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テープドライブ - Wikipedia

テープドライブ

テープメディアにデータの記録きろく再生さいせいおこな外部がいぶ記憶きおく装置そうち

テープドライブとはテープメディアデータ記録きろく再生さいせいおこな外部がいぶ記憶きおく装置そうちである。ここではデータ/コンピュータようのドライブについてべる。

LTO Ultrium規格きかくのテープドライブ(写真しゃしんみぎ)
DDS規格きかくのテープドライブ(写真しゃしん)

概要がいよう

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テープドライブは、記録きろく再生さいせいおこな磁気じきヘッド、テープ搬送はんそうのための機械きかい部品ぶひん、これらを制御せいぎょする電子でんし回路かいろからおも構成こうせいされる。 テンション制御せいぎょしながらテープを搬送はんそうし、磁気じきヘッドとテープを接触せっしょくさせて記録きろく再生さいせいおこなう。 ホストコンピューターとの通信つうしんインターフェース(SAS,ファイバーチャネルひとし)やキャッシュメモリ搭載とうさいしている。 データのエラー訂正ていせい暗号あんごう機能きのう搭載とうさいしている場合ばあいる。 上記じょうきかかわる様々さまざま要素ようそ技術ぎじゅつ革新かくしんにより、記録きろく密度みつど転送てんそう速度そくど増加ぞうか一途いっと辿たどってきた。 アクセス方式ほうしきシーケンシャルアクセスであるため、バックアップアーカイブ安価あんかませたい場合ばあいてきしている。ドライブ単体たんたいでの利用りよう可能かのうだが、とく容量ようりょう規模きぼおおきい場合ばあい、データカートリッジを自動じどうえするテープライブラリ搭載とうさいして利用りようすることおおい。磁気じきテープのデータカートリッジを記録きろく媒体ばいたいとして使用しようし、テープドライブをもちいてデータを保管ほかんする装置そうちやシステムを「テープストレージ」と[1]

種類しゅるい

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記録きろく方式ほうしきりハブの有無うむ価格かかくたいなどで大別たいべつされる。

記録きろく方式ほうしきによる分類ぶんるい

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  • リニア・サーペンタイン方式ほうしき

テープの長手ながて方向ほうこう沿った直線ちょくせんじょうのトラックにデータを記録きろくする方式ほうしき磁気じきヘッドの複数ふくすう記録きろく再生さいせいチャンネルで同時どうじみ/しをおこなう。

  • ヘリカル・スキャン方式ほうしき

りハブの有無うむによる分類ぶんるい

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テープカートリッジは、テープをきつける回転かいてんじく(リール)を1つないし2つつ。前者ぜんしゃ形態けいたい場合ばあい、ドライブにもようのハブが必須ひっすとなる。カートリッジからテープをこと必要ひつようとなり、ローディング動作どうさがやや複雑ふくざつとなる。しかしながら、カートリッジをコンパクトにできるため、とく大量たいりょうのカートリッジをあつか場合ばあい、スペース効率こうりつたか出来でき利点りてんがある。

価格かかくたいによる分類ぶんるい

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ミッドレンジ、エンタープライズのクラスけが存在そんざいする。容量ようりょう転送てんそう速度そくど信頼しんらいせい(エラーレート)とうにスペックがある。 なお、ハードディスクフロッピーディスク高価こうかであったころだい用品ようひんとして音楽おんがくようテープとカセットレコーダーをもちいたが、現在げんざいでは使つかわれていない。音楽おんがくようテープにデータを記録きろくすることにとくしたレコーダーを日本にっぽんではとくデータレコーダんだ。

特徴とくちょう比較ひかく

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HDDフラッシュメモリ比較ひかくして、以下いかのような特徴とくちょうがある[2]

長所ちょうしょ:

  • シーケンシャルアクセス性能せいのうたか
  • メディア安価あんか容量ようりょうあたりの単価たんかひくい)
  • 光学こうがくメディア(CDなど)のように搬性がたか
    • バックアップデータを遠隔えんかく送付そうふやす
    • ドライブが破損はそんしてもメディアが無事ぶじならデータは復元ふくげんできる

短所たんしょ:

