(Translated by https://www.hiragana.jp/)
LTFS - Wikipedia

LTFS

Linear Tape-Open Ultrium5以降いこうでサポートされたテープフォーマット/ファイルシステム

Linear Tape File System (LTFS) はLinear Tape-Open Ultrium5以降いこうでサポートされたテープフォーマット/ファイルシステムである。 テープうえに2つのパーティションを作製さくせいし、ファイルとメタデータ(コンテンツ情報じょうほう)をけて記録きろくする。 テープをディスク媒体ばいたいもしくはリムーバブルメディアUSBメモリそとHDDひとし)と同様どうようあつかえるようになる。 自己じこ記述きじゅつてきなテープフォーマット。

LTFSフォーマットの概念がいねん

Githubうえでソースコードが公開こうかい開発かいはつされている(リンク)。

概要がいよう

編集へんしゅう

LTFSを利用りようしない場合ばあいtarフォーマットを利用りようする場合ばあいとう)、データは名前なまえいデータブロックとしてテープに記録きろくされる。 LTFSを利用りようした場合ばあいXML形式けいしきのメタデータにより、ディレクトリ構造こうぞうゆうしているようにユーザー/アプリケーションがわからえる。 テープをディスク媒体ばいたいもしくはリムーバブルメディア(USBメモリ、そとけHDDとう)と同様どうようあつかえるようになる。

  • ドラッグ・アンド・ドロップでアクセスが可能かのう
  • 共編きょうへんしゃとのデータ交換こうかん容易よういになる(搬性にすぐれ、のリムーバブルメディアよりもこう容量ようりょう)。
  • LTFSを利用りようしたどのシステムからでもきできる。 複数ふくすうことなるシステムにわたってカートリッジを利用りよう可能かのうである。
  • 上位じょういアプリケーションとの連携れんけい容易よういになる。
  • 外部がいぶシステムにメタデータ管理かんりデータベースたなくてもい。

ひとし利点りてんがある。

しかしながら、テープのシーケンシャル記録きろく再生さいせい特性とくせい自体じたいわらない。 ファイルの上書うわがきや削除さくじょはディスク媒体ばいたいことなったないをしめす。 一般いっぱんてきにテープでは、直前ちょくぜん記録きろくしたデータブロックの終点しゅうてんから追記ついきはじめる。 2つのデータブロックにはさまれた特定とくてい領域りょういきのみを更新こうしんすること困難こんなんである。 これはLTFSを利用りようしてもわらない。 このため、LTFSではファイルを削除さくじょしても削除さくじょぶん容量ようりょうもどすことは出来できない (該当がいとう領域りょういき利用りよう不可能ふかのうとマークされるだけである)。 上書うわがきも同様どうようにデータブロックの更新こうしんこるのではなく、あらたなファイル追記ついきのようにう(ファイル全体ぜんたい容量ようりょうぶんあらたに消費しょうひされる)。 テープ全体ぜんたいをリフォーマットしてはじめて、データが消去しょうきょされ、容量ようりょうもどる。

上記じょうき欠点けってんがあるにもかかわらず、HDDよりすぐれたユースケースもある。 LTOのストリーミングのデータ転送てんそう速度そくどはHDDよりも高速こうそくである。

2008から2009ねんあいだIBMはじめてプロトタイプ作製さくせいした。 これはNAB show 2009でデモンストレーションされた。 デモでのフィードバックにもとづき、IBMは製品せいひんけてオーバーホールした。 LTFSの開発かいはつチームはLTOベンダー(HPおよクアンタム)と協業きょうぎょうし、一般いっぱん公開こうかいけてサポート構築こうちくおこなった。

IBM、 HP、 クアンタムおよびLTO Consortiumでサポートされた実装じっそうとスペックが2010ねん4がつ12にちにリリースされた[1]

現在げんざいSNIAのLinear Tape File System Technical Work Groupがアーキテクチャの策定さくていになっている。

2016ねん6がつISO標準ひょうじゅんとして認定にんていされる (ISO/IEC 20919:2016)[2]

過去かこのバージョンに準拠じゅんきょしているメディアはまさしく再生さいせい出来できること、とう

テープロードと同時どうじにインデックス・パーティションをんでホストサーバーのメモリ空間くうかん展開てんかいする。 高速こうそくなインデックスサーチが可能かのうである。 後述こうじゅつのライブラリエディションを利用りようする場合ばあい、またすうひゃくkB程度ていどちいさいファイルを大量たいりょう場合ばあいとうではとくに、想定そうていされる最大さいだいファイルすうおよびディレクトリすうおうじて、ホストサーバーのメモリりょう注意深ちゅういぶか設計せっけいする必要ひつようがある[3]

LTFSフォーマットのスペックの歴史れきし
スペックバージョン スペック公開こうかい 適合てきごうするソフトウエア
v1.0 2010ねん4がつ IBM Long Term File System (LTFS) v1.0.0, v1.0.1
HP Linear Tape File System (LTFS) v1.0.0, v1.1.0
v2.0.0 2011ねん3がつ IBM Linear Tape File System - Single Drive Edition (LTFS-SDE) v1.2.0,
Oracle StorageTek Linear Tape File System, Open Edition v1.0.0
v2.1 2012ねん10がつ IBM: Linear Tape File System (LTFS) Format Specification
v2.2 2013ねん12月 SNIA: Linear Tape File System (LTFS) Format Specification
v2.3 2016ねん3がつ SNIA: Linear Tape File System (LTFS) Format Specification
v2.4 2017ねん12月 SNIA: Linear Tape File System (LTFS) Format Specification
v2.5 2019ねん5がつ SNIA: Linear Tape File System (LTFS) Format Specification

各社かくしゃ実装じっそう

編集へんしゅう

シングルドライブエディション

編集へんしゅう

テープライブラリのロボット制御せいぎょ機能きのうふくまないバージョン。 各社かくしゃウェブサイトから無料むりょうでダウンロード可能かのう。 テープライブラリを利用りようしたい場合ばあいは、商用しょうようのライブラリエディションを利用りようするか、Linuxからテープライブラリを制御せいぎょできるmtxコマンドなどでアプリケーションを独自どくじ作成さくせいする必要ひつようがある。

IBM Spectrum Archive Single Drive Edition
開発元かいはつもと IBM
初版しょはん April 2010
最新さいしんばん
1.3.0.2 (4101) / 2013ねん12月6にち (10ねんまえ) (2013-12-06)
プログラミング
言語げんご
C
対応たいおうOS Linux, Mac OS X, Microsoft Windows
プラットフォーム x64, Intel x86 - 32-bit
対応たいおう言語げんご English
サポートじょうきょう Active
種別しゅべつ Storage software
ライセンス GNU Lesser General Public License
公式こうしきサイト www.ibm.com/jp-ja/products/spectrum-archive
テンプレートを表示ひょうじ

旧名きゅうめい:IBM Linear Tape File System - Single Drive Edition。 以下いかのOSがサポートされる。

  • Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 5.4, 5.5 with LTFS-SDE 1.2.0 for Linux (latest release: Jun 16, 2011)
  • SUSE Linux Enterprise Server (SLES) 11 SP 1 with LTFS-SDE 1.2.0 for Linux (latest release: Jun 16, 2011)
  • Mac OS X 10.5.6 (Leopard), 10.6.7 (Snow Leopard) with LTFS-SDE 1.2.0 for Mac OS X (latest release: Jun 16, 2011)
  • Windows 7 with LTFS-SDE - Windows version 1.2.0 (latest release: Sept 2, 2011)
  • Windows Server 2008 R2 with LTFS-SDE - Windows version 1.2.2 (latest release: Sept 2, 2011)
HPE Linear Tape File System
開発元かいはつもと HPE
最新さいしんばん
1.1.0 / 2010ねん11月29にち (13ねんまえ) (2010-11-29)
プログラミング
言語げんご
C
対応たいおうOS Linux, Mac OS X
プラットフォーム x64, Intel x86 - 32-bit
サポートじょうきょう Active
ライセンス GNU Lesser General Public License
公式こうしきサイト www.hp.com/go/ltfs
テンプレートを表示ひょうじ

サポートされるOSは以下いかのとおり。

  • Apple OS X
  • Linux
  • Microsoft Windows 2008
  • Microsoft Windows 2008 (64-bit support only)
  • Microsoft Windows Server 2008
  • Microsoft Windows Server 2008 R2
  • Microsoft Windows Server 2012
  • Red Hat Enterprise Linux 5 (AMD64/EM64T)
  • Red Hat Enterprise Linux 6.0
  • Red Hat Enterprise Linux (RHEL)
  • SLES 11
Quantum LTFS
開発元かいはつもと Quantum Corporation
対応たいおうOS Windows, Linux, Mac OS X
ライセンス GNU Lesser General Public License
公式こうしきサイト www.quantum.com/ltfs
テンプレートを表示ひょうじ

サポートされるOSは以下いかのとおり。

Oracle's StorageTek Linear Tape File System, Open Edition
開発元かいはつもと ORACLE
初版しょはん 2011
最新さいしんばん
1.2.6
プログラミング
言語げんご
C
対応たいおうOS Linux
プラットフォーム x64, Intel x86 - 32-bit
対応たいおう言語げんご English
サポートじょうきょう Active
種別しゅべつ Storage software
ライセンス LGPL-2.1, BSD
公式こうしきサイト www.oracle.com/us/products/servers-storage/storage/tape-storage/ltfs/ and oss.oracle.com/projects/ltfs/
テンプレートを表示ひょうじ

ミッドレンジ (LTO) ドライブのみならず、同社どうしゃStorageTek T10000CおよびDドライブでの動作どうさもサポート。[4] [5]

ライブラリエディション

編集へんしゅう

テープドライブへのロード/アンロードとうテープライブラリのロボットの制御せいぎょ機能きのうふくまれている。 ライブラリないのLTFSフォーマットされたテープカートリッジはそれぞれ分離ぶんりしたフォルダーにえる。ユーザーはライブラリの制御せいぎょ意識いしきせず、データにアクセスできる。商用しょうようソフトウエア。

IBM Spectrum Archive Library Edition
開発元かいはつもと IBM
初版しょはん June 2011
最新さいしんばん
2.0.0 / 2011ねん3がつ28にち (13ねんまえ) (2011-03-28)
プログラミング
言語げんご
C
対応たいおうOS Linux
プラットフォーム x64, Intel x86 - 32-bit
対応たいおう言語げんご English
サポートじょうきょう Active
種別しゅべつ Storage software
ライセンス プロプライエタリ commercial software
公式こうしきサイト ibm.com/systems/storage/tape/ltfs/
テンプレートを表示ひょうじ

旧名きゅうめい:IBM Linear Tape File System - Library Edition。 サポートされるOSは下記かきとおり。

StorageTek SL8500、SL3000、SL150のテープライブラリシステムをサポート。 [6]

サードパーティー

編集へんしゅう

各社かくしゃからLTFSを活用かつようしたアーカイブようアプライアンスやソフトウエアが提供ていきょうされている。 HDD/サーバ/ドライブをいち筐体きょうたいおさめたもの、だい容量ようりょうHDDを搭載とうさいしたサーバに階層かいそうがたストレージ管理かんり機能きのうくわえたものなど、バラエティーにむ。

UNITEX
LTFS3000 日本語にほんごGUIユーティリティ
1 Beyondしゃ
LTO NetDrive、ThunderTape 2、EzStor Library
Cache-Aしゃ
PRO-CACHE、POWER-CACHE
Crossroadsしゃ
StrongBOXシリーズ
朋栄ほうえい
LTRシリーズおよびLTSシリーズ
TOLIS Groupしゃ
BRU Producer's Edition (PE)
SGLしゃ
FlashNet product
Masstech Groupしゃ
The MassStore Platform
メモリーテックしゃ
Starchive LTO、LTARC-1000
Open Source Storageしゃ
OSVault
storageDNAしゃ
DNAevolutionシリーズ
Imagine Productsしゃ
PreRollPost、LTシリーズ、MagStor、mTape
QStarしゃ
QStar Archive Manager、QStar Archive Replicator
XenDataしゃ
XenData6 Workstation software、DX-240、SXLシリーズ、X2500シリーズ
YoYottaしゃ
YoYottaID

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう