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髄膜炎菌 - Wikipedia

ずいまくえんきん

おもずいまくえんしょうじる細菌さいきん

ずいまくえんきん(ずいまくえんきん、Neisseria meningitidis)とは、おもずいまくえんしょうじる細菌さいきん

ずいまくえんきん
Neisseria meningitidis
分類ぶんるい
ドメイン : 細菌さいきん Bacteria
もん : プロテオバクテリアもん
Proteobacteria
つな : βべーたプロテオバクテリアつな
Beta Proteobacteria
: ナイセリア Neisseriales
: ナイセリア Neisseriaceae
ぞく : ナイセリアぞく Neisseria
たね : ずいまくえんきん N. meningitidis
学名がくめい
Neisseria meningitidis
Albrecht & Ghon 1901

1887ねんオーストリア病理びょうりがくものAnton Weichselbaumによってはじめて分離ぶんりされた。

特徴とくちょう

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淋菌りんきんおなナイセリアぞくグラム陰性いんせい双球菌そうきゅうきんで、ヒトが保菌ほきんしゃであり鼻腔びこううえ咽頭いんとうから分離ぶんりされる。飛沫しぶき感染かんせんにより伝搬でんぱんする。日本にっぽんでは戦中せんちゅう戦後せんご感染かんせん流行りゅうこうがあったが、2014ねんではとし平均へいきん30にん以下いかになっている。5以下いか低温ていおんではかつ死滅しめつ)してしまう。

血清けっせいがた

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  • 血清けっせいがた:serogroup
さいかちまくとうたい種類しゅるい基本きほんてき以下いかの13種類しゅるい類別るいべつされる。臨床りんしょうてき感染かんせん症状しょうじょうしょうじるものは「A, B, C, Y, W-135」がほとんどである。
  • A, B, C, D, X, Y, Z, E, W-135, H, I, K, L
  • Multilocus sequence typing:MLST
細菌さいきん生存せいぞん遺伝子いでんし(house keeping gene)の塩基えんき配列はいれつ解析かいせきすることによる分子生物学ぶんしせいぶつがくてき分類ぶんるい方法ほうほうずいまくえんきん最初さいしょ施行しこうされ、黄色おうしょくブドウ球菌きゅうきんカンピロバクターひとし様々さまざま細菌さいきんおこなわれている。

予防よぼう接種せっしゅは、おも以下いかの2種類しゅるいがある。2さい以上いじょう小児しょうに接種せっしゅ推奨すいしょう血清けっせいBぐん精製せいせいさいかちまくとうたいワクチンは免疫めんえき惹起じゃっきりょく非常ひじょうよわいとされ、有効ゆうこう予防よぼうワクチンの開発かいはつ難渋なんじゅうされている。

  • とうたいワクチン(Meningococcal polysaccharide vaccine:MPSV4)
A、C、Y、W-135ぐんさいかちまくとうたい抗原こうげん製剤せいざい
  • 結合けつごうがたワクチン(Meningococcal conjugate vaccine:MCV4)
A、C、Y、W-135ぐんさいかちまくとうたい抗原こうげんに、以下いか蛋白たんぱく結合けつごうさせた製剤せいざい
  • Meningococcal polysaccharide diphtheria toxoid conjugate vaccine(MCV4-DT):ジフテリアトキソイド結合けつごうさせたもの(メナクトラ:Menactra®)
  • Meningococcal oligosaccharide diphtheria CRM197 conjugate vaccine(MCV4-CRM):無毒むどく変異へんいジフテリアトキソイド(CRM197)に結合けつごうさせたもの
  • Meningococcal polysaccharide tetanus toxoid conjugate vaccine(MCV4-T):破傷風はしょうふうトキソイド結合けつごうさせたもの

2さい未満みまんには原則げんそくとして投与とうよしないが、どうしても必要ひつよう理由りゆうがある場合ばあいには生後せいご3ヶ月かげつから2さい未満みまん接種せっしゅをしてもい。小児しょうにには基本きほんてきにMCV4が推奨すいしょうされているが、近年きんねんギラン・バレー症候群しょうこうぐん急性きゅうせい散在さんざいせいのう脊髄せきずいえん報告ほうこくれい因果いんが関係かんけい証明しょうめい)があったため、MCV4をためらいMPSV4を選択せんたくするおや医療いりょう従事じゅうじしゃもある。なお、思春期ししゅんき以降いこう従来じゅうらいどおりMPSV4を投与とうよするのがよいとされ、しもじゅつ流行りゅうこう地域ちいきへの渡航とこうさい海外かいがいではMPSV4が一般いっぱんてきであるが、日本にっぽんではMCV4-DTのみ認可にんかされている。

ずいまくえんきんアフリカ中東ちゅうとう中心ちゅうしん流行りゅうこうし、アフリカでは「ずいまくえんベルト」とばれるように、サハラ以南いなん中心ちゅうしん流行りゅうこう地帯ちたいがある。とくサウジアラビアメッカへの巡礼じゅんれいハッジ)において流行りゅうこうすることがおおいため、参加さんかする場合ばあいはワクチン接種せっしゅが、ハッジ(だい巡礼じゅんれい)では査証さしょう取得しゅとく必須ひっす、ウムラ(しょう巡礼じゅんれい)では推奨すいしょうされている。

それ以外いがい地域ちいき散発さんぱつてき発生はっせいするため、一般いっぱんろんとしては、予防よぼう接種せっしゅ終了しゅうりょうしてからの渡航とこう賢明けんめいであろう。また米国べいこく英国えいこく学校がっこう入学にゅうがくとく入寮にゅうりょう)するさい接種せっしゅ証明しょうめいもとめられることがおおい。おおくのしゅうでは努力どりょく義務ぎむ、または免責めんせき書類しょるい署名しょめい

日本にっぽんでのワクチンは自由じゆう診療しんりょうであり、上記じょうき渡航とこうまえほかに、発作ほっさせい夜間やかん血色素けっしきそ尿にょうしょう(PNH)における分子ぶんし標的ひょうてき治療ちりょうやくエクリズマブ(ソリリス)」を投与とうよする患者かんじゃや、脾臓ひぞう摘出てきしゅつじゅつ脾の患者かんじゃへの摂取せっしゅ推奨すいしょうされている。

治療ちりょう

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基本きほんてき抗菌こうきんやくとしてペニシリンけいやセフェムけい抗生こうせい物質ぶっしつ有効ゆうこう。また、感染かんせん接触せっしょくしゃへの予防よぼう投与とうよとしてリファンピシンとう投与とうよおこなわれる。

外部がいぶリンク

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