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戦闘機 - Wikipedia

戦闘せんとう

軍用ぐんよう一種いっしゅ

戦闘せんとう(せんとうき、えい: fighter aircraft, あるいはたんにfighter、どく: Jagdflugzeug,略称りゃくしょうとしてJäger)は、敵対てきたいする航空機こうくうきとのそら対空たいくう戦闘せんとうおも任務にんむとする軍用ぐんよう

だい世界せかい大戦たいせん戦闘せんとうP-51Dおく)とだい5世代せだい戦闘せんとうF-35A手前てまえ

フランス空軍くうぐんローラン・ギャロスが1915ねんモラーヌ・ソルニエ L中心ちゅうしんせん固定こていじゅう装備そうびしたことで思想しそうまれ、ドイツによるフォッカー アインデッカー量産りょうさんによって、固定こていじゅう装備そうびしててき航空機こうくうき撃墜げきついする機体きたいとして登場とうじょうした[1]時代じだいすすむにつれて技術ぎじゅつ発達はったつせんくんにより戦闘せんとう任務にんむ多様たようし、技術ぎじゅつてき思想しそうてきにもちがいがまれていった。また、たか運動うんどうせいつため、特殊とくしゅ飛行ひこう公演こうえんにも利用りようされる。

現在げんざい戦闘せんとうには、従来じゅうらい攻撃こうげきになっていた対地たいち攻撃こうげきたいかん攻撃こうげきばくげきをこなせる機種きしゅおおい(マルチロール[2]

世界せかいもっと生産せいさんされた戦闘せんとうはドイツのBf109やく35,000ジェット機じぇっとき最多さいたソビエト連邦れんぽうMiG-15やく15,000ちょう音速おんそくではMiG-21やく10,000)。日本にっぽん最多さいた生産せいさんれいしき艦上かんじょう戦闘せんとうやく10,000[3]

世界せかいもっとひろ運用うんようされている戦闘せんとうおおじゅんにF-16、Su-27けい、MiG-21けいF-15F/A-18MiG-29けいF-35J-10タイフーンF-5[4]

英語えいごでは「Fighter」だが、1948ねん以前いぜんアメリカ陸軍りくぐん航空こうくうぐんでは「pursuit aircraft (追撃ついげき)」とばれていた[5]。また、兵器へいき搭載とうさいできる航空機こうくうき全般ぜんぱんして戦闘せんとう場合ばあいがある[6] が、その意味いみでの戦闘せんとう軍用ぐんよう参照さんしょう

戦闘せんとう命名めいめい方法ほうほうについては軍用ぐんよう命名めいめい規則きそく参照さんしょう


種類しゅるい分類ぶんるい 編集へんしゅう

外形がいけい区別くべつ 編集へんしゅう

単発たんぱつ
搭載とうさいエンジンが1つのもの。そのため、レシプロプロペラが1くみジェット機じぇっときはノズルが1つとなる[7]
双発そうはつ
搭載とうさいエンジンが2つのもの。そのため、レシプロはプロペラが2くみジェット機じぇっときはノズルが2つとなる[7]。ただし、レシプロについてはけいくものようにエンジンは双発そうはつでありながらプロペラが1くみというれいや、2じゅう反転はんてんプロペラを1のエンジンで駆動くどうするれい(すなわちエンジン1つにたいしてプロペラ2くみ)も存在そんざいする。

任務にんむ区別くべつ 編集へんしゅう

せいそら戦闘せんとう
空戦くうせんによって戦闘せんとう空域くういき制圧せいあつする任務にんむ格闘かくとう性能せいのう重要じゅうようとする[7]F-22せいそら戦闘せんとうよりさらに強調きょうちょうされた航空こうくう支配しはい戦闘せんとうばれ、航空こうくう脅威きょういだけでなく地上ちじょう脅威きょういにも支配しはいりょくおよぼす戦闘せんとう[8]
要撃ようげき迎撃げいげき戦闘せんとう要撃ようげき戦闘せんとう局地きょくち戦闘せんとう防空ぼうくう戦闘せんとう
基地きち艦隊かんたい上空じょうくう防御ぼうぎょ担当たんとうする。上昇じょうしょうりょく速度そくど必要ひつようとする。地上ちじょう警戒けいかいシステムとのリンクも重要じゅうよう[7]せいそら戦闘せんとうとの区別くべつがなくなり投入とうにゅう任務にんむによってわる[8]
護衛ごえい戦闘せんとう
ばくげき護衛ごえい任務にんむ[7]
戦闘せんとう爆撃ばくげき戦闘せんとう攻撃こうげき長距離ちょうきょり侵攻しんこう戦闘せんとう、(支援しえん戦闘せんとう
ばくだんなどを搭載とうさい対地たいち攻撃こうげきおこなう。武装ぶそう搭載とうさいりょうおお[7]戦闘せんとうようへいそう攻撃こうげきようへいそう双方そうほう搭載とうさいできまた状況じょうきょうおうじて戦闘せんとうとしても攻撃こうげきとしても活動かつどうできるのが戦闘せんとう攻撃こうげき戦闘せんとうばくだんなどを搭載とうさいすることはできるが、対地たいち攻撃こうげきようシステムをんでいないものは、精度せいどひくいものになるので戦闘せんとう攻撃こうげきとはわない(ばくそう)。戦闘せんとうとしても攻撃こうげきとしても能力のうりょくそなえた用途ようとである。戦闘せんとうばくげき能力のうりょくそなえた機体きたい戦闘せんとう爆撃ばくげき攻撃こうげき搭載とうさいりょうたかまっためんかられば戦闘せんとう爆撃ばくげき戦闘せんとう攻撃こうげきおなじものとなった[9]

支援しえん戦闘せんとうは、航空こうくう自衛隊じえいたいでの攻撃こうげき名称めいしょうで、任務にんむたいかん攻撃こうげき対地たいち攻撃こうげき近接きんせつ航空こうくう支援しえんひろく、状況じょうきょうおうじて航空こうくう脅威きょうい対処たいしょにも使用しようされる[10]

任務にんむ戦闘せんとうマルチロール、マルチロールファイター)
1機種きしゅ任務にんむおうじて搭載とうさいへいそう装備そうびひん変更へんこうすることでせいそら戦闘せんとう各種かくしゅ攻撃こうげき任務にんむ偵察ていさつなどの任務にんむ投入とうにゅうできる戦闘せんとう[10]

性能せいのうによる分類ぶんるい 編集へんしゅう

明確めいかく区分くぶんはなく、相対そうたいてき区別くべつである[11]。)
けい戦闘せんとう
比較的ひかくてき格闘かくとう性能せいのうたかい。格闘かくとうせん得意とくい[12]運動うんどうせいおもてきとの空戦くうせんしゅ目的もくてき[13]
じゅう戦闘せんとう
比較的ひかくてき速度そくどたかい。一撃いちげき離脱りだつ得意とくい[12]速力そくりょく上昇じょうしょうりょくおもてき爆撃ばくげきなどの要撃ようげきしゅ任務にんむ[13]

運用うんようする場所ばしょによる分類ぶんるい 編集へんしゅう

陸上りくじょう戦闘せんとう
陸上りくじょう基地きち運用うんようする戦闘せんとう
水上すいじょう戦闘せんとう
水上すいじょう離着陸りちゃくりくする戦闘せんとう
艦上かんじょう戦闘せんとう
空母くうぼ搭載とうさいする戦闘せんとう

ジェット戦闘せんとう分類ぶんるい 編集へんしゅう

 
1950ねん以降いこう世界せかい戦闘せんとう図形ずけいしき年表ねんぴょう
だい1世代せだい
音速おんそくのジェット戦闘せんとう朝鮮ちょうせん戦争せんそうはつジェット機じぇっとき同士どうし空戦くうせん経験けいけんした[14]
だい2世代せだい(1950年代ねんだい
ちょう音速おんそくのジェット戦闘せんとう[14]
だい3世代せだい(1960年代ねんだい
ミサイル装備そうび重視じゅうしして格闘かくとう性能せいのう軽視けいしした機銃きじゅうたないジェット戦闘せんとう。ベトナム戦争せんそう空戦くうせん接近せっきんせん頻発ひんぱつし、格闘かくとう性能せいのう機銃きじゅう大切たいせつさをあやまりにづくことになった[14]
だい4世代せだい(1970年代ねんだい
東西とうざいつくられた格闘かくとう性能せいのう重視じゅうししたジェット戦闘せんとうだい推進すいしんりょく機敏きびん機動きどう飛行ひこう可能かのうになった[14]
だい4.5世代せだい
たか機動きどうりょく攻撃こうげき任務にんむおこなうジェット戦闘せんとう[14]
だい5世代せだい
ステルスせい先制せんせい攻撃こうげき目的もくてきにしたジェット戦闘せんとう[14]
だい6世代せだい
2020年代ねんだい後半こうはん以降いこう実用じつようされるとされている次世代じせだいのジェット戦闘せんとう各国かっこく様々さまざまなコンセプトを提唱ていしょうしているが、2021ねん現在げんざいでは国際こくさいてき一致いっちした見解けんかい存在そんざいしない。

使用しようする天候てんこうによる分類ぶんるい 編集へんしゅう

だい世界せかい大戦たいせん夜間やかん戦闘せんとう登場とうじょうし、それ以外いがい昼間ひるま戦闘せんとう区別くべつすることもあったが、レーダー計器けいき発達はったつ全天候ぜんてんこう戦闘せんとう登場とうじょうして定着ていちゃくし、それらの名前なまえすたれていった[7]

昼間ひるま戦闘せんとう
夜間やかん戦闘せんとう
全天候ぜんてんこう戦闘せんとう
夜間やかんでも悪天候あくてんこうでもわらない能力のうりょく発揮はっきできる戦闘せんとうジェット機じぇっとき進化しんかすすみほとんどが全天候ぜんてんこう戦闘せんとうである。最大さいだい特徴とくちょう高性能こうせいのうレーダーとレーダー誘導ゆうどうそら対空たいくうミサイルを装備そうびしていることである[15]
制限せいげん天候てんこう戦闘せんとう
簡単かんたん火器かき管制かんせい装置そうち赤外線せきがいせん誘導ゆうどうミサイルだけを装備そうびする戦闘せんとう制限せいげん天候てんこう戦闘せんとうをいう[9]

