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静岡鉄道モハ18形電車 - Wikipedia

静岡鉄道しずおかてつどうモハ18かたち電車でんしゃ

静岡鉄道しずおかてつどうモハ18かたち電車でんしゃ(しずおかてつどうモハ18がたでんしゃ)は、かつて静岡鉄道しずおかてつどうせいてつ)に在籍ざいせきした通勤つうきんがた電車でんしゃ買収ばいしゅう国電こくでんモハ1500かたち1957ねん昭和しょうわ32ねん)にゆずけたもので、その前身ぜんしん1930ねん昭和しょうわ5ねんせいきゅう鶴見つるみ臨港りんこう鉄道てつどう110かたちである。

静岡鉄道しずおかてつどうモハ18かたち電車でんしゃ
クモハ18かたち20 (2007ねん3がつ撮影さつえい
基本きほん情報じょうほう
製造せいぞうしょ 浅野あさの造船ぞうせんしょ
主要しゅようしょもと
編成へんせい 1りょう
軌間きかん 1067 mm
電気でんき方式ほうしき 直流ちょくりゅう 600 V
車両しゃりょう定員ていいん 120 にん
車両しゃりょう重量じゅうりょう 29.32 t[注釈ちゅうしゃく 1]
最大さいだい寸法すんぽう
ちょうはばこう
15,540 × 2,735 × 4,240 mm
しゅ電動でんどう ちょくまき電動でんどうMB64C[注釈ちゅうしゃく 2]
しゅ電動でんどう出力しゅつりょく 63 kW /
駆動くどう方式ほうしき 駆動くどう
歯車はぐるま 20:71=1:3.55
編成へんせい出力しゅつりょく 252kW
制御せいぎょ装置そうち 抵抗ていこう制御せいぎょRPC151
制動せいどう装置そうち SME非常ひじょうべんづけ直通ちょくつう空気くうきブレーキ
保安ほあん装置そうち ATS
備考びこう 数値すうちはモハ20のもの(制御せいぎょ装置そうち変更へんこうまえ)。モハ18・19はしゅ電動でんどう製造せいぞうメーカーとうことなる。詳細しょうさい本文ほんぶん参照さんしょう
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概要がいよう

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静岡しずおか国体こくたい開催かいさいともな輸送ゆそうりょく増強ぞうきょうのため、1957ねん昭和しょうわ32ねん)8がつ9にちづけ国鉄こくてつモハ1500かたち1500・1503・1505の3りょうゆずけ、モハ18 - 20として導入どうにゅうしたものである。しんせい基本きほん仕様しようは3りょうとも同一どういつであったが、モハ18・19は新潟鉄工所にいがたてっこうじょせいであったのにたいしモハ20は浅野あさの造船ぞうせんしょせいであったことにより形態けいたい差異さいしょうじていた[注釈ちゅうしゃく 3]ことにくわえて、国鉄こくてつ時代じだい改造かいぞうによりまど配置はいちが3りょうともことなっていた。

まど配置はいち
しん静岡しずおか        しん清水しみず
くるまばん まど配置はいち
モハ18 1D5D5Dd
1D5D5D1
モハ19 1D5D5Dd
dD5D5Dd
モハ20 1D5D5Dd
1D5D5Dd

※d:乗務じょうむいんとびら, D:きゃくようとびら

その台車だいしゃ原形げんけいでは汽車きしゃ製造せいぞうせいボールドウィンがた装備そうびしていたが、せいてつりした3りょうはいずれも国鉄こくてつ時代じだい台車だいしゃかわそうおこなっており、モハ18・19は住友金属工業すみともきんぞくこうぎょうせいおびこうリベット組立くみたてがたはりしきKS33がた入線にゅうせんもそのまま使用しようし、クモハ20は日本車輌製造にっぽんしゃりょうせいぞうせいD16がた台車だいしゃ装備そうびしていたが、入線にゅうせんブリル27MCB-2がたかわそうされている。しゅ電動でんどうはモハ18・19が東洋電機製造とうようでんきせいぞうせいTDK528Aがた[注釈ちゅうしゃく 4]を、モハ20が三菱電機みつびしでんきせいMB64Cがた[注釈ちゅうしゃく 2][注釈ちゅうしゃく 5]をそれぞれ搭載とうさいし、制御せいぎょ東京とうきょう芝浦しばうら電気でんきげん東芝とうしばせいのRPC151がたでんそらカムじくしき自動じどう加速かそく制御せいぎょを3りょうとも搭載とうさいしていた。

その経緯けいい

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各種かくしゅ改造かいぞうとう

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モハ18は1958ねん昭和しょうわ33ねん)にモハ20かたち22と台車だいしゃおよびしゅ電動でんどう交換こうかんしたが[注釈ちゅうしゃく 6]1963ねん昭和しょうわ37ねん)にはふたたびモハ22とあいだ交換こうかんおこなわれ、譲受じょうじゅ当時とうじ仕様しようもどされた。また、それと前後ぜんごして1961ねん昭和しょうわ36ねん)から1963ねん昭和しょうわ38ねん)にかけて全車ぜんしゃ制御せいぎょ電磁でんじ単位たんいスイッチしき手動しゅどう加速かそく(HL)制御せいぎょに、しゅ電動でんどう東洋とうようせいTDK31SNがた[注釈ちゅうしゃく 7]にそれぞれかわそうしており、以降いこうモハ18・19がりょう運転うんてんだい構造こうぞうのまま実質じっしつ2りょう固定こてい編成へんせいされ、モハ20はおも単行たんこう運用うんよう使用しようされていた。

車内しゃない設備せつびについては1959ねん昭和しょうわ34ねん)6がつ天井てんじょう内張うちばりの金属きんぞく施工しこうされ、同年どうねん10がつには車内しゃないとう蛍光けいこうとうおよび、それにともな電動でんどう発電はつでん(MG)のかわそう実施じっしされた。そのきゃくようとびらのアルミハニカムとびら車内しゃない放送ほうそう装置そうち新設しんせつ後部こうぶ標識ひょうしきとう車体しゃたいうめこみがたへの改造かいぞうぜんあきらとうシールドビーム2とうとう順次じゅんじ施工しこうされている。車体しゃたい塗装とそうについては入線にゅうせん当初とうしょまどまわりがクリームしょく、そのがブルーのツートンカラーであったが、後年こうねん静岡清水線しずおかしみずせん在籍ざいせき車両しゃりょう標準ひょうじゅん塗装とそうであるローズレッドとクリームしょくのツートンカラーに変更へんこうされた。

なお、1964ねん昭和しょうわ38ねん)に施行しこうされた車種しゃしゅ記号きごう変更へんこうともない、ほん形式けいしきもモハ18がたからクモハ18かたち改称かいしょうされている。

クモハ350がたへの更新こうしんにゅうかわくるま転用てんよう

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その100かたち300かたちといった新型しんがたしゃぞうつぶさともない、くるまよわいたかほん形式けいしき徐々じょじょだい一線いっせんから退しりぞき、1967ねん昭和しょうわ42ねんごろから3りょうともきゅうしゃ状態じょうたいとなった。そして、クモハ18・19はその主要しゅよう機器きき350かたちしんせいさいして供出きょうしゅつし、1968ねん昭和しょうわ43ねん)に廃車はいしゃ解体かいたいされた[注釈ちゅうしゃく 8]のこるクモハ20も営業えいぎょう運転うんてんには復帰ふっきせず、りょう運転うんてんだい構造こうぞうであるという特性とくせいわれて長沼ながぬま工場こうじょううちにゅうかわよう車両しゃりょうとして使用しようされることとなった[注釈ちゅうしゃく 9]いれかわくるま転用てんよう当初とうしょくるませき保持ほじしていたが、営業えいぎょうせん機会きかい皆無かいむであったことから1982ねん昭和しょうわ57ねん)にくるませき抹消まっしょうされ、以降いこう移動いどうあつかいとなった。

