この
記事 きじ は
特 とく に
記述 きじゅつ がない
限 かぎ り、
日本 にっぽん 国内 こくない の
法令 ほうれい について
解説 かいせつ しています。また
最新 さいしん の
法令 ほうれい 改正 かいせい を
反映 はんえい していない
場合 ばあい があります。
ご自身 じしん が現実 げんじつ に遭遇 そうぐう した事件 じけん については法律 ほうりつ 関連 かんれん の専門 せんもん 家 か にご相談 そうだん ください。 免責 めんせき 事項 じこう もお読 よ みください。
日本 にっぽん 法 ほう における相続 そうぞく 法 ほう は、主 おも に相続 そうぞく について定 さだ めた民法 みんぽう 第 だい 五 ご 編 へん に規定 きてい されている。民法 みんぽう における相続 そうぞく に関 かん する規定 きてい には遺言 ゆいごん により民法 みんぽう の規定 きてい と異 こと なる定 さだ めをすることができる任意 にんい 規定 きてい が多 おお く含 ふく まれる一方 いっぽう 、遺留分 いりゅうぶん 規定 きてい のように遺言 ゆいごん での排除 はいじょ を許 ゆる さない強行 きょうこう 規定 きてい も存在 そんざい する。
日本 にっぽん の民法 みんぽう について以下 いか では、条 じょう 名 めい のみ記載 きさい する。
相続 そうぞく は死亡 しぼう によって開始 かいし する(882条 じょう )。死亡 しぼう には失踪 しっそう 宣告 せんこく や認定 にんてい 死亡 しぼう も含 ふく まれる。相続 そうぞく は被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の住所 じゅうしょ において開始 かいし する(883条 じょう )。
相続 そうぞく 人 じん は、相続 そうぞく 開始 かいし の時 とき (被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の死亡 しぼう の時 とき )から、被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の財産 ざいさん に属 ぞく した一切 いっさい の権利 けんり 義務 ぎむ を承継 しょうけい する(896条 じょう )。
被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の財産 ざいさん 上 じょう の地位 ちい を承継 しょうけい する者 もの のことを相続 そうぞく 人 じん (そうぞくにん)という。これに対 たい して相続 そうぞく される財産 ざいさん 、権利 けんり 、法律 ほうりつ 関係 かんけい の旧 きゅう 主体 しゅたい を被 ひ 相続 そうぞく 人 じん (ひそうぞくにん)という。相続 そうぞく 開始 かいし 前 まえ には、推定 すいてい 相続 そうぞく 人 じん といい、被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の死亡 しぼう による相続 そうぞく 開始 かいし によって確定 かくてい する。なお、相続 そうぞく 人 じん となり得 え る一般 いっぱん 的 てき 資格 しかく を相続 そうぞく 能力 のうりょく といい、法人 ほうじん は相続 そうぞく 能力 のうりょく を持 も たないが、胎児 たいじ は相続 そうぞく 能力 のうりょく を持 も つ(886条 じょう )。
被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の血族 けつぞく は次 つぎ の順位 じゅんい で相続 そうぞく 人 じん となる(887条 じょう ・889条 じょう )。
被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の子 こ
被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の直系 ちょっけい 尊属 そんぞく
被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の兄弟 きょうだい 姉妹 しまい
また、被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の配偶 はいぐう 者 しゃ は常 つね に相続 そうぞく 人 じん となり、上記 じょうき の順位 じゅんい で相続 そうぞく 人 じん となった者 もの と同 どう 順位 じゅんい で相続 そうぞく 人 じん となる(890条 じょう )。同 どう 順位 じゅんい 同士 どうし との相続 そうぞく となるのであって、遺言 ゆいごん による指定 してい がない限 かぎ り他 た 順位 じゅんい 間 あいだ とで相続 そうぞく することはない。他人 たにん 同然 どうぜん の関係 かんけい の人間 にんげん は遺言 ゆいごん で指名 しめい されるか養子 ようし 縁組 えんぐみ の手続 てつづ きをしない限 かぎ り、相続 そうぞく 権 けん は一切 いっさい ない。例 れい :血縁 けつえん 上 じょう の異母 いぼ 姉妹 しまい に父親 ちちおや の相続 そうぞく 権 けん は全員 ぜんいん にあっても異母 いぼ の財産 ざいさん を相続 そうぞく する権利 けんり はない。
相続 そうぞく の開始 かいし 以前 いぜん に被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の子 こ あるいは被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の兄弟 きょうだい 姉妹 しまい が死亡 しぼう 、相続 そうぞく 欠格 けっかく ・相続 そうぞく 廃除 はいじょ によって相続 そうぞく 権 けん を失 うしな った場合 ばあい 、その者 もの の子 こ が代 か わって相続 そうぞく する(887条 じょう 2項 こう 本文 ほんぶん ・889条 じょう 2項 こう )。これを代 だい 襲 かさね 相続 そうぞく といい、代 だい 襲 かさね 相続 そうぞく する者 もの を代 だい 襲 かさね 者 しゃ 、代 だい 襲 かさね 相続 そうぞく される者 もの を被 ひ 代 だい 襲 かさね 者 しゃ という。
代 だい 襲 かさね 者 しゃ は被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の直系 ちょっけい 卑属 ひぞく でなければならない(887条 じょう 2項 こう 但書 ただしがき )。養子 ようし 縁組 えんぐみ 前 まえ に出生 しゅっしょう していた養子 ようし の子 こ は被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の直系 ちょっけい 卑属 ひぞく ではない(民法 みんぽう 727条 じょう は養子 ようし と養親 ようしん およびその血族 けつぞく との間 あいだ に血族 けつぞく 関係 かんけい が生 しょう じることを認 みと めているが、養親 ようしん と養子 ようし の血族 けつぞく との間 あいだ に血族 けつぞく 関係 かんけい が生 しょう じることは認 みと めてない。)から代 だい 襲 かさね 相続 そうぞく することはできない(大判 おおばん 昭和 しょうわ 7年 ねん 5月 がつ 11日 にち 民 みん 集 しゅう 11巻 かん 1062頁 ぺーじ )。
なお、相続 そうぞく 放棄 ほうき は代 だい 襲 かさね 原因 げんいん とはならず、相続 そうぞく 放棄 ほうき をした者 もの の直系 ちょっけい 卑属 ひぞく (子 こ ・孫 まご ・曾孫 そうそん …)には代 だい 襲 かさね 相続 そうぞく は発生 はっせい しない。
代 だい 襲 かさね 者 しゃ である相続 そうぞく 人 じん の子 こ が死亡 しぼう ・相続 そうぞく 欠格 けっかく ・相続 そうぞく 廃除 はいじょ によって相続 そうぞく 権 けん を失 うしな った場合 ばあい 、孫 まご が代 か わって相続 そうぞく する(887条 じょう 3項 こう )。これを再 さい 代 だい 襲 かさね 相続 そうぞく といい、代 だい 襲 かさね 者 しゃ は直系 ちょっけい 卑属 ひぞく (子 こ ・孫 まご ・曾孫 そうそん …)では延々 えんえん と続 つづ くことになる。ただし、相続 そうぞく 人 じん が兄弟 きょうだい 姉妹 しまい の場合 ばあい には代 だい 襲 かさね 者 しゃ は甥 おい 姪 めい までとなり、大 だい 甥 おい 大 だい 姪 めい の再 さい 代 だい 襲 かさね 相続 そうぞく は認 みと められていない(889条 じょう 参照 さんしょう )。
故意 こい に被 ひ 相続 そうぞく 人 じん や他 た の相続 そうぞく 人 じん を死亡 しぼう に至 いた らせたり、遺言 ゆいごん 書 しょ を破棄 はき ・捏造 ねつぞう するなど第 だい 891条 じょう に規定 きてい される重大 じゅうだい な不正 ふせい 行為 こうい (相続 そうぞく 欠格 けっかく 事由 じゆう )を行 おこな った者 もの は、その被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の相続 そうぞく において当然 とうぜん に相続 そうぞく 人 じん としての資格 しかく を失 うしな う。これを相続 そうぞく 欠格 けっかく という。
被 ひ 相続 そうぞく 人 じん に対 たい して虐待 ぎゃくたい ・侮辱 ぶじょく あるいは著 いちじる しい非行 ひこう があった場合 ばあい 、被 ひ 相続 そうぞく 人 じん は家庭 かてい 裁判所 さいばんしょ に申 もう し立 た てる事 こと によって、その相続 そうぞく 権 けん を喪失 そうしつ させることができる(892条 じょう )。これを相続 そうぞく 人 じん の廃除 はいじょ という。相続 そうぞく 人 じん の廃除 はいじょ は遺言 ゆいごん による申 もう し立 た てによっても可能 かのう である(893条 じょう )。廃除 はいじょ された推定 すいてい 相続 そうぞく 人 じん は相続 そうぞく 権 けん を失 うしな う。
相続 そうぞく により相続 そうぞく 人 じん は原則 げんそく として被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の財産 ざいさん に属 ぞく した一切 いっさい の権利 けんり 義務 ぎむ を承継 しょうけい する(896条 じょう 本文 ほんぶん )。しかし、以下 いか の例外 れいがい がある。
相続 そうぞく 人 じん の一身 いっしん 専属 せんぞく 的 てき 権利 けんり は相続 そうぞく が発生 はっせい しても承継 しょうけい されない(896条 じょう 但書 ただしがき )。以下 いか のようなものがある。
代理 だいり 権 けん (111条 じょう 1項 こう 1号 ごう )
定期 ていき の給付 きゅうふ を目的 もくてき とする贈与 ぞうよ (定期 ていき 贈与 ぞうよ 、552条 じょう )
使用 しよう 貸借 たいしゃく における借主 かりぬし としての地位 ちい (599条 じょう )
委任 いにん における委任 いにん 者 しゃ あるいは受任 じゅにん 者 しゃ としての地位 ちい (653条 じょう )
民法 みんぽう 上 じょう の組合 くみあい の組合 くみあい 員 いん としての地位 ちい (679条 じょう )
定期 ていき 預金 よきん の契約 けいやく (銀行 ぎんこう が特別 とくべつ に認 みと めた場合 ばあい を除 のぞ く)
系譜 けいふ ・祭具 さいぐ ・墳墓 ふんぼ の所有 しょゆう 権 けん は原則 げんそく として慣習 かんしゅう により祖先 そせん の祭祀 さいし を主宰 しゅさい すべき者 もの が承継 しょうけい するものとされるが、被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の指定 してい があるときはその者 もの が承継 しょうけい することになる(897条 じょう 1項 こう )。