機体きたい性能せいのう 編集へんしゅう

しょもと 編集へんしゅう

格闘かくとう性能せいのう
旋回せんかい性能せいのう上昇じょうしょうりょく操縦そうじゅうせい速度そくど運動うんどうせい視界しかい加速かそく火力かりょくなど総合そうごうてき性能せいのう[16]
速度そくど
水平すいへい飛行ひこうにおける最高さいこう速度そくどレシプロ音速おんそく時代じだいには急降下きゅうこうかによる加速かそく機体きたい強度きょうどがついていかなかったため、急降下きゅうこうか制限せいげん速度そくどもうけられていた。ちょう音速おんそく時代じだいには水平すいへい飛行ひこう機体きたい強度きょうどから制限せいげん速度そくどもうけられるので特筆とくひつされなくなった。
航続こうぞく距離きょり
フェリー距離きょり外部がいぶタンクをふく最大さいだい距離きょり)と戦闘せんとう行動こうどう半径はんけい任務にんむをこなし往復おうふくできる距離きょり)がある[17]
こう高度こうど性能せいのう
こう高度こうどまで上昇じょうしょうできる能力のうりょく、およびこう高度こうど飛行ひこう維持いじできる能力のうりょく
乗員じょういんすう
戦闘せんとうは、基本きほんてき単座たんざ。1950年代ねんだいからレーダー操作そうさ航法こうほう担当たんとうする乗員じょういんはいしたふくえてきた[18]

構造こうぞう 編集へんしゅう

軍用ぐんよう航空機こうくうきおおくがセミモノコック構造こうぞう胴体どうたい構成こうせいされ中央ちゅうおうつばさ構造こうぞうそなえているのにたいして、ほとんどの戦闘せんとう剛性ごうせいたかそぎ溶接ようせつフレーム構造こうぞう構成こうせいされ、そとばん内部ないぶ保護ほごそらりょく特性とくせい向上こうじょうにな要素ようそおおきい。一般いっぱんに1-4めい程度ていど乗務じょうむいんせま操縦そうじゅうしつ着座ちゃくざしたまま飛行ひこうする。

あずかあつ有無うむ任務にんむによるが、ジェット戦闘せんとう場合ばあい破裂はれつけるため被弾ひだんそなえてあずかあつをせず、パイロットは酸素さんそマスクを着用ちゃくようする。

素材そざい
 
ラファール使用しようされる素材そざい使用しよう箇所かしょ
  アルミリチウム合金ごうきん

一般いっぱんてき飛行機ひこうき同様どうように、黎明れいめい木製もくせいぬの構造こうぞうから、1930年代ねんだいごろから金属きんぞくせいモノコック構造こうぞう進化しんかしていった。過渡かとには木製もくせいモノコックや鋼管こうかんぬのり、あるいはそれら材料ざいりょう混合こんごうられた。たとえば、ジェット戦闘せんとうデ・ハビランド バンパイアでは木製もくせい合板ごうはん一部いちぶ使用しようしている。

しかしながら、1950年代ねんだいにはすべてがぜん金属きんぞくせい構造こうぞうになった(例外れいがいとしてF-117はレーダー探知たんちけるための素材そざいとして、一部いちぶ採用さいよう)。金属きんぞく材料ざいりょうとしては、軽量けいりょう強度きょうどすぐれるアルミニウム合金ごうきんジュラルミンけいなど)が多用たようされた。ただしたい熱性ねっせいおとるのが欠点けってんであり、そのためちょう音速おんそく戦闘せんとうではそらりょく加熱かねつ対策たいさくとして、一部いちぶあるいは全体ぜんたいにスチールを採用さいようしたれい存在そんざいする。ただし1950年代ねんだいごろからおなじくたい熱性ねっせいすぐれたチタニウム合金ごうきんチタン合金ごうきん)が実用じつようされた。スチールより軽量けいりょうだが同時どうじ高価こうか工作こうさくむずかしく、高速こうそく飛行ひこうそらりょく加熱かねつによってとく高温こうおんになる機体きたい部位ぶいなどに使用しようされていた。
1970年代ねんだいごろからは繊維せんい強化きょうかプラスチック (FRP) に代表だいひょうされるふくあい材料ざいりょう代替だいたいされつつある。FRPは軽量けいりょう強度きょうどおおきくステルスせいなどにすぐれ、たとえばそらりょく弾性だんせい特性とくせい方向ほうこうせいたせた前進ぜんしんつばさのような、金属きんぞく材料ざいりょうでは不可能ふかのう特殊とくしゅ構造こうぞうつくすこともできる。
エンジン
レシプロエンジン
レシプロエンジン戦闘せんとう専用せんよう特殊とくしゅ構造こうぞうのエンジンとうわけではなく、えてえば小型こがた軽量けいりょうおおきさのわりだい出力しゅつりょくのものが戦闘せんとうけであった。たとえばドイツでは、DB600けいエンジンを戦闘せんとうようとし、それよりも重量じゅうりょうおおきいjumoエンジンをおもばくげきようとしてもちいた。しかしながら、だい出力しゅつりょくにつれ必然ひつぜんてき大型おおがたけられない傾向けいこうにあった。
この時代じだい武装ぶそう航続力こうぞくりょく重視じゅうしする要撃ようげき戦闘せんとう護衛ごえい戦闘せんとうは、むを双発そうはつとなることおおかったが、必然ひつぜんてきにより小型こがた軽量けいりょう単発たんぱつよりも鈍重どんじゅうけられず、またプロペラ同士どうし干渉かんしょうけるためそれぞれのエンジンをはなして配置はいちせざるをず、機体きたいのモーメントがおおきくなり、格闘かくとうせん突入とつにゅうなどでは圧倒的あっとうてき不利ふりであった。
ロケットエンジン
だい大戦たいせん末期まっき戦後せんごにはMe163などのロケットエンジン搭載とうさいした戦闘せんとう存在そんざいした。強力きょうりょく推力すいりょくやすいため強力きょうりょく加速かそくやすい、のエンジンのように外気がいきまないために空気くうき抵抗ていこう要因よういんとなるエアインテーク機体きたいもうける必要ひつよううえ空気くうきうすい・存在そんざいしないところ宇宙うちゅう空間くうかんなど)でも運用うんよう可能かのう理論りろんじょう)という利点りてんがあるが、安全あんぜんせいなんがあるうえ航続こうぞく距離きょり極端きょくたんみじかいなどの欠点けってんがあるため実用じつようとはがたく、現在げんざいではすたれている。
またロケットはエンジン出力しゅつりょくよわかった時代じだいのジェット戦闘せんとう加速かそくよう使用しようされる場合ばあいもあった。また、戦闘せんとう武装ぶそうひとつであるミサイルの推進すいしん機関きかんはロケットエンジンが主流しゅりゅうである。
ジェットエンジン
出現しゅつげん当初とうしょじくりゅう圧縮あっしゅくしき遠心えんしん圧縮あっしゅくしきのターボジェットエンジン存在そんざいしたが、時代じだいともじくりゅうしき主流しゅりゅうになっていく。ジェットエンジンはレシプロエンジンよりスロットル反応はんのうわるく、戦闘せんとうようエンジンとしてはおおきな欠点けってんとなった。また、レシプロエンジンにして部分ぶぶん負荷ふか運転うんてん効率こうりつわるい。そのため、それをおぎなうためにアフターバーナー付加ふかするのが、戦闘せんとうようエンジンとしては必須ひっすとなった。初期しょきのジェットエンジンは低速ていそく特性とくせいわるく、そのためにターボプロップエンジンもちいられたこともあった。しかしながら、戦闘せんとうようエンジンとして実用じつようされたれいだい世界せかい大戦たいせんのジェットエンジン黎明れいめい開発かいはつされたイギリスの艦上かんじょう戦闘せんとうウェストランド ワイバーンや、アメリカのXP-81 ひとし少数しょうすうとどまった。
やがてターボファンエンジンが実用じつようされ、音速おんそく旅客機りょかくきばくげきなどで採用さいようされていくが、ちょう音速おんそく戦闘せんとうようのものの実用じつようさらこととなる。現代げんだいではターボファンが主流しゅりゅうだが、旅客機りょかくきなど音速おんそくのターボファンエンジンは、ほとんどの推力すいりょくをファンでかせぐプロペラちかものなのにたいし、ちょう音速おんそく性能せいのう必要ひつようとされる戦闘せんとうようエンジンは、バイパスひくくターボジェットエンジンにちかい。
だが、ターボジェットにくらべより低速ていそくきの特性とくせいのジェットエンジンであり、音速おんそく突破とっぱにはアフターバーナーの使用しよう必須ひっすになった。ただし最近さいきん戦闘せんとうようエンジンは、ちょう音速おんそく巡航じゅんこう可能かのうにするためにさらにバイパスげられ、また、機動きどうせい向上こうじょうねらって推力すいりょく可変かへんノズルを装備そうびするものがあらわれている。
レシプロエンジン時代じだいことなり、運動うんどうせい重視じゅうしされるせいそら戦闘せんとうなどにも双発そうはつおおられる。
ジェットエンジンは、プロペラの干渉かんしょういためエンジン同士どうし隣接りんせつして搭載とうさいでき、また小型こがたエンジン双発そうはつほう大型おおがたエンジン単発たんぱつよりも出力しゅつりょく効率こうりつく、機体きたい小型こがたにできる傾向けいこうにある(F-5戦闘せんとうひとしはそうした成功せいこうれいである)。だが、エンジンは機体きたい部品ぶひんなかでも高額こうがくで、燃費ねんぴ効率こうりつ小型こがたエンジン多数たすう使用しようより大型おおがたエンジン少数しょうすう使用しようほういため、コストめん整備せいびせいでは単発たんぱつ有利ゆうりである。
戦闘せんとうでも大型おおがた小型こがた存在そんざいする場合ばあいは、小型こがた単発たんぱつに、大型おおがた双発そうはつにしてエンジンの種類しゅるい統一とういつすれば、量産りょうさん効果こうかでコストもげられる(ちなみに前述ぜんじゅつF-5戦闘せんとう場合ばあいは、ミサイルや無人むじん標的ひょうてきおなじエンジンを使つかい、コストをげている)。
洋上ようじょうでの作戦さくせんおおアメリカ海軍かいぐん航空こうくう自衛隊じえいたいなどの機体きたいは、安全あんぜんせいすぐれる双発そうはつこのまれる傾向けいこうにある(片方かたがたのエンジンが停止ていししても、もう片方かたがたのエンジンのみで飛行ひこう継続けいぞくできるため)。
つばさ
直線ちょくせんつばさ
レシプロ時代じだいは、戦闘せんとうふくめて航空機こうくうき全般ぜんぱん大半たいはん直線ちょくせんつばさであった。直線ちょくせんつばさあげこうたか機動きどうせい確保かくほには有利ゆうりであるが、空気くうき抵抗ていこうおおきく、また遷音そくいきではおとかべにぶつかるなどちょう音速おんそく飛行ひこうにはかない形状けいじょうである。初期しょきのジェット戦闘せんとうにはレシプロ時代じだいからの継続けいぞくとして当然とうぜんのように採用さいようされているが、次第しだい後述こうじゅつする後退こうたいつばさやデルタつばさなど、ちょう音速おんそく飛行ひこうきの主翼しゅよく形状けいじょうってわられることになる。
ただしF-104のようにつばさはばちぢめ、あつさを非常ひじょううすくすることによって、ちょう音速おんそくきの特性とくせいにした直線ちょくせんつばさ存在そんざいする。
後退こうたいつばさ
レシプロ時代じだい重心じゅうしんをより後方こうほうっていくための手法しゅほうであった。最初さいしょ実用じつようジェット戦闘せんとうであるMe262もその目的もくてき後退こうたいつばさ採用さいようしたのであるが、音速おんそく付近ふきんでのつばさ衝撃波しょうげきは発生はっせいおくらせることができる利点りてん発見はっけんされ、その音速おんそくちょう音速おんそく戦闘せんとうひろ採用さいようされた。直線ちょくせんつばさよりも安定あんていせいすぐれるのが長所ちょうしょであるが、運動うんどうせい重視じゅうしする戦闘せんとうではかえって弱点じゃくてんともなるため、主翼しゅよくしたはんかくをつけて安定あんていせいげる設計せっけいおこなわれる場合ばあいおおい。
F-86MiG-15など、初期しょき音速おんそくジェット戦闘せんとうおおくがこの形式けいしきである。
可変かへんつばさ
低空ていくうでの機動きどう有利ゆうり直線ちょくせんつばさから、ちょう音速おんそく飛行ひこう有利ゆうり後退こうたいつばさまで、つばさ角度かくど自由じゆうえることができる。反面はんめん、システムが高価こうかかつ複雑ふくざつになる。
MiG-23トーネードF-14ひとしがこの形式けいしき
 
