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IRCAM - Wikipedia

IRCAM

フランスの、音響おんきょうおよび音楽おんがく探求たんきゅう共同きょうどうのための研究所けんきゅうじょ

IRCAM(イルカム、ふつ正式せいしき: Institut de Recherche et Coordination Acoustique/Musique)はフランスの、音響おんきょうおよび音楽おんがく探求たんきゅう共同きょうどうのための研究所けんきゅうじょ1970ねんより、ポンピドゥー・センター関連かんれん組織そしきとしてジョルジュ・ポンピドゥー指導しどうしたピエール・ブーレーズによって組織そしきされ、1977ねん設立せつりつした。訳語やくごとしてフランス国立こくりつ音響おんきょう音楽おんがく研究所けんきゅうじょてられている。

IRCAM (フランス国立こくりつ音響おんきょう音楽おんがく研究所けんきゅうじょ)
研究所けんきゅうじょ正面しょうめん(パリ4)
正式せいしき名称めいしょう Institut de Recherche et Coordination Acoustique/Musique
日本語にほんご名称めいしょう IRCAM (フランス国立こくりつ音響おんきょう音楽おんがく研究所けんきゅうじょ)
略称りゃくしょう IRCAM
組織そしき形態けいたい おおやけ施設しせつ法人ほうじん
所在地しょざいち フランスの旗 フランス, パリ
1, place Igor-Stravinsky, 75004 Paris
北緯ほくい4851ふん34.9びょう 東経とうけい221ふん5.3びょう / 北緯ほくい48.859694 東経とうけい2.351472 / 48.859694; 2.351472
設立せつりつ年月日ねんがっぴ 1977ねん
所管しょかん 文化ぶんかしょう
ウェブサイト http://www.ircam.fr/
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概要がいよう

編集へんしゅう
 
IRCAM 正面しょうめん玄関げんかん

IRCAMは、今日きょう音楽おんがく制作せいさく科学かがく研究けんきゅうとくした公的こうてき研究けんきゅう機関きかんとしては世界せかいもっとおおきな組織そしきかぞえられる。芸術げいじゅつ未来みらい研究けんきゅう科学かがく技術ぎじゅつイノベーション集約しゅうやくする唯一ゆいいつといえるこの研究所けんきゅうじょは、2006ねんよりフランク・マドレーネ所長しょちょうについており、パリの演奏えんそうかいシーズンをつうじ、また音楽おんがくさいや、フランス国内外こくないがいのツアーをつうじて、制作せいさく研究けんきゅう伝播でんぱという3つの基本きほんじく展開てんかいしている。

IRCAMは音楽おんがく制作せいさく主要しゅよう拠点きょてんであるとともに、国際こくさいてき作曲さっきょく創作そうさく活動かつどうやレジデンスのでもあり、作曲さっきょくたいしては委嘱いしょくという手段しゅだんによって、めぐまれた出会であいの機会きかいあたえている。レジデント・アーティストのプロジェクトは数多かずおおおこなわれており、これらは、複数ふくすう分野ぶんや音楽おんがくダンス映像えいぞう動画どうが)、演劇えんげき映画えいが)におよぶこともある。毎年まいとしおこなわれている音楽おんがくさいアゴラでは、こうした創作そうさく活動かつどう一般いっぱんけに紹介しょうかいしている。

IRCAMは音楽おんがく音響おんきょう分野ぶんやにおいて、科学かがく技術ぎじゅつのイノベーションの最先端さいせんたんにいる研究けんきゅうセンターである。IRCAMの研究けんきゅうは、幅広はばひろ国内外こくないがい大学だいがく企業きぎょう共同きょうどうしておこなわれ、その範囲はんい音響おんきょうがく信号しんごう処理しょり情報じょうほう理論りろん (言語げんご、リアルタイム、データベースマンマシンインタフェース)、音楽おんがくがく音楽おんがく認知にんち研究けんきゅうおよぶ。これらの研究けんきゅうメディアアート造形ぞうけい舞台ぶたい芸術げいじゅつ産業さんぎょうかい文化ぶんか産業さんぎょう通信つうしん産業さんぎょう情報じょうほう産業さんぎょう自動車じどうしゃ産業さんぎょう交通こうつう機関きかん)にまで応用おうようされている。

IRCAMは情報じょうほう音楽おんがく教育きょういくでもある。世界せかいてき研究けんきゅうしゃ作曲さっきょく協力きょうりょくによって作曲さっきょく研究けんきゅう課程かてい講習こうしゅうかいおこなわれており、さらにパリだい6大学だいがく(UPMC)との共同きょうどうによる修士しゅうし課程かてい(音響おんきょうがく信号しんごう処理しょり応用おうよう音楽おんがく情報じょうほう理論りろん)が開設かいせつされている。一般人いっぱんじんけのものとしては、教育きょういくしょうかく音楽おんがくいんとの綿密めんみつ共同きょうどうによってインタラクティブな教育きょういくソフトの開発かいはつおこなわれている。

2006ねんより、創作そうさく活動かつどう技術ぎじゅつ研究けんきゅう、そしてそれらの伝播でんぱ同時どうじ促進そくしんさせるために、研究所けんきゅうじょ全体ぜんたい方針ほうしんとして芸術げいじゅつめん重点じゅうてんくこととなった。以下いか一連いちれん変革へんかくはそれによるものである。

  • 現在げんざい美的びてき価値かちかんわせて、共同きょうどう制作せいさくしゃらとシーズンのプログラムを変更へんこうする
  • 研究けんきゅうしつからはなれ、現在げんざい音楽おんがくシーンおよび舞台ぶたい芸術げいじゅつ集中しゅうちゅうする
  • 研究けんきゅう課程かてい増員ぞういん期間きかん(2年間ねんかん)の変更へんこう
  • 作品さくひん伝播でんぱ作品さくひん永続えいぞくせい保証ほしょうするための資料しりょう収集しゅうしゅうのありかた改革かいかく
  • フランス内外ないがいにおけるIRCAMの協力きょうりょくしゃ創出そうしゅつ
  • 文化ぶんか活動かつどうやジャーナルの制作せいさく一般いっぱんけにあらたな企画きかく立案りつあん

任務にんむ構成こうせい

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IRCAMの特質とくしつは「音楽おんがく現象げんしょうについて様々さまざま科学かがくてき視点してんれ、連携れんけいはかること」であり、物理ぶつり信号しんごう処理しょり情報じょうほう理論りろん認知にんち心理しんりがく音楽おんがくがく観点かんてんから研究けんきゅう活動かつどうおこなっている。研究けんきゅう領域りょういきは、フランス国立こくりつ科学かがく研究けんきゅうセンター(CNRS)との協同きょうどう研究けんきゅうにおける「音楽おんがく音響おんきょう科学かがく工学こうがく」(STMS)に定義ていぎされている。

活動かつどう以下いかの2つの任務にんむからっている。

  • 科学かがく技術ぎじゅつ進展しんてんによって、現在げんざい音楽おんがく制作せいさく革新かくしんあたえること
  • このようにして蓄積ちくせきした専門せんもんせいを、社会しゃかいてきおよび産業さんぎょうてき幅広はばひろ反映はんえいさせること(メディア産業さんぎょう文化ぶんか新興しんこう教育きょういくなど)

これらの任務にんむは、芸術げいじゅつ研究けんきゅうしゃむす学際がくさいてき音楽おんがく研究けんきゅうプロジェクトの実施じっし、および専門せんもんてきアプリケーションソフトウェアと工業こうぎょう規格きかく開発かいはつによって遂行すいこうされる。IRCAMは、国内こくないやヨーロッパの研究けんきゅうプログラムに積極せっきょくてき参加さんかしており、かつ産業さんぎょうかいとの共同きょうどう研究けんきゅうをリードしている。

研究けんきゅう部門ぶもん

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地下ちか2かい廊下ろうか地上ちじょうから日光にっこうれる構造こうぞう。ガラスの仕切しきりはオフィスおよび研究けんきゅうしつ(みぎ)
 