  • ランダムアクセス性能せいのうひく
  • ドライブが比較的ひかくてき高価こうかであり、とくにデータ容量ようりょうちいさい場合ばあいイニシャルコストたかくなる
  • 定期ていきてきなメンテナンスをようする (ヘッドクリーニングテープの利用りようなど)

ランダムアクセス性能せいのうひくいことから、HDDなどをかいさずに直接ちょくせつテープにデータをことほとんどない。バックアップの場合ばあい、システム形式けいしきによりDisk-to-Tape(D2T)やDisk-to-Disk-to-Tape(D2D2T)とばれる[3]。アーカイブでは、ディスク-テープあいだのファイル移動いどう参照さんしょう頻度ひんどなどにおうじて自動じどうする仕組しくみがある。 階層かいそうがたストレージ管理かんりばれる。

かつてのテープドライブはブロックごとにきするために頻繁ひんぱんにテープを停止ていしさせていたが、現在げんざい主流しゅりゅうテープストリーマーばれるテープドライブでは、テープを停止ていしさせず連続れんぞくしたきが可能かのうである。

テープは通常つうじょうファイルシステムとはことなり、ディレクトリ構造こうぞうやファイルめいをそれ自身じしんたないこと一般いっぱんてきであった。 ファイルの検索けんさくせい向上こうじょう上位じょういアプリケーションとの連携れんけい容易よういにするため、LTO規格きかくだい5世代せだいLTO-5)において、リニアテープファイルシステム(LTFS)導入どうにゅうされた。これは、データの目録もくろくをテープ自体じたいたせることで、あたかもテープないのデータがディレクトリ構造こうぞうゆうしているようにせるフォーマット/ファイルシステムである。

テープメディア

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リニア・テープ・オープン(LTO)やIBM 3592などの規格きかくがある。

テープオートローダー/ライブラリ

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テープオートローダーのれい、Dell PowerVault 124T

テープドライブはそれ単体たんたいでも利用りよう可能かのうである。しかしながら、とく容量ようりょう規模きぼおおきい場合ばあい人手ひとでによるテープメディアのれは手間てま、かつデータのもどしにも時間じかんかる。 あやまったデータカートリッジを挿入そうにゅうし、上書うわがきしてしまうリスクもある。このため、オートローダーやテープライブラリにドライブを搭載とうさいし、テープのえは自動じどうして使つか場合ばあいもある[4]

コンピュータからの操作そうさ

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Linuxでドライブを操作そうさする方法ほうほうとして以下いかのコマンドがある[5]mtおよびmtxコマンド以外いがいは、テープドライブ以外いがいファイルシステムたいしても使用しようできるように拡張かくちょうされている。

  • mtmtx - ブロックのあたましなどの操作そうさおこなう。
  • tar - テープにブロック単位たんいでデータをむ。Tape ARchiveのりゃく
  • dd - パーティションのイメージをテープにむ。
  • dump, restore - ファイルシステムのイメージのアーカイブをる。

脚注きゃくちゅう参考さんこう

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  1. ^ 富士ふじフイルム、「最大さいだい30テラ」のデータを記録きろくできるテープストレージ発売はつばい. IT media news. (2019ねん9がつ3にち). https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1909/03/news104.html 2019ねん9がつ3にち閲覧えつらん 
  2. ^ システム・バックアップを基礎きそ基礎きそから:Linux管理かんりしゃへのみち(5)(1/3 ページ) - @IT2023ねん9がつ4にち閲覧えつらん
  3. ^ ストレージ ストレージ技術ぎじゅつ解説かいせつ バックアップとは : 富士通ふじつう2023ねん9がつ4にち閲覧えつらん
  4. ^ バックアップにもちいるストレージのわせ[前編ぜんぺん]バックアップとテープストレージの基礎きそ:テクノロジーコラム:日立ひたちアドバンストサーバHA8500/9000Vシリーズ - ウェイバックマシン(2011ねん3がつ17にちアーカイブぶん)2023ねん9がつ4にち閲覧えつらん
  5. ^ システム・バックアップを基礎きそ基礎きそから:Linux管理かんりしゃへのみち(5)(2/3 ページ) - @IT2023ねん9がつ4にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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