代表だいひょうてき可変かへんつばさであるMiG-23
デルタつばさ三角みすみつばさ
主翼しゅよく前後ぜんごはばおおきいので主翼しゅよく自体じたい安定あんていたも設計せっけいてきしており、尾翼びよく形式けいしき併用へいようされることおおい。その場合ばあい空気くうき抵抗ていこうがそのぶんちいさくなり、後退こうたいつばさよりもさらに高速こうそく飛行ひこうてきするが、低速ていそくいきではあげこうわるく、機動きどうせいめんでは不利ふり。また、離陸りりく滑走かっそう距離きょりながくなり、着陸ちゃくりくには揚力ようりょく確保かくほのためだいむかかくらなくてはならない(そのため、視界しかいわるくなる)などの欠点けってんがある。
初期しょきでは尾翼びよくつき形式けいしきにすること最近さいきんではカナードつばさ装備そうびすることでこれらの欠点けってん改善かいぜんはかっている(これをクロースカップルドデルタ(ふくあいデルタ)あるいはコウ・デルタとぶ。ダブルデルタではない)が、空気くうき抵抗ていこうかんするメリットはうしなわれる。ただしおなはば後退こうたい角度かくど後退こうたいつばさくらべれは、同等どうとう空気くうき抵抗ていこうでよりつばさ面積めんせきおおきくできる。また構造こうぞうじょうつばさをより頑丈がんじょうにでき、同等どうとう強度きょうどであればつばさをより軽量けいりょうできるという利点りてんはある。
尾翼びよく形式けいしきとしてはF-102ミラージュ IIIなど、尾翼びよくつき形式けいしきとしてはMiG-21など、カナードつきはグリペンタイフーンラファールなどにられる。
ダブルデルタつばさじゅう三角みすみつばさ
デルタつばさ欠点けってんであった離着陸りちゃくりく性能せいのうなどの改善かいぜんはかるため、つばさ後退こうたいかくけたもの。戦闘せんとうとしてはサーブ 35 ドラケン唯一ゆいいつ採用さいようれいであるが、けっしてすたれたわけではなく、後述こうじゅつするLEX (Leading edge extension) へと発展はってんしたと解釈かいしゃくされる(ダブルデルタつばさ場合ばあいはデルタつばさ一種いっしゅであるが、LEXは直線ちょくせんつばさ後退こうたいつばさわせることもでき、より範囲はんいひろ用語ようご解釈かいしゃくできる)。
クリップトデルタつばさとしさん角翼かくよく
デルタつばさつばさはしとした形状けいじょう後退こうたいかくあさくしながらつばさ面積めんせきおおきくとれるので、低速ていそくいきでのあげこうたかく、音速おんそくいきでの機動きどうせいたかい。そのわり普通ふつうのデルタつばさほど前後ぜんごはばれないので尾翼びよく形式けいしきく、ほぼ尾翼びよくつき形式けいしき採用さいようされている(ただし戦闘せんとうでなくばくげきであれば、アブロ バルカンという尾翼びよくクリップドデルタつばさ採用さいようれいがある)。
F-15F-16など。
菱形ひしがたつばさ
つばさぜんえん後退こうたいかくが、こうえん前進ぜんしんかくがついているもの。そらりょく特性とくせいよりもステルスせい優先ゆうせんした設計せっけいあたらしい形式けいしきである。F-22YF-23F-35などがこの形式けいしき
前進ぜんしんつばさ
後退こうたいつばさおなじく、衝撃波しょうげきは発生はっせい時差じさけることができるが、後退こうたいつばさちがってつばさはし失速しっそくになりにくい。反面はんめんつばさがねじれやすく、また後退こうたいつばさとはぎゃく効果こうかにより安定あんていせいわるくなる。しかし、前者ぜんしゃかるくて強度きょうどのあるしん素材そざい開発かいはつにより、後者こうしゃ機体きたい制御せいぎょコンピュータの発達はったつなどによって解決かいけつされてきている。また、安定あんていせいわるいということ急激きゅうげき機体きたい機動きどう可能かのうということ意味いみするので、機動きどうせい重視じゅうしする戦闘せんとうにとっては利点りてんともえる(この観点かんてんからまれたのが運動うんどう能力のうりょく向上こうじょうである)。ただし、ステルスせいなんがあるというあらたな問題もんだいしょうじたため、この形式けいしき戦闘せんとう実戦じっせん配備はいびされていない。
X-29Su-47などがこの形式けいしき
明確めいかく分類ぶんるいできない形式けいしき
以上いじょう主翼しゅよく分類ぶんるいべてきたが、上記じょうき分類ぶんるいめるのがむずかしい場合ばあいもある。F-4Su-27主翼しゅよくのように、後退こうたいつばさとクリップトデルタつばさ中間ちゅうかんえる形式けいしきのものは数多かずおお存在そんざいする。ライトニング主翼しゅよくは、後退こうたいつばさともえるし、つばさはしのみならずのちえん内側うちがわをも三角形さんかっけいりぬいたクリップトデルタつばさとも解釈かいしゃくできる。
どの程度ていど以上いじょう後退こうたいさせた場合ばあい後退こうたいつばさであるという明確めいかく定義ていぎ存在そんざいしないため、F-5F/A-18主翼しゅよくは、後退こうたいつばさとも直線ちょくせんつばさともいきれない。
ストレーキ
 
F/A-18のストレーキにより発生はっせいするうずりゅう
デルタつばさは、低速ていそくいきでのあげこうひくい、離着陸りちゃくりく失速しっそくやすい、などの欠点けってんがあった。これを改善かいぜんするため、つばさ後退こうたいかくけたダブルデルタつばさ開発かいはつされた。ストレーキは、このダブルデルタつばさうちつばさ発展はってんさせたフィンである。とく主翼しゅよくぜんえん部分ぶぶん延長えんちょうしたものはLERX(leading edge root extension/主翼しゅよくぜんえん延長えんちょう)とばれる。ストレーキは空気くうきうずりゅう発生はっせいさせ、それが主翼しゅよく水平すいへい尾翼びよくながれる気流きりゅうにエネルギーをあたえることで、失速しっそくかじきの低下ていかふせぎ、機体きたい機動きどうせいおおきく向上こうじょうさせている。
ストレーキを装備そうびした機体きたいは、F-16F/A-18Su-27など。
カナード
主翼しゅよく前部ぜんぶけられた小型こがたつばさで、水平すいへい尾翼びよく同様どうよう機体きたいピッチ制御せいぎょおこなう。水平すいへい尾翼びよくちがって主翼しゅよくとも揚力ようりょく発生はっせいさせることにより、主翼しゅよく面積めんせきをその分節ぶんせつやくすることができる(水平すいへい尾翼びよく場合ばあい通常つうじょうマイナスの揚力ようりょく発生はっせいさせるので、主翼しゅよくはより揚力ようりょく発生はっせいさせることもとめられる)。そもそも世界せかい最初さいしょ飛行ひこうした機体きたいであるライトフライヤーごうがこの形式けいしきであったが、水平すいへい尾翼びよくくらべてかじ過敏かびん反応はんのうするため安定あんていせいわるいということで、そのすたれてしまった。
近年きんねん、デルタつばさとのわせにより、主翼しゅよく前部ぜんぶ気流きりゅう制御せいぎょすること機体きたい機動きどうせい向上こうじょうするという利点りてん発見はっけんされ(前述ぜんじゅつのストレーキと同等どうとう効果こうかである)、また機体きたい制御せいぎょむずかしさはフライ・バイ・ワイヤによっておぎなこと可能かのうとなり、ひろもちいられることとなった。なおデルタつばさ尾翼びよく形式けいしきによって主翼しゅよくのみで安定あんていたも設計せっけい可能かのうなため、カナードは揚力ようりょく発生はっせいしない設計せっけいにする場合ばあいおおい。
しかしごく近年きんねんでは、ステルスせいなんがあるという欠点けってん発見はっけんされている。
ブレンデッドウィングボディ
主翼しゅよくなめらかに胴体どうたいつながっており、何処どこまでが主翼しゅよく何処どこからが胴体どうたいなのか区別くべつきにくい形状けいじょうこととく大迎おおむかえかくったさい胴体どうたい主翼しゅよく役割やくわりたし、実質じっしつじょうつばさめん荷重かじゅうちいさくなる効果こうかがある。また、ステルスせい向上こうじょうする利点りてんもある。胴体どうたいない容積ようせきおおきくなり、燃料ねんりょうとうをよりおお搭載とうさいできる利点りてんもある。
戦闘せんとうではF-16代表だいひょうてきれいである。これよりさら発展はってんしたものとして、リフティング・ボディ主翼しゅよく存在そんざいせず、胴体どうたいそのものが揚力ようりょく発生はっせい主翼しゅよくわりをする)、ぜんつばさ胴体どうたい存在そんざいせず、主翼しゅよくのみで構成こうせいされた航空機こうくうき)といった形式けいしきがあるが、実用じつようされた戦闘せんとうでの採用さいようれいいまところ存在そんざいしない。

へいそう 編集へんしゅう

戦闘せんとう誕生たんじょう以来いらい対空たいくう戦闘せんとうのためのへいそう機関きかんじゅう機関きかんほう相場そうばまっていた。だいいち世界せかい大戦たいせんときには、たい気球ききゅう飛行船ひこうせんようとしてロケットだん装備そうびしたれいもある。だい世界せかい大戦たいせんときふたたびロケットだん装備そうび復活ふっかつ1960年代ねんだいころまで使つかわれたが、誘導ゆうどう装置そうちのついたロケットだん、すなわちミサイルってわられることになる。現代げんだいでもロケットだんポッドを搭載とうさい可能かのう戦闘せんとうおおいが、もっぱ対地たいち攻撃こうげきようである。

武装ぶそう
 
グリペン搭載とうさいされているBK-27
機関きかんほうは、そら対空たいくうミサイルの登場とうじょうにより、とくてき戦闘せんとう交戦こうせんする機会きかいすくない要撃ようげきなどには不要ふようとされ装備そうびされない機体きたい登場とうじょうしたが、ベトナム戦争せんそうなどの教訓きょうくんからミサイルの命中めいちゅうりつがそれほどたかくないこと判明はんめいしたため、ふたた装備そうびされるようになった。ミサイルの命中めいちゅうりつがかなり向上こうじょうした現代げんだいにおいても、まんいち近接きんせつ格闘かくとうせん突入とつにゅうした場合ばあい保険ほけんとして必須ひっす認識にんしきされ固定こてい装備そうびされている。また機内きないには装備そうびされないが、対地たいち攻撃こうげきとう必要ひつようにのみガンポッドとして機外きがい搭載とうさいされる機体きたいもある(F-35B/Cひとし)。
航空こうくう機関きかんほう砲身ほうしんすう減少げんしょうする傾向けいこうにあり、アメリカでは6もん砲身ほうしんM61 バルカンから4もん砲身ほうしんGAU-22/A移行いこうし、ロシアでは2もん砲身ほうしんGSh-23から1もん砲身ほうしんGSh-30-1移行いこうした。またヨーロッパのマウザー BK-2730 M 791は1もん砲身ほうしんである。
そら対空たいくう戦闘せんとう用兵ようへいそうは、前述ぜんじゅつ機関きかんほうそら対空たいくうミサイルである。遠距離えんきょり戦闘せんとうはアクティブ・レーダー・ホーミング (ARH) およびセミ・アクティブ・レーダー・ホーミング (SARH) しき長距離ちょうきょりようミサイルが、接近せっきんせんでは赤外線せきがいせん誘導ゆうどう (IRH) ミサイルおよ機関きかんほう使つかわれる。
 
ミサイルとばくだん搭載とうさいしたタイフーン
電子でんし機器きき
一般いっぱん電子でんし機器ききるい中枢ちゅうすう専用せんよう空調くうちょう機構きこうたい振動しんどう保持ほじ機構きこうによって保護ほごされており、配線はいせんるいひかりファイバーケーブルのようになんもえたいねつたいノイズせいたかいものがもちいられている。21世紀せいき以降いこう戦闘せんとうでのデジタルされた搭載とうさい電子でんし機器ききるいは、各種かくしゅ機能きのう共通きょうつう演算えんざんハードウェアとそのうえうご多様たようなソフトウェアによって実現じつげんされるようになっており、一部いちぶ演算えんざん機能きのううしなってものこりの演算えんざんただちにぎソフトウェアを実行じっこうする冗長じょうちょう構成こうせいになっている。
アビオニクス
戦闘せんとうアビオニクスるいは、一般いっぱんてき航空機こうくうきそなえるレーダーGPS航法こうほう装置そうちFMSFADECなどのほかに、火器かき管制かんせい装置そうちやレーダー警戒けいかい装置そうちIRST、ECM装置そうち戦術せんじゅつデータ・リンク・システムなどが搭載とうさいされている。レーダーがてきより高性能こうせいのうちょう探知たんち距離きょりこう分解能ぶんかいのうであれば、てきさき発見はっけん捕捉ほそくして先制せんせい攻撃こうげきをかけることができる。また、ミサイルや機関きかんほう命中めいちゅうりつたかめるためには、高性能こうせいのう火器かき管制かんせい装置そうち必要ひつようである。
ECM装置そうち
てきのレーダーに探知たんちされたときは、レーダー警戒けいかい装置そうちなどESM装置そうちでいちはやてきのレーダー電波でんぱ探知たんち分析ぶんせきし、同時どうじにECM装置そうちでそれを妨害ぼうがいする必要ひつようがある。これらの戦闘せんとう電子でんしせん (EW) とばれる。
ECM装置そうちには、チャフフレアデコイなどてきレーダーを欺瞞ぎまんするものや、てきレーダー能力のうりょく低下ていかさせるジャミング電波でんぱ妨害ぼうがい装置そうちなどがある。
情報じょうほう共有きょうゆうシステム
味方みかた支援しえんけるためには、友軍ゆうぐんはた早期そうき警戒けいかい管制かんせい (AWACS) 、地上ちじょう要撃ようげき管制かんせい (GCI) とうとの情報じょうほう共有きょうゆう不可欠ふかけつである。このために、戦術せんじゅつデータ・リンク・システムなどの情報じょうほう共有きょうゆう系統けいとう必要ひつようである。AWACSなどからの支援しえん有無うむ航空こうくうせんでは非常ひじょう重要じゅうよう要素ようそとなる。
21世紀せいきはいってからは、高価こうかなAWACSと電子でんしてき連係れんけい作戦さくせんおこなえる先進せんしんてき近代きんだいてき空軍くうぐんによる航空こうくう作戦さくせんおこなわれている。

歴史れきし 編集へんしゅう

飛行機ひこうき歴史れきし」「戦闘せんとう一覧いちらん」も参照さんしょう

だいいち世界せかい大戦たいせん 編集へんしゅう

 
フォッカー E.III
(1916ねんウィルトシャー

戦争せんそう初期しょき航空機こうくうき戦闘せんとうりょくたずてき偵察ていさつ使つかわれただけであった。最初さいしょは、おたがいに攻撃こうげき手段しゅだんたず、てき偵察ていさつたいし、そのまますれちがったり、おたがしゅって挨拶あいさつしていることもあった[19]。しかし、航空こうくう偵察ていさつ効果こうかがりはじめると、てき偵察ていさつ行動こうどう妨害ぼうがいする必要ひつようせいてきた。最初さいしょわせていた工具こうぐげつけたのがはじまりとされている。やがて煉瓦れんがいしはじめ、拳銃けんじゅう猟銃りょうじゅう使つかはじめた[19]操縦そうじゅう操縦そうじゅう桿から長時間ちょうじかんはなせないため、火力かりょく不足ふそくであるが片手かたて使つかせま操縦そうじゅうせきでもまわしやすい拳銃けんじゅうおお使つかわれた。また多少たしょう高価こうかであってもモンドラゴンM1908のようなはん自動じどう小銃しょうじゅう採用さいようしたれいもある。

戦闘せんとう誕生たんじょうのきっかけは、フランス空軍くうぐんローラン・ギャロスが1915ねんモラーヌ・ソルニエ L中心ちゅうしんせん固定こていじゅう装備そうびしたことにはじまる。4月1にちドイツのアルバトロスせい航空機こうくうきはじめて撃墜げきついされ、その半月はんつきで4撃墜げきついはつのエースパイロットが誕生たんじょうする[1]当初とうしょのエースパイロットの条件じょうけんは10以上いじょう撃墜げきついであったが、士気しき高揚こうようのため5以上いじょう撃墜げきついあらためられた[20]

日本にっぽんでは1914ねん10がつにちどく戦争せんそうした青島ちんたおたたか日本にっぽん陸軍りくぐんの(日本にっぽん陸海りくかいぐんはつの)実戦じっせん飛行ひこう部隊ぶたいたる臨時りんじ航空こうくうたい日本にっぽんはつ空中くうちゅうせん経験けいけんする。機関きかんじゅうんだドイツ軍機ぐんきルンプラー・タウベ上空じょうくうまわるため、日本にっぽんモーリス・ファルマン偵察ていさつ任務にんむおこなえず、そのため臨時りんじ航空こうくう隊長たいちょう有川ありかわたかいち陸軍りくぐん工兵こうへい中佐ちゅうさがニューポールNG地上ちじょうよう機関きかんじゅうんで偵察ていさつ味方みかた支援しえんてき妨害ぼうがいするという、戦闘せんとうてき空中くうちゅうせんおこなわれた[21]

1915ねん6がつドイツがフォッカー アインデッカー量産りょうさんし、プロペラない固定こていじゅう装備そうびしててき航空機こうくうき撃墜げきついする機体きたいとして登場とうじょうし、この駆逐くちく戦闘せんとう)の独立どくりつ出現しゅつげん各国かっこく見習みならうことになる。[22] 本格ほんかくてき空中くうちゅう戦闘せんとうはこの機体きたいからはじまり、それまでたんいちおこなわれていた飛行機ひこうき作戦さくせんから任務にんむ細分さいぶんされ、偵察ていさつばくげき空戦くうせん発展はってんして過程かてい専用せんよう機種きしゅまれた[23]。この時代じだい戦闘せんとう構造こうぞう木製もくせい帆布ほぬのりが主体しゅたいであった。エンジンは水冷すいれいしきと、シリンダーを放射状ほうしゃじょう配置はいちし、エンジン全体ぜんたいをプロペラと一緒いっしょ回転かいてんさせて冷却れいきゃくする回転かいてんしきロータリーしき)の2種類しゅるいがあり、出力しゅつりょくは200馬力ばりき程度ていどであった。主翼しゅよく単葉たんよう主翼しゅよくが1まい)からさんようおなじく3まい)まで種種しゅじゅとりどりであったが、複葉ふくようおなじく2まい)がもっとおおかった。その、プロペラ同調どうちょう装置そうち発明はつめいにより機首きしゅから機銃きじゅう射撃しゃげきできるようになり、以降いこう戦闘せんとう機首きしゅ同調どうちょう装置そうちきの機銃きじゅう装備そうびするという形態けいたい標準ひょうじゅんとなった。

1915ねん後半こうはんになると戦闘せんとうばくげきという専用せんよう機種きしゅあらわれた。1916ねんには戦場せんじょう上空じょうくうでのせいそら獲得かくとく思想しそうまれる。ドイツは戦場せんじょうせいそらのため、空中くうちゅう阻塞、駆逐くちく戦法せんぽうというすうそう配置はいちした防御ぼうぎょてき阻塞まく構成こうせいする方法ほうほうをとり、戦闘せんとう発達はったつとともにてき撃墜げきつい航空こうくう優勢ゆうせい獲得かくとくする戦法せんぽう発展はってんし、空中くうちゅうアクロバットせん展開てんかいされていった。しかし、航続こうぞく距離きょりみじかかったため、侵攻しんこうして攻撃こうげきする戦法せんぽう未熟みじゅくだった[24]

レシプロ戦闘せんとう形体けいたい完成かんせいしていくのと並行へいこうして、空冷くうれいしきエンジンは、素材そざい設計せっけい進歩しんぽにより冷却れいきゃく効率こうりつ向上こうじょうしたこと、ならびにこう回転かいてんともなっておもいエンジン自体じたいまわすデメリットが目立めだってきたことからほしがたエンジンわっていった。水冷すいれいしきエンジンも改良かいりょうすすみ、両方りょうほうとも1000馬力ばりき程度ていどまでパワーアップした。主翼しゅよくはしばらく複葉ふくよう全盛ぜんせい時代じだいつづいたが、だい大戦たいせん開戦かいせんまえには、少数しょうすう複葉ふくようイタリアCR.42ソ連それんI-15bisなど)をのぞ主翼しゅよく単葉たんようになった。またどう時期じきしゅあし固定こていしきからしきになり、飛行ひこうには主翼しゅよくない胴体どうたいない格納かくのうされることで空気くうき抵抗ていこう低減ていげんはかられるようになった。機体きたい構造こうぞう木製もくせい帆布ほぬのりから、鉄骨てっこつ帆布ほぬのりへと移行いこうさらぜん金属きんぞくモノコックへとわっていった。

だい世界せかい大戦たいせん 編集へんしゅう

 
スーパーマリン スピットファイア手前てまえ)とYak-3おく

だいいち世界せかい大戦たいせんにおける戦闘せんとう格闘かくとうせんてき技術ぎじゅつ尊重そんちょう伝統でんとうとなり撃墜げきついすうきそったが、飛行機ひこうき武器ぶき性能せいのう向上こうじょうかず増大ぞうだいあたらしい傾向けいこうまれていった。編隊へんたい空中くうちゅう戦闘せんとう思想しそうあらわれ、空戦くうせんでは各個かっこ行動こうどうするが、有利ゆうり態勢たいせい空戦くうせん開始かいしするための全体ぜんたい大勢おおぜい指導しどうや、終末しゅうまつ集結しゅうけつ帰還きかん指導しどう重視じゅうしされた。また、後方こうほう視界しかい武装ぶそう強化きょうかされたふく戦闘せんとうあらわれ、たい戦闘せんとう以外いがい要地ようち防衛ぼうえい援護えんご地上ちじょう攻撃こうげきなど多様たよう戦闘せんとうあらわはじめた[25]各国かっこくともにくにげて戦闘せんとう改良かいりょう増産ぞうさんはげみ、大半たいはん戦闘せんとうぜん金属きんぞくせい単葉たんよう単座たんざ単発たんぱつとなったが、例外れいがいもまだおおかった。

1921ねん10がつ9にち設計せっけい自体じたいはイギリスの招聘しょうへい技師ぎしによるものであるが日本にっぽんでもはつ国産こくさん戦闘せんとうであるいちしき艦上かんじょう戦闘せんとう完成かんせいした。

1921ねん航空こうくう戦力せんりょく本質ほんしつ攻勢こうせいとし空中くうちゅうからの決定的けっていてき破壊はかい攻撃こうげきいたドゥーエ(イタリア)の「せいそら」が発刊はっかんされ、1927ねんころには世界せかいてき反響はんきょうんだ[26]。ドゥーエやミッチェルに代表だいひょうされるせいそら獲得かくとく政戦せいせんりゃくてき要地ようち攻撃こうげき重視じゅうしするために戦略せんりゃくばくげき部隊ぶたい保持ほじこのましく、1930年代ねんだいには技術ぎじゅつてきにも可能かのうとなり、列強れっきょうこく分科ぶんか比率ひりつ爆撃ばくげき重視じゅうしするようになった[27]日本にっぽん陸軍りくぐんでも1928ねん3がつ20日はつか統帥とうすい綱領こうりょう制定せいてい航空こうくう攻勢こうせい用法ようほう徹底てっていして地上ちじょう作戦さくせん協力きょうりょく重視じゅうしし、戦場せんじょう空中くうちゅう防空ぼうくうせいそら獲得かくとく姿すがたえてしまった[28]。そういったうごきからばくげき攻撃こうげき)の発達はったつばくげき戦略せんりゃくじょう重視じゅうしし、戦闘せんとう軽視けいしする戦闘せんとう無用むようろん台頭たいとうする。日本にっぽんでは1936ねん前後ぜんこう陸海りくかいぐんひろ支持しじされ、攻撃こうげき重視じゅうしして戦闘せんとう無用むようする主張しゅちょう戦闘せんとう急降下きゅうこうかばくげきをさせることで攻撃こうげきがわにも使つかうという主張しゅちょうがあったが、ささえ事変じへん戦闘せんとう価値かち認識にんしきされた[29]ドイツでも支持しじされたが、1940ねんバトル・オブ・ブリテンによって戦闘せんとう価値かち認識にんしきした[30]。アメリカでも支持しじされ、1944ねんにはドイツ奥地おくちへのばくげき中止ちゅうしされる甚大じんだい被害ひがいけて、戦闘せんとう必要ひつようせい認識にんしきした[31]

1937ねん9がつ日本にっぽん海軍かいぐん源田げんたささえ事変じへんで、それまでしゅとして防御ぼうぎょようられていた戦闘せんとう積極せっきょくてき遠距離えんきょり進攻しんこうさせ、制空権せいくうけん獲得かくとくする「せいそらたい」をはじめとする攻撃こうげきてき主体しゅたいてき戦闘せんとう戦術せんじゅつ考案こうあんした。従来じゅうらい攻撃こうげき主体しゅたい戦術せんじゅつ思想しそう一変いっぺんさせた戦闘せんとう中心ちゅうしん画期的かっきてきしん戦法せんぽうであり、戦闘せんとうあらたな価値かち認識にんしきされた[32]。これを端緒たんしょに、せんばく連合れんごう戦闘せんとう単独たんどく進出しんしゅつなど積極せっきょくてき使用しようする航空こうくう戦術せんじゅつかた確立かくりつされていった[33]

1938ねんドイツ空軍くうぐんヴェルナー・メルダーススペイン内戦ないせんで、それまで3編隊へんたい主流しゅりゅうとなっていた戦闘せんとう最小さいしょう編隊へんたい構成こうせいを、21くみ編隊へんたいみ、ちょう攻撃こうげき追撃ついげき集中しゅうちゅうし、もう1の僚機が上空じょうくうないしちょう後方こうほう援護えんご哨戒しょうかいおこなう「ロッテ戦術せんじゅつ」を考案こうあんした。さらに2プラス2の4編隊へんたいむ「シュヴァルム戦法せんぽう」にまで発展はってんさせた。これらはドイツ空軍くうぐんだけの採用さいようまらず、のち世界せかいてき利用りようされる編隊へんたいかたちとして定着ていちゃくしていった[34]

だい世界せかい大戦たいせん初期しょきまでは格闘かくとうせん主流しゅりゅうであり、たか格闘かくとう性能せいのう機体きたい空戦くうせん優勢ゆうせいだったが、アメリカぐんのように組織そしきてき格闘かくとうせんけていちげき離脱りだつおこなうように指導しどうするくにあらわれ、れいせんたいF4F、スピットファイアたいBf 109の対戦たいせんのように格闘かくとうせんいちげき離脱りだつのどちらが有利ゆうり空戦くうせんむかも勝敗しょうはい関係かんけいしてきた[35]

日本にっぽん海軍かいぐん太平洋戦争たいへいようせんそう敗色はいしょくくなると戦闘せんとう体当たいあたり攻撃こうげきおこな特攻とっこう戦法せんぽう主張しゅちょうするものあらわれた。軍令ぐんれいだい2部長ぶちょう黒島くろしまひさしじんは1943ねん8がつ6にち戦闘せんとうによる衝突しょうとつげき戦法せんぽう提案ていあん、1944ねん4がつ体当たいあたり戦闘せんとう開発かいはつ提案ていあんしている[36]。1944ねん10がつ20日はつか大西おおにしたき治郎じろう中将ちゅうじょうによって編成へんせいされた最初さいしょ神風かみかぜ特別とくべつ攻撃こうげきたい機体きたいとしてれいしき艦上かんじょう戦闘せんとう使用しようされて以降いこう戦闘せんとうによる特攻とっこう終戦しゅうせんまでおこなわれた。

ジェット戦闘せんとうへの移行いこう 編集へんしゅう

だい世界せかい大戦たいせんは、航空機こうくうき主体しゅたいたたかいとなり、開戦かいせん当初とうしょ1,000馬力ばりき未満みまんだったエンジン出力しゅつりょく大戦たいせん後半こうはんには2,000 - 2,500馬力ばりきにもたっした。その急速きゅうそく技術ぎじゅつ進歩しんぽ過程かていで、Me262などのジェット戦闘せんとう誕生たんじょうした。プロペラは その先端せんたん速度そくど音速おんそく(1,200km/海面かいめん)にちかづくと空気くうき圧縮あっしゅく発生はっせいにより推進すいしん効率こうりつわるくなる。その結果けっかプロペラさい高速度こうそくどは800km/どきあたりで頭打あたまうちとなってしまう。レシプロ戦闘せんとうだい大戦たいせん終了しゅうりょうからさほどたないうちにその速度そくどいきたっし、主力しゅりょく戦闘せんとうとしての使命しめい終了しゅうりょうした。以後いごジェット戦闘せんとう時代じだい突入とつにゅうする。

1930年代ねんだいごろから、レシプロエンジンにわるあたらしい推進すいしん装置そうちとして、ドイツやイギリスなどでジェットエンジンの研究けんきゅうすすめられていた。世界せかいはじめて飛行ひこうしたジェットエンジンは、1939ねんはつ飛行ひこうしたハインケルHe178である。だい大戦たいせん後期こうきにかけて各国かっこくでP-80 シューティングスター(アメリカ)、Me 262(ドイツ)、ミーティア(イギリス)などのジェット戦闘せんとう登場とうじょうしたが、本格ほんかくてき実用じつようはドイツのMe262だけであった。初期しょきジェット機じぇっときはレシプロ戦闘せんとう設計せっけい延長えんちょうじょうにあるものがおおく、エンジンの装備そうび位置いちは、だい大戦たいせんちゅうのMe 262や直線ちょくせんつばさでは主翼しゅよくげたポッドしき主翼しゅよくんだ機体きたいおおかった。

 
MiG-15

ジェット戦闘せんとう本格ほんかくてき実戦じっせん投入とうにゅうされたのは、朝鮮ちょうせん戦争せんそうからである。そのころのアメリカ空軍くうぐんではF4Uコルセアなどだい世界せかい大戦たいせん末期まっき採用さいようされたレシプロおお存在そんざいしたが、格闘かくとう性能せいのうではMiG-15と同等どうとうわたうなどジェット戦闘せんとうとレシプロ交錯こうさくする時期じきでもあった。