ひびきしつ

ユーグ・ヴィネひきいるIRCAMの研究けんきゅう開発かいはつ部門ぶもんは、研究けんきゅういん技術ぎじゅつしゃ博士はかせ技師ぎし事務じむいんなど90にんのメンバーからり、8つのチームにけられる。かくチームは各自かくじ領域りょういき (研究けんきゅう開発かいはつ契約けいやくおよび外郭がいかくプロジェクト、発信はっしん)におうじた一連いちれん仕事しごとまれつつも、科学かがく分野ぶんやにおける学際がくさいせいから、専門せんもんチームあいだでの活動かつどうにおいてテーマを設定せっていしている。なお、活動かつどう性質せいしつからUMR STMSにまれているチームもある。

研究けんきゅうチーム

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2010ねん12月現在げんざい研究けんきゅうチームは以下いかの8つから構成こうせいされている。

  • 楽器がっき音響おんきょう
    • 主要しゅよう楽器がっき機能きのう研究けんきゅう。また、楽器がっき音響おんきょう生成せいせい励起れいき状態じょうたいレゾナンスのメカニズム)と音響おんきょう拡散かくさん性質せいしつ物理ぶつりてきアプローチによってモデル研究けんきゅう成果せいかは、いわゆる物理ぶつりモデル音響おんきょう合成ごうせい(Modalysの開発かいはつ)や楽器がっき概念がいねん支援しえん応用おうようされている。
  • 音響おんきょう空間くうかん認知にんち
    • 空間くうかんてきとらえられるおとじょう分析ぶんせき再現さいげん合成ごうせい中心ちゅうしんたとえば、おとじょう測定そくていすることや、ホールや自然しぜん環境かんきょう音響おんきょう特性とくせい記録きろくすることである。
  • 知覚ちかくとサウンドデザイン
    • 音響おんきょうしょ現象げんしょうたいする知覚ちかく研究けんきゅう分析ぶんせき。それはおと描写びょうしゃ意味いみづけだけでなく、音源おんげん特定とくていおとつらなりの認識にんしきまで関連かんれんした知覚ちかくのメカニズムについての知識ちしき確立かくりつすることを主眼しゅがんとしている。
  • 音響おんきょう分析ぶんせき音響おんきょう合成ごうせい
    • 信号しんごう処理しょり手法しゅほう音源おんげん音響おんきょうモデルによって、おと分析ぶんせき合成ごうせい変換へんかんする方法ほうほう研究けんきゅう
  • 音楽おんがく表象ひょうしょう
    • 音楽おんがく構造こうぞう情報じょうほう関心かんしんせる。ビジュアルプログラミング言語げんごによって音楽おんがく記号きごうてき構造こうぞう演算えんざんするアプリケーション、つまり作曲さっきょく支援しえんおよび分析ぶんせき支援しえんとしてのOpenMusic環境かんきょう開発かいはつ中心ちゅうしん
  • 音楽おんがく実践じっせん分析ぶんせき
    • 人文じんぶん科学かがく(音楽おんがく分析ぶんせき認知にんち人類じんるいがく歴史れきし)を領域りょういきとするこのチームは、音楽おんがく活動かつどう音楽おんがく位置いちづけ、音楽おんがく知識ちしきについての経験けいけんてき音楽おんがくろんおよび工学こうがくてき音楽おんがくろん展開てんかいしている。
  • 音楽おんがくにおけるリアルタイムインタラクション
    • 演奏えんそうダンサーまたは俳優はいゆうといった表現ひょうげんしゃ音楽おんがく情報じょうほうシステムとのあいだにおけるリアルタイムインタラクションかんするテクノロジーやあらたなパラダイムを発展はってんさせている。おとのパターンや身振みぶりの分析ぶんせき認識にんしきについて、またインタラクティブな音響おんきょう処理しょりについての研究けんきゅうおこなわれている。
  • オンラインサービス
    • 音響おんきょうまたは音楽おんがくのデータベースにオンラインアクセスするための 情報じょうほうシステム、アプリケーションの企画きかく開発かいはつ任務にんむとする。
 
* Max/MSP
 
* IRCAM Signal Processing Workstation
 
* ISPW card

研究けんきゅう成果せいか

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おも技術ぎじゅつ沿革えんかく

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  • 1976ねん デジタルオーディオプロセッサ4A開発かいはつ (Giuseppe Di Giugno)
  • 1978ねん デジタルオーディオプロセッサ4C開発かいはつ (Giuseppe Di Giugno)
  • 1979ねん 音声おんせい合成ごうせいプログラムCHANT開発かいはつ (Xavier Rodet)
  • 1981ねん デジタルオーディオプロセッサ4Xプロトタイプ開発かいはつ (Giuseppe Di Giugno)
  • 1988ねん 4XコントロールインターフェースPatcher(Max/MSPおよびPure Data前身ぜんしん開発かいはつ (Miller Puckette)
  • 1988ねん Modalys開発かいはつ (René Caussé)
  • 1989ねん NeXT、IRCAM Signal Processing WorkstationようインターフェースMAX/FTS開発かいはつ
  • 1990ねん 商用しょうようばんはつMax/MSP開発かいはつ
  • 1991ねん 音響おんきょう処理しょりコンピューターIRCAM Musical Workstation開発かいはつ (Eric Lindemann)
  • 1993ねん 高速こうそくフーリエ変換へんかんプロセッサFFT-1開発かいはつ (Xavier Roder, Philippe Depalle)
  • 1994ねん AudioSculpt開発かいはつ
  • 1995ねん 空間くうかん音響おんきょう処理しょりアプリケーションSpatialisateur開発かいはつ (Olivier Warusfel)
  • 1995ねん ルノー委託いたくによる自動車じどうしゃ騒音そうおん研究けんきゅう(Stephen McAdams)
  • 1996ねん IRCAM Musical Workstationのアプリケーション (Francois Dechelle)
  • 1997ねん jMax開発かいはつ (Francois Dechelle)

など

おもなソフトウェア

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など

制作せいさく部門ぶもん

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だいホール、エスパス・ドゥ・プロジェクション

研究けんきゅう部門ぶもん教育きょういく部門ぶもんとも緊密きんみつ連結れんけつしている制作せいさく部門ぶもんはIRCAMの活動かつどう支柱しちゅうである。芸術げいじゅつ制作せいさくによって組織そしき運営うんえいがなされており、プロジェクトの企画きかく実施じっし録音ろくおんいたるまで作曲さっきょく演奏えんそうらの制作せいさく協力きょうりょくおこなっている。アーティストの発表はっぴょうは、IRCAMの活動かつどう重要じゅうよう公開こうかい機会きかいとなっている。

芸術げいじゅつ

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まず、アーティスト(作曲さっきょく演奏えんそう、アンサンブル)にプロジェクトの方法ほうほうほどきする。のプロジェクトのれい、プロジェクトにかかわるパートナーシップの創出そうしゅつ音楽おんがく週間しゅうかん音楽おんがくさいなどにおける発表はっぴょう機会きかい提供ていきょうなどをおこない、プロジェクトの推進すいしん構成こうせい補助ほじょする。プロジェクトの確認かくにんつぎに、実際じっさい外部がいぶとのパートナーシップや、可能かのう外部がいぶからの支援しえんけるという重要じゅうよう仕事しごとがある。

制作せいさく

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プロジェクトの実現じつげん管理かんりし、IRCAMのノウハウから企画きかく立案りつあんおこなっている。アシスタント、技術ぎじゅつしゃ音響おんきょうオペレーター、舞台ぶたいオペレーターを提供ていきょうしている。

制作せいさく成果せいか

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初期しょきころより研究けんきゅう教育きょういくたずさわってきた作曲さっきょくほか、レジデント・アーティスト、研究けんきゅう課程かてい所属しょぞくした作曲さっきょく、また、IRCAMが制作せいさく協力きょうりょくをした作曲さっきょく作品さくひんなどがある。

