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生物の分類 - Wikipedia
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生物せいぶつの分類ぶんるい

生物せいぶつを統一とういつ的てきに階級かいきゅう分類ぶんるいする方法ほうほう
ウィキペディア ウィキペディアにおける生物せいぶつの分類ぶんるいの扱あつかいについては、「Wikipedia:ウィキプロジェクト 生物せいぶつ」をご覧らんください。

生物せいぶつの分類ぶんるい（せいぶつのぶんるい）では、生物せいぶつを統一とういつ的てきに分類ぶんるいする方法ほうほうを説明せつめいする。分類ぶんるい学がく、学名がくめい、Category:分類ぶんるい学がく、ウィキスピーシーズも参照さんしょうのこと。

概説がいせつ

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知しられている生物せいぶつの種たねにはそれぞれ学名がくめい（属ぞく名めい＋種たね小名しょうみょうまたは属ぞく名めい＋種たね形容けいよう語ご）がつけられる。学名がくめいの前半ぜんはんは属ぞく名めいで、属ぞくとはごく類縁るいえん関係かんけいが近ちかい種たねをまとめたものである。これらを分類ぶんるいしてその分類ぶんるいグループにも学名がくめいをつけることが行おこなわれている。さらにこの分類ぶんるいを階層かいそう的てきに（小しょう分類ぶんるい >中ちゅう分類ぶんるい >大分おおいた類るいなど）体系たいけい付づけすることで、いろいろな生物せいぶつグループ同士どうしの類縁るいえん関係かんけい、ひいては進化しんかの系譜けいふを明あきらかにしようとする。

分類ぶんるい学がくは、それぞれの時代じだいにおいて、その当時とうじまでに判明はんめいした情報じょうほうに基もとづいてできるだけ納得なっとくの出来できるような分類ぶんるいの体系たいけいを模索もさくし続つづけてきた。リンネの時代じだいには形態けいたいを中心ちゅうしんに、顕微鏡けんびきょうが使つかわれるようになればそこから得えられる情報じょうほうをも利用りようし、生化学せいかがくが発達はったつすれば色素しきそなども利用りようし、常つねにできるだけ納得なっとくのいく体系たいけいが探さがし求もとめられた。そのため、分類ぶんるい体系たいけいは時代じだいと共ともに変化へんかしつつ、次第しだいに正ただしい姿すがたに近ちかづいているものと考かんがえられる。20世紀せいき末すえには遺伝子いでんしそのものを参照さんしょうする分子ぶんし遺伝いでん学がくの手法しゅほうが取とり入いれられ、多おおくの分類ぶんるい群ぐんにおいて大おおきな見直みなおしが迫せまられている。したがって、このような体系たいけいは今後こんごも変更へんこうを余儀よぎなくされることがままあるはずである。

しかしながら、それぞれの時点じてんにおいて、どれかの体系たいけいを採用さいようしなければ文章ぶんしょうは作つくれない。そのため、Wikipediaはそれぞれの群ぐんで特定とくていの体系たいけいを採用さいようしている。したがって、その記述きじゅつが他たの書籍しょせき等とうと異ことなる場合ばあいがあること、どちらが正ただしいかの議論ぎろんが困難こんなんな場合ばあいがあることを記しるしておく。

現代げんだい的てきな系統けいとう分類ぶんるいについて

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生物せいぶつに関かんする科学かがく的てき知見ちけんが蓄積ちくせきされるにつれ、生物せいぶつの分類ぶんるいは何なん度ども修正しゅうせいされたが、特とくに20世紀せいき末まつの分子ぶんし系統けいとう解析かいせきの成果せいかにより、大おおきな修正しゅうせいが図はかられた。本節ほんぶしではこの分子ぶんし系統けいとう学がくの成果せいかに基もとづいた現代げんだい的てきな系統けいとう分類ぶんるいについて述のべる。

ドメイン

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「ドメイン (分類ぶんるい学がく)」も参照さんしょう

[要よう説明せつめい]

エオサイト説せつ

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生物せいぶつ全体ぜんたいを細菌さいきんの系統けいとうとアーキア（古こ細菌さいきん）の系統けいとうに分わけ、そのうち古こ細菌さいきんから真ま核かく生物せいぶつが進化しんかしたとする説せつが有力ゆうりょくになりつつある（広ひろい意味いみでのエオサイト説せつ、2分岐ぶんき説せつ）[1][2][3][4]。古こ細菌さいきんの中なかでもアスガルド古こ細菌さいきんから進化しんかした事ことが分子ぶんし系統けいとう解析かいせきから示唆しさされている。アスガルド古こ細菌さいきんは膜まく輸送ゆそう系けいなど後天的こうてんてきな特徴とくちょうに関かんしても真ま核かく生物せいぶつと多おおくの類似るいじ性せいを有ゆうする[1]。

生物せいぶつ
 

細菌さいきん

 
アーキア
アスガルド古こ細菌さいきん
 

真ま核かく生物せいぶつ

 
 

その他たのアスガルド古こ細菌さいきん（側がわ系統けいとう）

 
 
 

その他たの古こ細菌さいきん（側がわ系統けいとう）

 
 
 

従来じゅうらいの分類ぶんるいとの関係かんけい

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過去かこに提唱ていしょうされた生物せいぶつの分類ぶんるいの枠組わくぐみと3ドメイン説せつの関係かんけいを簡略かんりゃく化かして以下いかに示しめす。 [要よう説明せつめい] なお、エオサイト説せつ・2分岐ぶんき説せつにおいても真ま核かく生物せいぶつという分類ぶんるい群ぐんが解体かいたいされるわけではない。

2界かい説せつ 3界かい説せつ 5界かい説せつ 6界かい説せつ 3ドメイン説せつ[5]

エオサイト説せつ

具体ぐたい例れい[6]
リンネ
(1735年ねん) 		ヘッケル
(1866年ねん) 		ホイッタカー
(1969年ねん) 		ウーズ
(1977年ねん) 		ウーズ
(1990年ねん) 		レイクら
(1984年ねん)
  原生げんせい生物せいぶつ界さかい モネラ界かい 真正しんしょう細菌さいきん界さかい 細菌さいきん 細菌さいきん 大腸菌だいちょうきん、放線ほうせん菌きん、藍色あいいろ細菌さいきん
古こ細菌さいきん界さかい アーキア (古こ細菌さいきん) アーキア

ただし真ま核かく生物せいぶつは古こ細菌さいきんから分岐ぶんきしたもので、１行ぎょう目め以外いがいが真ま核かく生物せいぶつに対応たいおう

メタン生成せいせい菌きん、好こう熱ねつ好こう酸さん菌きん
原生げんせい生物せいぶつ界さかい 原生げんせい生物せいぶつ界さかい 真ま核かく生物せいぶつ 藻類そうるい、原生動物げんせいどうぶつ、変形へんけい菌類きんるい
植物しょくぶつ界さかい 植物しょくぶつ界さかい 菌きん界かい 菌きん界かい キノコ、カビ
植物しょくぶつ界さかい 植物しょくぶつ界さかい コケ類るい、シダ類るい、種子しゅし植物しょくぶつ
動物どうぶつ界さかい 動物どうぶつ界さかい 動物どうぶつ界さかい 動物どうぶつ界さかい 無む脊椎動物せきついどうぶつ、脊椎動物せきついどうぶつ

上うえの表ひょうの「動物界どうぶつかい」、「植物しょくぶつ界かい」などに登場とうじょうする「界さかい」という語かたりは、生物せいぶつの分類ぶんるい階級かいきゅうの一ひとつで、かつては最さい上位じょういの分類ぶんるい階級かいきゅうとして位置いちづけられていた。それに対たいし3ドメイン説せつではまず生物せいぶつ全体ぜんたいを3つのドメインに分わけ、これらドメインよりも下位かいの分類ぶんるい階級かいきゅうとして「界さかい」を扱あつかう。なお、日本にっぽんの初等しょとう教育きょういくでは3ドメイン説せつ以前いぜんの二に界かい説せつ（2011年ねんまで）ないし五ご界かい説せつ（2012年ねん以降いこう）に基もとづいて生物せいぶつの分類ぶんるいを説明せつめいしている[7]。

真ま核かく生物せいぶつの大だい分類ぶんるい群ぐん

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詳細しょうさいは「真ま核かく生物せいぶつ#下位かい分類ぶんるい」を参照さんしょう

真ま核かく生物せいぶつドメイン内ないの大分おおいた類るいについても、 分子ぶんし系統けいとう解析かいせきの成果せいかに基もとづいた分類ぶんるい体系たいけいが提案ていあん・発表はっぴょうされている。 下したに国際こくさい原生げんせい生物せいぶつ学会がっかいによる分類ぶんるい体系たいけい(Adl et al. 2019)の概観がいかんを示しめす[8]。この分類ぶんるい体系たいけいでは、入いれ子こ状じょうの分類ぶんるい群ぐんが定義ていぎされ階層かいそうをなしているが、分類ぶんるい群ぐんに「界さかい」や「門もん」といった階級かいきゅうは付与ふよされていない。 真ま核かく生物せいぶつドメイン内ないの大おおきい（系統的けいとうてき）分類ぶんるい群ぐんはスーパーグループなどと呼よばれている。詳細しょうさいは 真ま核かく生物せいぶつ#下位かい分類ぶんるい を参照さんしょう。

分類ぶんるい階級かいきゅう

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詳細しょうさいは「階級かいきゅう (生物せいぶつ学がく)」を参照さんしょう

伝統でんとう的てきに生物せいぶつの分類ぶんるい群ぐんには門もん（phylum/division）・綱つな・目め・科か といった「階級かいきゅう」をつけて呼よばれることが多おおい。 これら伝統でんとう的てきな分類ぶんるい階級かいきゅうは、人ひとが扱あつかいやすくするための人為じんい的てきなものである側面そくめんがあることに注意ちゅういする必要ひつようがある。ただし、さまざまな分野ぶんやで伝統でんとう的てきな分類ぶんるい体系たいけいを系統けいとう学がくの知見ちけんを反映はんえいさせた体系たいけいに組替くみかえる動うごきが盛さかんである。

以下いかでは現時点げんじてんで生物せいぶつ分類ぶんるいでほぼ一般いっぱん的てきに使つかわれている分類ぶんるい体系たいけいの枠組わくぐみを記述きじゅつする。

和名わみょう 英名えいめい ラテン語らてんご名めい 例れい：ヒト 例れい：ローズマリー 例れい：エノキタケ 例れい：大腸菌だいちょうきん 例れい：A. ペルニクス
ドメイン: domain: regio: 真ま核かく生物せいぶつ 真ま核かく生物せいぶつ 真ま核かく生物せいぶつ 細菌さいきん 古こ細菌さいきん
界さかい: kingdom: regnum: 動物界どうぶつかい 植物しょくぶつ界かい 菌きん界かい なし プロテオ古こ細菌さいきん界かい[注釈ちゅうしゃく 1]
門もん: phylum
/division: 		phylum
/divisio: 		脊索せきさく動物どうぶつ門もん
（脊椎動物せきついどうぶつ亜あ門もん） 		被子植物ひししょくぶつ門もん 担子菌きん門もん プロテオバクテリア門もん クレン古こ細菌さいきん門もん
綱つな: class: classis: 哺乳ほにゅう綱つな 双そう子葉しよう植物しょくぶつ綱つな 菌きん蕈綱 γがんまプロテオバクテリア綱つな テルモプロテウス綱つな
目め: order: ordo: サル目め シソ目め ハラタケ目め エンテロバクター目め デスルフロコックス目め
科か: family: familia: ヒト科か シソ科か キシメジ科か 腸ちょう内ない細菌さいきん科か デスルフロコックス科か
属ぞく: genus: genus: ヒト属ぞく
Homo 		ローズマリー属ぞく
Rosemarinus 		エノキタケ属ぞく
Flammulina 		エスケリキア属ぞく
Escherichia 		アエロピュルム属ぞく
Aeropyrum
種たね: species: species: H. sapiens R. officinalis F. velutipes E. coli A. pernix
  • 門もんは、動物どうぶつ学がくと細菌さいきん学がくではphylum、植物しょくぶつ学がく、菌類きんるい学がくではdivision/divisioと使つかい分わける。
  • 中間ちゅうかん的てき分類ぶんるいが必要ひつようなときの階級かいきゅう名めいは、その分類ぶんるい単位たんいよりも上位じょういの分類ぶんるいには、巨きょ (magn-)・上うえ (super-)・大だい (grand-) を、下位かいの分類ぶんるいには、亜あ (sub-)・下した (infra-)・小しょう (Parv-) などの接頭せっとう語ごを各かく階級かいきゅうの頭あたまにつけて生成せいせいさせる。
  • subfamily（亜あ科か）とgenus（属ぞく）の間あいだをさらに細分さいぶんする必要ひつようがあるときは、tribe（動物どうぶつでは族ぞく、植物しょくぶつでは連れん）を使つかう。
  • subgenus（亜あ属ぞく）とspecies（種たね）の間あいだをさらに細分さいぶんする必要ひつようがあるときは、section（節ふし）を使つかう。

階級かいきゅう別べつの学名がくめいの接尾せつび辞じ

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「階級かいきゅう (生物せいぶつ学がく)#接尾せつび辞じ」も参照さんしょう

属ぞくより上位じょういの階級かいきゅうの学名がくめいには、植物しょくぶつ・藻類そうるい・菌類きんるいについては国際こくさい藻類そうるい・菌類きんるい・植物しょくぶつ命名めいめい規約きやく、動物どうぶつ・原生動物げんせいどうぶつでは国際こくさい動物どうぶつ命名めいめい規約きやく、細菌さいきん・古こ細菌さいきんでは国際こくさい原核げんかく生物せいぶつ命名めいめい規約きやくで定さだめられた規則きそく的てきな接尾せつび辞じ（語尾ごび）が付つけられている。

学名がくめいの接尾せつび辞じ（語尾ごび）
分類ぶんるい階級かいきゅう
rank 		接尾せつび辞じ suffix / 語尾ごび termination
植物しょくぶつ
（ICN[注釈ちゅうしゃく 2]） 		藻類そうるい
（ICN[注釈ちゅうしゃく 3]） 		菌類きんるい
（ICN[注釈ちゅうしゃく 4]） 		動物どうぶつ
（ICZN[15]） 		細菌さいきん・古こ細菌さいきん
（ICNP[16][17]）
門もん Division/Phylum -phyta -ota    
亜あ門もん Subdivision/Subphylum -phytina      
綱つな Class -opsida -phyceae -ia   -ia
亜あ綱つな Subclass -idae[注釈ちゅうしゃく 5] -phycidae     -idae
目め Order -ales   -ales
亜あ目め Suborder -ineae   -ineae
上うえ科か Superfamily -oidea  
科か Family -aceae -idae -aceae
亜あ科か Subfamily -oideae -inae -oideae
族ぞく Tribe -eae -ini -eae
亜あ族ぞく Subtribe -inae -ina -inae

分類ぶんるい群ぐんによっては慣習かんしゅう的てきに、よく使つかわれる語尾ごびがある。たとえば、動物どうぶつ門もんの -zoa、綱つなの -morpha、目めの -iformes、-ida、古こ細菌さいきん門もんの -archaeota などである。しかしこれらはルールではなく、例外れいがいが多おおい。原核げんかく生物せいぶつでは門もんの語尾ごびを-aeotaに統一とういつする提案ていあんが出だされており、2018年ねん以降いこうに提唱ていしょうされた門もんはこの語尾ごびを持もつことが多おおい。さらに、2021年ねんに原核げんかく生物せいぶつでは門もんの語尾ごびを-otaに統一とういつすることがICSPで決定けっていされた[18]。

一般いっぱん的てき分類ぶんるい例れい

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原核げんかく生物せいぶつ

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細菌さいきん（ドメイン：バクテリア）

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古こ細菌さいきん（ドメイン：アーキア）

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真ま核かく生物せいぶつ

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原生げんせい生物せいぶつ界かい

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植物しょくぶつ界かい

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菌きん界かい

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動物界どうぶつかい

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分子ぶんし系統けいとう学がく的てき分類ぶんるい例れい

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全ぜん生物せいぶつを対象たいしょうにした系統けいとう樹じゅの1例れい。色いろは生物せいぶつ分類ぶんるい表ひょうに従したがっている