ソ連それん支援しえんけた中国ちゅうごく人民じんみん志願しがんぐんはいちはや後退こうたいつばさMiG-15投入とうにゅうした。当時とうじ国連こくれんぐん主力しゅりょくとなったのはF-80 シューティングスターグロスター ミーティアなどの直線ちょくせんつばさ戦闘せんとうであり、設計せっけい思想しそうではMiG-15のほう先進せんしんてきであった。その、これに対抗たいこうしてアメリカぐん中心ちゅうしんとする連合れんごうぐん後退こうたいつばさF-86 セイバーなどを投入とうにゅうした。性能せいのうてきにはMiG-15とF-86は一長一短いっちょういったんであり、上昇じょうしょうりょく格闘かくとう性能せいのうではMiG-15がったが、レーダーや照準しょうじゅんなどのそうめんではF-86のほう優秀ゆうしゅうであった。結果けっかとしてはべい空軍くうぐんパイロットの技量ぎりょうたかさもあって、この後退こうたいつばさ戦闘せんとう同士どうしたたかいではアメリカの圧勝あっしょうであった。

音速おんそくたっするまえのジェット戦闘せんとうは「だい1世代せだい」と区別くべつされる。

ちょう音速おんそく戦闘せんとう 編集へんしゅう

だい2世代せだいジェット戦闘せんとう
 
F-104G

1940年代ねんだいまで 有人ゆうじん飛行機ひこうき音速おんそくえて操縦そうじゅうすることが可能かのうかどうかは、まった未知みち世界せかいであった。だい大戦たいせん直後ちょくごから、アメリカはこの問題もんだい実験じっけんできる機体きたい研究けんきゅうつづけていた。この目的もくてきのために製作せいさくされたベルXS-1(ロケットエンジンを装備そうびのちにX-1に名称めいしょう変更へんこう)は1947ねん有名ゆうめいチャック・イェーガー操縦そうじゅう音速おんそく突破とっぱし、ちょう音速おんそくでも機体きたい操縦そうじゅう可能かのうであることを証明しょうめいした。このときはB-29はらにぶらげられて離陸りりくし、高度こうど6,100mでははからはなされて発進はっしんした。

一旦いったん 有人ゆうじん音速おんそくえられることがわかれば、のちはエンジンの推力すいりょく空気くうき力学りきがく問題もんだいである。ジェットエンジンは次々つぎつぎ改良かいりょうされ、推力すいりょくおおきくなった。機体きたい形状けいじょうではエリアルール面積めんせき法則ほうそく)なる理論りろん提案ていあんされ、F-102デルタダガー音速おんそく突破とっぱ貢献こうけんした。これは、飛行機ひこうきだん面積めんせき変化へんかすくないように設計せっけいすれば高速こうそくでの抵抗ていこうすくないという理論りろんで、機体きたい応用おうようした場合ばあい主翼しゅよく部分ぶぶん胴体どうたいがくびれてほそくなる。一方いっぽう主翼しゅよくは、後退こうたいつばさよりもより高速こうそく飛行ひこうてきしたデルタつばさ多数たすう登場とうじょうした。こうしておとかべ突破とっぱし、ちょう音速おんそく飛行ひこう可能かのうとなった戦闘せんとうは「だい2世代せだい」のジェット戦闘せんとう分類ぶんるいされる。また、この時期じきにはAIM-9サイドワインダーなどのそら対空たいくうミサイル登場とうじょうした。
だい3世代せだいジェット戦闘せんとう
 
F-5N手前てまえ)とF-4Sおく

ミサイルの発達はったつにより、空戦くうせん遠距離えんきょりからのミサイルのげきいで終始しゅうしするというミサイル万能ばんのうろんひろがった。高速こうそくでよりおおくのミサイルを搭載とうさい可能かのう戦闘せんとう最強さいきょう戦闘せんとうとされ、近接きんせつ格闘かくとうせん必要ひつよう機動きどうせい軽視けいしされるようになった。そのためすくなくない戦闘せんとう機関きかんほう装備そうび廃止はいしした。戦闘せんとう高速こうそくすすみ、ちょう高速こうそく戦略せんりゃく迎撃げいげきよう開発かいはつされたMiG-25 "フォックスバット"最高さいこう速度そくど非常ひじょうはやく、3,000 km/h (およそマッハ 2.83 相当そうとう)での飛行ひこう目標もくひょう設計せっけいされており、中東ちゅうとう方面ほうめんではマッハ 3.4 の飛行ひこう速度そくど記録きろくされた世界せかい史上しじょう最速さいそく戦闘せんとうである。

しかし、当時とうじそら対空たいくうミサイルの性能せいのうひくく、ベトナム戦争せんそうでは接近せっきんせん発生はっせいし、そのさい機動きどうせいひくいアメリカ空軍くうぐんさい新鋭しんえいF-105サンダーチーフなどが、旧式きゅうしきMiG-17やはるかに安価あんかMiG-21容易たやす撃墜げきついされるという事態じたい発生はっせいした。この経験けいけんから、格闘かくとう性能せいのう機関きかんほう大切たいせつさがさい認識にんしきされ、アメリカとして比較的ひかくてき機動きどうせいたか機体きたいであるF-4ファントムIIF-106は、当初とうしょ廃止はいししていた機関きかんほうこうけで装備そうび[14]、F-4の活躍かつやくでアメリカぐんはなんとかベトナム戦争せんそうしのいだ。
スウェーデンサーブ しゃ戦闘せんとうはSTOL性能せいのう即席そくせき滑走かっそうからの離陸りりくとう考慮こうりょし、だい2世代せだいサーブ 35 ドラケンはダブルデルタつばさストレーキ嚆矢こうし)、だい3世代せだいサーブ 37 ビゲンはデルタつばさとカナードをわせる、当時とうじとしては特異とくい形態けいたい採用さいようした。この形態けいたいだい4世代せだいでは普遍ふへんてきになる。
だい4世代せだいジェット戦闘せんとう
 
MiG-29A(手前てまえ)とF-16C(おく

ベトナム戦争せんそうしるし戦争せんそう中東ちゅうとう戦争せんそう格闘かくとう性能せいのうとく運動うんどう性能せいのう重視じゅうしするようになった[37]。1970年代ねんだいには格闘かくとう性能せいのう重視じゅうししただい推進すいしんりょく機敏きびん機動きどう飛行ひこうおこなうF-14、F-15、F-16、SU-27、MiG-29などの「だい4世代せだい」の戦闘せんとう東西とうざいつくられた。またF/A-18のようなマルチロールファイターもつくられた[14]。これ以降いこうは、ただはやいよりも旋回せんかいによる回避かいひほう効率こうりつがいいという意見いけんたかまり、速度そくどとしてでも性能せいのう確保かくほする傾向けいこうになり、たとえばF-14、F-15とも最高さいこう速度そくどはマッハ2だいなかばにまり、前任ぜんにんF-4ファントムとわらないが、旋回せんかい半径はんけい半分はんぶん以下いかまでちいさくなっている[38]。F-16以降いこう速度そくど性能せいのうてる傾向けいこう拍車はくしゃがかかり、F/A-18はマッハ1だいとどまっている。

ちょう音速おんそく戦術せんじゅついたアフターバーナーターボファンエンジン実用じつようされたため、要求ようきゅうされる機動きどうせい実現じつげんできる飛行ひこう性能せいのう実現じつげんできた。操縦そうじゅうせきグラスコックピットフライ・バイ・ワイヤ導入どうにゅうなど、ハイテクすすめられる。また風防ふうぼうは、ドッグファイトにまれた場合ばあい結局けっきょくいちばんやくつのはパイロットのであるとかんがえられ、高速こうそく飛行ひこうにはかないが視界しかいがよいなみだしずくがたキャノピーが使用しようされるようになった。また運動うんどうせい追求ついきゅうのため、ストレーキ(LERX)やカナード、あるいはCCV設計せっけい採用さいようされるようになった。

マルチロール 編集へんしゅう

だい4.5世代せだいジェット戦闘せんとう
 
Su-30SM

航空機こうくうきのジェットすすみ、レーダー、電子でんし技術ぎじゅつ、ミサイルなどのへいそう発達はったつ従来じゅうらい機種きしゅ整理せいりされ、とく戦闘せんとう空戦くうせん専門せんもんとするタイプと大量たいりょうへいそう装備そうびできる戦闘せんとう攻撃こうげきタイプが主流しゅりゅうになり、へいそう交換こうかんにより対空たいくう対地たいちたいかんといった幅広はばひろ任務にんむ対応たいおうするマルチロールへと進化しんかしていった。攻撃こうげきはマルチロールした戦闘せんとう集約しゅうやくされて機種きしゅ減少げんしょうした[39]

だい4.5世代せだい」のジェット戦闘せんとうだい4世代せだい凌駕りょうがする性能せいのうつがだい5世代せだいにはおもにステルスせいめんおよばないという意味合いみあいでこうばれる。だい4世代せだい採用さいようがはじまったストレーキあるいはカナード、CCV設計せっけい普遍ふへんてきなものとなり、さらに推力すいりょく偏向へんこうノズルの装備そうびおこなった機体きたいもあり、だい4世代せだいよりもさらに機動きどうせい向上こうじょうするようはかられている。スーパークルーズ能力のうりょくについて言及げんきゅうされることもあるが、ぜん世代せだいでも意図いとてきではないがこの能力のうりょく機体きたいもあり、またこの能力のうりょく実戦じっせん寄与きよしたれい現在げんざいところい。
だい5世代せだいジェット戦闘せんとう
 
F-22A

F-22嚆矢こうしとする、次世代じせだいにな戦闘せんとうである。高度こうどなステルス性能せいのうゆうするステルス研究けんきゅう開発かいはつ各国かっこくすすめられている。これは、相手あいてから探知たんちされなければ生存せいぞんせい大幅おおはば上昇じょうしょうし、てき気付きづかれずに先制せんせい攻撃こうげきくわえることが可能かのうだからである。いいかえれば各種かくしゅセンサー装備そうび充実じゅうじつ(センサーフュージョン)による先制せんせい攻撃こうげきせい強化きょうかもとめられる。またF-22はスーパークルーズ能力のうりょくことから、これもだい5世代せだいジェット戦闘せんとう必須ひっす能力のうりょくとして一時期いちじき言及げんきゅうされたことがあり、そのため前述ぜんじゅつだい4.5世代せだい戦闘せんとうでもスーパークルーズ能力のうりょくについて言及げんきゅうされることがあったが、つづだい5世代せだいであるF-35にはスーパークルーズ能力のうりょく要求ようきゅうされなかった(結果けっかてきにその能力のうりょくっているが)。