  • 1981ねん 4Xをもちいたブーレーズ『レポン』
  • 1982ねん 4Xをもちいたミュライユ『デザンテグラシオン』
  • 1988ねん Patcherをもちいたマヌリ『プルートン』

IRCAMの関連かんれん作品さくひん一覧いちらん参照さんしょう

教育きょういく部門ぶもん

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世界せかいはつ情報じょうほう音楽おんがく教育きょういく機関きかんとしての歴史れきしから、また理念りねんのひとつである伝播でんぱとも関連かんれんして、IRCAMはおおくの教育きょういく活動かつどう実施じっししている。

高等こうとう教育きょういく

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作曲さっきょく研究けんきゅう課程かてい

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作曲さっきょくのための研究けんきゅう課程かてい(cursus1,2)がある。情報じょうほう音楽おんがくにおける理論りろんじょう作曲さっきょくじょう問題もんだいけいみ、考察こうさつするために必要ひつよう信号しんごう処理しょり音響おんきょう合成ごうせい、インタラクションの書法しょほうを1年間ねんかんまたは2年間ねんかん集中しゅうちゅうてき訓練くんれんする。ステファーノ・ジェルヴァゾーニイザベル・ムンドリーファウスト・ロミテッリ、ジョシュア・ファインバーグ、望月もちづききょうブルーノ・マントヴァーニなど、世界せかい活躍かつやくする作曲さっきょくがここで研鑽けんさんんでいる。2008ねんより、パリ、リヨンのフランス国立こくりつ高等こうとう音楽おんがくいん(CNSM)、スイスのジュネーヴ高等こうとう音楽おんがくいん(HEM)のあいだ一部いちぶ人員じんいん提携ていけいむすんでいる。

修士しゅうし課程かてい

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音響おんきょう技術ぎじゅつしゃのための修士しゅうし課程かてい(音響おんきょうがく信号しんごう処理しょり応用おうよう音楽おんがく情報じょうほう理論りろん)(atiam)がある。情報じょうほう音楽おんがく音響おんきょう信号しんごう処理しょり音楽おんがく音響おんきょう領域りょういきにおける研究けんきゅうむための科学かがく音楽おんがく基礎きそりょくやしなう。これまで、音響おんきょう音楽おんがく領域りょういきにおける研究けんきゅうしゃ教育きょういくしゃ工学こうがく技術ぎじゅつしゃ数々かずかず輩出はいしゅつしてきている。設立せつりつ当初とうしょより、国立こくりつ高等こうとう通信つうしん学校がっこう(Télécom ParisTech)、パリだい6大学だいがく(UPMC)のあいだ一部いちぶ人員じんいん提携ていけいむすんでいる。

職業しょくぎょう訓練くんれん

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一般人いっぱんじん対象たいしょうとしたIRCAMせいソフトウェアの講習こうしゅうかい週末しゅうまつおこなわれている。Max/MSP、OpenMusic、Audiosculpt、Modalysなどのしょ機能きのう段階だんかいてきまなぶことが出来できる。英語えいごによる講習こうしゅう一部いちぶ開設かいせつされている。作曲さっきょく演奏えんそう、サウンドデザイナー、音響おんきょう技術ぎじゅつしゃ音響おんきょう技師ぎし舞台ぶたい関係かんけいしゃなどが対象たいしょうとされているが、受講じゅこう資格しかくとくい。

1993ねんより、以下いかのIRCAMフォーラムにて研究けんきゅうおよび創作そうさく教育きょういく機会きかい、ワークショップなどがもうけられている。

  • スタジオフォーラム - スタジオおよびポストプロダクションかかわるプロフェッショナルのための
  • 研究けんきゅうフォーラム - 研究けんきゅうおよび実験じっけん関心かんしんつアーティストのための
  • 教育きょういくフォーラム - 教育きょういく機関きかんおよび音楽おんがくいんにおける学生がくせいおよび教員きょういんのための
  • フリーフォーラム - フリーウェアに関心かんしんせる人間にんげんのための

講習こうしゅうかい

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メッス毎年まいとしおこなわれるフェスティヴァル・アカントの作曲さっきょく講習こうしゅうかいにおいて、IRCAMのチームによる講習こうしゅうかい開催かいさいされることがある。

ワークショップ

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日本にっぽんにおいては、2006ねん12月、NPO団体だんたいGlovillおよなお美学びがくえん大学だいがく大学院だいがくいんまねきによりヤン・マレシュのチームが来日らいにちし、初台はつだいアップルセミナールームにて3日間にちかんのワークショップ、東京とうきょうにちふつ学院がくいんにてシンポジウムおよ演奏えんそうかいおこなわれた。ワークショップでは、Max/MSP、AudioSculpt、OpenMusicのレクチャーがおこなわれた。

関連かんれん組織そしき

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提携ていけい組織そしき

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1996ねんから、IRCAM、文化ぶんかしょうフランス国立こくりつ科学かがく研究けんきゅうセンター(CNRS)、パリだい6大学だいがく(UPMC)のあいだで、「音楽おんがく音響おんきょう科学かがく工学こうがく」の名目めいもく科学かがく技術ぎじゅつおよび高等こうとう教育きょういく協力きょうりょく提携ていけい[1]おこなっている。

演奏えんそう団体だんたい

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IRCAMはまた、様々さまざま演奏えんそう機会きかい演奏えんそうかたち展開てんかいしてきた。IRCAMのレジデント・アンサンブルであり、現代げんだい音楽おんがく演奏えんそうとくしたアンサンブル・アンテルコンタンポランはこれまで、IRCAMで創作そうさくされた作曲さっきょく作品さくひん実演じつえんたい多大ただい貢献こうけんをしてきている。各々おのおの演奏えんそうは、ソリストとして、またべつのアンサンブル奏者そうしゃとして個別こべつ仕事しごと依頼いらいされる腕前うでまえち、こうしたちょう一流いちりゅう演奏えんそう集団しゅうだんであるアンサンブル・アンテルコンタンポランは、アンサンブル・モデルンクラングフォルム・ウィーンなどのヨーロッパのすうおおくのアンサンブルのモデルとなっている。

ポンピドゥーセンター音楽おんがく部門ぶもん設置せっちされる予定よてい当初とうしょかったが、ポンピドゥー大統領だいとうりょうつよ意向いこうにより、音楽おんがく研究所けんきゅうじょ設立せつりつまった。大統領だいとうりょうは、1966ねんからはすべての活動かつどうめてドイツに拠点きょてんいていたブーレーズを急遽きゅうきょパリにもどし、研究所けんきゅうじょ計画けいかく構想こうそう要請ようせいした。1973ねんにイゴール・ストラヴィンスキー広場ひろば完成かんせいし、研究所けんきゅうじょはポンピドゥーセンターととも1977ねん完成かんせいした。当初とうしょよりブーレーズは責任せきにんしゃとして本部ほんぶにおり、研究所けんきゅうじょ完成かんせいとも所長しょちょう就任しゅうにん設立せつりつまえからの準備じゅんび委員いいんとして、ルチアーノ・ベリオヴィンコ・グロボカールジャン=クロード・リセマックス・マシューズらがいた。1992ねん、ブーレーズは名誉めいよ所長しょちょうとなり、ロラン・ベイル所長しょちょう着任ちゃくにんした。1996ねんメディアテーク開設かいせつされた。この施設しせつ世界せかい最初さいしょ分野ぶんや横断おうだんてきこころみであり、1000時間じかん以上いじょう録音ろくおん資料しりょう、2000さつ以上いじょう研究けんきゅうしょのオンラインじょうアクセスを可能かのうとし、かつ実際じっさい楽譜がくふ音楽おんがく書籍しょせきおよび周辺しゅうへん分野ぶんや書籍しょせきゆうした。2002ねんには哲学てつがくしゃベルナール・スティグレール所長しょちょうになり、2006ねん1がつ1にち、スティグレールのポンピドゥーセンター芸術げいじゅつ監督かんとく就任しゅうにんともない、フランク・マドレーネしん所長しょちょう着任ちゃくにん。マドレーネはアルス・ノヴァ・ブリュッセルやムジカ・ノヴァ・ストラスブールなどの現代げんだい音楽おんがくさい音楽おんがく監督かんとくつとめており、就任しゅうにん挨拶あいさつでは、INA-GRMをはじめとする国内外こくないがい様々さまざま研究けんきゅう組織そしきとの共同きょうどう構想こうそう抱負ほうふとしてかたっている。

 
ポンピドゥーセンターからのぞむIRCAM建物たてもの (みぎ)、ストラヴィンスキー広場ひろば (ひだり)、サン・メリ教会きょうかい (おく)

IRCAMのエントランスは、ポンピドゥー・センター南側みなみがわ位置いちしたストラヴィンスキー広場ひろばいけジャン・ティンゲリーニキ・ド・サンファル制作せいさく可動かどう噴水ふんすい彫刻ちょうこくがある)の西側にしがわ正面しょうめん位置いちするが、実際じっさい施設しせつおおくは、外部がいぶ騒音そうおん遮断しゃだんするために、いけ地下ちか存在そんざいしている。ひびきしつなどの音響おんきょう実験じっけん録音ろくおんスタジオ、残響ざんきょうをコントロールする可動かどうかべおよびマルチ・スピーカー・システムを常設じょうせつしたコンサートホール“エスパス・ドゥ・プロジェクション”などの施設しせついけ下方かほうにあり、いけ西側にしがわ正面しょうめん建物たてもの内部ないぶには、サーバー管理かんり端末たんまつアクセスによるメディアテーク地上ちじょう2、3かい)をはじめとし、エントランスおよび出版しゅっぱんぶつ販売はんばい地上ちじょう1かい)、フランス国立こくりつ科学かがく研究けんきゅうセンターの研究けんきゅうおよび事務所じむしょ地上ちじょう4かいとう併設へいせつされている。建築けんちく設計せっけいレンゾ・ピアノリチャード・ロジャース共同きょうどうによるもの。

沿革えんかく

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  • 1968ねん: サン・テチエンヌにおいてピエール・ブーレーズが講演こうえんちゅう現代げんだい音楽おんがく研究所けんきゅうじょ設立せつりつ示唆しさ
  • 1969ねん: ポンピドゥー大統領だいとうりょう現代げんだいアート総合そうごう施設しせつ建設けんせつ計画けいかく公表こうひょう
  • 1969ねん: ポンピドゥ・センター計画けいかく一環いっかんとして、ブーレーズが研究所けんきゅうじょ設立せつりつ計画けいかく公表こうひょう
  • 1970ねん: 計画けいかく開始かいし (構想こうそう責任せきにんしゃ: ピエール・ブーレーズ)
  • 1972ねん: ポンピドゥー・センター着工ちゃっこう開始かいし
  • 1973ねん: イゴール・ストラヴィンスキー広場ひろば竣工しゅんこう
  • 1974ねん: IRCAM運営うんえい開始かいし (所長しょちょうブーレーズ)、かり本部ほんぶ設営せつえい (サン・メリ教会きょうかい)
  • 1975ねん: IRCAM研究けんきゅう施設しせつ着工ちゃっこう
  • 1975ねん ディジタル・イクイップメント・コーポレーションしゃせいコンピュータ DEC system10導入どうにゅう
  • 1977ねん: ポンピドゥー・センターとともにIRCAM竣工しゅんこう
  • 1977ねん: 「じゅう世紀せいきへのみちのり」コンサート・シリーズ
  • 1978ねん: 音響おんきょう可変かへんホール「エスパス・ドゥ・プロジェクション」竣工しゅんこう
  • 1984ねん: 国際こくさいコンピュータ音楽おんがく会議かいぎじょう(ICMC)
  • 1988ねん: タワー部位ぶい施設しせつ拡張かくちょう工事こうじ着工ちゃっこう (設計せっけい: レンツォ・ピアノ)
  • 1989ねん: 作曲さっきょく研究けんきゅう課程かてい開設かいせつ (責任せきにんしゃ: ユーグ・デュフール)
  • 1990ねん: タワー「ピアノのとう竣工しゅんこう
  • 1992ねん: ロラン・ベイル、所長しょちょう就任しゅうにん
  • 1993ねん: イルカム・フォーラム開設かいせつ
  • 1993ねん: 音響おんきょう技術ぎじゅつ博士はかせ課程かていげん修士しゅうし課程かてい開設かいせつ責任せきにんしゃ: ジャン=クロード・リセ)
  • 1993ねん: 夏期かき講習こうしゅう制度せいど開設かいせつ
  • 1995ねん: フランス国立こくりつ科学かがく研究けんきゅうセンターとの提携ていけいおよび共同きょうどう講座こうざ開設かいせつ
  • 1996ねん: ジュール・フェリーかんきゅう公共こうきょう浴場よくじょうあと建物たてもの併合へいごうしんスペース建設けんせつ
  • 1996ねん: メディアテーク施設しせつ拡張かくちょう工事こうじ着工ちゃっこう責任せきにんしゃ: Michel Fingerhut、設計せっけい: リュバン兄弟きょうだい
  • 1996ねん: メディアテーク竣工しゅんこう
  • 2002ねん: ベルナール・スティグレール、所長しょちょう就任しゅうにん
  • 2006ねん: フランク・マドレーネ、所長しょちょう就任しゅうにん

事業じぎょう

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つきいち研究所けんきゅうじょないのホールにて新作しんさく初演しょえんまたは演奏えんそうかいおこなっているほか、ヨーロッパ各国かっこくにおいてIRCAMの技術ぎじゅつ必要ひつようとする演奏えんそうかいおよびイベントには、担当たんとう研究けんきゅういんつね派遣はけんされている。そして毎年まいとし6がつには、現代げんだい音楽おんがくさいフェスティヴァル・アゴラ主催しゅさいし、会場かいじょうはIRCAM、ポンピドゥーセンターや近隣きんりん劇場げきじょうおよぶ。2006ねんからは一部いちぶ演奏えんそうかいラジオフランスとの共催きょうさいになり、オーケストラ作品さくひん劇場げきじょう作品さくひんなどだい規模きぼもよおしには、ラジオフランスのホールを利用りようしている。 また、国際こくさいコンピュータ音楽おんがく会議かいぎ(ICMC,1984)、だい3かい国際こくさい音楽おんがく情報じょうほう検索けんさく会議かいぎ(ISMIR,2002)、国際こくさい会議かいぎ音楽おんがく/芸術げいじゅつ表現ひょうげんのためのしんインターフェース」(NIME-06,2006)などの国際こくさい会議かいぎがIRCAMでおこなわれた。2010ねんメッス・ポンピドゥーセンター竣工しゅんこうともない、どうセンターにおいて2010ねん10月より2011ねん2がつまで毎月まいつき演奏えんそうかいおこなわれている。[2]

人物じんぶつ

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IRCAMの関連かんれん人物じんぶつ一覧いちらん参照さんしょう

出版しゅっぱん

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書籍しょせき

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  • Les Cahiers de l'Ircam. Recherche et Musique
  • Collection Compositeurs d'aujourd'hui
  • Collection Musique / Sciences
  • Inharmoniques

無料むりょう冊子さっし

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  • Résonance (1992-1999)*15かんまで
  • Etincelle (2006-)

録音ろくおん

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  • Ircam: Les Années 80 (CD extraits, 1990)
  • Ircam: Les Années 90 (1998)
  • Compositeurs d'aujourd'hui

、ADESレーベルより多数たすう出版しゅっぱん

マルチメディア

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  • La Musique électroacoustique *電子でんし音楽おんがくCD-ROM
  • 10 jeux d'écoute *電子でんし音楽おんがく教材きょうざいCD-ROM

、オペラDVDなど

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Sciences et Technologies de la Musique et du Son (STMS) – UMR 9912
  2. ^ http://www.ircam.fr/tournees.html?cycle=174

外部がいぶリンク

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