20世紀せいき後半こうはんから勃興ぼっこうした、タンパク質たんぱくしつのアミノ酸あみのさん配列はいれつや核酸かくさんの塩基えんき配列はいれつ決定けってい法ほうの技術ぎじゅつ、そしてそのデータを用もちいて系統けいとうの類縁るいえん関係かんけいを推定すいていする解析かいせき手法しゅほうの進展しんてんに伴ともなって、従来じゅうらいの生物せいぶつ系統けいとう分類ぶんるい法ほうは大おおきな変革へんかくを迫せまられている。特とくに、これまで他たのグループに所属しょぞくさせることができないために一いち括くくりに分類ぶんるいされていた、原生げんせい生物せいぶつや藻類そうるい、一部いちぶの菌類きんるいにつき系統けいとうが大幅おおはばに見直みなおされつつある。学問がくもん上じょうは二に界かい説せつないし五ご界かい説せつは既すでに瓦解がかいしたと言いっても過言かごんではない。ここではキャヴァリエ＝スミス (Thomas Cavalier-Smith) らが中心ちゅうしんとなって提唱ていしょうしている分子ぶんし系統けいとう学がく的てき分類ぶんるいの一いち例れいを示しめす[要よう出典しゅってん]（ただし現生げんなま生物せいぶつのみ）。従来じゅうらいの界さかい、門もん、綱つなとの整合せいごう性せいは今後こんごの課題かだいである。この分野ぶんやは現在げんざいさらに進展しんてんしつつあるため、今後こんごも大小だいしょうの変更へんこうがあり得える。

「#真ま核かく生物せいぶつの大だい分類ぶんるい群ぐん」および「真ま核かく生物せいぶつ#下位かい分類ぶんるい」も参照さんしょう

歴史れきし

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アリストテレスの分類ぶんるい

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どのような分類ぶんるい体系たいけいが合理ごうり的てきかは、アリストテレス以来いらいさまざまな工夫くふうがされ、案あんが出だされてきた。彼かれの『動物どうぶつ誌し』では動物どうぶつ分類ぶんるいは次つぎのようになる。

  1. 有ゆう血ち動物どうぶつ
    1. 胎生たいせい
      1. 人類じんるい
      2. 胎生たいせい四足しそく類るい
      3. 鯨くじら類るい
    2. 卵たまご胎生たいせい
      1. 軟骨なんこつ魚類ぎょるい
    3. 卵生らんせい
      1. 鳥類ちょうるい
      2. 卵生らんせい四足しそく類るい
      3. 無む足あし類るい
    4. 不完全ふかんぜん卵生らんせい
      1. 魚類ぎょるい
  2. 無血むけつ動物どうぶつ
    1. 不完全ふかんぜん卵生らんせい
      1. 軟体類るい
      2. 軟殻類るい
    2. 蛆うじ生せいあるいは自然しぜん発生はっせい
      1. 有ゆう節ふし類るい
    3. 無性むしょう生殖せいしょくまたは自然しぜん発生はっせい
      1. 殻からは類るい
      2. その他た

アリストテレスの権威けんいが絶対ぜったいとされた中世ちゅうせいは、この動物どうぶつ分類ぶんるいが支配しはい的てきであった。

リンネの分類ぶんるい

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「リンネ式しき階層かいそう分類ぶんるい体系たいけい」および「界さかい (分類ぶんるい学がく)#界さかいの歴史れきし」も参照さんしょう

近代きんだい的てきな分類ぶんるい法ほうの刷新さっしんはリンネから始はじまった。

リンネは種たねの学名がくめいに二に名めい法ほう（属ぞく名めいと種たね小名しょうみょうの2語ごで表あらわす）を採用さいようし、分類ぶんるいを体系たいけいづけた。また、属ぞく・種たねの上位じょうい分類ぶんるいとして、綱つな・目めを設もうけて、階層かいそう的てきな分類ぶんるい体系たいけいとした。

現在げんざいの生物せいぶつ分類ぶんるいでもこのルールは変かわっていないが、リンネの時代じだいに比くらべると階層かいそう構造こうぞうはより多た段階だんかいとなっている（後述こうじゅつ）。

しかしリンネの分類ぶんるい自体じたいが現在げんざいもそのまま生いきているわけではない。例たとえば、リンネはクジラを魚類ぎょるいに分類ぶんるいしていたがこれは誤あやまりであった。また植物しょくぶつをおしべの本数ほんすうを元もとに分類ぶんるいしたことは有名ゆうめいだが、現在げんざいの植物しょくぶつ分類ぶんるいではこの分類ぶんるい手法しゅほうは捨すてられている。

また、リンネの時代じだいには「進化しんか」の概念がいねんがなかったため、リンネの分類ぶんるいはあくまでも形態けいたいの類似るいじ異同いどうの差異さいによる操作そうさに限かぎられる限界げんかいがあった。

五ご界かい説せつ

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詳細しょうさいは「五ご界かい説せつ」を参照さんしょう

五ご界かい説せつは、生物せいぶつの分類ぶんるい体系たいけいのひとつで、生物せいぶつ全体ぜんたいを五いつつの界さかいに分わけるものである。特とくにロバート・ホイッタカーのものが有名ゆうめい。

ドメインの提唱ていしょう

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1937年ねん、シャットン (E. Chatton) は、生物せいぶつ全体ぜんたいを原核げんかく生物せいぶつ Prokaryota と真ま核かく生物せいぶつ Eukaryota の2つの empire に分類ぶんるいした。

1990年ねん、ウーズは、原核げんかく生物せいぶつを細菌さいきん（バクテリア）と古こ細菌さいきん（アーキア）に分割ぶんかつし、また階級かいきゅう名めいをドメインとした。ウーズによれば、生物せいぶつ全体ぜんたいは、細菌さいきん、アーキア、真ま核かく生物せいぶつに分わかれる。

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 古こ細菌さいきんの界さかい分類ぶんるいについては安定あんていしていない。ここではユーリ古こ細菌さいきん界かいとプロテオ古こ細菌さいきん界かいに2分ふんする方式ほうしきを採用さいようした
  2. ^ 門もんから亜あ綱つなまでは第だい16条じょう第だい3項こう[9]、目め及および亜あ目めは第だい17条じょう第だい1項こう[10]、科かは第だい18条じょう第だい1項こう[11]、亜あ科かは第だい19条じょう第だい1項こう[12]、連れんおよび亜あ連れんは第だい19条じょう第だい3項こう[13]に記載きさいされている。また、日本語にほんご版ばんの命名めいめい法ほう用語ようご集しゅう（規約きやく中ちゅうの用語ようご解説かいせつ Glossaryとは異ことなる）にまとめられている[14]。
  3. ^ 植物しょくぶつと同様どうようにICN中ちゅうに記載きさい。
  4. ^ 植物しょくぶつと同様どうようにICN中ちゅうに記載きさい。
  5. ^ ただし-viridaeではない[9]

出典しゅってん

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  1. ^ a b #矢島やじま(2020) p.72.
  2. ^ Zaremba-Niedzwiedzka, Katarzyna; Caceres, Eva F.; Saw, Jimmy H.; Bäckström, Disa; Juzokaite, Lina; Vancaester, Emmelien; Seitz, Kiley W.; Anantharaman, Karthik et al. (2017-01). “Asgard archaea illuminate the origin of eukaryotic cellular complexity” (英語えいご). Nature 541 (7637): 353–358. doi:10.1038/nature21031. ISSN 0028-0836. http://www.nature.com/articles/nature21031. 
  3. ^ Spang, Anja; Saw, Jimmy H.; Jørgensen, Steffen L.; Zaremba-Niedzwiedzka, Katarzyna; Martijn, Joran; Lind, Anders E.; van Eijk, Roel; Schleper, Christa et al. (2015-05). “Complex archaea that bridge the gap between prokaryotes and eukaryotes” (英語えいご). Nature 521 (7551): 173–179. doi:10.1038/nature14447. ISSN 0028-0836. PMC 4444528. PMID 25945739. http://www.nature.com/articles/nature14447. 
  4. ^ Liu, Yang; Makarova, Kira S.; Huang, Wen-Cong; Wolf, Yuri I.; Nikolskaya, Anastasia N.; Zhang, Xinxu; Cai, Mingwei; Zhang, Cui-Jing et al. (2021-05-27). “Expanded diversity of Asgard archaea and their relationships with eukaryotes” (英語えいご). Nature 593 (7860): 553–557. doi:10.1038/s41586-021-03494-3. ISSN 0028-0836. http://www.nature.com/articles/s41586-021-03494-3. 
  5. ^ Woese C, Kandler O, Wheelis M (1990). “Towards a natural system of organisms: proposal for the domains Archaea, Bacteria, and Eucarya.（生物せいぶつの自然しぜん機構きこうについて：古こ細菌さいきん、細菌さいきん、真ま核かく生物せいぶつの3ドメインの提案ていあん）”. Proc Natl Acad Sci U S A 87 (12): 4576-9. PMID 2112744. 
  6. ^ ここに載のせた具体ぐたい例れいは下記かきより引用いんよう：藤田ふじた敏彦としひこ (2010/4/28). 動物どうぶつの系統けいとう分類ぶんるいと進化しんか. 新しん・生命せいめい科学かがくシリーズ. 裳も華はな房ぼう. ISBN 978-4785358426  p91
  7. ^ “中学校ちゅうがっこう理科りか教科書きょうかしょ「未来みらいへ広ひろがるサイエンス」”. 啓けい林りん館かん. 2018年ねん7月がつ11日にち閲覧えつらん。
  8. ^ Adl, Sina M.; Bass, David; Lane, Christopher E.; Lukeš, Julius; Schoch, Conrad L.; Smirnov, Alexey; Agatha, Sabine; Berney, Cedric et al. (2018-09-26). “Revisions to the Classification, Nomenclature, and Diversity of Eukaryotes” (英語えいご). Journal of Eukaryotic Microbiology: jeu.12691. doi:10.1111/jeu.12691. ISSN 1066-5234. PMC 6492006. PMID 30257078. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jeu.12691. 
  9. ^ a b ICN 2018, Article 16.3.
  10. ^ ICN 2018, Article 17.1.
  11. ^ ICN 2018, Article 18.1.
  12. ^ ICN 2018, Article 19.1.
  13. ^ ICN 2018, Article 19.3.
  14. ^ ICN 日本語にほんご版ばん 2019, 命名めいめい法ほう用語ようご集しゅう.
  15. ^ ICZN 2000, Article 29.2.
  16. ^ ICNP 2019, Rule 8.
  17. ^ ICNP 2019, Rule 9.
  18. ^ 原核げんかく生物せいぶつのphylumの名前なまえが変かわりました、独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん製品せいひん評価ひょうか技術ぎじゅつ基盤きばん機構きこう

参考さんこう文献ぶんけん

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命名めいめい規約きやく

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  • Turland, N. J., Wiersema, J. H., Barrie, F. R., Greuter, W., Hawksworth, D. L., Herendeen, P. S., Knapp, S., Kusber, W.-H., Li, D.-Z., Marhold, K., May, T. W., McNeill, J., Monro, A. M., Prado, J., Price, M. J. & Smith, G. F., ed (2018). International Code of Nomenclature for algae, fungi, and plants (Shenzhen Code) adopted by the Nineteenth International Botanical Congress Shenzhen, China, July 2017. Regnum Vegetabile 159. Glashütten: Koeltz Botanical Books. doi:10.12705/Code.2018. ISBN 978-3-946583-16-5 
  • the International Commission on Zoological Nomenclature (ICZN) (1999). International Code on Zoological Nomenclature (4 ed.). The International Trust for Zoological Nomenclature. ISBN 0-85301-006-4. https://www.iczn.org/the-code/the-code-online/  In: Ride, W.D.L.;H.G. Cogger; C. Dupuis; O. Kraus; A. Minelli; F. C. Thompson; P.K. Tubbs, ed (1999). International Code of Zoological Nomenclature Fourth Editon adopted by the International Union of Biological Sciences. London: International Trust for Zoological Nomenclature. pp. xxix+306 pp 
  • “International Code of Nomenclature of Prokaryotes [Prokaryotic Code (2008 Revision)]”. INTERNATIONAL JOURNAL OF SYSTEMATIC AND EVOLUTIONARY MICROBIOLOGY 69 (1A). (2019-01-11). doi:10.1099/ijsem.0.000778. 

関連かんれん項目こうもく

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