だい6世代せだいジェット戦闘せんとう
 
GCAP

だい6世代せだいジェット戦闘せんとう機体きたいは、そもそもだい5世代せだいジェット戦闘せんとういま開発かいはつ途上とじょうであるため、まだ存在そんざいしない。しかしながら、各国かっこく様々さまざま研究けんきゅうすすめている戦闘せんとうが、だい6世代せだいジェット戦闘せんとう自称じしょうするれいられる。

ボーイング2010ねんに、アメリカ海軍かいぐんのF/A-18E/Fを代替だいたいするだい6世代せだいジェット戦闘せんとうとしてF/A-XX計画けいかくしていること発表はっぴょうした。F/A-XXはだい5世代せだいよりたかいステルスせい尾翼びよく双発そうはつのマルチロールで、任務にんむにより有人ゆうじん運用うんよう無人むじん運用うんよう選択せんたく可能かのうであるという。部隊ぶたい配備はいび2025ねん予定よていしている。
防衛ぼうえいしょう航空こうくう自衛隊じえいたいF-2代替だいたいするだい6世代せだいジェット戦闘せんとうとして、i3 FIGHTER構想こうそうちゅうである。i3 FIGHTERのはつ飛行ひこう2022ねん以降いこう予定よていしている。
また、アメリカのベンチャー企業きぎょうSTAVATTIしゃは、F-16CおよびF/A-18Cを代替だいたいするだい6世代せだいジェット戦闘せんとうとして、SM-36 STALMAというけい戦闘せんとう開発かいはつちゅう発表はっぴょうしていたが、2007ねん以降いこうとされていたプロトタイプのロールアウトもおこなわれておらず、STAVATTIしゃ公式こうしきサイトからもSM-36関連かんれんのページが削除さくじょされており、現在げんざい開発かいはつじょうきょう不明ふめいとなっている。
無人むじん戦闘せんとう
アメリカのアフガニスタン侵攻しんこうときに、安価あんか無人むじん航空機こうくうき使用しようされ、たとえとされても人命じんめいうしなわれず費用ひようたい効果こうかてきにも有効ゆうこうせいみとめられた。
当初とうしょ偵察ていさつ任務にんむのみならず、そら対地たいちミサイルを搭載とうさいし、限定げんていてき攻撃こうげき任務にんむ可能かのう機種きしゅ登場とうじょうした。しかしながら、遠隔えんかく操縦そうじゅうにはつね妨害ぼうがい通信つうしん途絶とぜつ可能かのうせいがあり、またそら対空たいくう戦闘せんとう自律じりつ自動じどうにはまだ多大ただい困難こんなんがある。
また、アメリカ空軍くうぐん初期しょき対空たいくうミサイル開発かいはつ当初とうしょ、それらを「無人むじん戦闘せんとう」としてあつかっており、型式けいしき番号ばんごうにも戦闘せんとうしめす「F」をあたえていたが、のち戦闘せんとうとは別物べつものとしてあつかわれるようになり、Fナンバーがあたえられていたミサイルも順次じゅんじ改名かいめいされていった。

戦闘せんとういちれい 編集へんしゅう

かく時代じだい区分くぶんごとにそのくにである程度ていど多数たすう[40]生産せいさんされたものや、主力しゅりょく主力しゅりょく候補こうほとして開発かいはつされたものを、かく時代じだい5以内いない目安めやすとして以下いかにあげる。また海軍かいぐんすなわ艦上かんじょう戦闘せんとうについてはこちらには記載きさいしない。

だいいち世界せかい大戦たいせん 編集へんしゅう

S.XIII
キャメル

  ドイツ帝国ていこく

フォッカー E.III
プロペラ同調どうちょう装置そうちきの固定こてい機銃きじゅう装備そうびした世界せかいはつ戦闘せんとうであるE.Iの改良かいりょうがたフォッカーしゃせい単葉たんよう戦闘せんとうシリーズなかもっとおおつくられた。
アルバトロス D.III
戦争せんそう中期ちゅうきから末期まっきまで運用うんようされた主力しゅりょく戦闘せんとう木製もくせいモノコック胴体どうたい採用さいよう
フォッカー Dr.I
撃墜げきついおうリヒトホーフェン男爵だんしゃく(レッドバロン)のじょうとして有名ゆうめい
アルバトロス D.V
D.IIIがたから改良かいりょうされた、戦争せんそう末期まっき主力しゅりょく戦闘せんとう
フォッカー D.VII
終戦しゅうせん直前ちょくぜんから戦後せんごにかけて生産せいさんされた複葉ふくようだいいち世界せかい大戦たいせん連合れんごうこくがわもっとおそれられたドイツぐん主力しゅりょく戦闘せんとう

  フランス

スパッド S.VII
フランスじゅう戦闘せんとう高速こうそくほこった。
ニューポール 11
大戦たいせん中期ちゅうきけい戦闘せんとう複葉ふくようしもつばさみじか一葉いちようはん方式ほうしき採用さいよう格闘かくとうせんつよい。
スパッド S.XIII
大戦たいせん後期こうき主力しゅりょくじゅう戦闘せんとう日本にっぽんでもへいしきいちがた戦闘せんとうとして運用うんようされた。

  イギリス

ソップウィス キャメル
大戦たいせん中期ちゅうきからイギリスの本格ほんかくてき主力しゅりょく戦闘せんとうとなったけい戦闘せんとう旋回せんかい性能せいのうすぐれていた。
王立おうりつ工場こうじょう S.E.5a
キャメルとはぎゃくじゅう戦闘せんとう。キャメルよりはや配備はいびされ、制空権せいくうけん回復かいふくたした。

せんあいだ 編集へんしゅう

きゅうななしき戦闘せんとう
I-16

  アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

ボーイング P-12
アメリカ陸軍りくぐん最後さいご主力しゅりょく複葉ふくよう戦闘せんとうアメリカ海軍かいぐんでもF4B名称めいしょう主力しゅりょく艦上かんじょう戦闘せんとうとして運用うんようされた。
ボーイング P-26 ピーシューター
アメリカ陸軍りくぐんはつぜん金属きんぞくせい単葉たんようにちちゅう戦争せんそうでは渡洋とよう爆撃ばくげきおこなったきゅうろくしき陸上りくじょう攻撃こうげき邀撃ようげき活躍かつやく
カーティス・ライト P-36 ホーク
ぜん金属きんぞくせいていつばさ単葉たんようかつ引込ひきこめしきしゅあし採用さいようされた、べい陸軍りくぐんはつ近代きんだいてきレシプロ戦闘せんとう。アメリカ以外いがいにも各国かっこく輸出ゆしゅつされた。
ロッキード P-38
英国えいこく仕様しよう排気はいきタービン(きゅう)をはずされたモンキーモデルだったのでイギリスにほとんどの機体きたいりを拒否きょひされた。このとき生産せいさんラインにあった「ライトニング I」140はP-322のコードがけられて、わりにアメリカ陸軍りくぐんったが、パイロットからも不評ふひょうで、べい本土ほんどでの訓練くんれん雑用ざつよう使つかわれただけにわった。

  フランス

モラーヌ・ソルニエ M.S.406
だい世界せかい大戦たいせん直前ちょくぜんから初期しょきフランス空軍くうぐん運用うんようされた主力しゅりょく戦闘せんとうBf 109上回うわまわ性能せいのうしめした。のちにはフィンランドでも活躍かつやくした。

  イギリス

ブリストル ブルドッグ
1930年代ねんだいのイギリス空軍くうぐん主力しゅりょく戦闘せんとう。フィンランドにも輸出ゆしゅつされ、ふゆ戦争せんそう活躍かつやくした。
グロスター SS.37 グラディエーター
だい世界せかい大戦たいせんまえ採用さいようされた主力しゅりょく戦闘せんとうだい世界せかい大戦たいせん初期しょきにもおもにイタリア空軍くうぐんたたかい、複葉ふくようながら健闘けんとうした。

  ソビエト連邦れんぽう

ポリカルポフ I-16
世界せかいはつぜん金属きんぞくせいていつばさ単葉たんよう引込ひきこめしきしゅあし戦闘せんとう機体きたいみじかく、すんまった外見がいけん特徴とくちょう中国ちゅうごくでも運用うんようされ、にちちゅう戦争せんそう日本にっぽんたたかった。

だい世界せかい大戦たいせん 編集へんしゅう

Bf 109
F6F
Me 262

  アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

ベル P-39
輸出ゆしゅつよう排気はいきタービンがはずされたため、イギリス空軍くうぐんではホーカー ハリケーンより性能せいのうおと実戦じっせん使つかえるものではないとの理由りゆうから、わずかな期間きかん運用うんよう中止ちゅうしされ、受領じゅりょう機体きたいりを拒否きょひされた。のこった機体きたいソ連それんへのレンドリースまわされたほか、アメリカ陸軍りくぐんがP-400と名付なづることとなった。
カーチス・ライト P-40 トマホーク/キティホーク/ウォーホーク
大戦たいせんはつ中期ちゅうきのアメリカ陸軍りくぐん戦闘せんとう。やや旧式きゅうしきながら実用じつようせい信頼しんらいせい生産せいさんせいたかく、各国かっこくにも多数たすう供与きょうよされた。
リパブリック P-47
欧州おうしゅう戦線せんせんP-51マスタングならぶアメリカぐん主力しゅりょく戦闘せんとうとして活躍かつやくし、生産せいさんすう1まん5せんたっした。戦闘せんとうとしての能力のうりょくすぐれていたが、だい馬力ばりきエンジンによるおおきなペイロードと機銃きじゅう8ていじゅう武装ぶそうによって戦闘せんとう爆撃ばくげきとしても活躍かつやくした。
ノースアメリカン P-51 マスタング
十分じゅうぶん格闘かくとう性能せいのうゆうしながら、すぐれたこう高度こうど性能せいのう航続力こうぞくりょくにより、B-29護衛ごえいにも活躍かつやくP-47 サンダーボルトとともに大戦たいせん後期こうき陸軍りくぐん主力しゅりょく戦闘せんとうとなった。だい大戦たいせん最優秀さいゆうしゅう戦闘せんとう評価ひょうかたかく、朝鮮ちょうせん戦争せんそうでも戦果せんかげた。

  ドイツこく

メッサーシュミット Bf 109
一撃いちげき離脱りだつてきしたじゅう戦闘せんとう史上しじょう最多さいたやく30,000生産せいさんされ、ドイツ空軍くうぐん主力しゅりょく戦闘せんとうとして活躍かつやく
Me 262 シュヴァルベ/シュトゥルムフォーゲル
史上しじょうはつ実用じつようジェット戦闘せんとう後退こうたいつばさ前輪ぜんりんしきしゅあしなど斬新ざんしん技術ぎじゅつ目立めだつ。高速こうそく強力きょうりょく武装ぶそう連合れんごうこくぐん戦略せんりゃく爆撃ばくげき要撃ようげき活躍かつやくし、戦闘せんとう爆撃ばくげきとしても運用うんようされた。しかし、エンジンの耐用たいよう時間じかんみじかいなど技術ぎじゅつてき成熟せいじゅくめんもあった。