相続 そうぞく 人 じん が数 すう 人 にん あるときは相続 そうぞく 財産 ざいさん は共同 きょうどう 相続 そうぞく 人 じん の共有 きょうゆう に属 ぞく することになる(898条 じょう )。この「共有 きょうゆう 」の意味 いみ については共有 きょうゆう 説 せつ と合 ごう 有 ゆう 説 せつ の対立 たいりつ があるが、判例 はんれい は249条 じょう 以下 いか の共有 きょうゆう と異 こと ならないものと解 かい して共有 きょうゆう 説 せつ をとっている(最 さい 判 はん 昭和 しょうわ 30年 ねん 5月 がつ 31日 にち 民 みん 集 しゅう 9巻 かん 6号 ごう 793頁 ぺーじ )。
相続 そうぞく 欠格 けっかく 者 しゃ や本来 ほんらい 相続 そうぞく 人 じん でないのに相続 そうぞく 人 じん を装 よそお っている者 もの (表 おもて 見 み 相続 そうぞく 人 じん ・僭称 せんしょう 相続 そうぞく 人 じん ・不 ふ 真正 しんせい 相続 そうぞく 人 じん などという)が、遺産 いさん の管理 かんり ・処分 しょぶん を行 おこな っている場合 ばあい 、相続 そうぞく 人 じん は遺産 いさん を取 と り戻 もど すことができる。これを相続 そうぞく 回復 かいふく 請求 せいきゅう 権 けん という(884条 じょう )。相続 そうぞく 回復 かいふく 請求 せいきゅう 権 けん はこれを包括 ほうかつ 的 てき に行使 こうし でき個々 ここ の財産 ざいさん を具体 ぐたい 的 てき に列挙 れっきょ して行使 こうし する必要 ひつよう はない(大 だい 連判 れんばん 大正 たいしょう 8年 ねん 3月 がつ 28日 にち 民 みん 録 ろく 25輯507頁 ぺーじ )。相続 そうぞく 回復 かいふく 請求 せいきゅう 権 けん は相続 そうぞく 人 じん またはその法定 ほうてい 代理人 だいりにん が相続 そうぞく 権 けん を侵害 しんがい された事実 じじつ を知 し った時 とき から5年間 ねんかん 行使 こうし しないときは、時効 じこう によって消滅 しょうめつ する(884条 じょう 前段 ぜんだん )。また、相続 そうぞく 開始 かいし の時 とき から20年 ねん を経過 けいか したときも消滅 しょうめつ する(884条 じょう 後段 こうだん )。なお、清算 せいさん 主義 しゅぎ でプラスの財産 ざいさん しか相続 そうぞく しない英 えい 米 べい 法 ほう では相続 そうぞく 回復 かいふく 請求 せいきゅう 権 けん は大 おお いに尊重 そんちょう されており、日本 にっぽん の民法 みんぽう との相違 そうい は大 おお きい。
そして、その相続 そうぞく 回復 かいふく 請求 せいきゅう 権 けん は共同 きょうどう 相続 そうぞく 人 じん 相互 そうご 間 あいだ の相続 そうぞく 権 けん の帰属 きぞく の問題 もんだい についても適用 てきよう があるとされている。ただし、判例 はんれい 上 じょう は相続 そうぞく 回復 かいふく 請求 せいきゅう 権 けん における消滅 しょうめつ 時効 じこう の援用 えんよう 権 けん 者 しゃ について、共同 きょうどう 相続 そうぞく 人 じん が他 た の真正 しんせい 共同 きょうどう 相続 そうぞく 人 じん の持分 もちぶん まで主張 しゅちょう する場合 ばあい は、他 た の真正 しんせい 共同 きょうどう 相続 そうぞく 人 じん の持分 もちぶん を侵害 しんがい している事実 じじつ を知 し らずかつ自 みずか らが相続 そうぞく 権 けん があると信 しん ずるに足 た りる合理 ごうり 的 てき 理由 りゆう があることを要 よう するとして(最大 さいだい 判 ばん 昭和 しょうわ 53年 ねん 12月 がつ 20日 はつか ・民 みん 集 しゅう 32巻 かん 9号 ごう 1674頁 ぺーじ )その範囲 はんい を制限 せいげん している。
相続 そうぞく 人 じん の相続 そうぞく 財産 ざいさん に対 たい する分 わ け前 まえ の割合 わりあい や数 かず 額 がく のことで、普通 ふつう はその割合 わりあい をいう(900条 じょう )。
被 ひ 相続 そうぞく 人 じん は遺言 ゆいごん で共同 きょうどう 相続 そうぞく 人 じん の相続 そうぞく 分 ぶん を定 さだ め、または、相続 そうぞく 分 ぶん を定 さだ めることを第三者 だいさんしゃ に委託 いたく することができる(902条 じょう 1項 こう 本文 ほんぶん )。このような方法 ほうほう によって定 さだ まった相続 そうぞく 分 ぶん を指定 してい 相続 そうぞく 分 ぶん という。ただし、被 ひ 相続 そうぞく 人 じん や第三者 だいさんしゃ は相続 そうぞく 分 ぶん の指定 してい について遺留分 いりゅうぶん に関 かん する規定 きてい に違反 いはん することができない(902条 じょう 1項 こう 但書 ただしがき )。被 ひ 相続 そうぞく 人 じん が共同 きょうどう 相続 そうぞく 人 じん のうちの一人 ひとり もしくは数 すう 人 にん の相続 そうぞく 分 ぶん のみを定 さだ め、または第三者 だいさんしゃ に定 さだ めさせたときは、他 た の共同 きょうどう 相続 そうぞく 人 じん の相続 そうぞく 分 ぶん は法定 ほうてい 相続 そうぞく 分 ぶん の規定 きてい によって定 さだ まることになる(902条 じょう 2項 こう )。
上記 じょうき のように遺言 ゆいごん により相続 そうぞく 分 ぶん の指定 してい ・指定 してい 委託 いたく をした場合 ばあい でも、消極 しょうきょく 財産 ざいさん は指定 してい 相続 そうぞく 分 ぶん によらず法定 ほうてい 相続 そうぞく 分 ぶん に応 おう じて分割 ぶんかつ されるという説 せつ が有力 ゆうりょく である。これについて大審院 だいしんいん 決定 けってい 昭和 しょうわ 5年 ねん 12月4日 にち は、「…金銭 きんせん 債務 さいむ のその他 た 可分 かぶん 債務 さいむ については各自 かくじ 負担 ふたん し平等 びょうどう の割合 わりあい において債務 さいむ を負担 ふたん するものにして…」と述 の べている。(したがって消極 しょうきょく 財産 ざいさん は遺産 いさん 分割 ぶんかつ の対象 たいしょう とならないとされる下級 かきゅう 審 しん 判例 はんれい :福岡 ふくおか 高 だか 決 けつ 平成 へいせい 4・12・25判 ばん タ826・259)。平成 へいせい 21年 ねん 03月 がつ 24日 にち 最高裁判所 さいこうさいばんしょ 第 だい 三 さん 小 しょう 法廷 ほうてい 判決 はんけつ (平成 へいせい 19(受)1548)は、傍 はた 論 ろん ではあるが「もっとも,上記 じょうき 遺言 ゆいごん による相続 そうぞく 債務 さいむ についての相続 そうぞく 分 ぶん の指定 してい は,相続 そうぞく 債務 さいむ の債権 さいけん 者 しゃ (以下 いか 「相続 そうぞく 債権 さいけん 者 しゃ 」という。)の関与 かんよ なくされたものであるから,相続 そうぞく 債権 さいけん 者 しゃ に対 たい してはその効力 こうりょく が及 およ ばないものと解 げ するのが相当 そうとう であり,各 かく 相続 そうぞく 人 じん は,相続 そうぞく 債権 さいけん 者 しゃ から法定 ほうてい 相続 そうぞく 分 ぶん に従 したが った相続 そうぞく 債務 さいむ の履行 りこう を求 もと められたときには,これに応 おう じなければならず,指定 してい 相続 そうぞく 分 ぶん に応 おう じて相続 そうぞく 債務 さいむ を承継 しょうけい したことを主張 しゅちょう することはできないが,相続 そうぞく 債権 さいけん 者 しゃ の方 ほう から相続 そうぞく 債務 さいむ についての相続 そうぞく 分 ぶん の指定 してい の効力 こうりょく を承認 しょうにん し,各 かく 相続 そうぞく 人 じん に対 たい し,指定 してい 相続 そうぞく 分 ぶん に応 おう じた相続 そうぞく 債務 さいむ の履行 りこう を請求 せいきゅう することは妨 さまた げられないというべきである。」と判示 はんじ しており、大審院 だいしんいん 判例 はんれい の見解 けんかい を維持 いじ しているものと考 かんが えられる。この判例 はんれい では、指定 してい 相続 そうぞく によって明示 めいじ または黙示 もくし 的 てき に債務 さいむ の帰属 きぞく を定 さだ めた場合 ばあい 、債権 さいけん 者 しゃ に対 たい しては効力 こうりょく が及 およ ばないが、相続 そうぞく 人 じん 相互 そうご 間 あいだ ではその指定 してい 通 どお りの効力 こうりょく を生 しょう じることを判示 はんじ している。
ただし、国税 こくぜい 通則 つうそく 法 ほう または地方 ちほう 税法 ぜいほう の適用 てきよう ・準用 じゅんよう がある公租 こうそ 公課 こうか については、遺言 ゆいごん による指定 してい ・指定 してい 委託 いたく があれば、指定 してい 相続 そうぞく 分 ぶん による承継 しょうけい が原則 げんそく となる(国税 こくぜい 通則 つうそく 法 ほう 5条 じょう 2項 こう 、地方 ちほう 税法 ぜいほう 9条 じょう 2項 こう が民法 みんぽう 902条 じょう を用 もち いることを明記 めいき している)。なお、公租 こうそ 公課 こうか については、承継 しょうけい する財産 ざいさん の価額 かがく が承継 しょうけい 税額 ぜいがく を超 こ えるときは、その超過 ちょうか 部分 ぶぶん を限度 げんど に他 た の相続 そうぞく 人 じん と連帯 れんたい して納付 のうふ する義務 ぎむ を負 お う(国税 こくぜい 通則 つうそく 法 ほう 5条 じょう 3項 こう 、地方 ちほう 税法 ぜいほう 9条 じょう 3項 こう )。
遺言 ゆいごん による相続 そうぞく 分 ぶん の指定 してい がない場合 ばあい は法定 ほうてい 相続 そうぞく 分 ぶん (900条 じょう )による。
前述 ぜんじゅつ のように、被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の血族 けつぞく は、1.被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の子 こ 、2.被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の直系 ちょっけい 尊属 そんぞく (親等 しんとう の異 こと なる者 もの の間 あいだ では最近 さいきん 親 おや の者 もの )、3.被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の兄弟 きょうだい 姉妹 しまい の順 じゅん で相続 そうぞく 人 ひと となり(889条 じょう 1項 こう )、被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の配偶 はいぐう 者 しゃ は常 つね に相続 そうぞく 人 じん (被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の血族 けつぞく に相続 そうぞく 人 じん となるべき者 もの があればその者 もの と同 どう 順位 じゅんい )となる(890条 じょう )。
以上 いじょう の相続 そうぞく 人 じん の範囲 はんい において相続 そうぞく 人 じん が数 すう 人 にん あるときは、その法定 ほうてい 相続 そうぞく 分 ぶん は、次 つぎ の各号 かくごう の定 さだ めるところによる(900条 じょう )。
子 こ 及 およ び配偶 はいぐう 者 しゃ が相続 そうぞく 人 じん であるとき
子 こ の相続 そうぞく 分 ぶん 及 およ び配偶 はいぐう 者 しゃ の相続 そうぞく 分 ぶん はそれぞれ2分 ぶん の1である(900条 じょう 1号 ごう )。子 こ が数 すう 人 にん あるときは、各自 かくじ の相続 そうぞく 分 ぶん は、相 そう 等 ひと しいもの(均等 きんとう 分 ぶん )とする(900条 じょう 4号 ごう )。
配偶 はいぐう 者 しゃ 及 およ び直系 ちょっけい 尊属 そんぞく が相続 そうぞく 人 じん であるとき
配偶 はいぐう 者 しゃ の相続 そうぞく 分 ぶん が3分 ぶん の2、直系 ちょっけい 尊属 そんぞく の相続 そうぞく 分 ぶん が3分 ぶん の1である(900条 じょう 2号 ごう )。直系 ちょっけい 尊属 そんぞく が数 すう 人 にん あるときは、各自 かくじ の相続 そうぞく 分 ぶん は、相 そう 等 ひと しいもの(均等 きんとう 分 ぶん )とする(900条 じょう 4号 ごう )。また、直系 ちょっけい 尊属 そんぞく の場合 ばあい 、生存 せいぞん するのみの相続 そうぞく となる。
配偶 はいぐう 者 しゃ 及 およ び兄弟 きょうだい 姉妹 しまい が相続 そうぞく 人 じん であるとき
配偶 はいぐう 者 しゃ の相続 そうぞく 分 ぶん が4分 ぶん の3、兄弟 きょうだい 姉妹 しまい の相続 そうぞく 分 ぶん が4分 ぶん の1(900条 じょう 3号 ごう )。兄弟 きょうだい 姉妹 しまい が数 すう 人 にん あるときは、各自 かくじ の相続 そうぞく 分 ぶん は、相 そう 等 ひと しいもの(均等 きんとう 分 ぶん )とするが、父母 ちちはは の一方 いっぽう のみを同 おな じくする兄弟 きょうだい 姉妹 しまい の相続 そうぞく 分 ぶん は、父母 ちちはは の双方 そうほう を同 おな じくする兄弟 きょうだい 姉妹 しまい の相続 そうぞく 分 ぶん の2分 ぶん の1となる(900条 じょう 4号 ごう )。
被 ひ 相続 そうぞく 人 じん に配偶 はいぐう 者 しゃ がいない場合 ばあい にも、子 こ 、直系 ちょっけい 尊属 そんぞく 又 また は兄弟 きょうだい 姉妹 しまい が数 すう 人 にん あるときは、各自 かくじ の相続 そうぞく 分 ぶん は、相 そう 等 ひと しいものとするが、父母 ちちはは の一方 いっぽう のみを同 おな じくする兄弟 きょうだい 姉妹 しまい の相続 そうぞく 分 ぶん は、父母 ちちはは の双方 そうほう を同 おな じくする兄弟 きょうだい 姉妹 しまい の相続 そうぞく 分 ぶん の2分 ぶん の1となる(900条 じょう 4号 ごう )。
代 だい 襲 かさね 相続 そうぞく 人 じん の相続 そうぞく 分 ぶん はその直系 ちょっけい 尊属 そんぞく が受 う けるべきであったものと同 おな じであり、代 だい 襲 かさね 相続 そうぞく 人 じん となる直系 ちょっけい 卑属 ひぞく が数 すう 人 にん あるときはその各自 かくじ の直系 ちょっけい 尊属 そんぞく が受 う けるべきであった部分 ぶぶん について900条 じょう の規定 きてい に従 したが ってその相続 そうぞく 分 ぶん を定 さだ める(901条 じょう )。
なお、非 ひ 嫡出 ちゃくしゅつ 子 こ の相続 そうぞく 分 ぶん は900条 じょう 4号 ごう により嫡出 ちゃくしゅつ 子 こ の相続 そうぞく 分 ぶん の2分 ぶん の1と規定 きてい されていたが、婚 こん 外子 そとこ 相続 そうぞく 差別 さべつ 訴訟 そしょう で2013年 ねん 9月 がつ 4日 にち に最高 さいこう 裁判所 さいばんしょ が婚 こん 外子 そとこ (非 ひ 嫡出 ちゃくしゅつ 子 こ )の相続 そうぞく 分 ぶん が違憲 いけん であるとの判断 はんだん を下 くだ した[10] ことを受 う け、2013年 ねん 12月11日 にち の民法 みんぽう の一部 いちぶ 改正 かいせい により900条 じょう 4号 ごう は削除 さくじょ された。附則 ふそく において、改正 かいせい 後 ご の規定 きてい については2013年 ねん 9月 がつ 5日 にち 以後 いご に開始 かいし した相続 そうぞく について適用 てきよう するものと定 さだ められている。
順位 じゅんい
相続 そうぞく 人 じん
相続 そうぞく 分 ぶん (遺留分 いりゅうぶん )
適用 てきよう
法定 ほうてい
配偶 はいぐう 者 しゃ
他 た の親族 しんぞく
配偶 はいぐう 者 しゃ
他 た の親族 しんぞく
1
第 だい 1順位 じゅんい
有 ゆう
子 こ
1/2(1/4)
1/2(1/4)
2
第 だい 2順位 じゅんい
直系 ちょっけい 尊属 そんぞく
2/3(1/3)
1/3(1/6)
3
第 だい 3順位 じゅんい
兄弟 きょうだい 姉妹 しまい
3/4(1/2)
1/4(無 む )
4
無 む
全部 ぜんぶ (1/2)
-
5
第 だい 1順位 じゅんい
無 む
子 こ
-
全部 ぜんぶ (1/2)
6
第 だい 2順位 じゅんい
直系 ちょっけい 尊属 そんぞく
-
全部 ぜんぶ (1/3)
7
第 だい 3順位 じゅんい
兄弟 きょうだい 姉妹 しまい
-
全部 ぜんぶ (無 む )
共同 きょうどう 相続 そうぞく 人中 ひとなか に被 ひ 相続 そうぞく 人 じん から特別 とくべつ 受益 じゅえき を受 う けた者 もの については、相続 そうぞく における実質 じっしつ 的 てき 公平 こうへい を図 はか るため、相当 そうとう 額 がく の財産 ざいさん について持 じ 戻 もど しを行 おこな う(903条 じょう )。
特別 とくべつ 受益 じゅえき には次 つぎ のようなものがある。
遺贈 いぞう
婚姻 こんいん のための贈与 ぞうよ
養子 ようし 縁組 えんぐみ のための贈与 ぞうよ
生計 せいけい の資本 しほん として贈与 ぞうよ
学費 がくひ の援助 えんじょ
共同 きょうどう 相続 そうぞく 人中 ひとなか に被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の財産 ざいさん の維持 いじ または増加 ぞうか について寄与 きよ をした者 もの については、相続 そうぞく における実質 じっしつ 的 てき 公平 こうへい を図 はか るため、相当 そうとう 額 がく の財産 ざいさん を取得 しゅとく させる寄与 きよ 分 ぶん の制度 せいど (904条 じょう の2 )が設 もう けられている。これは1980年 ねん の民法 みんぽう 改正 かいせい で設 もう けられたものである。