終焉しゅうえん

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1997ねん平成へいせい9ねん)に工事こうじよう列車れっしゃ兼用けんよう作業さぎょうよう軌道きどうモーターカー導入どうにゅうされ、クモハ20はいれかわくるまとしての使用しよう終了しゅうりょうしたが、歴史れきしてき価値かちたか車両しゃりょうであるということからその長沼ながぬま工場こうじょうない静態せいたい保存ほぞんされていた。しかし2007ねん平成へいせい19ねん)にいたり、車体しゃたい老朽ろうきゅうはげしくなったことから保存ほぞん継続けいぞく断念だんねん[注釈ちゅうしゃく 10]解体かいたいされることがまった。それに先立さきだっておこなわれた一般いっぱん公開こうかいイベント[1]最後さいごに、同年どうねん3がつ31にちまでに解体かいたい処分しょぶんされ、姿すがたした[注釈ちゅうしゃく 11]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ モハ18・19は30.65t
  2. ^ a b 端子たんし電圧でんあつ600Vていかく出力しゅつりょく63kW/どうぜんさかい磁時ていかく速度そくど44.0km/h
  3. ^ 両者りょうしゃでは正面しょうめんとい形状けいじょうことなっていたことにくわえ、浅野あさの造船ぞうせんしょせいのモハ20はきゃくようとびらじょうにもウィンドウヘッダーとおされていたが、新潟鉄工所にいがたてっこうじょせいのモハ18・19はウィンドウヘッダーはがわまどじょうのみとされ、きゃくようとびらじょうでは途切とぎれていた。
  4. ^ 端子たんし電圧でんあつ600Vていかく出力しゅつりょく59.7kW/どうぜんさかい磁時ていかく速度そくど45.0km/h, 歯車はぐるま3.2
  5. ^ こちらも台車だいしゃおなじく入線にゅうせんかわそうされたものである。
  6. ^ しゅ電動でんどう東洋とうようせいTDK31SPがた端子たんし電圧でんあつ600Vていかく出力しゅつりょく56kW/どうぜんさかい磁時ていかく速度そくど44.5km/h, 歯車はぐるま2.077。台車だいしゃ形式けいしきおよび詳細しょうさい仕様しよう不明ふめい
  7. ^ 端子たんし電圧でんあつ600Vていかく出力しゅつりょく63kW/どうぜんさかい磁時ていかく速度そくど46.5km/h, 歯車はぐるま3.2
  8. ^ 350かたちしんせい名義めいぎ登場とうじょうしており、機器きき流用りゅうようさいしてくるませき継承けいしょうおこなわれなかった。
  9. ^ このさいくらない配線はいせん都合つごうじょうパンタグラフを新清水あらしみずりからしん静岡しずおかりに移設いせつしている。
  10. ^ 屋外おくがい保存ほぞんであったこともあり、とく屋根やねまどサッシとうといった木部きべ腐食ふしょくがひどく、末期まっき屋根やねちる寸前すんぜんという状態じょうたいであった。補修ほしゅうには多額たがく費用ひようようすることから、やむなく決断けつだんされたものであったという。
  11. ^ 同車どうしゃ解体かいたい処分しょぶんにより、きゅう110がたのうち浅野あさの造船ぞうせんしょせい車両しゃりょうすべ姿すがたしたこととなった(どう形式けいしきちゅう最後さいごまで残存ざんそんし2009ねん解体かいたいされた銚子ちょうし電気でんき鉄道てつどうデハ301(きゅう鶴見つるみ臨港りんこう鉄道てつどうモハ115)は新潟鉄工所にいがたてっこうじょせいである)。

出典しゅってん

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  1. ^ クモハ20ごう解体かいたいのおらせ”. 静岡しずおか鉄道てつどう (2007ねん3がつ9にち). 2007ねん3がつ18にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2022ねん8がつ15にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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