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SFX - Wikipedia

SFX(エス・エフ・エックス)は、特殊とくしゅ撮影さつえい特撮とくさつ)を意味いみする英語えいご[1]略語りゃくごで、フィルム、ビデオ映像えいぞうたいして美術びじゅつ光学こうがく処理しょりなどにより特殊とくしゅ視覚しかく効果こうかほどこし、通常つうじょうではありない映像えいぞうつく技術ぎじゅつをいう。特殊とくしゅ効果こうかともばれる。英語えいごではSFX、SPFX、あるいはたんにFXと略称りゃくしょうされる。

日本にっぽんでは、ふるくは活動かつどう写真しゃしん時代じだいから「トリック撮影さつえい」とばれ、「特殊とくしゅ効果こうか」や「特撮とくさつ」とばれていた[2]が、映画えいが評論ひょうろん中子なかご真治しんじちょ『SFX映画えいが世界せかい CINEMATIC ILLUSION』(1983ねん)のタイトルにもちいられて以降いこう一般いっぱんひろ使つかわれるようになった。

1980年代ねんだい以降いこうコンピュータグラフィックスなど、映像えいぞうから加工かこうする技術ぎじゅつまれ、それらはSFXにたいして視覚しかく効果こうかVFX)とばれている。映画えいが業界ぎょうかいではSFXとVFXは別々べつべつのものとしてはっきりと区別くべつする傾向けいこうつよいが、一般いっぱんには浸透しんとうしておらず混同こんどうされている。

SFXの歴史れきし

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映画えいが発明はつめいされた1895ねん、イギリスの映画えいが監督かんとくアルフレッド・クラークがはつのSFXとかんがえられるものをつくしている。それはスコットランド女王じょおうメアリー・スチュアートくびを刎ねられる事件じけん再現さいげん撮影さつえいで、死刑しけい執行しっこうしゃがメアリーのくびを刎ねようとおのげたところでカメラを一度いちどめ、メアリーやく女優じょゆう退しりぞかせてわりにダミーをき、ふたたびカメラをまわし、ダミーのくびを刎ねさせた。これが、映画えいが実際じっさいきていないことをいかにもきたように観客かんきゃくしんじさせた最初さいしょ効果こうかであった。クラークはトリックによってそれが実際じっさいきていることだと観客かんきゃくしんませ、映画えいが実際じっさいにはありえないことも表現ひょうげんできる可能かのうせいしめした。

映写えいしゃ技師ぎし出身しゅっしんRKO在籍ざいせきしていたエンジニア、リンウッド・ダン (1904ねん-1998ねん) は、当時とうじ海外かいがい配給はいきゅうようことなるおおきさの画像がぞうけるため使つかわれていたオプティカル・プリンター光学こうがく合成ごうせいよう改良かいりょうし、撮影さつえい不可能ふかのう場面ばめん合成ごうせい処理しょりつくすだけでなく、複数ふくすうのフィルムをあつかうことで多彩たさい映像えいぞう効果こうか操作そうさ出来できるようになった。

1935ねん、RKOはテクニカラー使用しようしたはつ商業しょうぎょう映画えいが虚栄きょえい」を製作せいさく。カラー映画えいが製作せいさくできることは、映画えいがのリアリティーをつよくした。 だい世界せかい大戦たいせんなか白黒しろくろ映画えいがあたらしく人気にんきてきた戦争せんそう映画えいがではもっとも一般いっぱんてきだったが、あたらしい現象げんしょう映画えいが製作せいさくしゃおよんでいた。ミニチュアの使用しようである。

映画えいが製作せいさくしゃは、ふね飛行機ひこうき大海たいかいすすんでいく空母くうぼ隊列たいれつといった複雑ふくざつ場面ばめんつくすべく、大量たいりょうみず模型もけいボートをかべ、模型もけい飛行機ひこうきはいしてその場面ばめん撮影さつえいした。なみこす特別とくべつ機械きかい使つかうことで、本物ほんもののようなボートや飛行機ひこうき場面ばめんつくすことができたのである。『Ships with Wings』(1942ねん) などの映画えいがは「模型もけいふね飛行機ひこうき、ミニチュアの火薬かやく技術ぎじゅつ依存いぞんして、それらが登場とうじょうする戦争せんそう描写びょうしゃおこなっていた」(Rickitt, 23)。これにより、観客かんきゃくには「なに本物ほんものなに本物ほんものでないのか、どうすればかるのか」という疑問ぎもんげかけられることになった。

1968ねんにはスタンリー・キューブリック監督かんとくの『2001ねん宇宙うちゅうたび』が製作せいさくされた。キューブリック監督かんとく目指めざした、極限きょくげんまで画質がしつたか革新かくしんてき映像えいぞうには既成きせい光学こうがく合成ごうせいだけでは対応たいおうできず、合成ごうせい段階だんかい画質がしつ劣化れっかけてほとんどの場面ばめんだい面積めんせきのフィルムを使用しようしたかさりがおこなわれ、さるじんたちがモノリスと遭遇そうぐうする場面ばめん撮影さつえいあたらしいスクリーン・プロセス方法ほうほうとしてフロント・プロジェクション改良かいりょうくわえられ、またほしもん(スター・ゲート)がひら場面ばめんにはスリット・スキャンが考案こうあんされた。スリット・スキャンはスリットカメラのシャッターをけた状態じょうたい被写体ひしゃたいうごかし残像ざんぞう撮影さつえいする手法しゅほう発展はってんさせたものである。

そして1977ねんあたらしいちょう大作たいさく映画えいががマーケットにあらわれた。ジョージ・ルーカス監督かんとくの『スター・ウォーズ』である。『スター・ウォーズ』には斬新ざんしん特殊とくしゅ効果こうか満載まんさいされていた。ルーカスのILMストップモーション・アニメーション(コマりアニメ)の技術ぎじゅつ頂点ちょうてんまできわめさせた。ストップモーション自体じたいすでに50ねん使つかわれていた技術ぎじゅつだったが、コンピューターでカメラと被写体ひしゃたい一部いちぶをモーションコントロールすることで、非常ひじょうなめらかなうごきをつくした。これはもはやストップモーションではなくゴー・モーションばれた。しかし、そのたったすうねんにはCGというまったあたらしい映像えいぞう技術ぎじゅつ誕生たんじょうし、ストップモーションにってわった。ストップモーションはリアルなSFXには使つかわれなくなったが、CGにはまったくないあじがあるとこの人々ひとびとおおく、映像えいぞう表現ひょうげんとして完全かんぜんすたれることはないとかんがえられている。

SFX技術ぎじゅつ

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SFX技術ぎじゅつは「美術びじゅつ舞台ぶたい装置そうちによるもの」と「撮影さつえい技術ぎじゅつ光学こうがく処理しょりによるもの」に大別たいべつできる。なお、かつては光学こうがくてき処理しょりでしか実現じつげんできなかった「ブルーバック」や「マットペイント」は、原理げんりこそおなじものの、現在げんざいはデジタル処理しょりおこなわれることがおおい。

美術びじゅつ舞台ぶたい装置そうちによるもの

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撮影さつえい技術ぎじゅつ光学こうがく処理しょりによるもの

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デジタル処理しょりによるもの

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SFXを手掛てがけるおも会社かいしゃ日本にっぽん

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SFXを手掛てがけるおも会社かいしゃ日本にっぽん以外いがい

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ えい: special effects
  2. ^ 特殊とくしゅ効果こうか」という言葉ことば馴染なじみにくく、東宝とうほう特撮とくさつ映画えいが流行はやった昭和しょうわ時期じきにマスコミで「特撮とくさつ」という言葉ことば使つかわれるようになった。特撮とくさつ#解説かいせつ参照さんしょう

関連かんれん項目こうもく

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