鷹たか

鷹たか（たか）とは、タカ目めタカ科かに属ぞくする鳥とりのうち比較的ひかくてき小ちいさめのものを指さす通称つうしょうで、鳥類ちょうるいの一種いっしゅである。 オオタカ、ハイタカ、クマタカなどの種たねがいる。タカ科かに分類ぶんるいされる種たねにて比較的ひかくてき大おおきいものをワシ（鷲わし,Eagle）、小ちいさめのものをタカ（鷹たか, Hawk）と呼よび分わけているが、明確めいかくな区別くべつではなく慣習かんしゅうに従したがって呼よび分わけているに過すぎない。また大おおきさからも明確めいかくに分わけられているわけでもない。例たとえばクマタカはタカ科かの中なかでも大型おおがたの種たねであり大おおきさからはワシ類るいといえるし、カンムリワシは大おおきさはノスリ程度ていどであるからタカ類るいといってもおかしくない。

放ひ鷹たか術じゅつ実演じつえん（2010年ねん1月がつ2日にち撮影さつえい）

人間にんげんとの関かかわり

葛飾かつしか北斎ほくさい『肉筆にくひつ画帖がじょう 鷹たか』　全ぜん10図ず中ちゅうの第だい2図ず。（長野ながの県けん小布施おぶせ町まち、北斎ほくさい館かん所蔵しょぞう）

井上いのうえ鷹たかの羽わ

• 縄文じょうもん時代じだいの遺跡いせきからはタカ類るいの骨ほねが発掘はっくつされており、当時とうじは人間にんげんの食料しょくりょうであったと考かんがえられている。
• 鷹たかの糞くそは「鷹たか矢や白しろ」（たかのくそ）として、医薬品いやくひんとして用もちいられたことが平安へいあん時代じだいの医薬いやく書しょである『本草ほんぞう和名わみょう』（ほんぞうわみょう）に記載きさいされている。
• 鷹たかの羽わなどが、家紋かもんとして使用しようされている。
• 1996年ねん（平成へいせい8年ねん）3月がつ28日にち発売はつばいの1000円えん普通ふつう切手きっての意匠いしょうに雪村ゆきむら周あまね継つぎの『松まつ鷹たか図ず』が採用さいようされた。
• タカ科か及およびハヤブサ科かの鳥とりは優すぐれた狩猟しゅりょうの能力のうりょくをもつため、古ふるくから多おおくの国くにで厳きびしい訓練くんれんを施ほどこしたうえで鷹狩たかがりに使つかわれてきた。鷹狩たかがりでは狩かりによって鳥とりの種類しゅるいが使つかい分わけられた。
• モンゴルや中央ちゅうおうアジアの遊牧民ゆうぼくみんの間あいだでは「鷹たか」という言葉ことばが力ちからある者ものの象徴しょうちょうとして人名じんめいに用もちいられた。トゥグリル・ベグの「トゥグリル」やオン・ハンの本名ほんみょう「トグリル」はいずれも鷹たかという意味いみである。
• イソップ寓話ぐうわには『鷹たかと矢や』という話はなしがある。内容ないようは、ある鷹たかが獲物えものの兎うさぎを狙ねらおうと岩いわの上うえから目めを凝こらしていた。そこへ物陰ものかげに潜ひそんでいた射手しゃしゅが矢やを鷹たか目めがけて放はなった。矢やは心臓しんぞうに突つき刺ささり鷹たかは倒たおれた。虫むしの息いきの鷹たかが矢やの矢や羽根ばねを見みると、矢や羽根ばねは鷹たかの羽わで作つくられていた、というもので「己おのれを滅ほろぼす者ものは己おのれである」といった教訓きょうくんを導みちびく話はなしとなっている。
• 長野ながの県けんでは昔むかし、タカの捕獲ほかくが盛さかんだった。タカの巣すから幼鳥ようちょうなどを捕獲ほかくしたので「巣す場じょう」がつく地名ちめいがみられる。森もり巣す場じょう、右京うきょう巣す場じょう、日向ひなた巣す場じょう、麦草ばくそう巣す場じょう、六ろく助じょ巣す場じょう、抜井巣す場じょう、善ぜん右みぎ衛門えもん巣す場じょう、原はら小屋こや巣す場じょう、などである。また、タカの眼球がんきゅうやタカの爪つめを煎せんじて飲のむという伝統でんとう風習ふうしゅうが長野ながの県けん阿智あち村むらや喬木たかぎ村むらにあった。
• 鵜うや鷹たかが獲物えものを探さがす様子ようすに例たとえて、少すこしも見逃みのがさずものを探さがし求もとめる様子ようすや、その目めつきを表あらわす慣用かんよう句くに「鵜うの目め鷹たかの目め」というのがある。

鷹たかを名称めいしょうに用もちいたもの

鷹たかの「速はやく飛とび、力強ちからづよい」イメージから、航空機こうくうきや電車でんしゃ、車くるまなど様々さまざまなものに「鷹たか」という名前なまえ、あるいは愛称あいしょうが付つけられている。

• プロ野球やきゅう球団きゅうだん、福岡ふくおかソフトバンクホークスは鷹たかからチームの名称めいしょうをとっている。また、チームマスコットの「ハリーホーク」も鷹たかを模もしている。
• 日本にっぽんにおいて鳥とりの名前なまえに関係かんけいする市町村しちょうそん名めいは多おおいが、鷹たかは比較的ひかくてき少すくない。代表だいひょう的てきな都市としに三鷹みたかがある。日本にっぽん全国ぜんこくに5つある鷹たかの字じの入はいった市町村しちょうそんが集あつまり、自治体じちたい交流こうりゅうでホークスサミットが行おこなわれていた。
• 陸りくの乗のり物もの
  • トヨタ自動車とよたじどうしゃが販売はんばいしている高級こうきゅう中型ちゅうがたクロスオーバーSUVハリアーの車くるま名めいの由来ゆらいは、タカ科かの鳥とり「チュウヒ」の英名えいめい「HARRIER」から。かつては、エンブレムもチュウヒを図案ずあん化かしたものを採用さいようしていた。
  • 本田技研工業ほんだぎけんこうぎょうが発売はつばいしていたオートバイ CB250TのサブネームはHAWKである。(他ほかにもCB400T=HAWKⅡ、CB400N=HAWKⅢ等とうがある）
  • 住友ゴム工業すみともごむこうぎょう(旧きゅうオーツタイヤ)のブランド｢FALKEN｣はドイツ語ごで鷹たかの意味いみである。
  • 2015年ねん3月がつまで北越ほくえつ急行きゅうこう線せんを走はしっていた特別とくべつ急行きゅうこう列車れっしゃ「はくたか」は在来ざいらい線せんで国内こくない最速さいそくを誇ほこる特急とっきゅう列車れっしゃであった。なお、名称めいしょうに関かんしては北陸ほくりく新幹線しんかんせんに受うけ継つがれている。
• 飛行機ひこうき
  • アメリカ海軍かいぐんのA-4攻撃こうげき機きの愛称あいしょうはスカイホークである。また、E-2早期そうき警戒けいかい機きの愛称あいしょうはホークアイ
  • 航空こうくう自衛隊じえいたいの練習れんしゅう機きT-1には、「初はつ鷹たか」という愛称あいしょうがあった。
  • 世界せかいで一番いちばんメジャーな軽けい飛行機ひこうき、セスナ172は、スカイホークIIという愛称あいしょうが付つけられている。

関連かんれん項目こうもく

鳥とりの一般いっぱん名めいの記事きじ

カタカナ名めいの記事きじが自然しぜん科学かがく的てきな内容ないようを中心ちゅうしんとするのに対たいし、一般いっぱん名めいの記事きじでは文化ぶんか的てきな側面そくめんや人ひととの関かかわりなどについて解説かいせつする。

• 鷹たか （たか、タカ科か）
• 鳶とんび （とび、タカ科か）
• 鷲わし （わし、タカ科か）
• 隼はやぶさ・鶻 （はやぶさ、ハヤブサ科か）00
• 鴉からす・烏がらす （からす、カラス科か）
• 雀すずめ （すずめ、スズメ科か）
• 燕つばめ （つばめ、ツバメ科か）
• 鶴づる （つる、ツル科か）
• 鳩ばと （はと、ハト科か）
• 梟ふくろう （ふくろう、フクロウ科か）
• 鴨かも （かも、カモ科か）
• 雁かり （がん、カモ科か）
• 雉 （きじ、キジ科か）
• 鶏にわとり （にわとり、キジ科か）