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紛争 - Wikipedia

紛争ふんそう

おな物事ものごとについてしゃ以上いじょうかくせい反対はんたい知覚ちかくおこな行動こうどう決定けっていしている状態じょうたい

紛争ふんそう(ふんそう、英語えいご: conflict, dispute)とは、しゃ以上いじょう目標もくひょう関心かんしんについてたがいにせい反対はんたいであると知覚ちかくし、その知覚ちかくもとづいて行動こうどう決定けっていしている状況じょうきょう[1]

土地とち紛争ふんそう」や「地域ちいき紛争ふんそう」のように、ある属性ぞくせいちがうあるしゅ個体こたい同士どうし隣合となりあ生活せいかつするなか発生はっせいする場合ばあい個人こじん人間にんげん生活せいかつから集団しゅうだんやあるしゅ要素ようそ価値かちかん共有きょうゆうする個体こたい同士どうし対立たいりつするなか発生はっせいする場合ばあいなど、様々さまざまなレベル・様相ようそうられる。成田なりた紛争ふんそう成田空港なりたくうこう問題もんだい)にられるように、武器ぶき規制きせいなど政府せいふ管理かんり体制たいせいによっては本格ほんかくてき武力ぶりょく紛争ふんそうにまではいたらない場合ばあいもあるが、暴動ぼうどう意識いしき対立たいりつ、あるいは武力ぶりょく紛争ふんそう英語えいご: armed conflict)として表面ひょうめんするケースもある。

武力ぶりょく紛争ふんそう 編集へんしゅう

政府せいふ状態じょうたいである秩序ちつじょなかにおいて、さまざまな国家こっか勢力せいりょくがその利害りがい関係かんけいから対立たいりつする事態じたい発生はっせいした場合ばあい上部じょうぶ調停ちょうてい機関きかんがないため、武力ぶりょく行使こうしによって相手あいてみずからの意思いし強制きょうせいしようとする場合ばあいがある。この武力ぶりょく行使こうしによって双方そうほう戦力せんりょくはげしくあらそ事態じたい武力ぶりょく紛争ふんそう[よう出典しゅってん]

武力ぶりょく紛争ふんそう定義ていぎ範囲はんいはかなりひろく、内戦ないせんから国際こくさいほううえにおける戦争せんそうふくむ。武力ぶりょく紛争ふんそうは1949ねんジュネーヴしょ条約じょうやくなどの「国際こくさい人道じんどうほう」の適用てきよう対象たいしょうとなっている。共通きょうつうだいさんじょう対象たいしょうは「国際こくさいてき性質せいしつたない武力ぶりょく紛争ふんそう」であるとされているが、これには国内こくない暴動ぼうどう散発さんぱつてき暴力ぼうりょく行為こういふくまれない[2]。ただし国内こくないにおける武力ぶりょく紛争ふんそう定義ていぎ明確めいかくには複数ふくすうくに反対はんたいしており[3]現在げんざいもはっきりとした定義ていぎ存在そんざいしない[4]

現代げんだい日本にっぽんにおいては、発生はっせいした武力ぶりょく紛争ふんそう名称めいしょう明確めいかく決定けっていされる事例じれいすくなく、「○○戦争せんそう」や「○○紛争ふんそう」といった名称めいしょう政府せいふ見解けんかいやメディア、論文ろんぶんなどによってことなることもおおい。内戦ないせん比較的ひかくてき小規模しょうきぼ地域ちいき紛争ふんそう紛争ふんそうばれることがおおいが(れい:ユーゴスラビア紛争ふんそうフォークランド紛争ふんそう)、紛争ふんそうばれるものでもボスニア・ヘルツェゴビナ紛争ふんそうエチオピア・エリトリア国境こっきょう紛争ふんそうのように国家こっかあいだできわめておおきな被害ひがいした武力ぶりょく紛争ふんそうもあり、視点してんによってとらえかたことなる事例じれいもあるため[5]明確めいかく基準きじゅん存在そんざいしているわけではない。

分類ぶんるい 編集へんしゅう

紛争ふんそうはその内容ないよう対立たいりつてんからおおまかに分類ぶんるいされている。独立どくりつ分離ぶんり紛争ふんそうであれば「独立どくりつ紛争ふんそう」、民族みんぞくあいだでの紛争ふんそうであれば「民族みんぞく紛争ふんそう」、国家こっか国境こっきょうあいだでの紛争ふんそうであれば「国際こくさい紛争ふんそう」などがげられる。また、だい世界せかい大戦たいせんのような世界せかい規模きぼ戦争せんそうとの対比たいひとして「地域ちいき紛争ふんそう」のかたりもちいられる[6]

アメリカぐんによる分類ぶんるい 編集へんしゅう

アメリカぐんでは紛争ふんそうをその規模きぼからみっつにおおきく分類ぶんるいしている。

  • てい強度きょうど紛争ふんそう - 比較的ひかくてきていレベルの紛争ふんそう状態じょうたいであり、国家こっか勢力せいりょく平和へいわてき競争きょうそう関係かんけいよりもはげしく政治せいじてき軍事ぐんじてき対立たいりつする状態じょうたいす。この事態じたいにおいては治安ちあん作戦さくせんから破壊はかい工作こうさくまでがおこなわれる。形態けいたいとして、内戦ないせんゲリラせん継続けいぞくてきテロ活動かつどうげられる。今日きょうでは、地上ちじょうせんにおいて従来じゅうらいだい規模きぼ戦車せんしゃせんたいして、市街しがいせんたい歩兵ほへい・ゲリラ戦闘せんとう言葉ことばとしてもちいられることがおおく、略称りゃくしょうLICLow Intensity Conflict)もよくもちいられる。
  • ちゅう強度きょうど紛争ふんそう - 比較的ひかくてきちゅうレベルの紛争ふんそう状態じょうたいであり、特定とくてい地域ちいきにおいて国家こっか勢力せいりょく実際じっさい武力ぶりょく衝突しょうとついた政治せいじてき軍事ぐんじてき対立たいりつ状態じょうたいす。形態けいたいとして、限定げんてい戦争せんそう地域ちいきレベルの戦争せんそうげられる。
  • こう強度きょうど紛争ふんそう - 比較的ひかくてきこうレベルの紛争ふんそう状態じょうたいであり、ぜん世界せかい規模きぼにおいて国家こっか勢力せいりょく本格ほんかくてき武力ぶりょく攻撃こうげき展開てんかいして全面ぜんめん戦争せんそういた状態じょうたいす。形態けいたいとして、国家こっかそう力戦りきせんかく戦争せんそうげられる。

原因げんいん 編集へんしゅう

勢力せいりょく均衡きんこう崩壊ほうかい構造こうぞうてき暴力ぼうりょくによる不満ふまんイデオロギーもとづく行動こうどう正当せいとうなど、土地とち資源しげんうばい(国境こっきょう紛争ふんそう)などの主体しゅたいあいだ利害りがい関係かんけいをはじめ、国際こくさい関係かんけい宗教しゅうきょう宗教しゅうきょう紛争ふんそう)、経済けいざい事情じじょう文化ぶんか民族みんぞくせいバイアス無自覚むじかく集団しゅうだん心理しんりなどと複雑ふくざつ関係かんけいして紛争ふんそう発生はっせいする。(戦争せんそう内戦ないせん参照さんしょう

なお今日きょう現実味げんじつみびてきているが、地球ちきゅう温暖おんだんによる環境かんきょう変動へんどうによって土地とち浸水しんすい資源しげん食糧しょくりょうみずなど)の枯渇こかつすすみ、環境かんきょう難民なんみん増加ぞうか世界中せかいじゅう土地とち資源しげんをめぐる紛争ふんそう多発たはつ戦争せんそう内紛ないふん増加ぞうかするのではないかと危惧きぐするこえ1970ねんだいごろからあった[よう出典しゅってん]

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

  1. ^ D.バル・タル『紛争ふんそう平和へいわ構築こうちく社会しゃかい心理しんりがく熊谷くまがい智博ともひろ大渕おおふち憲一けんいちやく 北大路きたおおじ書房しょぼう 2012ねんISBN 978-4-7628-2787-7 p.6.
  2. ^ 樋口ひぐち一彦かずひこ 2000, pp. 7.
  3. ^ 政治せいじ基盤きばんよわくに国内こくないに「武力ぶりょく紛争ふんそう」があることをみとめると、外国がいこくから介入かいにゅうされる可能かのうせいがあるという懸念けねんをもつ
  4. ^ 樋口ひぐち一彦かずひこ 2000, pp. 14.
  5. ^ 萩野はぎの弘巳ひろみ & だん祐介ゆうすけ 1994, pp. 14.
  6. ^ "地域ちいき紛争ふんそう". 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ). コトバンクより2020ねん10がつ13にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん 編集へんしゅう

  • 萩野はぎの弘巳ひろみだん祐介ゆうすけ「「戦争せんそう」の定義ていぎ : 「戦争せんそう警告けいこく監視かんしだん」(Warning Watchers of War)の提唱ていしょう」(PDF)『東海大学とうかいだいがく紀要きよう. 教養きょうよう学部がくぶだい25ごう琉球大学りゅうきゅうだいがく法文学部ほうぶんがくぶ、1994ねん、pp.33-52、NAID 110000193492 
  • 樋口ひぐち一彦かずひこ内戦ないせん適用てきようされる国際こくさい人道じんどうほう適用てきよう条件じょうけん--武力ぶりょく紛争ふんそう存在そんざいおよ武力ぶりょく紛争ふんそう当該とうがい行為こういとの関連かんれんせいをめぐって」(PDF)『琉大法学ほうがくだい64ごう琉球大学りゅうきゅうだいがく法文学部ほうぶんがくぶ、2000ねん、pp.1-43、NAID 120001372086 

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう