぶつについては、「目的もくてき　ゴルフ場じょう所有しょゆう」（1972年ねん（昭和しょうわ47年ねん）9月がつ19日にち民みん三さん447号ごう回答かいとう）や「目的もくてき　スキー場じょう所有しょゆう」（1983年ねん（昭和しょうわ58年ねん）8月がつ17日にち民みん三さん4814号ごう依命いめい回答かいとう）が先例せんれいで認みとめられている。
b:借地しゃくち借家しゃくや法ほう第だい23条じょう1項こう又または2項こうの事業じぎょう用よう定期ていき借地しゃくち権けんの場合ばあい、「目的もくてき　借地しゃくち借家しゃくや法ほう第だい23条じょう第だい1項こう（又または第だい2項こう）の建物たてもの所有しょゆう」のようにし（2007年ねん（平成へいせい19年ねん）12月28日にち民みん二に2828号ごう通達つうたつ1(1)後段こうだん・同どう通達つうたつ2なお書しょ、記録きろく例れい254・255）、b:借地しゃくち借家しゃくや法ほう第だい25条じょうの一時いちじ使用しよう目的もくてきの借地しゃくち権けんの場合ばあい、「目的もくてき　臨時りんじ建物たてもの所有しょゆう」と記載きさいする（1992年ねん（平成へいせい4年ねん）7月がつ7日にち民みん三さん3930号ごう通達つうたつ第だい3-3）。
区分くぶん地上ちじょう権けんの場合ばあい、「目的もくてき　高架こうか鉄道てつどう敷設ふせつ」（記録きろく例れい251）や「目的もくてき　地下鉄ちかてつ道どう敷設ふせつ」のように記載きさいする。竹たけ木きの所有しょゆうを目的もくてきとすることはできない（b:民法みんぽう第だい269条じょうの21項こう）。

区分くぶん地上ちじょう権けんの範囲はんい

区分くぶん地上ちじょう権けんの範囲はんい（令れい別表べっぴょう33項こう申請しんせい情報じょうほう、法ほう78条じょう5号ごう）は、「範囲はんい　東京とうきょう湾わん平均へいきん海面かいめんの上うえ何なんメートルから上うえ何なんメートルの間あいだ」（記録きろく例れい251）や「範囲はんい　土地とちの東南とうなん隅すみの地点ちてんを含ふくむ水平面すいへいめんを基準きじゅんとして下した何なんメートルから下した何なんメートルの間あいだ」（1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）11月14日にち民みん甲かぶと1907号ごう通達つうたつ1）のように記載きさいする。

地代じだい

地代じだい（令れい別表べっぴょう33項こう申請しんせい情報じょうほう、法ほう78条じょう2号ごう）は、「地代じだい　1平方へいほうメートル1年ねん何なん円えん」のように記載きさいする（記録きろく例れい250）。なお、地代じだいの定さだめには地代じだいに関かんする特約とくやくも含ふくまれ、当該とうがい特約とくやくを登記とうきできるとする説せつ（注解ちゅうかい不動産ふどうさん法ほう6-744頁ぺーじ）がある。

地代じだいの支払しはらい時期じき（令れい別表べっぴょう33項こう申請しんせい情報じょうほう、法ほう78条じょう2号ごう）は、「支払しはらい時期じき　毎年まいとし何月なんがつ何なん日にち」のように記載きさいする（記録きろく例れい250）。

存続そんぞく期間きかん（令れい別表べっぴょう33項こう申請しんせい情報じょうほう、法ほう78条じょう3号ごう）は、「存続そんぞく期間きかん　何なん年ねん」のように記載きさいする（記録きろく例れい250）。「存続そんぞく期間きかん　永久えいきゅう」と記載きさいすることも可能かのうであるとされている（大判おおばん1903年ねん（明治めいじ36年ねん）11月16日にち民みん録ろく9輯1244頁ぺーじ、注解ちゅうかい不動産ふどうさん法ほう6-743頁ぺーじ）。

借地しゃくち借家しゃくや法ほうに基もとづく借地しゃくち権けんの場合ばあい、期間きかんに制限せいげんがある。b:借地しゃくち借家しゃくや法ほう第だい3条じょう・23条じょう・25条じょうを参照さんしょう。

b:借地しゃくち借家しゃくや法ほう第だい22条じょう前段ぜんだんの定さだめ（令れい別表べっぴょう33項こう申請しんせい情報じょうほう、法ほう78条じょう3号ごう）は、「特約とくやく　借地しゃくち借家しゃくや法ほう第だい22条じょうの特約とくやく」と記載きさいする（1992年ねん（平成へいせい4年ねん）7月がつ7日にち民みん三さん3930号ごう通達つうたつ第だい3-1(1)、記録きろく例れい253）。

b:借地しゃくち借家しゃくや法ほう第だい23条じょう1項こうの定さだめ（令れい別表べっぴょう33項こう申請しんせい情報じょうほう、法ほう78条じょう3号ごう）は、「特約とくやく　借地しゃくち借家しゃくや法ほう第だい23条じょう第だい1項こうの特約とくやく」と記載きさいする（2007年ねん（平成へいせい19年ねん）12月28日にち民みん二に2828号ごう通達つうたつ1(1)後段こうだん、記録きろく例れい254）。

b:民法みんぽう第だい269条じょうの21項こう後段こうだんの定さだめ（令れい別表べっぴょう33項こう申請しんせい情報じょうほう、法ほう78条じょう5号ごう）は、「特約とくやく　土地とちの所有しょゆう者しゃは高架こうか鉄道てつどうの運行うんこうの障害しょうがいとなる工作こうさく物ぶつを設置せっちしない」（記録きろく例れい251）や「特約とくやく　土地とちの所有しょゆう者しゃは重おもさ10トン以上いじょうの建物たてものを建たててはいけない」のように記載きさいする。この特約とくやくは土地とちの使用しようの制限せいげんであって、全面ぜんめん禁止きんしを定さだめることはできない（民法みんぽう269条じょうの2第だい1項こう後段こうだん、1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）11月14日にち民みん甲かぶと1907号ごう通達つうたつ3）。

権利けんり消滅しょうめつの定さだめ（令れい3条じょう11号ごうニ）は、「特約とくやく　地上ちじょう権けん者しゃが死亡しぼうした時ときは地上ちじょう権けんが消滅しょうめつする」のように記載きさいする（記録きろく例れい252）。なお、b:借地しゃくち借家しゃくや法ほう第だい24条じょう1項こうの特約とくやくを権利けんり消滅しょうめつの定さだめとして登記とうきできるかどうかは争あらそいがある（登記とうきインターネット51-158頁ぺーじ参照さんしょう）。

共有きょうゆう物ぶつ分割ぶんかつ禁止きんしの定さだめ（令れい3条じょう11号ごうニ）を地上ちじょう権けん設定せってい登記とうきにおいて登記とうきできるかどうかは争あらそいがある（登記とうきインターネット66-148頁ぺーじ参照さんしょう）。

登記とうき申請しんせい人じん（令れい3条じょう1号ごう）は、地上ちじょう権けん者しゃを登記とうき権利けんり者しゃ、地上ちじょう権けん設定せってい者しゃ（土地とちの所有しょゆう権けん登記とうき名義めいぎ人じん）を登記とうき義務ぎむ者しゃとして記載きさいする。法定ほうてい地上ちじょう権けんの場合ばあいでも、裁判所さいばんしょの嘱託しょくたくにより登記とうきできる規定きていが存在そんざいしないので、登記とうきは原則げんそくどおり当事とうじ者しゃの申請しんせいによりされる（1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）8月がつ28日にち民みん三さん5267号ごう通達つうたつ第だい3-1-5）。なお、法人ほうじんが申請しんせい人じんとなる場合ばあい、以下いかの事項じこうも記載きさいしなければならない。

原則げんそくとして申請しんせい人じんたる法人ほうじんの代表だいひょう者しゃの氏名しめい（令れい3条じょう2号ごう）
支配人しはいにんが申請しんせいをするときは支配人しはいにんの氏名しめい（一発いっぱつ即答そくとう14頁ぺーじ）
持分もちぶん会社かいしゃが申請しんせい人じんとなる場合ばあいで当該とうがい会社かいしゃの代表だいひょう者しゃが法人ほうじんであるときは、当該とうがい法人ほうじんの商号しょうごう又または名称めいしょう及およびその職務しょくむを行おこなうべき者ものの氏名しめい（2006年ねん（平成へいせい18年ねん）3月がつ29日にち民みん二に755号ごう通達つうたつ4）。

添付てんぷ情報じょうほう（規則きそく34条じょう1項こう6号ごう、一部いちぶ）は、共同きょうどう申請しんせいによる場合ばあい、登記とうき原因げんいん証明しょうめい情報じょうほう（法ほう61条じょう・令れい7条じょう1項こう5号ごうロ）、登記とうき義務ぎむ者しゃの登記とうき識別しきべつ情報じょうほう（法ほう22条じょう本文ほんぶん）又または登記とうき済ずみ証しょう及および書面しょめん申請しんせいの場合ばあいには印鑑いんかん証明しょうめい書しょ（令れい16条じょう2項こう・規則きそく48条じょう1項こう5号ごう及および47条じょう3号ごうイ(1)、令れい18条じょう2項こう・規則きそく49条じょう2項こう4号ごう及および48条じょう1項こう5号ごう並ならびに47条じょう3号ごうイ(1)）である。法人ほうじんが申請しんせい人じんとなる場合ばあいは更さらに代表だいひょう者しゃ資格しかく証明しょうめい情報じょうほう（不動産ふどうさん登記とうき令れい7条じょう1項こう1号ごう）も原則げんそくとして添付てんぷしなければならない。

また、地上ちじょう権けんの目的もくてきたる土地とちが農地のうち又または採草さいそう放牧ほうぼく地ち（b:農地のうち法ほう第だい2条じょう1項こう）である場合ばあい、b:農地のうち法ほう第だい3条じょうの許可きょか書しょ（令れい7条じょう1項こう5号ごうハ）を添付てんぷしなければならない。

区分くぶん地上ちじょう権けんの設定せってい登記とうきの場合ばあい、目的もくてきたる土地とちに使用しよう又または収益しゅうえきをする権利けんり及およびこれらの権利けんりを目的もくてきとする権利けんりが設定せっていされている場合ばあい、当該とうがい権利けんりを有ゆうする者もの全員ぜんいんの承諾しょうだくが必要ひつようであり（b:民法みんぽう第だい269条じょうの2第だい2項こう前段ぜんだん）、承諾しょうだく証明しょうめい情報じょうほうが添付てんぷ情報じょうほうとなる（不動産ふどうさん登記とうき令れい7条じょう1項こう5号ごうハ、1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）11月14日にち民みん甲かぶと1907号ごう通達つうたつ4）。この承諾しょうだく証明しょうめい情報じょうほうが書面しょめん（承諾しょうだく書しょ）である場合ばあいには、原則げんそくとして作成さくせい者しゃが記名きめい押印おういんし、当該とうがい押印おういんに係かかる印鑑いんかん証明しょうめい書しょを承諾しょうだく書しょの一部いちぶとして添付てんぷしなければならない（令れい19条じょう）。この印鑑いんかん証明しょうめい書しょは当該とうがい承諾しょうだく書しょの一部いちぶであるので、添付てんぷ情報じょうほう欄らんに「印鑑いんかん証明しょうめい書しょ」と格別かくべつに記載きさいする必要ひつようはなく、作成さくせい後ご3か月げつ以内いないのものでなければならないという制限せいげんはない。

借地しゃくち借家しゃくや法ほうに基もとづく借地しゃくち権けんの登記とうきの場合ばあい、登記とうき原因げんいん証明しょうめい情報じょうほうには制限せいげんが加くわえられている場合ばあいがある。登記とうき原因げんいん証明しょうめい情報じょうほう#共同きょうどう申請しんせい時じの例外れいがいを参照さんしょう。

