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疾病及び関連保健問題の国際統計分類 - Wikipedia

疾病しっぺいおよ関連かんれん保健ほけん問題もんだい国際こくさい統計とうけい分類ぶんるい

世界せかい保健ほけん機関きかん (WHO) が死因しいん疾病しっぺい国際こくさいてき統計とうけい基準きじゅんとして公表こうひょうしている分類ぶんるい
ICD-10から転送てんそう

疾病しっぺいおよ関連かんれん保健ほけん問題もんだい国際こくさい統計とうけい分類ぶんるい(しっぺいおよびかんれんほけんもんだいのこくさいとうけいぶんるい、略称りゃくしょう国際こくさい疾病しっぺい分類ぶんるい英語えいご: International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems英語えいご略称りゃくしょう: International Classification of Diseases、ICD)は、世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)が死因しいん疾病しっぺい国際こくさいてき統計とうけい基準きじゅんとして公表こうひょうしている分類ぶんるいである。死因しいん疾病しっぺい統計とうけいなどにかんする情報じょうほう国際こくさいてき比較ひかくや、医療いりょう機関きかんにおける診療しんりょう記録きろく管理かんりなどに活用かつようされている[1]

WHO

現在げんざい最新さいしんばんは、2019ねん5がつ28にち世界せかい保健ほけん総会そうかい採択さいたくされただい11はんであり[2]ICD-11としてられている。日本にっぽんでは厚生こうせい労働省ろうどうしょうの「社会しゃかい保障ほしょう審議しんぎかい統計とうけい分科ぶんかかい疾病しっぺい傷害しょうがいおよ死因しいん分類ぶんるい部会ぶかい[3]」において、和訳わやく日本にっぽんでの適用てきようについて検討けんとうがされており[4][5]、 2024ねん3がつ時点じてんでも作業さぎょうちゅうである[6]

なお、まえばんのICD-10については、分類ぶんるいアルファベット数字すうじにより符号ふごうされており、最初さいしょのアルファベットがぜん21しょうから大分おおいたるい(Uをのぞく)、つづ数字すうじちゅう分類ぶんるいあらわしている。また、ICD-10はのちに2007ねんばんとして改定かいていおこなわれている[7]最新さいしんばんは2016ねん改訂かいていばんであるが[8]、2022ねん9がつねん現在げんざい厚生こうせい労働省ろうどうしょうのウェブサイトでは2013ねん改訂かいていばんまでが公開こうかいされている[9]

沿革えんかく

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ICDの原型げんけいは、1853ねんブリュッセル開催かいさいされただいいちかい国際こくさい統計とうけい会議かいぎにおいて、ファーとデスピン(Marc d'Espine)が死因しいん国際こくさい分類ぶんるい作成さくせい委託いたくされたことにはじまる。1860ねんにはフローレンス・ナイチンゲールがロンドンでの国際こくさい統計とうけい会議かいぎにおいて、傷病しょうびょう統計とうけい調査ちょうさ提案ていあんした。1893ねんには統計とうけい学者がくしゃジャック・ベルティヨンがシカゴで開催かいさいされた国際こくさい統計とうけい会議かいぎで「死因しいんかんするベルティヨン分類ぶんるい」を発表はっぴょうした。この分類ぶんるいおおくのくに利用りようされ、1898ねんからはアメリカ公共こうきょう保健ほけん協会きょうかいAmerican Public Health Association、APHA)もこの分類ぶんるい利用りよう提唱ていしょうしはじめ、1900ねん国際こくさい会議かいぎ開催かいさいされ、だい1かい国際こくさい死因しいん分類ぶんるい制定せいていされた。

以降いこう、9はんまではほぼ10ねんごとに改訂かいていがされている。10はんまでは採択さいたくまで15ねんかかっている。だい7はんからは死因しいんだけでなく疾病しっぺい分類ぶんるいくわえられ、医療いりょう機関きかんにおける医療いりょう記録きろく管理かんり使用しようされるようになった。「基本きほん分類ぶんるいひょう」は3ねんごとの「だい改正かいせい」と、毎年まいとしおこなわれる「しょう改正かいせい」にけて改正かいせいされ、基本きほん分類ぶんるいひょう影響えいきょうあたえない「索引さくいん」は毎年まいとし改正かいせいされる。これまでだい6かいだい8かいだい10かいおおきな内容ないよう変更へんこうともな改訂かいていおこなわれている。

