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飯沼いいぬま長ちょう資し（いいぬまながすけ、天正てんしょう8年ねん（1580年ねん） - 慶長けいちょう5年ねん7月がつ14日にち（1600年ねん 8月がつ22日にち））は、安土あづち桃山ももやま時代じだいの武将ぶしょう。織田おだ氏しの家臣かしん。勘平かんぺい。通称つうしょう、小しょう勘平かんぺい。

概要がいよう

飯沼いいぬま長ちょう実みのるの子ことして誕生たんじょう。飯沼いいぬま氏しは美濃みの池尻いけじり城しろ三さん千せん貫かんの豪族ごうぞく^[1]だが、祖父そふ・飯沼いいぬま長ちょう継まましは天正てんしょう11年ねん（1583年ねん）に織田おだ信孝のぶたかに内通ないつうしたとして豊臣とよとみ秀吉ひでよしに処刑しょけいされ、父ちち・長なが実じつは前田まえだ利家としいえに仕つかえたが、金沢かなざわで殺人さつじんを犯おかしたため前田まえだ家かから出奔しゅっぽんする等とう波乱はらんに満みちた一族いちぞくである。

長ちょう資しは武勇ぶゆうに優すぐれ「岐阜ぎふ四天王してんのう」の一人ひとりに称しょうされている。小しょう勘平かんぺいとは飯沼いいぬま氏しの当主とうしゅが代々だいだい勘平かんぺいと称しょうしたことで、父ちち・長ちょう実みのるからみた場合ばあい「小しょう」がつくので称しょうがこうなる。

略歴りゃくれき

天正てんしょう8年ねん（1580年ねん）飯沼いいぬま長ちょう実みのる^[2]の子ことして誕生たんじょう。母ははは竹中たけなか伊豆いず守まもるの娘むすめ。

父ちち・長なが実じつは金沢かなざわで人ひとを殺あやめて致仕ちしし、京都きょうとで秀吉ひでよしに拝謁はいえつ、後のちに織田おだ秀信ひでのぶに仕つかえ、騎馬きば隊長たいちょう・大だい番頭ばんがしらとして9千せん石せきを給きゅうした。朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺいでは渡海とかいして3年ねん在ざい陣じんし、多おおくの武功ぶこうを挙あげた。

長ちょう資しは8百ひゃく石せきを給きゅうした。

関ヶ原せきがはらの戦たたかい

慶長けいちょう5年ねん（1600年ねん）8月がつ21日にち、池田いけだ輝政てるまさ、浅野あさの幸長よしながら東ひがし軍ぐん1万まん8千せん人にんが羽栗はぐり郡ぐん河田かわた島村しまむらに進軍しんぐんし、木曽川きそがわを渡わたり岐阜ぎふ城じょう攻略こうりゃくを目指めざす。

主君しゅくん・秀信ひでのぶは西にし軍ぐんについており、長ちょう実みのる・長ちょう資しもこれに従したがう。秀信ひでのぶは米べい野村のむら^[3]^[4]で百々とど綱つな家か、長ちょう資しら9千せん人にんを配置はいちし、応戦おうせんした。

河田かわた木曽川きそがわ渡河とかの戦たたかいののち、8月がつ22日にち米野こめの村むらで激突げきとつ（米野こめのの戦たたかい）。

長ちょう資しは緋ひ威おどしの鎧よろいに赤あか母衣ほろを背負せおい、白しろ葦毛あしげの馬うまに乗のっていた。そして一柳いちりゅう直盛なおもりの家老がろう・大塚おおつか権けん太夫たゆう^[5]と一いち騎き討うちを挑いどんだ。

権けん太夫たゆうは米野こめの堤下つつみしたで武市たけいち善よし兵衛ひょうえと戦たたかい、そこへ善ぜん兵衛ひょうえの弟おとうと忠左衛門ちゅうざえもんが駆かけつけて兄あにを助すけようとするのを、権けん太夫たゆうが兄弟きょうだい共々ともども首くびを取とり、その首くびを引ひっ提さげて堤つつみ上あがろうとしたとき、長ちょう資しと衝突しょうとつ、武市たけいち兄弟きょうだいの戦たたかいで疲弊ひへいしたところを長ちょう資しの槍やりに刺さされて討うち取とられたのである。

長ちょう資しは従者じゅうしゃの坪井つぼい七兵衛しちべえにこの首くびを渡わたし、秀信ひでのぶのもとへ届とどけさせた^[6]。

長ちょう資しは再ふたたび馬ばに乗のろうとしたところ、池田いけだ輝政てるまさの弟おとうと・長吉ちょうきちと遭遇そうぐうする。

一騎討いっきうちちの呼よびかけを聞きいた長吉ちょうきちの従したがえ士し・伊藤いとう与兵衛よへえはこれを遮さえぎり、自みずから長ちょう資しに立たち向むかおうとしたが、長吉ちょうきちは叱しかりつけて自みずから名乗なのりを上あげて長ちょう資しの挑戦ちょうせんを受うけた。

長ちょう資しも一いち騎き討うちに疲弊ひへいしていたため長吉ちょうきちに突つき伏ぶせられ、討うち取とられた。享年きょうねん21。一騎討いっきうちちには異説いせつがあり、長ちょう資しを討うち取とったのは長吉ちょうきちの家臣かしん・森寺もりでら長ちょう勝かちとするものもある。

米野こめのの戦たたかいは秀信ひでのぶが兵力へいりょくを分散ぶんさんさせたため敗北はいぼくした。

父ちち・長ちょう実みのるも翌日よくじつの岐阜ぎふ城じょうの戦たたかいで戦死せんしした^[7]。長ちょう資しの弟おとうと・長重ながしげは後のちに福島ふくしま正則まさのりに仕つかえ、さらに徳川とくがわ義直よしなおに3千せん石せきの旗本はたもととして仕つかえた。

長ちょう資しの墓はかは岐阜ぎふ県けん岐南ぎなん町まち平島ひらしまにある。法名ほうみょうは「隆りゅう宗はじめ院いん殿どの浄きよし誉ほまれ清しん頓ひたぶる居士こじ」

脚注きゃくちゅう

^ 曾祖父そうそふ・飯沼いいぬま長ちょう就（対馬つしま守もり）は土岐とき頼よりゆき芸げいに仕つかえ、のち斎藤さいとう道三どうさんの下剋上げこくじょうに参加さんかする。
^ 十郎左衛門じゅうろうざえもん。
^ 羽栗はぐり郡ぐん。
^ 笠松かさまつ町まち
^ 大だい剛こうの者ものとして知しられており、米野こめのおいても一番槍いちばんやりの手柄てがらを立たてている。
^ 笠松かさまつ町まち無動寺むどうじ地ち内ないに大塚おおつか権けん太夫たゆうの墓はかがある。
^ 『戦国せんごく人名じんめい事典じてん』71頁ぺーじ。

参考さんこう資料しりょう

『戦国せんごく人名じんめい事典じてん』阿部あべ猛たけし、西村にしむら圭子けいこ、新人物往来社しんじんぶつおうらいしゃ、1990年ねん
『戦国せんごく人名じんめい辞典じてん』高柳たかやなぎ光ひかり寿ことぶき、松平まつだいら年一としかず、吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1981年ねん

[1] 曾祖父そうそふ・飯沼いいぬま長ちょう就（対馬つしま守もり）は土岐とき頼よりゆき芸げいに仕つかえ、のち斎藤さいとう道三どうさんの下剋上げこくじょうに参加さんかする。

[2] 十郎左衛門じゅうろうざえもん。

[3] 羽栗はぐり郡ぐん。

[4] 笠松かさまつ町まち

[5] 大だい剛こうの者ものとして知しられており、米野こめのおいても一番槍いちばんやりの手柄てがらを立たてている。

[6] 笠松かさまつ町まち無動寺むどうじ地ち内ないに大塚おおつか権けん太夫たゆうの墓はかがある。

[7] 『戦国せんごく人名じんめい事典じてん』71頁ぺーじ。

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 [[天正てんしょう]]8年ねん（[[1580年ねん]]）[[飯沼いいぬま長ちょう実みのる]]<ref>十郎左衛門じゅうろうざえもん。</ref>の子ことして誕生たんじょう。母ははは竹中たけなか伊豆いず守まもるの娘むすめ。
-父ちち・長なが実じつは金沢かなざわで人ひとを殺あやめて致仕ちしし、[[京都きょうと]]で秀吉ひでよしに拝謁はいえつ、後のちに[[織田おだ秀信ひでのぶ]]に仕つかえ、騎馬きば隊長たいちょう・大だい番頭ばんがしらとして9千せん石せきを給きゅうした。[[朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺい]]では渡海とかいして3年ねん在ざい陣じんし、多おおくの武功ぶこうを挙あげた。
+父ちち・長なが実じつは金沢かなざわで人ひとを殺あやめて致仕ちしし、[[京都きょうと]]で秀吉ひでよしに拝謁はいえつ、後のちに[[織田おだ秀信ひでのぶ]]に仕つかえ、騎馬きば隊長たいちょう・大だい番頭ばんがしらとして9千せん石せきを給きゅうした。[[文禄・慶長ぶんろくけいちょうの役えき|朝鮮ちょうせん出兵しゅっぺい]]では渡海とかいして3年ねん在ざい陣じんし、多おおくの武功ぶこうを挙あげた。
 長ちょう資しは8百ひゃく石せきを給きゅうした。