2018年 ねん の民法 みんぽう 改正 かいせい にて、相続 そうぞく 人 じん のうち、被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の療養 りょうよう 介護 かいご を無償 むしょう で行 おこな った者 もの については、相続 そうぞく 財産 ざいさん の維持 いじ または増加 ぞうか に寄与 きよ したものとして、それに応 おう じた金銭 きんせん の請求 せいきゅう をすることができることとなっている(民法 みんぽう 第 だい 1050条 じょう )。改正 かいせい 前 まえ において、このような貢献 こうけん は、上記 じょうき 寄与 きよ 分 ぶん として取 と り扱 あつか われており、寄与 きよ 分 ぶん の争 あらそ いとしても最 もっと も多 おお い事例 じれい であったが、家事 かじ 労働 ろうどう の評価 ひょうか など客観 きゃっかん 的 てき な算定 さんてい 困難 こんなん な場合 ばあい も少 すく なくないことから、これらの事項 じこう についての一連 いちれん の手続 てつづ きを、その他 た の寄与 きよ 分 ぶん と独立 どくりつ して定 さだ めた。一般 いっぱん の寄与 きよ 分 ぶん 同様 どうよう 、相続 そうぞく 人間 にんげん で協議 きょうぎ が調 ととの わなければ、家庭 かてい 裁判所 さいばんしょ にその額 がく の決定 けってい を求 もと めることができるが、一般 いっぱん の寄与 きよ 分 ぶん と異 こと なり、相続 そうぞく 開始 かいし 後 ご 、相続 そうぞく 人 じん を知 し った時 とき から6ヶ月 かげつ 経過 けいか または相続 そうぞく 開始 かいし から1年 ねん 経過 けいか までに請求 せいきゅう する必要 ひつよう がある。
相続 そうぞく 分 ぶん の譲渡 じょうと と相続 そうぞく 分 ぶん 取 と 戻 もど 権 けん 、相続 そうぞく 分 ぶん の放棄 ほうき
編集 へんしゅう
共同 きょうどう 相続 そうぞく 人 じん の一人 ひとり が遺産 いさん の分割 ぶんかつ 前 まえ にその相続 そうぞく 分 ぶん を第三者 だいさんしゃ に譲渡 じょうと したときは、他 た の共同 きょうどう 相続 そうぞく 人 じん はその価額 かがく 及 およ び費用 ひよう を償還 しょうかん して、その相続 そうぞく 分 ぶん を譲 ゆず り受 う けることができる(905条 じょう 1項 こう )。ただし、この取 と 戻 もど 権 けん は1ヶ月 かげつ 以内 いない に行使 こうし する必要 ひつよう がある(905条 じょう 2項 こう )。
また、相続 そうぞく 分 ぶん の放棄 ほうき は遺産 いさん 分割 ぶんかつ 前 まえ に財産 ざいさん を放棄 ほうき することの意思 いし 表示 ひょうじ であり、その相続 そうぞく 人 じん の相続 そうぞく 分 ぶん を他 た の相続 そうぞく 人 じん に法定 ほうてい 相続 そうぞく 分 ぶん の割合 わりあい で譲渡 じょうと するという効果 こうか を持 も つ。
共同 きょうどう 相続 そうぞく の場合 ばあい において、相続 そうぞく 分 ぶん に応 おう じて遺産 いさん を分割 ぶんかつ し、各 かく 相続 そうぞく 人 じん の単独 たんどく 財産 ざいさん にすること。
遺産 いさん の分割 ぶんかつ の協議 きょうぎ 又 また は審判 しんぱん 等 とう (907条 じょう )
遺言 ゆいごん による分割 ぶんかつ の方法 ほうほう の指定 してい (908条 じょう )
被 ひ 相続 そうぞく 人 じん は、遺言 ゆいごん で、遺産 いさん の分割 ぶんかつ の方法 ほうほう を定 さだ め、若 も しくはこれを定 さだ めることを第三者 だいさんしゃ に委託 いたく し、又 また は相続 そうぞく 開始 かいし の時 とき から5年 ねん を超 こ えない期間 きかん を定 さだ めて、遺産 いさん の分割 ぶんかつ を禁 きん ずることができる。
遺産 いさん の分割 ぶんかつ の効力 こうりょく (909条 じょう )
遺産 いさん の分割 ぶんかつ は、相続 そうぞく 開始 かいし の時 とき にさかのぼってその効力 こうりょく を生 しょう ずる。ただし、第三者 だいさんしゃ の権利 けんり を害 がい することはできない。
相続 そうぞく の開始 かいし 後 ご に認知 にんち された者 もの の価額 かがく の支払 しはらい 請求 せいきゅう 権 けん (910条 じょう )
判例 はんれい では、遺産 いさん 分割 ぶんかつ により不動産 ふどうさん の権利 けんり を取得 しゅとく した相続 そうぞく 人 じん は、登記 とうき を経 へ なければ、分割 ぶんかつ 後 ご に権利 けんり を取得 しゅとく した第三者 だいさんしゃ に対 たい し、対抗 たいこう することができない。
相続 そうぞく は被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の権利 けんり 義務 ぎむ を相続 そうぞく 人 じん が承継 しょうけい する効果 こうか をもつものであるが、実際 じっさい に相続 そうぞく を承認 しょうにん して権利 けんり 義務 ぎむ を承継 しょうけい するか、あるいは、相続 そうぞく を放棄 ほうき して権利 けんり 義務 ぎむ の承継 しょうけい を拒絶 きょぜつ するかは各 かく 相続 そうぞく 人 じん の意思 いし に委 ゆだ ねられている。ただし、相続 そうぞく 人 じん が921条 じょう に規定 きてい される事由 じゆう を行 おこな ったときは後述 こうじゅつ の単純 たんじゅん 承認 しょうにん をしたものとみなされる。
