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成層圏準2年周期振動 - Wikipedia

成層圏せいそうけんじゅん2ねん周期しゅうき振動しんどう

QBOから転送てんそう

成層圏せいそうけんじゅん2ねん周期しゅうき振動しんどう(せいそうけんじゅんにねんしゅうきしんどう、quasi-biennial oscillation:QBO)とは、赤道あかみちいき成層圏せいそうけんでのふうけいやく2ねん周期しゅうき規則きそくてき変動へんどうする現象げんしょうのことである[1]アメリカのR.J. ReedとイギリスのR.A. Ebdonによりそれぞれ独立どくりつ発見はっけんされた。

ラジオゾンデ観測かんそくデータによる、成層圏せいそうけんちゅう下部かぶ(高度こうど31~17km付近ふきん)の東西とうざい風速ふうそく分布ぶんぷ断面だんめんかく高度こうどごとにると風向ふうこう規則きそくてき変化へんかしている。また「ふう」がした伝播でんぱする様子ようすかる。

概要がいよう

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赤道あかみち上空じょうくう成層圏せいそうけんでは赤道せきどう中心ちゅうしんとする南北なんぼく対称たいしょう東風こち西風せいふうやく1ねん交代こうたい交互こうごあらわれ、その一巡いちじゅんする周期しゅうきは2ねんから2ねんはん程度ていど平均へいきんてきには26ヶ月かげつである。また西風せいふうのピークは20m/s程度ていど東風こちのピークは30m/s程度ていどである。このような変動へんどう成層圏せいそうけん界面かいめん付近ふきん高度こうど40-50kmでこり、徐々じょじょ下降かこうするが対流圏たいりゅうけん界面かいめん付近ふきんではほとんどられなくなる。QBOの振幅しんぷく赤道せきどう最大さいだい南北なんぼくにはやく20°のひろがりをつが、それより高緯度こういどではほとんどられない。

QBOがこる原因げんいんとしては、対流圏たいりゅうけんから上空じょうくう伝播でんぱする重力じゅうりょくはこ運動うんどうりょうとの関連かんれんられている。対流圏たいりゅうけんからは西向にしむきの位相いそう速度そくどった西進せいしん重力じゅうりょくひがしきの位相いそう速度そくどった東進とうしん重力じゅうりょくなみとも上空じょうくう伝播でんぱする。しかし成層圏せいそうけんかぜ東風こちであると西進せいしん重力じゅうりょく吸収きゅうしゅうされ、それより上空じょうくうには東進とうしん重力じゅうりょくのみが伝播でんぱする。東進とうしん重力じゅうりょく砕波した場合ばあい西風せいふうつくるような運動うんどうりょういていき結果けっか上空じょうくう西風せいふうわる。ぎゃく成層圏せいそうけん西風せいふう場合ばあい、それより上空じょうくうには西進せいしん重力じゅうりょくのみが伝播でんぱ東風こちつくるような運動うんどうりょういていって上空じょうくう東風こちわる。このかえしにより周期しゅうきてきふうけい変動へんどうこる。

成層圏せいそうけん吸収きゅうしゅうしきれなかった重力じゅうりょく上部じょうぶちゅうあいだけんまで伝播でんぱして吸収きゅうしゅうされ、ちゅうあいだけん凖2ねん周期しゅうき変動へんどう(MQBO)をこす[2]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ オゾンりょう経年けいねん変化へんか影響えいきょうおよぼす自然しぜん変動へんどう - 気象庁きしょうちょう
  2. ^ M.P. Baldwin et al., The Quasi-Biennial Oscillation, Reviews of Geophysics, 39, 179-229, 2001.[1]

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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