かくしょう一覧いちらんしめす。

あきら ICDコード 分類ぶんるい見出みだ
1 A00 - B99 感染かんせんしょう寄生虫きせいちゅうしょう
2 C00 - D48 しん生物せいぶつ
3 D50 - D89 血液けつえき造血ぞうけつ疾患しっかんおよび免疫めんえき機能きのう障害しょうがい
4 E00 - E90 内分泌ないぶんぴつ栄養えいよう代謝たいしゃ疾患しっかん
5 F00 - F99 精神せいしんおよび行動こうどう障害しょうがい
6 G00 - G99 神経しんけいけい疾患しっかん
7 H00 - H59 および付属ふぞく疾患しっかん
8 H60 - H95 みみおよびちちさま突起とっき疾患しっかん
9 I00 - I99 循環じゅんかんけい疾患しっかん
10 J00 - J99 呼吸こきゅうけい疾患しっかん
11 K00 - K93 消化しょうかけい疾患しっかん
12 L00 - L99 皮膚ひふ皮下ひか組織そしき疾患しっかん
13 M00 - M99 すじ骨格こっかくけい結合けつごう組織そしき疾患しっかん
14 N00 - N99 じん尿にょう生殖せいしょくけい疾患しっかん
15 O00 - O99 妊娠にんしん分娩ぶんべん産褥さんじょく
16 P00 - P96 しゅうさん疾患しっかん
17 Q00 - Q99 先天せんてん奇形きけい変形へんけいおよび染色せんしょくたい異常いじょう
18 R00 - R99 症状しょうじょう徴候ちょうこう異常いじょう臨床りんしょう所見しょけん異常いじょう検査けんさ所見しょけん分類ぶんるいされないもの
19 S00 - T98 損傷そんしょう中毒ちゅうどくおよびその外因がいいん影響えいきょう
20 V01 - Y98 傷病しょうびょうおよび死亡しぼう外因がいいん
21 Z00 - Z99 健康けんこう状態じょうたい影響えいきょうおよぼす要因よういんおよび保健ほけんサービスの利用りよう
22 U00 - U99 特殊とくしゅ目的もくてきようコード

日本語にほんごけんでのICD-10対応たいおう分類ぶんるい方式ほうしき財団ざいだん法人ほうじん医療いりょう情報じょうほうシステム開発かいはつセンター(MEDIS-DC)が開発かいはつする「標準ひょうじゅん病名びょうめいマスター」で、2013年版ねんばんだい分類ぶんるいちゅう分類ぶんるいしょう分類ぶんるいやく7まんコードのすべてに対応たいおうしている[10][11]

精神せいしん医学いがく領域りょういきにおいては、ICD-10はアメリカ精神せいしん学会がっかい (APA) のさだめた『精神せいしん障害しょうがい診断しんだん統計とうけいマニュアルだい4はん (DSM-IV) とならび、代表だいひょうてき診断しんだん基準きじゅんのひとつとして使用しようされる。

なお、しん生物せいぶつ (C00 - D48) については、組織そしきがた分類ぶんるいである「国際こくさい疾病しっぺい分類ぶんるい 腫瘍しゅようがく ICD-O」が併用へいようされる。

省庁しょうちょうとうにおける利用りよう

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厚生こうせい労働省ろうどうしょうは、統計とうけいほうもとづく患者かんじゃ調査ちょうさにICD-10分類ぶんるいもちいてはいるが、部分ぶぶんてきにはちゅう分類ぶんるい項目こうもくのみの統計とうけいとなっている[12][1]

診療しんりょう報酬ほうしゅう明細めいさいしょ記載きさいされる疾病しっぺいめい社会しゃかい保険ほけん診療しんりょう報酬ほうしゅう支払しはらい基金ききん管理かんりする傷病しょうびょうめいマスターもとづくもので、ICD-10との連携れんけいはかられてはいるが2018ねん6がつ時点じてんでは25,695項目こうもくであり[13][14]、また厚労省こうろうしょうにはICD-10には対応たいおうしていない120項目こうもくのみの疾病しっぺいコードひょうがある[15]

また総務そうむしょう統計とうけい委員いいんかいは2014ねん11月、べつの「疾病しっぺい傷害しょうがいおよ死因しいん統計とうけい分類ぶんるい」を統計とうけい基準きじゅんとして採用さいようした。高市たかいち早苗さなえ総務そうむ大臣だいじん諮問しもん資料しりょうによれば「疾病しっぺい分類ぶんるいひょう」はICD-10からすればおもちゅう分類ぶんるいのみに対応たいおうするもので、またとくに「死因しいん分類ぶんるいひょう」の項目こうもくわずか133項目こうもく過労かろう地震じしんひとし原因げんいん調査ちょうさされず、ICD-10のやく900項目こうもく足元あしもとにもおよばないが、統計とうけい委員いいんかい委員いいんちょう西村にしむら清彦きよひこ受諾じゅだくされ統計とうけいほうだい28じょうの「統計とうけい基準きじゅん」として採用さいようされた[16]統計とうけいほうは、かく省庁しょうちょうちょう基幹きかん統計とうけい調査ちょうさおこなおうとするときは、使用しようする統計とうけい基準きじゅんについては総務そうむ大臣だいじん承認しょうにんけなければならないとしている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 疾病しっぺい傷害しょうがいおよ死因しいん統計とうけい分類ぶんるい - 厚生こうせい労働省ろうどうしょう、2014ねん7がつ閲覧えつらん
  2. ^ 国際こくさい疾病しっぺい分類ぶんるい だい 11 かい改訂かいてい”. www.mhlw.go.jp. 2019ねん8がつ21にち閲覧えつらん
  3. ^ 社会しゃかい保障ほしょう審議しんぎかい (統計とうけい分科ぶんかかい疾病しっぺい傷害しょうがいおよ死因しいん分類ぶんるい部会ぶかい)”. www.mhlw.go.jp. 2019ねん8がつ21にち閲覧えつらん
  4. ^ ICD-11 の日本にっぽんへの適用てきようについて(あん”. 厚生こうせい労働ろうどうしょう. 2019ねん8がつ21にち閲覧えつらん
  5. ^ 国際こくさい疾病しっぺい分類ぶんるいだい11かい改訂かいていばん(ICD-11)が公表こうひょうされました”. www.mhlw.go.jp. 2019ねん8がつ21にち閲覧えつらん
  6. ^ ICD-11「精神せいしん行動こうどうまた神経しんけい発達はったつ疾患しっかん」および関連かんれんする疾患しっかんの「臨床りんしょう記述きじゅつ診断しんだん要件ようけん(CDDR)」の発表はっぴょう英語えいごばんCDDRダウンロードについてのおらせ”. 公益社こうえきしゃだん法人ほうじん 日本にっぽん精神せいしん神経しんけい学会がっかい (2024ねん3がつ6にち). 2024ねん3がつ12にち閲覧えつらん
  7. ^ International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems (ICD), 10th Revision, Version for 2007”. 2009ねん6がつ22にち閲覧えつらん
  8. ^ International Classification of Diseases (ICD)” (英語えいご). www.who.int. 2022ねん9がつ26にち閲覧えつらん
  9. ^ 疾病しっぺい傷害しょうがいおよ死因しいん統計とうけい分類ぶんるい」|厚生こうせい労働省ろうどうしょう”. www.mhlw.go.jp. 2022ねん9がつ26にち閲覧えつらん
  10. ^ 標準ひょうじゅん病名びょうめいハンドブック 標準ひょうじゅん病名びょうめいマスター(ver.4.00)医療いりょう情報じょうほうシステム開発かいはつセンター・社会しゃかい保険ほけん研究所けんきゅうじょ
  11. ^ 参考さんこう資料しりょう5 レセプト病名びょうめい標準ひょうじゅん病名びょうめいマスター)とは厚生こうせい労働ろうどうしょう
  12. ^ 平成へいせい26ねん患者かんじゃ調査ちょうさ上巻じょうかんそう患者かんじゃすうせい年齢ねんれい階級かいきゅう × 傷病しょうびょうしょう分類ぶんるいべつ
  13. ^ 診療しんりょう報酬ほうしゅう情報じょうほう提供ていきょうサービス厚生こうせい労働省ろうどうしょう保健ほけんきょく社会しゃかい保険ほけん診療しんりょう報酬ほうしゅう支払しはらい基金ききん
  14. ^ 日本にっぽん学会がっかい医学いがく用語ようご管理かんり委員いいんかい大江おおえ和彦かずひこ電子でんしカルテよう標準ひょうじゅん病名びょうめいマスターについての報告ほうこく』。
  15. ^ 疾患しっかんコードひょう厚生こうせい労働ろうどうしょう
  16. ^ だい81かい統計とうけい委員いいんかい - だい81かい統計とうけい委員いいんかい配布はいふ資料しりょう”. www.soumu.go.jp. 2022ねん9がつ26にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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WHO公式こうしきサイト英語えいご