相続 そうぞく 人 じん が被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の権利 けんり 義務 ぎむ の承継 しょうけい を受諾 じゅだく することを相続 そうぞく の承認 しょうにん といい、権利 けんり 義務 ぎむ の承継 しょうけい を受諾 じゅだく する範囲 はんい により単純 たんじゅん 承認 しょうにん と限定 げんてい 承認 しょうにん に分 わ けられる。相続 そうぞく 人 じん が被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の権利 けんり 義務 ぎむ の承継 しょうけい を受諾 じゅだく することを相続 そうぞく の放棄 ほうき (相続 そうぞく 放棄 ほうき ) という。
なお、被 ひ 保 ほ 佐 さ 人 じん が相続 そうぞく の承認 しょうにん 若 も しくは放棄 ほうき 又 また は遺産 いさん の分割 ぶんかつ をするには、その保 ほ 佐 さ 人 じん の同意 どうい を得 え なければならない(13条 じょう )。
相続 そうぞく の承認 しょうにん ・放棄 ほうき をすべき期間 きかん (熟慮 じゅくりょ 期間 きかん )には制限 せいげん がある。相続 そうぞく の承認 しょうにん や放棄 ほうき は自己 じこ のために相続 そうぞく の開始 かいし があったことを知 し った時 とき から3ヶ月 かげつ 以内 いない にしなければならない(915条 じょう 1項 こう 本文 ほんぶん )。ただし、この期間 きかん は利害 りがい 関係 かんけい 人 じん や検察官 けんさつかん の請求 せいきゅう により家庭 かてい 裁判所 さいばんしょ が伸長 しんちょう することができる(915条 じょう 1項 こう 但書 ただしがき )。「自己 じこ のために相続 そうぞく の開始 かいし があったことを知 し った時 とき 」とは、相続 そうぞく 開始 かいし の原因 げんいん となるべき事実 じじつ を知 し り、かつ、それによって自分 じぶん が相続 そうぞく 人 じん となったことを知 し った時 とき をいう(大 だい 決 けつ 大正 たいしょう 15年 ねん 8月 がつ 3日 にち 民 みん 集 しゅう 5巻 かん 679頁 ぺーじ )。相続 そうぞく 人 じん は相続 そうぞく の承認 しょうにん や放棄 ほうき をするまで、その固有 こゆう 財産 ざいさん におけるのと同一 どういつ の注意 ちゅうい をもって、相続 そうぞく 財産 ざいさん を管理 かんり しなければならない(918条 じょう 1項 こう )。
なお、東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい に伴 ともな う特例 とくれい については東日本 ひがしにっぽん 大震災 だいしんさい に伴 ともな う相続 そうぞく の承認 しょうにん 又 また は放棄 ほうき をすべき期間 きかん に係 かか る民法 みんぽう の特例 とくれい に関 かん する法律 ほうりつ 参照 さんしょう 。
相続 そうぞく の承認 しょうにん 及 およ び放棄 ほうき の態様 たいよう
編集 へんしゅう
単純 たんじゅん 承認 しょうにん
単純 たんじゅん 承認 しょうにん は相続 そうぞく により相続 そうぞく 人 じん が被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の権利 けんり 義務 ぎむ を無限 むげん に承継 しょうけい するものである(920条 じょう 以下 いか )。なお、相続 そうぞく 人 じん が921条 じょう に規定 きてい される事由 じゆう (法定 ほうてい 単純 たんじゅん 承認 しょうにん 事由 じゆう )を行 おこな ったときは単純 たんじゅん 承認 しょうにん したものとみなされる。
限定 げんてい 承認 しょうにん
限定 げんてい 承認 しょうにん は相続 そうぞく によって得 え た財産 ざいさん の限度 げんど で被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の債務 さいむ および遺贈 いぞう を弁済 べんさい することとするものである(922条 じょう 以下 いか )。共同 きょうどう 相続 そうぞく の場合 ばあい には限定 げんてい 承認 しょうにん は共同 きょうどう 相続 そうぞく 人 じん の全員 ぜんいん が共同 きょうどう してのみこれをすることができる(923条 じょう )。
相続 そうぞく 放棄 ほうき
相続 そうぞく を放棄 ほうき した場合 ばあい には、その相続 そうぞく に関 かん して初 はじ めから相続 そうぞく 人 じん とならなかったものとみなされることになる(939条 じょう )。相続 そうぞく 放棄 ほうき は相続 そうぞく 財産 ざいさん が債務 さいむ 超過 ちょうか である可能 かのう 性 せい が高 たか い場合 ばあい や、一部 いちぶ の相続 そうぞく 人 じん に相続 そうぞく 財産 ざいさん を集中 しゅうちゅう させたい場合 ばあい などに行 おこな われる。相続 そうぞく を放棄 ほうき する場合 ばあい には被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の最後 さいご の住所 じゅうしょ 地 ち を管轄 かんかつ する家庭 かてい 裁判所 さいばんしょ に申述 もうしのべ しなければならない(940条 じょう )。なお、相続 そうぞく 放棄 ほうき は代 だい 襲 かさね 相続 そうぞく の代 だい 襲 かさね 原因 げんいん とはならない。
相続 そうぞく の承認 しょうにん 及 およ び放棄 ほうき の撤回 てっかい 及 およ び取消 とりけ し
編集 へんしゅう
相続 そうぞく 人 じん が相続 そうぞく の承認 しょうにん または放棄 ほうき をしたときは、以後 いご は915条 じょう の期間 きかん 内 ない であっても撤回 てっかい できない(919条 じょう 1項 こう )。ただし、民法 みんぽう 総則 そうそく および親族 しんぞく 編 へん に定 さだ められる取消 とりけし 原因 げんいん があれば919条 じょう 3項 こう に定 さだ められる一定 いってい 期間 きかん に取消 とりけ しをすることはできる(919条 じょう 2項 こう ・3項 こう )。この場合 ばあい に限定 げんてい 承認 しょうにん または相続 そうぞく の放棄 ほうき の取消 とりけ しをしようとする者 もの は家庭 かてい 裁判所 さいばんしょ に申述 もうしのべ しなければならない(919条 じょう 4項 こう )。
相続 そうぞく 財産 ざいさん と相続 そうぞく 人 じん の財産 ざいさん が混同 こんどう しないように分離 ぶんり 、管理 かんり 、清算 せいさん する手続 てつづき のこと。財産 ざいさん 分離 ぶんり には相続 そうぞく 債権 さいけん 者 しゃ または受遺者 しゃ の請求 せいきゅう による第 だい 一種 いっしゅ 財産 ざいさん 分離 ぶんり (941条 じょう 以下 いか )と相続 そうぞく 人 じん の債権 さいけん 者 しゃ の請求 せいきゅう による第 だい 二 に 種 しゅ 財産 ざいさん 分離 ぶんり (950条 じょう )がある。財産 ざいさん 分離 ぶんり は941条 じょう 以下 いか に規定 きてい されているものの、実際 じっさい にはほとんど利用 りよう されていない。これは、相続 そうぞく 財産 ざいさん ・相続 そうぞく 人 じん に破産 はさん 原因 げんいん があれば破産 はさん 申立 もうした てが可能 かのう であることによると思 おも われる。
相続 そうぞく 人 じん の存在 そんざい が明 あき らかでない場合 ばあい 、相続 そうぞく 財産 ざいさん は相続 そうぞく 財産 ざいさん 法人 ほうじん となり(951条 じょう )、以下 いか の相続 そうぞく 人 じん 不 ふ 存在 そんざい 確定 かくてい 手続 てつづき がとられることになる。なお、遺言 ゆいごん 者 しゃ につき相続 そうぞく 人 じん は不 ふ 存在 そんざい であるが、その相続 そうぞく 財産 ざいさん の全部 ぜんぶ について包括 ほうかつ 受遺者 しゃ がいる場合 ばあい には、その包括 ほうかつ 受遺者 しゃ に相続 そうぞく 財産 ざいさん が帰属 きぞく することになるので相続 そうぞく 人 じん 不 ふ 存在 そんざい 確定 かくてい 手続 てつづき はとられない(最 さい 判 はん 平成 へいせい 9年 ねん 9月 がつ 12日 にち 民 みん 集 しゅう 51巻 かん 8号 ごう 3887頁 ぺーじ 参照 さんしょう )。
相続 そうぞく 財産 ざいさん 法人 ほうじん の成立 せいりつ (951条 じょう )・相続 そうぞく 財産 ざいさん の管理人 かんりにん の選任 せんにん とその公告 こうこく (952条 じょう ) - 第 だい 一 いち の捜索 そうさく 期間 きかん
公告 こうこく 期間 きかん は2ヶ月 かげつ (957条 じょう 1項 こう 前段 ぜんだん )で、この公告 こうこく 期間 きかん 内 ない に相続 そうぞく 人 じん のあることが明 あき らかにならなかったときは次 つぎ の捜索 そうさく 段階 だんかい へ移 うつ る。
相続 そうぞく 債権 さいけん 者 しゃ 及 およ び受遺者 しゃ に対 たい する請求 せいきゅう の申 さる 出 で をすべき旨 むね の公告 こうこく (957条 じょう 1項 こう ) - 第 だい 二 に の捜索 そうさく 期間 きかん
公告 こうこく 期間 きかん は2ヶ月 かげつ 以上 いじょう の期間 きかん で設定 せってい され(957条 じょう 1項 こう 後段 こうだん )、以後 いご 、債権 さいけん 者 しゃ 等 とう との清算 せいさん 手続 てつづき に入 はい る。この公告 こうこく 期間 きかん 内 ない に相続 そうぞく 人 じん のあることが明 あき らかにならなかったときは次 つぎ の捜索 そうさく 段階 だんかい へ移 うつ る。
相続 そうぞく 人 じん の捜索 そうさく の公告 こうこく (958条 じょう 前段 ぜんだん ) - 第 だい 三 さん の捜索 そうさく 期間 きかん
公告 こうこく 期間 きかん は6ヶ月 かげつ 以上 いじょう の期間 きかん で設定 せってい される(952条 じょう 2項 こう 後段 こうだん )。
相続 そうぞく 財産 ざいさん 法人 ほうじん の成立 せいりつ から相続 そうぞく 人 じん 不 ふ 存在 そんざい の確定 かくてい までの期間 きかん に相続 そうぞく 人 じん のあることが明 あき らかになったときは相続 そうぞく 財産 ざいさん 法人 ほうじん は成立 せいりつ しなかったものとみなされる(955条 じょう 本文 ほんぶん )。ただし、相続 そうぞく 財産 ざいさん 清算 せいさん 人 じん がその権限 けんげん 内 ない でした行為 こうい の効力 こうりょく に影響 えいきょう しない(955条 じょう 但書 ただしがき )
相続 そうぞく 人 じん の捜索 そうさく の公告 こうこく 期間 きかん の満了 まんりょう 、相続 そうぞく 人 じん 不 ふ 存在 そんざい の確定 かくてい 、除 じょ 斥(958条 じょう により相続 そうぞく 人 じん 、また、相続 そうぞく 財産 ざいさん 清算 せいさん 人 じん に知 し れなかった相続 そうぞく 債権 さいけん 者 しゃ ・受遺者 しゃ は権利 けんり 行使 こうし 不可 ふか )
特別 とくべつ 縁故 えんこ 者 しゃ (被 ひ 相続 そうぞく 人 じん と生計 せいけい を同 おな じくしていた者 もの や被 ひ 相続 そうぞく 人 じん の療養 りょうよう 看護 かんご に努 つと めた者 もの など)に対 たい する相続 そうぞく 財産 ざいさん の分与 ぶんよ
特別 とくべつ 縁故 えんこ 者 しゃ の相続 そうぞく 財産 ざいさん 分与 ぶんよ 請求 せいきゅう は相続 そうぞく 人 じん 不 ふ 存在 そんざい 確定 かくてい 後 ご 3ヶ月 かげつ 以内 いない になされることが必要 ひつよう (958条 じょう の2 )。
残余 ざんよ 財産 ざいさん の国庫 こっこ への帰属 きぞく (959条 じょう )