なお、区分くぶん地上ちじょう権けんの設定せってい登記とうきの場合ばあい、範囲はんいは絶対ぜったい的てき登記とうき事項じこうである（既すんで述じゅつ）が、地役ちえき権けん設定せってい登記とうきの場合ばあいと異ことなり、範囲はんいを明確めいかくにするための図面ずめんを添付てんぷする必要ひつようはない（1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）11月14日にち民みん甲かぶと1907号ごう通達つうたつ2）。

登録とうろく免許めんきょ税ぜい（規則きそく189条じょう1項こう前段ぜんだん）は、不動産ふどうさんの価額かがくの1,000分ぶんの10である（登録とうろく免許めんきょ税法ぜいほう別表べっぴょう第だい1-1(3)イ）。なお、端はし数すう処理しょりなど算出さんしゅつ方法ほうほうの通則つうそくについては不動産ふどうさん登記とうき#登録とうろく免許めんきょ税ぜいを参照さんしょう。

登記とうきの実行じっこう

地上ちじょう権けん設定せってい登記とうきは主しゅ登記とうきで実行じっこうされる（規則きそく3条じょう参照さんしょう）。なお、権利けんりの消滅しょうめつに関かんする登記とうきは、設定せっていの登記とうきとは独立どくりつした登記とうきとして付記ふき登記とうきで実行じっこうされる（規則きそく3条じょう6号ごう、記録きろく例れい252）。

参考さんこう文献ぶんけん

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林はやし良平りょうへい・青山あおやま正明まさあき編へん　『注解ちゅうかい不動産ふどうさん法ほう6　不動産ふどうさん登記とうき法ほう[補ほ訂てい版ばん]』　青あお林りん書院しょいん、1992年ねん、ISBN 4-417-01078-1
藤谷ふじたに定勝さだかつ監修かんしゅう　山田やまだ一雄かずお編へん　『新しん不動産ふどうさん登記とうき法ほう一発いっぱつ即答そくとう800問もん』　日本加除出版にほんかじょしゅっぱん、2007年ねん、ISBN 978-4-8178-3758-5
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法務ほうむ実務じつむ研究けんきゅう会かい　「質疑しつぎ応答おうとう-71　借地しゃくち借家しゃくや法ほう第だい二に三さん条じょう（注ちゅう：現げん24条じょう）の建物たてもの譲渡じょうと特約とくやく付づけ借地しゃくち権けんと同どう法ほう第だい一いち〇条じょうによる対抗たいこう力りょく」『登記とうきインターネット』51号ごう（6巻かん2号ごう）、民事みんじ法ほう情報じょうほうセンター、2004年ねん、158頁ぺーじ
法務ほうむ実務じつむ研究けんきゅう会かい　「質疑しつぎ応答おうとう-91　共有きょうゆう物ぶつ分割ぶんかつ禁止きんしの特約とくやくの登記とうきは、権利けんりの一部いちぶ移転いてんの登記とうきの場合ばあいに限かぎるか」『登記とうきインターネット』66号ごう（7巻かん5号ごう）、民事みんじ法ほう情報じょうほうセンター、2005年ねん、148頁ぺーじ
「訓令くんれい・通達つうたつ・回答かいとう　共有きょうゆう持分もちぶんに対たいする賃借ちんしゃく権けん設定せっていの仮かり登記とうき申請しんせいの受否について」『登記とうき研究けんきゅう』320号ごう、帝国ていこく判例はんれい法規ほうき出版しゅっぱん社しゃ（後ごのテイハン）、1974年ねん、63頁ぺーじ
「質疑しつぎ・応答おうとう-4155　地上ちじょう権けんの登記とうきある土地とちの地上ちじょう権けんの仮かり登記とうきの可否かひ」『登記とうき研究けんきゅう』211号ごう、帝国ていこく判例はんれい法規ほうき出版しゅっぱん社しゃ（後ごのテイハン）、1965年ねん、54頁ぺーじ