開催立候補を表明した国・地域
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今大会開催に立候補する国は原則として同年開催の五輪の開催国に立候補ができないと定められている[2]。
2018年9月27日にUEFA理事による投票の結果、ドイツに決定した[5]。
2006年にドイツで開催された2006 FIFAワールドカップの会場を中心に10会場で開催された。うち開幕戦が行われるミュンヘンのフースバル・アレーナ・ミュンヘンはUEFA EURO 2020の会場にもなっており、史上初めての連続開催地となり、決勝はベルリンのオリンピアシュタディオンで開催された。
ベルリン
|
ミュンヘン
|
ドルトムント
|
シュトゥットガルト
|
オリンピアシュタディオン
|
フースバル・アレーナ・ミュンヘン
|
BVBシュタディオン・ドルトムント
|
シュトゥットガルト・アレーナ
|
収容人数:74,461
|
収容人数:70,076
|
収容人数:65,849
|
収容人数:54,906
|
|
|
|
|
ゲルゼンキルヒェン
|
|
フランクフルト
|
アレーナ・アウフシャルケ
|
フランクフルト・アレーナ
|
収容人数:54,740
|
収容人数:54,697
|
|
|
ハンブルク
|
デュッセルドルフ
|
ケルン
|
ライプツィヒ
|
フォルクスパルクシュタディオン
|
デュッセルドルフ・アレーナ
|
ケルン・スタジアム
|
ライプツィヒ・スタジアム
|
収容人数:52,245
|
収容人数:51,031
|
収容人数:49,827
|
収容人数:42,959
|
|
|
|
|
本大会の組み合わせ抽選会は、2023年12月2日18:00 (CET)からドイツ・ハンブルクのエルプフィルハーモニー・ハンブルクで行われた[7]。
出場国は、予選の総合ランキングに基づいて4つのポットに振り分けられ、各ポットから1チームずつ、AからFのグループに振り分けられる。開催国であるドイツはポット1に入るが、自動的にA1のチームとなる。プレーオフの勝者3チームはポット4に入るが、抽選の時点では決まっておらず2024年3月に行われたプレーオフで確定した。
ポット分けは以下の通り[8]。
抽選結果は以下の通り。
各グループ上位2チーム及び3位チームのうち上位4チーム、計16チームが、決勝トーナメントに進出する。
日時は全て現地時間(UTC+2)。
全試合での獲得勝ち点が並んだ場合の順位決定基準[9]
- 当該チーム同士の対戦における獲得勝ち点の多少
- 当該チーム同士の対戦における得失点差
- 当該チーム同士の対戦におけるゴール数の多少
- 1.~3.を適用後においても2チーム以上に差がつかない場合は、それらのチームのみを対象に再び1.~3.を適用して比較する。それでも決着しない場合は、5.以下へ進む。
- 当該チームの全試合における得失点差
- 当該チームの全試合におけるゴール数の多少
- 比較対象が2チームのみで、グループリーグの最終戦で直接対決した結果、上記基準で差がつかないときはPK戦を行う。
- 当該チームの全試合におけるフェアプレーポイント(イエローカード=1、イエローカード2枚によるレッドカード=3、一発レッドカード=3、イエローカードの後一発レッドカード=4)の比較
- 当該チームの予選の総合ランキングの優劣。ただし、比較対象に開催国のドイツが含まれている場合は抽選を行う。
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
ドイツ (H)
|
3
|
2
|
1
|
0
|
8
|
2
|
+6
|
7
|
ノックアウトステージに進出
|
2
|
スイス
|
3
|
1
|
2
|
0
|
5
|
3
|
+2
|
5
|
3
|
ハンガリー
|
3
|
1
|
0
|
2
|
2
|
5
|
−3
|
3
|
|
4
|
スコットランド
|
3
|
0
|
1
|
2
|
2
|
7
|
−5
|
1
|
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
スペイン
|
3
|
3
|
0
|
0
|
5
|
0
|
+5
|
9
|
ノックアウトステージに進出
|
2
|
イタリア
|
3
|
1
|
1
|
1
|
3
|
3
|
0
|
4
|
3
|
クロアチア
|
3
|
0
|
2
|
1
|
3
|
6
|
−3
|
2
|
|
4
|
アルバニア
|
3
|
0
|
1
|
2
|
3
|
5
|
−2
|
1
|
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
オーストリア
|
3
|
2
|
0
|
1
|
6
|
4
|
+2
|
6
|
ノックアウトステージに進出
|
2
|
フランス
|
3
|
1
|
2
|
0
|
2
|
1
|
+1
|
5
|
3
|
オランダ
|
3
|
1
|
1
|
1
|
4
|
4
|
0
|
4
|
4
|
ポーランド
|
3
|
0
|
1
|
2
|
3
|
6
|
−3
|
1
|
|
順
|
チーム
|
試
|
勝
|
分
|
敗
|
得
|
失
|
差
|
点
|
出場権
|
1
|
ルーマニア
|
3
|
1
|
1
|
1
|
4
|
3
|
+1
|
4
|
ノックアウトステージに進出
|
2
|
ベルギー
|
3
|
1
|
1
|
1
|
2
|
1
|
+1
|
4
|
3
|
スロバキア
|
3
|
1
|
1
|
1
|
3
|
3
|
0
|
4
|
4
|
ウクライナ
|
3
|
1
|
1
|
1
|
2
|
4
|
−2
|
4
|
|
- ^ a b 直接対決の勝点: ポルトガル 3、トルコ 0。
出典:
UEFA順位の
決定基準: 1)
勝ち
点; 2)
得失点差; 3)
得点; 4)
勝利数; 5) フェアプレーポイント; 6)
予選の総合ランキングの
順位。ただし、
比較対象に
開催国のドイツが
含まれている
場合は
抽選を
行う。
注釈:
ノックアウトステージ進出の3位チームの対戦相手は以下のように定められる[9]。
グループ
|
|
1B vs
|
1C vs
|
1E vs
|
1F vs
|
A |
B |
C |
D |
|
|
3A |
3D |
3B |
3C
|
A |
B |
C |
|
E |
|
3A |
3E |
3B |
3C
|
A |
B |
C |
|
|
F |
3A |
3F |
3B |
3C
|
A |
B |
|
D |
E |
|
3D |
3E |
3A |
3B
|
A |
B |
|
D |
|
F |
3D |
3F |
3A |
3B
|
A |
B |
|
|
E |
F |
3E |
3F |
3B |
3A
|
A |
|
C |
D |
E |
|
3E |
3D |
3C |
3A
|
A |
|
C |
D |
|
F |
3F |
3D |
3C |
3A
|
A |
|
C |
|
E |
F |
3E |
3F |
3C |
3A
|
A |
|
|
D |
E |
F |
3E |
3F |
3D |
3A
|
|
B |
C |
D |
E |
|
3E |
3D |
3B |
3C
|
|
B |
C |
D |
|
F |
3F |
3D |
3C |
3B
|
|
B |
C |
|
E |
F |
3F |
3E |
3C |
3B
|
|
B |
|
D |
E |
F |
3F |
3E |
3D |
3B
|
|
|
C |
D |
E |
F |
3F |
3E |
3D |
3C
|
確定した組み合わせ
ノックアウトステージでは、90分が終わって同点の場合15分ハーフの延長戦を行いそれでも決しない場合はPK戦で勝者を決める。
日時は全て現地時間(UTC+2)。
6つの各グループから上位2チーム及び各グループの3位のチームから、上位4チームが以下の通りノックアウトステージに進出した。
UEFA EURO 2024優勝国
|
スペイン 3大会ぶり4回目
|
下述であるように、大会期間中には数多くの論争やトラブルが発生し、グループステージ終了時点で21カ国に罰金処分が科せられており、罰金の合計金額は129万3645ユーロにまで上った[10]。
ピッチへの侵入、ピッチへの投げ込み行為、その他妨害行為
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グループF、トルコ対ポルトガルの試合では、クリスティアーノ・ロナウドと自撮りしようとピッチへの侵入者によって試合は複数回に渡って中断された[11]。またアルバニア対イタリア[12]、ルーマニア対ウクライナ[13]、ラウンド16のルーマニア対オランダ[14]の試合でもピッチへの侵入があった。準決勝のスペイン対フランス戦の試合終了後には侵入者を追いかけていた警備員とアルバロ・モラタが接触し、モラタは膝を負傷した[15]。
大会期間中、選手や監督からコーナーキックの際にファンが選手に向けてプラスチックカップを投げ込み、選手に当たったと苦情が聞かれた[16]。ベルギーの試合ではケヴィン・デ・ブライネの目に向けてレーザーポインターが照射された[17]。ラウンド16のオーストリア対トルコの試合ではコーナーキックを蹴ろうとしていたマルセル・ザビッツァーに向けて投げ込み行為が起こり、ザビッターの顔に直撃した[18]。
グループA、スコットランド対ハンガリーの試合後半で、ハンガリーのヴァルガ・バルナバーシュとスコットランドのゴールキーパー、アンガス・ガンが衝突し、ヴァルガは脳震盪を起こし、頬骨を複数骨折する重篤な負傷となった[19][20]。負傷時にはすぐに医療スタッフがピッチに駆けつけ、ヴァルガの周りに保護シートが巻かれた。しかし、担架を担いだ人たちは走ってではなく、選手に向かって歩いているのが見られ、選手やスタッフは不満を述べた[21]。ハンガリーのキャプテンであるソボスライ・ドミニクとチームメイトのボトカ・エンドレは、担架を持って走り、作業をスピードアップしようとした[22]。ソボスライは医療スタッフが十分に素早く対応しなかったと不満を表明し、「誰もが数秒を節約し、命を救うことができる」と述べた[23]。これに対しUEFAは反論し、現場の医療スタッフ間の連携はプロフェッショナルであり、治療行為には遅れはなかったと主張した[21][23]。
試合は10分後に再開されると、アディショナルタイムのチョボト・ケヴィンのゴールでハンガリーは勝利し、手術を受けたヴァルガは回復した[24]。
バルカン半島の出場国が起こした数々のトラブル
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グループステージでの期間中には、バルカン半島の出場国のファンや選手の行動が原因で、数多くの論争とトラブルが巻き起こった。アルバニアとセルビアは、両国のファンが領土回復主義のシンボルを掲げたため、共に罰金を科されている[25][10]。セルビアのファンはコソボをセルビアの一部とする地図を掲げ[25]、アルバニアのファンは大アルバニアの地図を掲げた[25]。またセルビアのサポーターは、イングランド戦では民族主義的な横断幕を掲げており、「降伏なし」というスローガン・文字の上にコソボの領土が描かれた横断幕で、UEFAはこれを「スポーツイベントにふさわしくない挑発的なメッセージ」と評した[25]。セルビアのサポーターは、このイングランド戦で人種差別的な行為があったとして、UEFAは調査に乗り出すと発表している[26]クロアチア対アルバニアの試合中には、両国のファンの一部が試合中に「Ubij ubij ubij Srbina(セルビア人を殺せ、殺せ、殺せ)」などの反セルビアのスローガン・チャントを連呼した[25][10]ため、セルビアはUEFAがクロアチアとアルバニアに対して措置を取らなければ大会から撤退すると訴えた[25]。クロアチア対アルバニアの試合後には、アルバニアのミルリンド・ダク(英語版)が自国サポーターを扇動し、反マケドニアのスローガン・チャントを連呼したため、アルバニアは罰金を科せられ、ダクは2試合の出場停止処分を受けた[25][27]。出場停止を受けたダクはソーシャルメディア上で謝罪した[25]。前述のセルビア対イングランド戦ではセルビアのサポーターを挑発したとして、コソボのジャーナリスト、アルリン・サディクの大会におけるメディア認定を取り消した[25][28]。自国コソボのテレビ生放送中に、サディクはセルビアのファンの方を向き、両手で民族主義的な双頭の鷲のジェスチャー(英語版)を見せていた[25][28]。双頭の鷲はアルバニアの国旗に描かれており、アルバニアだけでなくコソボやその他の地域で民族的誇りの象徴とされている。
ラウンド16、オーストリア対トルコ戦ではトルコのメリフ・デミラルが、ゴールを決めた際に指を狼のようにするジェスチャーを見せた[29]。このジェスチャーは極右過激派組織で、民族主義者行動党(MHP)とつながりのある灰色の狼に関連するジェスチャーとみなされ、超国家主義的であるとされており、オーストリアだけでなくフランスでも禁止されている[30]。このデミラルの見せた行動はドイツのナンシー・ファザー内務大臣から批判されたが、MHPのデヴレト・バフチェリ党首はこの行為を支持した[31]。デミラルはまた、ジェスチャーをしている自分の写真を自身のツイッターアカウントに投稿し、「私(自分)がトルコ人だと言える人はなんて幸せなのだろう!」というキャプションを付けた[31]。 UEFAは翌日デミラルに対する調査を開始し[32]、その後デミラルに2試合の出場停止処分を下した[33]。これによりデミラルは準々決勝のオランダ戦と、2024-25年UEFAネーションズリーグ初戦を欠場することになった[34]。準々決勝のオランダ対トルコ戦前には、トルコのサポーターがスタジアムに向かう途中や、スタジアム内でデミラルが見せたジェスチャーを集団で披露していた[35][36][37]。
スペインの選手達による不適切なチャント
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決勝戦でスペインが勝利した後、マドリードのシベーレス広場で行われた優勝を祝う集会で、大観衆の前でステージに立ったアルバロ・モラタとロドリは、「ジブラルタルはスペインのものだ」というチャントを歌った[38][39][40]。これに対しジブラルタルサッカー協会は、UEFAへ抗議を申し立てた[41]。