  イギリス

ホーカー ハリケーン
大戦たいせんはつ中期ちゅうきのイギリス空軍くうぐん主力しゅりょく戦闘せんとう大戦たいせんぜん開発かいはつ旧式きゅうしき構造こうぞうながら、イギリス本土ほんど防空ぼうくうせんなどでは主力しゅりょく戦闘せんとうとしてばくげき迎撃げいげき活躍かつやくした。
スーパーマリン スピットファイア
たか機動きどうせいにより大戦たいせんつうじてイギリス空軍くうぐん主力しゅりょく戦闘せんとうとして活躍かつやく連合れんごうこくがわ各国かっこくでも運用うんようされた。
グロスター ミーティア
だい大戦たいせんちゅう登場とうじょうした最初さいしょジェット機じぇっとき遠心えんしん圧縮あっしゅくしきのターボジェット・エンジンを装備そうびしていた。

冷戦れいせん 編集へんしゅう

F-86
ビゲン。デルタつばさとカナードをわせるする当時とうじとしては特異とくい形態けいたいだい4.5世代せだいでは普遍ふへんてき)を採用さいようした戦闘せんとう
F-CK-1台湾たいわん国営こくえい航空こうくう企業きぎょうであるかんしょう航空こうくう工業こうぎょうジェネラル・ダイナミックス(GD、げんロッキード・マーティンすうしゃ技術ぎじゅつ協力きょうりょくのもとにF-16をベースに開発かいはつした戦闘せんとうである。
F-15EF-15さい設計せっけいほどこだい4.5世代せだいジェット戦闘せんとう分類ぶんるいされる直列ちょくれつふく戦闘せんとう爆撃ばくげき

  アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

ロッキード P-80/F-80 シューティングスター
アメリカ空軍くうぐんはつ実用じつようジェット戦闘せんとうだが、朝鮮ちょうせん戦争せんそうにはMiG-15相手あいて苦戦くせんし、アメリカ空軍くうぐん後継こうけいとしてF-86を投入とうにゅうした。

  アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

リパブリック P-84/F-84 サンダージェット/サンダーストリーク
朝鮮ちょうせん戦争せんそうではおもにアメリカ空軍くうぐん戦闘せんとう爆撃ばくげきとして活躍かつやく。F9Fと同様どうようのち後退こうたいつばさがた登場とうじょうし、サンダーストリークと名付なづけられた。
ノースアメリカン P-86/F-86 セイバー
MiG-15に対抗たいこうするために開発かいはつされた、後退こうたいつばさ設計せっけい新鋭しんえい多種たしゅ多様たよう派生はせいがたがつくられ、朝鮮ちょうせん戦争せんそう新生しんせいアメリカ空軍くうぐん主力しゅりょく戦闘せんとうとして活躍かつやくした。

  ソビエト連邦れんぽう

MiG-21
デルタつばさ水平すいへい尾翼びよくつ、生産せいさんすう10,000をはるかにえる東側ひがしがわ陣営じんえいのベストセラーきん接戦せっせん能力のうりょくにはすぐれるが、武装ぶそう搭載とうさいりょう航続こうぞく距離きょり不足ふそくがあった。冷戦れいせん各国かっこく改修かいしゅうあんされ海外かいがい運用うんようつづけられている。

なお、初期しょき量産りょうさんがたのMiG-21Fはだい2世代せだい分類ぶんるいされるが、改良かいりょうがたのMiG-21SM以降いこうだい3世代せだい分類ぶんるいされる。   フランス

ダッソー ミラージュ III
三角みすみつばさのベストセラークフィルチーターなどの派生はせいがたもある。

  アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

ノースロップ F-5 フリーダムファイター/タイガーII
途上とじょうこくけの廉価れんか機体きたいとして開発かいはつされた。EがたとFがた愛称あいしょうは「タイガーII」。

  中国ちゅうごく

成都せいと J-10A[41]
瀋陽しんよう J-11A[41]
Su-27ライセンス生産せいさんかた
西安しーあん JH-7
西側にしがわ諸国しょこくからの技術ぎじゅつ導入どうにゅうおこない、ソ連それんのコピーから脱却だっきゃくした、中国ちゅうごく独自どくじ設計せっけいによるはつのジェット戦闘せんとう爆撃ばくげき

  中国ちゅうごく/  パキスタン

成都せいと/PAC[42] JF-17 (FC-1)
中国ちゅうごくとパキスタンが共同きょうどう開発かいはつしたマルチロール

  インド

HAL テジャス[43]

現代げんだい 編集へんしゅう

F-16段階だんかいてき改良かいりょうつづけられたことにより後発こうはつの4.5世代せだいけをらない能力のうりょく維持いじつづけている[44][45]
ユーロファイター タイフーン[46]イギリスドイツイタリアスペイン4かこく共同きょうどう開発かいはつ機体きたい
ダッソー ラファール。ミラージュ2000後継こうけい双発そうはつデルタつばさ
F-35統合とうごう打撃だげき戦闘せんとう(JSF:Joint Strike Fighter)として、アメリカ空軍くうぐん海軍かいぐん海兵かいへいたい採用さいようされたほか多数たすう空軍くうぐん採用さいよう

  ロシア

スホーイ Su-30SM[47]
スホーイ Su-35
推力すいりょく偏向へんこうノズル採用さいようによりたか機動きどうせいゆうするSu-27の発展はってんがた導入どうにゅう予定よていされている現在げんざいのSu-35はSu-35Sとも呼称こしょうされ、カナードつばさのある初代しょだいSu-35たいして2代目だいめとなる。
ミグ MiG-35
現在げんざい開発かいはつちゅうのMiG-29から発展はってんしたマルチロールAESAレーダー推力すいりょく偏向へんこうノズル、スーパークルーズなど先進せんしん技術ぎじゅつ多用たようされており、機動きどうせいはF-22ラプターに匹敵ひってきするとわれている。ロシアでは当機とうきおよびSu-35についてはだい4.5世代せだい(だい4+世代せだい)をさら上回うわまわ機体きたいとしてだい4++世代せだい名称めいしょう使用しようしている。

  スウェーデン

サーブ JAS39 グリペン
JA37と同等どうとう以上いじょう戦闘せんとうりょく任務にんむ戦闘せんとうおもくなりぎたJA37の反省はんせいから、軽量けいりょうはかられている。

  日本にっぽん

三菱みつびし F-2
F-1後継こうけいとしてF-16C/D block40をベースに改良かいりょうおこなった機体きたい。F-15J近代きんだい改修かいしゅう相当そうとうそら対空たいくう戦闘せんとう能力のうりょくへの改修かいしゅうおこなわれる。量産りょうさんがた141導入どうにゅう予定よていだったが、おも緊縮きんしゅく予算よさん影響えいきょうにより削減さくげんされ、配備はいびすうは94にとどまった[48]

  中国ちゅうごく

成都せいと J-10C[41]
中国ちゅうごくにおいてSu-27になら空軍くうぐん主力しゅりょく戦闘せんとう一部いちぶ次元じげん推力すいりょく偏向へんこうノズル搭載とうさいのエンジンを使用しようしている。イスラエルの試作しさく戦闘せんとうラビ」をベースにしていると推測すいそくされている。
瀋陽しんよう J-11D[49]
瀋陽しんよう J-16[41]

  中国ちゅうごく/  パキスタン

成都せいと/PAC JF-17 Block III[50]

  アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

ロッキード・マーティン/ボーイング F-22 ラプター
高度こうどなステルスせい機動きどうせいあわつ、最初さいしょだい5世代せだい。F-15の後継こうけいとして開発かいはつされ、現時点げんじてん他国たこく戦闘せんとうくら圧倒的あっとうてき性能せいのうつが、冷戦れいせん終結しゅうけつにより過剰かじょう性能せいのう高価こうかぎるとの理由りゆうから調達ちょうたつすう減少げんしょう

  ロシア

スホーイ Su-57
2020ねんから運用うんよう開始かいし[51]、ロシアで1番目ばんめのステルス戦闘せんとうである。機動きどうせい重視じゅうしした戦闘せんとうである[52]

  中国ちゅうごく

成都せいと J-20
中国ちゅうごく航空こうくう工業こうぎょう集団しゅうだんぞくする成都せいと工業こうぎょう公司こうし開発かいはつした機体きたい。2017ねん3がつ中国ちゅうごく空軍くうぐん実戦じっせん配備はいびされたと中国ちゅうごくメディアがほうじた。
瀋陽しんよう J-31
中国ちゅうごく航空こうくう工業こうぎょう集団しゅうだん公司こうしぞくする瀋陽しんよう工業こうぎょう集団しゅうだん開発かいはつちゅう機体きたい[53]ほん中国ちゅうごくで2番目ばんめのステルス戦闘せんとうであり、全長ぜんちょう17m程度ていど中型ちゅうがた双発そうはつ戦闘せんとうである。

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

出典しゅってん 編集へんしゅう

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  2. ^ 青木あおきけん『ミリタリー選書せんしょ1現代げんだい軍用ぐんよう入門にゅうもん (軍用ぐんよう知識ちしき基礎きそから応用おうようまで)』イカロス出版いかろすしゅっぱん12ぺーじ
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  4. ^ Top 10 most widely operated fighter jets in 2024”. 2024ねん5がつ2にち閲覧えつらん
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  7. ^ a b c d e f g 河野こうの嘉之よしゆき図解ずかい戦闘せんとうしん紀元きげんしゃ10-11ぺーじ
  8. ^ a b 青木あおきけん『ミリタリー選書せんしょ1現代げんだい軍用ぐんよう入門にゅうもん (軍用ぐんよう知識ちしき基礎きそから応用おうようまで)』11ぺーじ
  9. ^ a b 青木あおきけん『ミリタリー選書せんしょ1現代げんだい軍用ぐんよう入門にゅうもん (軍用ぐんよう知識ちしき基礎きそから応用おうようまで)』12ぺーじ
  10. ^ a b 青木あおきけん『ミリタリー選書せんしょ1現代げんだい軍用ぐんよう入門にゅうもん (軍用ぐんよう知識ちしき基礎きそから応用おうようまで)』イカロス出版いかろすしゅっぱん13ぺーじ
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  22. ^ 河野こうの嘉之よしゆき図解ずかい戦闘せんとうしん紀元きげんしゃ46ぺーじ戦史せんし叢書そうしょ52陸軍りくぐん航空こうくう軍備ぐんび運用うんよう(1)昭和しょうわじゅうさんねん初期しょきまで57ぺーじ
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関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう