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植物 - Wikipedia

植物しょくぶつ

があって場所ばしょ固定こていされてきているような生物せいぶつのこと

ほん記事きじでは植物しょくぶつ(しょくぶつ、えい: plant)について解説かいせつする。

植物しょくぶつかい
ことなるたね特性とくせいのいくつかの植物しょくぶつ
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
階級かいきゅうなし : [注釈ちゅうしゃく 1]
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
学名がくめい
Plantae Haeckel1866
シノニム

Plantae sensu lato = Archaeplastida
Plantae sensu stricto = Viridiplantae
Plantae sensu Margulis 1981 = Embryophyta

広義こうぎ植物しょくぶつかい下位かい系統けいとう一部いちぶ

アーケプラスチダ Archeplastida
広義こうぎ植物しょくぶつかい

広辞苑こうじえんだい5はんによると「植物しょくぶつ」は、くさなどのように、があって場所ばしょ固定こていされてきているような生物せいぶつのことで、動物どうぶつ対比たいひさせられた生物せいぶつ区分くぶんである[1]

なお、日本にっぽんでは近世きんせいまで、そもそも「動物どうぶつ」や「植物しょくぶつ」という概念がいねんく、「植物しょくぶつ」という用語ようごではなくくさたけはななどの言葉ことば使つかわれていた[2]草木くさき(そうもく、くさき)やたけ(ちくぼく)などと(列挙れっきょするかたちで)うことで漠然ばくぜんしめした。[注釈ちゅうしゃく 2]

西洋せいよう生物せいぶつがくにも歴史れきしがあり、古代こだいギリシアのアリストテレス生物せいぶつかい植物しょくぶつ(phytōn)・動物どうぶつ(zōon)・人間にんげん(anthrōpos)に三大別さんたいべつした。古代こだいギリシア時代じだいられていた生物せいぶつは、(現代げんだいりゅうえば)大型おおがた後生ごしょう動物どうぶつ陸上りくじょう植物しょくぶつ一部いちぶ大型おおがた藻類そうるい菌類きんるいだけだったので、「うごくか うごかないか」を基準きじゅんにして動植物どうしょくぶつ区別くべつすることも可能かのうだった[2]ヨーロッパではふるくから動物どうぶつ植物しょくぶつ区別くべつすることになった。しかし、16世紀せいき顕微鏡けんびきょう発明はつめいされ観察かんさつ事例じれいえ、生物せいぶつにきわめて微小びしょうなものもあることがられるにつれ、その2だい分類ぶんるいらぎはじめた。

西欧せいおうではかいせつかいせつのような分類ぶんるいほう採用さいようされていた時代じだいがあった。そこでは菌類きんるい(キノコやカビ)、褐藻かっそうワカメなど)なども植物しょくぶつなしていた。たいしてここすうじゅうねん生物せいぶつがくでは、分類ぶんるいぐんとしての名称めいしょうはあくまで「植物しょくぶつかい」であるため現在げんざい定義ていぎがひとつにさだまっていない。陸上りくじょう植物しょくぶつふくたん系統けいとうぐんとして植物しょくぶつ定義ていぎするが、どのたん系統けいとうえらぶかにより複数ふくすう定義ていぎ並立へいりつしている。せま定義ていぎでは陸上りくじょう植物しょくぶつのみを植物しょくぶつとしてみとめるが、よりひろ定義ていぎでは緑色みどりいろ植物しょくぶつ全体ぜんたい植物しょくぶつとしたり、紅色こうしょく植物しょくぶつ灰色はいいろ植物しょくぶつをも植物しょくぶつふくめたりする。また、「植物しょくぶつ」と「植物しょくぶつかい」という言葉ことばちがいについても、乱暴らんぼうに『「植物しょくぶつ」は植物しょくぶつかいのシノニムだ』とってしまうひとと、『そうではない』というひと[3]など、生物せいぶつ学者がくしゃたちのなかでも意見いけんかれている。ふるかいせつかいせつでは植物しょくぶつとみなされていた菌類きんるい褐藻かっそう光合成こうごうせい原生動物げんせいどうぶつミドリムシ珪藻けいそうなど)は、「系統けいとうことなる」として、現在げんざい(2012ねん)では生物せいぶつ分類ぶんるいがくじょう植物しょくぶつとみなされていない。だが、さらにややこしいことに、生態せいたいがくまとには、こういう分類ぶんるいほうではい。たとえば生態せいたいがくでは「光合成こうごうせいおこなワカメ珪藻けいそうは、植物しょくぶつ生産せいさんしゃ)」とする。

研究けんきゅう歴史れきし 編集へんしゅう

古代こだいギリシア 編集へんしゅう

アリストテレスは、生命せいめい全般ぜんぱんについて『ペリ・プシュケース』(Πぱいεいぷしろんρろーὶ Ψυχῆς、プシュケーろん生命せいめいろん霊魂れいこんろん)でろんじており、そのしょなかで、まず生物せいぶつ代謝たいしゃ生殖せいしょくをするもの、とし(たいして、無生物むせいぶつとは代謝たいしゃ生殖せいしょくをしないもの、とし)、動物どうぶつ生物せいぶつなか移動いどう感覚かんかくのあるもの、とした。そして、植物しょくぶつ生物せいぶつなか動物どうぶつではないもの、と(いわば消去しょうきょ法的ほうてきに)定義ていぎし、移動いどうせず感覚かんかくはないもの、と説明せつめいした。カイメンなどは、植物しょくぶつ動物どうぶつなかあいだてき生物せいぶつかんがえた。

