操みさお演えんじ

操みさお演えんじ（そうえん）は、日本にっぽんの映画えいが・テレビ番組ばんぐみなどで、ワイヤーアクション、ミニチュアの操作そうさや火ひ・水みず・風ふう・大地だいちにおける自然しぜん現象げんしょうの演出えんしゅつを担当たんとうする役職やくしょく、またはその技法ぎほう。海外かいがいでは、フィジカルエフェクトやプラクティカルエフェクトと呼よばれる。

概要がいよう

戦争せんそう映画えいがの戦闘せんとう機きのミニチュアや怪獣かいじゅう映画えいがではゴジラなど怪獣かいじゅうの尻尾しっぽや首くび、羽はねなどをピアノ線せんで操あやつる演出えんしゅつを指さす場合ばあいが多おおいが、それらはほんの一部いちぶで、撮影さつえい現場げんばにおいては火薬かやくなども含ふくめた特殊とくしゅ技術ぎじゅつ全般ぜんぱんの総称そうしょうでもある。

銃じゅうの発砲はっぽうや人体じんたい弾だん着き、昔むかしでは三味線しゃみせんと呼よばれる数すう十じゅう本ほんの電極でんきょくと1本ほんのスティックを通電つうでんさせ、マシンガンの弾たま着ぎを仕掛しかけたりもする。これらの技術ぎじゅつでは火薬かやくを使つかう関係かんけい上じょう、火薬かやく類るい取扱とりあつかいの免許めんきょの保有ほゆうが必要ひつようとなる。

吊つり線せんや指令しれい電線でんせんは視聴しちょう者しゃに見みえないよう、フィルム上じょうの映像えいぞう加工かこうや、スモークや暗闇くらやみ、照明しょうめいや撮影さつえいする角度かくどで隠蔽いんぺいする工夫くふうが凝こらされるが、露見ろけんしてしまうこともしばしばあった。21世紀せいき現在げんざいではCGが、吊つり線せんを消けす細部さいぶ加工かこうから、映像えいぞう自体じたいを作つくり出だすレベルまで広汎こうはんに利用りようされている。

モスラのような、ミニチュアを操作そうさすることによって表現ひょうげんされる怪獣かいじゅうなどのキャラクターは、着きぐるみとの差別さべつ化かの意味いみで「操みさお演えんじ怪獣かいじゅう」と呼よばれる。

「操みさお演えんじ」という言葉ことばは、東宝とうほう特撮とくさつの現場げんばが発祥はっしょうとされる。東宝とうほうでは、当初とうしょクレーン操作そうさなどを行おこなう特殊とくしゅ機械きかい係がかりがミニチュア操みさお演えんじも担当たんとうしていたが、操みさお演えんじ専せん門もんの部署ぶしょではないことから日毎ひごとに人員じんいんが入いれ替かわってしまい、最初さいしょから説明せつめいし直なおさなければならないことも多おおかったため、特技とくぎ監督かんとくの円谷つぶらや英二えいじが同どう係かかりに所属しょぞくしていた中代なかだい文雄ふみおを引ひき抜ぬき、「操みさお演えんじ」を部署ぶしょとして設立せつりつした。

主おもな操みさお演技えんぎ師し

• 中代なかだい文雄ふみお（東宝とうほう）
• 小川おがわ昭二しょうじ（東宝とうほう）
• 松本まつもと光司こうじ（新しん東宝とうほう、東宝とうほう）
• 船越ふなこし幹雄みきお
• 羽鳥はとり博幸ひろゆき
• 神尾かみお悦郎えつろう
• 寺門てらかど勇いさむ
• 鳴海なるみ聡さとし
• 小林こばやし正ただし己おのれ
• 宇田川うだがわ幸夫ゆきお

参考さんこう文献ぶんけん

• 『東宝とうほう特撮とくさつ映画えいが全ぜん史し』監修かんしゅう 田中たなか友幸ともゆき、東宝とうほう出版しゅっぱん事業じぎょう室しつ、1983年ねん12月がつ10日とおか。ISBN 4-924609-00-5。 
• 『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大だい百科ひゃっか』監修かんしゅう 田中たなか友幸ともゆき、責任せきにん編集へんしゅう 川北かわきた紘一こういち、Gakken〈Gakken MOOK〉、1990年ねん1月がつ1日にち。 
• 『別冊べっさつ映画えいが秘宝ひほう モスラ映画えいが大全たいぜん』洋よう泉いずみ社しゃ〈洋よう泉いずみ社しゃMOOK〉、2011年ねん8月がつ11日にち。ISBN 978-4-86248-761-2。 

関連かんれん項目こうもく

• 特殊とくしゅ効果こうか
• ミニチュア撮影さつえい、高速度こうそくど撮影さつえい、モーション・コントロール・カメラ、オプチカル・プリンター
• SFX
• 特撮とくさつ
• ガンエフェクト

外部がいぶリンク

• 「CRANK・IN」操みさお演技えんぎ師し「根岸ねぎし泉いずみ」の個人こじんサイト
• 「今日きょうもカメラは回まわる」@internetarchive（マカロニアンモナイト）
• スタジオ・ノーヴァ（人形にんぎょう操みさお演えんじ）
• 専門せんもん会社かいしゃ「亀甲きっこう船せん」HP