アリストテレスの植物しょくぶつがく研究けんきゅうしょはあいにくとうしなわれてしまい現存げんそんしていないが、そのわり、アリストテレスの弟子でしテオフラストスによる植物しょくぶつがくじょう完全かんぜん著作ちょさく(『植物しょくぶつまれ: Πぱいεいぷしろんρろーὶ φυτῶνにゅー ἱστορία Historia Plantarumぜん9かん)は現存げんそんしている。テオフラストスの植物しょくぶつかんする著作ちょさくぐんは、古代こだいから現代げんだいにまでつたわった生物せいぶつがく完全かんぜん研究けんきゅうしょとして非常ひじょう貴重きちょうなものとされている[4]。 テオフラストスはからつたえられた発生はっせいがくてき研究けんきゅう価値かち理解りかいしており、植物しょくぶつ生殖せいしょく様式ようしき差異さい重点じゅうてんき、たん子葉しよう植物しょくぶつそう子葉しよう植物しょくぶつ区別くべつした[4]。また系統けいとうじゅあるいはがた体系たいけいてき配列はいれつれ、植物しょくぶつぞくぞくというグループにける方向ほうこうせいしめし、今日きょうまで通用つうようする分類ぶんるいほう基礎きそとなるやりかた確立かくりつした。植物しょくぶつ発生はっせいからまでの過程かてい繁殖はんしょく形態けいたいだけでなく、環境かんきょうへの反応はんのう考慮こうりょし、種類しゅるいちが植物しょくぶつなか特定とくてい特徴とくちょう有無うむ観察かんさつし、それをもとに記録きろくした先駆せんくてき業績ぎょうせきによって、「植物しょくぶつがく」とばれている。かれ研究けんきゅうは、当時とうじ最高さいこう水準すいじゅん観察かんさつ記録きろくである500しゅ記述きじゅつのこしたことでも時代じだいえた価値かちがある。またかれしょには、植物しょくぶつ栽培さいばいする技術ぎじゅつや、植物しょくぶつ薬用やくよう植物しょくぶつとして利用りようする技術ぎじゅつについてもかれており、実用じつようてき農学のうがくしょ薬学やくがくしょでもあり、また植物しょくぶつ研究けんきゅうフィールドワーク重要じゅうようせいつたえるしょともなっている。

中世ちゅうせいヨーロッパ 編集へんしゅう

中世ちゅうせいヨーロッパでは、いのち生命せいめいたい)には、鉱物こうぶつのような単純たんじゅんなもの[注釈ちゅうしゃく 3]から、複雑ふくざつ植物しょくぶつ動物どうぶつ、そしてさらに複雑ふくざつ高度こうど人間にんげんのような存在そんざいまで、連続れんぞくてき序列じょれつ階梯かいてい)をなしている、というかんがかた根強ねづよく、その連続れんぞくてき階梯かいていは「存在そんざいおおいなる連鎖れんさ」(The great chain of being )とばれていて、学者がくしゃたちのあいだでも植物しょくぶつはその序列じょれつしたから2番目ばんめ存在そんざいかんがえられていた。

リンネ以降いこう 編集へんしゅう

 
植物しょくぶつ系統けいとういちれい

カール・フォン・リンネ(1707ねん - 1778ねん)は、 すべての生物せいぶつをベシタブリアかいVegetabilia動物界どうぶつかい Animaliaけた。これがかいせつである。

当時とうじ植物しょくぶつには、現在げんざい植物しょくぶつふくめられない褐藻かっそうきんるいふくんでいた。ただし、微生物びせいぶつについてはまだほとんどられていなかった。

微生物びせいぶつ発見はっけんされてくると、つぎのような植物しょくぶつてき特徴とくちょうおおつものは植物しょくぶつに、そうではないものは動物どうぶつ分類ぶんるいされた。

こうして拡大かくだいしてきた植物しょくぶつには、現在げんざいからればつぎのような雑多ざった生物せいぶつふくまれていた。

  • 陸上りくじょう植物しょくぶつ細胞さいぼう藻類そうるい - 緑色みどりいろ植物しょくぶつべになど。典型てんけいてき植物しょくぶつ
  • 単細胞たんさいぼう藻類そうるい - 光合成こうごうせいをするが、細胞さいぼうかべのないものや運動うんどうせいのものもいる。
  • きん - 光合成こうごうせいはしないが、細胞さいぼうかべち、運動うんどうせい
  • 細菌さいきん細菌さいきん - 一部いちぶ光合成こうごうせいおこなうが、しないもののほうおおい。細胞さいぼうかべつ。運動うんどうせいのものもおおい。

しかし、これらのうち一部いちぶしかてはまらない生物せいぶつおおいことが認識にんしきされてくると、かいせつあらたなかいつくうごきがあらわれた。

まず1860ねんジョン・ホッグ微生物びせいぶつなど原始げんしてき生物せいぶつを Primigenum にまとめ、1866ねんにはエルンスト・ヘッケルがそのグループに原生げんせい生物せいぶつ (プロチスタ) Protista かい命名めいめいした。これにより、微生物びせいぶつきん植物しょくぶつからはずされた。また、ヘッケルは同時どうじ現在げんざい植物しょくぶつ Plantae さかいという命名めいめいした。ただしのちにきんは、かつては光合成こうごうせいをしていたが光合成こうごうせい能力のうりょくうしなったとしてふたた植物しょくぶつもどされた。

1937ねんにはバークリーが、植物しょくぶつしゅ過半かはんめる菌類きんるいクロロフィルいているてん重視じゅうしして、動物どうぶつ菌類きんるい植物しょくぶつける三界さんがいせつ提唱ていしょうした[5]

いで1969ねんロバート・ホイッタカーかいせつとなえ、光合成こうごうせいをする高等こうとう生物せいぶつ植物しょくぶつ位置いちづけた。表面ひょうめん栄養えいよう摂取せっしゅをする高等こうとう生物せいぶつ、つまりきんきんかいとして独立どくりつした。この段階だんかいでは、あい藻類そうるいふくめた光合成こうごうせい生物せいぶつひとつの系統けいとうてきなまとまりを形成けいせいするというかんがえはあんみとめられていた。

系統けいとう分類ぶんるい 編集へんしゅう

しかし、分子ぶんし遺伝いでんがくてき情報じょうほう利用りよう可能かのうになったこと、原生げんせい生物せいぶつかくぐん研究けんきゅうとく微細びさい構造こうぞう解明かいめいすすんだことから、光合成こうごうせい生物せいぶつたん系統けいとうせいうたがわしくなってきた。また、1967ねんリン・マーギュリス細胞さいぼうない共生きょうせいせつは、おな葉緑素ようりょくそっているからといってどう系統けいとうとはえないことをしめした。

たとえば、ミドリムシるい緑藻りょくそうるいおな光合成こうごうせい色素しきそっている。したがって系統けいとうじょうちかいものとかんがえることができた。しかし、近年きんねんかんがえでは、これはまった系統けいとうことなった原生げんせい生物せいぶつ緑藻類りょくそうるいみ、みずからのみどりたいとしたものだとかんがえられている。つまり、光合成こうごうせい能力のうりょくは、その生物せいぶつ系統けいとうとは関係かんけいなくられるとかんがえられる。したがって、現代げんだいでは、藻類そうるいというまとまりに分類ぶんるいがくてき意味いみいだすことはできなくなってしまった。

これを植物しょくぶつかい範囲はんいはさらに限定げんていてきなものへと変化へんかしていく。1981ねん、マーギュリスはかいせつ修正しゅうせいし、陸上りくじょう植物しょくぶつ植物しょくぶつかいとした。

おなじ1981ねんトーマス・キャバリエ=スミスは、はちかいせつとなえた。緑色みどりいろ植物しょくぶつ紅色こうしょく植物しょくぶつ灰色はいいろ植物しょくぶつは、みどりたい唯一ゆいいついち共生きょうせいこした生物せいぶつ共通きょうつう祖先そせんとするたん系統けいとうであるとして、これを植物しょくぶつかいとした。ただしこのたん系統けいとうせいには疑問ぎもんがあるなどの理由りゆうで、あたらしい植物しょくぶつかい定義ていぎはあまりひろまらなかった。一方いっぽう、それまで植物しょくぶつふくまれていたがべつ系統けいとうである褐藻かっそうなどは、単細胞たんさいぼう藻類そうるいだい部分ぶぶんやいくつかの原生動物げんせいどうぶつともクロミスタ Chromista さかいとして独立どくりつさせた。

2005ねんには、アドルらによって、「キャバリエ=スミスの植物しょくぶつかい」がアーケプラスチダ命名めいめいされ、この呼称こしょう専門せんもん分野ぶんやでは一般いっぱんてきとなる。アドルらはまったくあたらしい枠組わくぐみで生物せいぶつかい全体ぜんたい見直みなおすことを意図いとし、さかいなどリンネしき階級かいきゅう使つかわなかったが、リンネしき階級かいきゅうシステムではアーケプラスチダをさかいとすることがおおい。

現在げんざい植物しょくぶつ定義ていぎ 編集へんしゅう

本節ほんぶしでは、2012ねん現在げんざいにおける植物しょくぶつ複数ふくすう定義ていぎと、それらの定義ていぎ提案ていあんがされるにいたった背景はいけい説明せつめいする。

背景はいけい 編集へんしゅう

 
ユーリオプスデージー

「かつて[いつ?]植物しょくぶつ」という単語たんごは、ひろ光合成こうごうせいをする生物せいぶつ一般いっぱん、すなわち光合成こうごうせい生物せいぶつ全般ぜんぱんしていた[よう出典しゅってん]だが、生物せいぶつかんする科学かがくてき知見ちけんふかまるにつれ、この素朴そぼく定義ていぎおおきく修正しゅうせいされることになった。[よう出典しゅってん]

修正しゅうせいされた理由りゆうおもに3つある。だいいち理由りゆうとして、生物せいぶつ全体ぜんたい細菌さいきん細菌さいきんかく生物せいぶつの3つのドメインにかれることが分子ぶんし系統けいとう解析かいせきによりわかったことがげられる。これは細菌さいきんぞくする光合成こうごうせい細菌さいきんかく生物せいぶつである陸上りくじょう植物しょくぶつとはことなる系統けいとうであることを意味いみする[6]したがって陸上りくじょう植物しょくぶつふくたん系統けいとうぐんとして植物しょくぶつ定義ていぎするのであれば、植物しょくぶつかく生物せいぶつぞくするものに限定げんていしなければならない。[よう出典しゅってん]」とだれ[だれ?]指摘してきした。

だい理由りゆうかく生物せいぶつがいくつかのスーパーグループに分類ぶんるいできることが分子ぶんし系統けいとう解析かいせきによりわかったことである[7]。この分類ぶんるいかく光合成こうごうせい生物せいぶつてはめてみると、下記かきのように系統けいとうであることがわかる:

かく生物せいぶつ系統けいとうじゅ[8][9]
スーパーグループ 具体ぐたいれい
オピストコンタ 後生ごしょう動物どうぶつえりむち毛虫けむし菌類きんるい
アメーボゾア ねばきんアメーバ
エクスカバータ ユーグレノゾアディプロモナスるい
アーケプラスチダ 緑色みどりいろ植物しょくぶつ紅色こうしょく植物しょくぶつ灰色はいいろ植物しょくぶつ
SAR ストラメノパイル 不等ふとう植物しょくぶつ褐藻かっそう珪藻けいそう黄金おうごんしょくなど)、

たまごきんラビリンチュラるい

アルベオラータ うずむち植物しょくぶつアピコンプレクサ繊毛せんもうちゅう
リザリア 放散ほうさんちゅうゆうあなちゅう
ハクロビア[注釈ちゅうしゃく 4] ハプト植物しょくぶつ太陽たいようちゅう

だいさん理由りゆうみどりたい起源きげんがわかったことである。かく光合成こうごうせい生物せいぶつは、シアノバクテリア類似るいじした原核げんかく生物せいぶつかく生物せいぶつんだことにより誕生たんじょうした(いち共生きょうせい[12]。そしてこのようにして誕生たんじょうしたかく光合成こうごうせい生物せいぶつをさらにべつかく生物せいぶつむことであらたなかく光合成こうごうせい生物せいぶつ誕生たんじょうした(共生きょうせい[12]共生きょうせい生物せいぶつ歴史れきしなんこったことられており[12]、これがかく生物せいぶつ様々さまざまなスーパーグループに光合成こうごうせい生物せいぶつぞくしている理由りゆうである。それにたいし、いち共生きょうせいこり共生きょうせいこっていない生物せいぶつぐんはスーパーグループのアーケプラスチダ一致いっちすることられている[12]

なにって植物しょくぶつぶべきかといういにたいするひとつのこたえは「アーケプラスチダぞくすること」ということになる。[よう出典しゅってん]』 『2012ねん現在げんざい提案ていあんされている植物しょくぶつ定義ていぎおおくは、アーケプラスチダもしくはそこにぞくするたん系統けいとう部分ぶぶんぐん[よう出典しゅってん]』とだれ[だれ?]った[いつ?]

このほか主流しゅりゅう系統けいとう仮説かせつをもとに、アーケプラスチダよりひろ範囲はんいを「ちょう植物しょくぶつかい」とする提案ていあんがされたこともあるが[13]有力ゆうりょくせつとなってはいない。

アーケプラスチダの系統けいとうじゅ以下いかのようになる:

アーケプラスチダの系統けいとうじゅ[14]
灰色はいいろ植物しょくぶつ Glaucophyta
紅色こうしょく植物しょくぶつ Rhodophyta
緑色みどりいろ植物しょくぶつ
Viridiplantae

クロロフィルb獲得かくとく

緑藻りょくそう植物しょくぶつ Chlorophyta
アオサつな Ulvophyceae
トレボウクシアつな Trebouxiophyceae
ストレプト植物しょくぶつ
Streptophyta
クロロキブス Chlorokybusメソスティグマ Mesostigmaクレブソルミディウム藻類そうるい Klebsormidiophyceae
フラグモプラスト植物しょくぶつ
Phragmoplastophyta
接合せつごう藻類そうるい Zygnematophyceae
コレオケーテるい Coleochaetophyceae
シャジクモるい Charophyceae
陸上りくじょう植物しょくぶつ Embryophyta
胞子ほうしたい獲得かくとく

定義ていぎ 編集へんしゅう

2012ねん現在げんざい植物しょくぶつかい定義ていぎとして以下いかのものがある:

アーケプラスチダ
緑色みどりいろ植物しょくぶつ紅色こうしょく植物しょくぶつ灰色はいいろ植物しょくぶつからなるたん系統けいとうぐんみどりたいまくが2じゅうである。シアノバクテリア細胞さいぼうない共生きょうせいさせた生物せいぶつ共通きょうつう祖先そせんとするたん系統けいとうぐんであるという仮説かせつもとづき、トーマス・キャバリエ=スミスがこの系統けいとう植物しょくぶつかい定義ていぎした。たんに「広義こうぎ植物しょくぶつかい (Plantae sensu lato)」とった場合ばあい、これを意味いみすることがおおい。ただし、より広義こうぎ意味いみ対比たいひさせ、「狭義きょうぎ植物しょくぶつかい」とぶこともある。[15][16]
緑色みどりいろ植物しょくぶつ
みどりたいクロロフィル a/b をもつこと特徴とくちょうづけられるたん系統けいとうぐん[17]みどりたいまくが2じゅうである。「狭義きょうぎ植物しょくぶつかい (Plantae sensu stricto)」とった場合ばあい、これを意味いみすることがある。
陸上りくじょう植物しょくぶつ
コケ植物しょくぶつシダ植物しょくぶつ種子しゅし植物しょくぶつからなるたん系統けいとうぐんふるくは後生ごしょう植物しょくぶつともいい、陸上りくじょう進化しんかし、高度こうど細胞さいぼう体制たいせいつ。このぐん植物しょくぶつかいとする分類ぶんるいリン・マーギュリスとなえ、マーギュリスにより改訂かいていされたかいせつともひろまった。

分類ぶんるいがく以外いがい用語ようご 編集へんしゅう

植物しょくぶつというかたりには、現代げんだいでもアリストテレスが意図いとしたような「うごかない生物せいぶつ植物しょくぶつ」という意味合いみあいがあり、植物しょくぶつ状態じょうたいという表現ひょうげんもある。

動物どうぶつなかにも植物しょくぶつてき性質せいしつみとめる、植物しょくぶつせい器官きかん植物しょくぶつきょくなどのかたりがある。

生物せいぶつがくのうち植物しょくぶつ研究けんきゅう対象たいしょうとする分野ぶんや植物しょくぶつがくぶ。これは本来ほんらいは、分類ぶんるいがくてき植物しょくぶつ研究けんきゅう対象たいしょうとするものではない。具体ぐたいてきには、陸上りくじょう植物しょくぶつおよびすべての藻類そうるい対象たいしょうとする。植物しょくぶつ学名がくめい命名めいめい規約きやく以前いぜん国際こくさい植物しょくぶつ命名めいめい規約きやくであったが、これも正確せいかくやくせば国際こくさい植物しょくぶつがく命名めいめい規約きやくで、分類ぶんるいがくてき植物しょくぶつではなく、植物しょくぶつがく対象たいしょうしていた。現在げんざい国際こくさい藻類そうるい菌類きんるい植物しょくぶつ命名めいめい規約きやく となって、「植物しょくぶつがく」のかたりはなくなった。

植物しょくぶつ進化しんか 編集へんしゅう

植物しょくぶつ知覚ちかく 編集へんしゅう

植物しょくぶつ生態せいたいけい 編集へんしゅう

生態せいたいけいにおいて、植物しょくぶつおおきな部分ぶぶんめている。緑藻りょくそうふく緑色みどりいろ植物しょくぶつ光合成こうごうせいによって有機物ゆうきぶつ生産せいさんするが、これ以外いがいいち生産せいさんしゃ化学かがく合成ごうせいおこな一部いちぶ細菌さいきんるいのみであり[18]事実じじつじょう地球ちきゅうじょうのほとんどの有機物ゆうきぶつ生産せいさん植物しょくぶつによっておこなわれている[19]植物しょくぶつによって生産せいさんされた有機物ゆうきぶつは、捕食ほしょく-しょく関係かんけいなどをつうじていち消費しょうひしゃである草食そうしょく動物どうぶつさん消費しょうひしゃである肉食にくしょく動物どうぶつ、そしてそれらの分解ぶんかいしゃへとつながっていき、食物しょくもつ連鎖れんさ形成けいせいする[20]。また植物しょくぶつ各地かくち気候きこうなどによって特徴とくちょうてき植生しょくせい形成けいせいし、それを基盤きばんとした生物せいぶつぐんけい各地かくち成立せいりつさせる[21]植物しょくぶつ光合成こうごうせいは、大気たいきちゅう酸素さんそ濃度のうどおよび二酸化炭素にさんかたんそ濃度のうど安定あんていさせることにおおきく貢献こうけんしている[22]

植物しょくぶつ動物どうぶつ捕食ほしょく-しょく関係かんけいのほかに、しばしば共生きょうせい関係かんけい構築こうちくする。たとえば顕花植物けんかしょくぶつには昆虫こんちゅうとりなどの動物どうぶつ媒介ばいかいして受粉じゅふんおこな動物どうぶつなかだちのものが数多かずおお存在そんざいし、なかでも媒介ばいかい動物どうぶつおお熱帯ねったい樹木じゅもくにおいては95%が動物どうぶつなかだちによるものである[23]

人間にんげん植物しょくぶつ 編集へんしゅう

ひと植物しょくぶつ関係かんけいじつ多様たようである。人間にんげん植物しょくぶつ関係かんけいは、生物せいぶつがく食物しょくもつ連鎖れんさじょうの《消費しょうひしゃ生産せいさんしゃ》の関係かんけいにとどまらず、ひと植物しょくぶつ原料げんりょう材料ざいりょうとして利用りようしたり、観賞かんしょうするなど文化ぶんかしんゆたかさのためにももちいている。人間にんげん以外いがいにもなどをつく材料ざいりょうとして植物しょくぶつ利用りようしている生物せいぶつがいるが、人間にんげん植物しょくぶつ利用りよう仕方しかたほうがはるかに多様たようである。生物せいぶつがくじょう植物しょくぶつのうち、基本きほんてきには樹木じゅもく草花くさばな対象たいしょうになることがおおいが、藻類そうるい菌類きんるいふくまれる。

食糧しょくりょう薬品やくひん 編集へんしゅう

人類じんるい雑食ざっしょくであり、植物しょくぶつ食糧しょくりょうみなもととしてきわめて重要じゅうようである。植物しょくぶつくき果実かじつ穀物こくもつ野菜やさい果物くだものとして、そのまま、あるいは調理ちょうり加工かこうして摂取せっしゅされる。当初とうしょ採集さいしゅうによって植物しょくぶつせい食糧しょくりょう確保かくほしていたものの、やく12000ねんまえ一部いちぶ植物しょくぶつ栽培さいばいはじまり、農業のうぎょうによって植物しょくぶつせい食糧しょくりょう大量たいりょう生産せいさんされるようになった[24]世界せかい食用しょくよう栽培さいばいされている植物しょくぶつはおよそ2300しゅほどとされている[25]。また、植物しょくぶつ飼料しりょうとして家畜かちく飼育しいくすることにより、動物どうぶつせい食品しょくひん大量たいりょう供給きょうきゅうおこなわれている[26]直接的ちょくせつてき食糧しょくりょうだけでなく、とうみつといった甘味あまみりょうや、あぶらかて作物さくもつかられる植物しょくぶつ重要じゅうようである[27]植物しょくぶつからはタバココーヒーちゃといった嗜好しこうひん生産せいさんされ、換金かんきん作物さくもつとしてひろ栽培さいばいされている[28]微生物びせいぶつ利用りようした発酵はっこう食品しょくひん各種かくしゅ存在そんざいし、穀物こくもつ果物くだものからは、ビールワインといったさけつくられる[29]

植物しょくぶつなかには薬効やっこうしめすものがあり、人類じんるい有史ゆうし以前いぜんから健康けんこうのために薬用やくよう植物しょくぶつ摂取せっしゅし、またそこからくすり製造せいぞうして患者かんじゃ投与とうよしてきた。植物しょくぶつ由来ゆらい医薬品いやくひん現代げんだいでもさかんに使用しようされ、さらに植物しょくぶつ薬効やっこう成分せいぶん研究けんきゅうによってあらたなくすり開発かいはつされることもある[30]

素材そざい原料げんりょう 編集へんしゅう

食糧しょくりょう以外いがいにも、植物しょくぶつ工業こうぎょう原料げんりょう材料ざいりょうとしてさまざまに利用りようされる。こうした工芸こうげい原料げんりょうはしばしば農作物のうさくもつとして栽培さいばいされ、工芸こうげい作物さくもつ総称そうしょうされる[31]

森林しんりんから生産せいさんされる木材もくざい工業こうぎょう原料げんりょう資材しざいとして非常ひじょう重要じゅうようであり、狭義きょうぎ林業りんぎょう森林しんりんからの木材もくざい生産せいさん定義ていぎされている[32]生産せいさんされた木材もくざい用途ようと多様たようである。建築けんちくよう材料ざいりょうとしての材木ざいもくのほか、木材もくざい加工かこうした合板ごうはん近代きんだい以降いこう重要じゅうよう工業こうぎょう原料げんりょうとなっている[33]木材もくざい工芸こうげい材料ざいりょうとしても重要じゅうようで、タンスなどの家具かぐ指物さしもの食器しょっきなどさまざまな木工もっこうしな製作せいさくされている[34]工芸こうげい材料ざいりょうとしては、ひがしアジアから東南とうなんアジアにかけてはたけひろ使用しようされ、竹細工たけざいくなどの各種かくしゅ生活せいかつ工芸こうげいひん制作せいさくされてきた[35]。このほかにも、とう家具かぐ等々とうとうさまざまな植物しょくぶつ工芸こうげい材料ざいりょうとされている。

植物しょくぶつ繊維せんいしつは、被服ひふく重要じゅうよう原料げんりょうとなっており、亜麻あまあさ、そして綿花めんかなどから衣服いふくつくられている[36]かみ植物しょくぶつ繊維せんいからつくられており、ふるくはあさやぼろぬの和紙わし場合ばあいコウゾミツマタなどをおも原料げんりょうとしていたが、19世紀せいき中盤ちゅうばん以降いこう木材もくざいからパルプ製造せいぞう製紙せいしおこな方法ほうほう主流しゅりゅうとなって、ほとんどのかみ木材もくざいから製造せいぞうされるようになった[37]マニラ麻まにらあさサイザルあさといった硬質こうしつ繊維せんいは、ひもなわ材料ざいりょうとして20世紀せいきなかばまでは重要じゅうよう地位ちいめていた[38]。このほかの植物しょくぶつ繊維せんいしつ利用りようとしては、たたみわらじ等々とうとうがある。

植物しょくぶつ燃料ねんりょうとしても重要じゅうようである。たきぎ木炭もくたんもっと基本きほんてき燃料ねんりょうとして世界中せかいじゅう使用しようされ、産業さんぎょう革命かくめいのち先進せんしんこくエネルギー生産せいさん化石かせき燃料ねんりょう主体しゅたいへと移行いこうしたのちも発展はってん途上とじょうこくにおいては燃料ねんりょう主力しゅりょくでありつづけ、2005ねん時点じてん世界せかい木材もくざい生産せいさんの47%が薪炭しんたんよう使用しようされている[39]。また、21世紀せいきはい化石かせき燃料ねんりょう使用しよう削減さくげんさけばれるようになると、サトウキビトウモロコシなどを原料げんりょうとしたバイオマスエタノールなど、植物しょくぶつせいバイオマスエネルギー活用かつようさかんとなってきている[40]

樹液じゅえきかためた樹脂じゅしも、原料げんりょうとしてひろ利用りようされてきた。こうした天然てんねん樹脂じゅしなかでもっとも重要じゅうようなものはゴムであり、防水ぼうすいせい絶縁ぜつえんせい弾力だんりょくせいすぐれることからタイヤ電化でんか製品せいひんくつ手袋てぶくろなどの用品ようひんいたるまで幅広はばひろ利用りようされている[41]。またおなじく樹脂じゅしであるうるし塗料とりょうとしてすぐれ、日本にっぽんではこれを利用りようしたおおくの漆器しっきされてきた[42]。このほか、のり化粧けしょうひん香水こうすい等々とうとう植物しょくぶつ原料げんりょうとしてさまざまなものがされてきた。

環境かんきょう 編集へんしゅう

生活せいかつ空間くうかんのなかに樹木じゅもく草花くさばなうえすることはひろおこなわれている。個人こじんたくにはにわ設置せっちされ樹木じゅもく芝生しばふえられるほか、へいわりに庭木にわき密生みっせいしてえることで自宅じたく外部がいぶとを区画くかくする生垣いけがき利用りようされている[43]道路どうろには街路がいろじゅ並木なみきえられ、美観びかん緑陰りょくいん向上こうじょうさせる[44]都市としには市民しみん休養きゅうよう美観びかん防災ぼうさい目的もくてきとして公園こうえん緑地りょくち造園ぞうえんされ、さまざまな植物しょくぶつうえ栽される[45]観賞かんしょうようはな樹木じゅもくえた庭園ていえん古代こだいより世界せかい各地かくち存在そんざいし、現地げんち文化ぶんかもとづいたさまざまなスタイルを発展はってんさせてきた[46]

災害さいがい防止ぼうし資源しげん保護ほごのために植生しょくせい利用りようすることもひろおこなわれている。れいとしては、森林しんりんたか表層ひょうそう土壌どじょう侵食しんしょく保護ほご能力のうりょく[47]利用りようした山地さんちでの森林しんりん造成ぞうせいや、強風きょうふうふせぐための防風ぼうふうりん造成ぞうせいなどである[48]。こうした公益こうえきてき機能きのうたか森林しんりん世界せかい各地かくち保護ほごされており、日本にっぽんでは保安ほあんりんとして整備せいび保護ほごされている[49]

20世紀せいきまつ以降いこう地球ちきゅう温暖おんだんすす対策たいさくもとめられるなかで、植物しょくぶつとく森林しんりん二酸化炭素にさんかたんそ吸収きゅうしゅう機能きのう注目ちゅうもくされている[50]

文化ぶんか 編集へんしゅう

実用じつよう以外いがいにも、植物しょくぶつ人類じんるい文化ぶんかにおいておおきな部分ぶぶんめている。宗教しゅうきょうおおくでは一部いちぶ植物しょくぶつひじりせいあたえており、また各地かくち文化ぶんかはさまざまなイメージを植物しょくぶつへと投影とうえいしてきた[51]葬儀そうぎさいはなかざられたりはかまえはなささげられるように、儀式ぎしきさいはなもちいることはめずらしくない[52]

園芸えんげい趣味しゅみとして一般いっぱんてきなものであり、自宅じたく観葉かんよう植物しょくぶつ盆栽ぼんさいなどの鉢植はちうをおいたり、にわがある場合ばあい花壇かだんなどに草花くさばなえし、または自宅じたく周辺しゅうへん家庭かてい菜園さいえんいとなむなど、さまざまなガーデニングたのしまれている。鉢植はちうえやばななどの観賞かんしょうよう植物しょくぶつ巨大きょだい市場いちば規模きぼっており、園芸えんげい農家のうか栽培さいばいされた植物しょくぶつ卸売おろしうり市場いちば取引とりひきされ、花屋はなやなどで消費しょうひしゃ購入こうにゅうされる[53]はなドライフラワーばななどに加工かこうされる。植物しょくぶつ絵画かいが彫刻ちょうこく文芸ぶんげい対象たいしょうとして一般いっぱんてきなものであり、たとえばアールヌーボーでは植物しょくぶつ主要しゅようなモチーフとなっている。華道かどうのように、植物しょくぶつかざかたそのものが芸術げいじゅつとなることもある。

人間にんげんみどりおお風景ふうけい良好りょうこう環境かんきょう景観けいかんなすことがおおく、やしをもとめるため森林浴しんりんよくおこなうこともある[54]

品種ひんしゅ改良かいりょう遺伝子いでんし操作そうさ 編集へんしゅう

人類じんるい植物しょくぶつ利用りようする過程かていにおいて、みずからののぞ特質とくしつった個体こたい選抜せんばつ育成いくせいすることで、より有益ゆうえきたねつくしてきた。こうした品種ひんしゅ改良かいりょうにおいてもっとふるいものは穀物こくもつ栽培さいばい初期しょきであり、栽培さいばい過程かてい穀物こくもつ種子しゅし脱落だつらくせいしょく増大ぞうだいといった、人類じんるい利用りよう有益ゆうえき形質けいしつたね選抜せんばつされていった[55]生物せいぶつ工学こうがく発展はってんともない、遺伝子いでんし操作そうさによって栄養えいよう改善かいぜんたいびょうせい強化きょうかなどを改善かいぜんした遺伝子いでんし作物さくもつ開発かいはつされ栽培さいばいおこなわれているものの、安全あんぜんせいなどのめんから根強ねづよ反対はんたい運動うんどうこっている[56]。こうした品種ひんしゅ改良かいりょう遺伝子いでんし操作そうさ食用しょくよう作物さくもつかぎったことではなく、観賞かんしょうよう作物さくもつであるはなでも選別せんべつ人工じんこう交配こうはいによってしん品種ひんしゅつくされ、遺伝子いでんし技術ぎじゅつれられている[57]

がい 編集へんしゅう

植物しょくぶつ人間にんげん生態せいたいけいがいをなすこともある。スギヒノキイネ植物しょくぶつブタクサシラカバなどがばす花粉かふんは、一部いちぶ人間にんげん花粉かふんしょうばれるアレルギー症状しょうじょうこす[58]。また、本来ほんらいその土地とちになかった人為じんいてき外来がいらいしゅ帰化きか植物しょくぶつとして地域ちいき生態せいたいけい根付ねつくことがあるが、一部いちぶ帰化きか植物しょくぶつ従来じゅうらい生態せいたいけい悪影響あくえいきょうおよぼすことがあり[59]日本にっぽんでは外来がいらい生物せいぶつほうによって規制きせいされている[60]

その 編集へんしゅう

  • 存在そんざいとくのぞんでいない場合ばあいひと植物しょくぶつ勝手かってに)雑草ざっそう雑木ざつぼくなどとぶこともある。
  • 植物しょくぶつたとえとして、脳幹のうかんのみによってきている人間にんげん植物しょくぶつ人間にんげんぶのは、20世紀せいき初頭しょとう生理学せいりがくにおいて「意識いしきがなくても維持いじされる生理せいり機能きのう」を植物しょくぶつてき性質せいしつしょうしたことによるもので、生物せいぶつとしての植物しょくぶつにはなん関連かんれんがない。

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく 編集へんしゅう

  1. ^ 植物しょくぶつかい」の定義ていぎによって上位じょうい分類ぶんるいことなる。
  2. ^ 広辞苑こうじえん植物しょくぶつ定義ていぎには、「くさなどのように」とあり、しばしば「草木くさき」とんでいた日本語にほんご伝統でんとうがさりげなく反映はんえいされている。
  3. ^ 現代げんだいじんかんがかたとはおおきくことなるが、中世ちゅうせいヨーロッパでは鉱物こうぶつも「結晶けっしょう成長せいちょうするから、いのち宿やどっているもののいちしゅ」とかんがえられていた。
  4. ^ 2012ねん2がつ時点じてんで、このグループがたん系統けいとうぐんであるかかはかっていないが[10][11]ほんこうでは伊藤いとう12したがい、ハクロビアを分類ぶんるいぐんとして記述きじゅつした

出典しゅってん 編集へんしゅう

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  3. ^ 生物せいぶつがく文脈ぶんみゃくであっても、「植物しょくぶつかい」の定義ていぎ と 「植物しょくぶつ」という言葉ことば用法ようほう ではちがう、と指摘してきするひとがいる。
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参考さんこう文献ぶんけん 編集へんしゅう

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関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう