出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
|
|
19行目: |
19行目: |
|
}} |
|
}} |
|
|
|
|
|
'''アメマス'''(雨鱒、学名:''Salvelinus leucomaenis leucomaenis'')は[[サケ]]科サケ亜科[[イワナ]]属の[[魚類|魚]]。日本では[[日本海]]側([[山形県]]以北)[[太平洋]]側([[千葉県]]以北)に分布する。イワナを[[亜種]]で分類するならば、[[基亜種]]となる。陸封型を'''エゾイワナ'''とも呼ぶ。 |
|
'''アメマス'''(雨鱒、学名:''Salvelinus leucomaenis leucomaenis'')は[[サケ]]科サケ亜科[[イワナ]]属の[[魚類|魚]]。日本では[[日本海]]側([[山形県]]以北)[[太平洋]]側([[千葉県]]以北)に分布する。イワナを[[亜種]]で分類するならば、[[基亜種]]となる。河川残留型(陸封型)を'''エゾイワナ'''とも呼ぶ。 |
|
|
|
|
|
|
== 生態 == |
|
サケのように海へ降りる降海型(アメマス)と一生海には降りない陸封型(エゾイワナ)が存在する。 |
|
|
|
体長は14-70cm程度。産卵期から孵化までの生活史はイワナとほぼ同じであるが、より冷水域を好むと考えられる。[[サクラマス]]や[[サツキマス]]の様に、孵化後すぐ降海せず2年から3年程度を河川で過ごし[[スモルト]]化した個体が降海型する。[[サケ|シロザケ]]の様に孵化・浮上直後には降海しない<ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/110000472022/ 北海道古宇川におけるアメマスSalvelinus leucomaenisの齢別成熟比率]北海道東海大学 Proceedings of Hokkaido Tokai University. Science and engineering 8 pp.51-60 19960321 </ref>。雌雄でのスモルト化の比率は異なり、雌(メス)はほとんどが降海するが、残留し産卵を行う個体もいる。産卵後一部の個体は生き残り、翌年以降の生殖活動に参加する。降海後の生活史は十分に解明されていない。 |
⚫ |
体長は14-70cm程度。近年は[[ 神奈川県]]をはじめとする[[ 関東地方| 関東]] 近辺でも 放流が 行われている<ref>[http://www.agri.pref.kanagawa.jp/naisui/fishfile/amemasu.htm アメマス] 神奈川県水産技術センター 内水面試験場</ref>。[[ 北海道]]では 水産魚種に 指定されていないためゲームフィッシングが 人気があり、 降海型を 特に「 海アメ」と 呼ぶ。 |
|
|
|
|
|
|
== 人間とのかかわり == |
|
== 人間とのかかわり == |
|
⚫ |
近年は[[ 神奈川県]]をはじめとする[[ 関東地方| 関東]] 近辺でも 放流が 行われている<ref>[http://www.agri.pref.kanagawa.jp/naisui/fishfile/amemasu.htm アメマス] 神奈川県水産技術センター 内水面試験場</ref>。[[ 北海道]]では 水産魚種に 指定されていないためゲームフィッシングが 人気があり、 降海型を 特に「 海アメ」と 呼ぶ。 |
|
|
|
|
[[ヤマメ]]などと比べると身が柔らかく焼くと味わいが無くなるため、[[バター]]と合わせて[[ムニエル]]にすると良い。 |
|
[[ヤマメ]]などと比べると身が柔らかく焼くと味わいが無くなるため、[[バター]]と合わせて[[ムニエル]]にすると良い。 |
|
|
|
|
|
=== 放流外来魚との関わり === |
|
|
北海道[[千歳川]]支流の[[紋別川]]では、放流された[[ブラウントラウト]]により生息域が狭められている<ref>長谷川 功, 前川 光司[http://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/74/3/74_432/_article/-char/ja 北海道千歳川支流紋別川で起きた在来種アメマス単独生息域への外来種ブラウントラウトの侵入]日本水産学会誌, Vol. 74, pp.432-434 (2008)</ref>。 |
|
|
|
|
|
=== 伝承 === |
|
=== 伝承 === |
2009年4月22日 (水) 06:23時点における版
アメマス
|
分類
|
|
学名
|
Salvelinus leucomaenis leucomaenis (Pallas, 1814)
|
和名
|
アメマス
|
英名
|
White-spotted char Japanese char
|
アメマス(雨鱒、学名:Salvelinus leucomaenis leucomaenis)はサケ科サケ亜科イワナ属の魚。日本では日本海側(山形県以北)太平洋側(千葉県以北)に分布する。イワナを亜種で分類するならば、基亜種となる。河川残留型(陸封型)をエゾイワナとも呼ぶ。
生態
体長は14-70cm程度。産卵期から孵化までの生活史はイワナとほぼ同じであるが、より冷水域を好むと考えられる。サクラマスやサツキマスの様に、孵化後すぐ降海せず2年から3年程度を河川で過ごしスモルト化した個体が降海型する。シロザケの様に孵化・浮上直後には降海しない[1]。雌雄でのスモルト化の比率は異なり、雌(メス)はほとんどが降海するが、残留し産卵を行う個体もいる。産卵後一部の個体は生き残り、翌年以降の生殖活動に参加する。降海後の生活史は十分に解明されていない。
人間とのかかわり
近年は神奈川県をはじめとする関東近辺でも放流が行われている[2]。北海道では水産魚種に指定されていないためゲームフィッシングが人気があり、降海型を特に「海アメ」と呼ぶ。
ヤマメなどと比べると身が柔らかく焼くと味わいが無くなるため、バターと合わせてムニエルにすると良い。
放流外来魚との関わり
北海道千歳川支流の紋別川では、放流されたブラウントラウトにより生息域が狭められている[3]。
伝承
北海道の摩周湖には巨大なアメマスがいると伝えられている。体長は鯨ほどで、湖上の船を転覆させることもあるといい、摩周湖の主とも言われている
[4]。また支笏湖にも同様の巨大アメマスの伝承があり、頭と尾が湖の両岸に届くほどの大きさという[5]。
また、巨大魚のUMAであるタキタロウは専門家の調べた結果、アメマスの一種という答えが出ている。
脚注
- ^ 北海道古宇川におけるアメマスSalvelinus leucomaenisの齢別成熟比率北海道東海大学 Proceedings of Hokkaido Tokai University. Science and engineering 8 pp.51-60 19960321
- ^ アメマス神奈川県水産技術センター内水面試験場
- ^ 長谷川 功, 前川 光司北海道千歳川支流紋別川で起きた在来種アメマス単独生息域への外来種ブラウントラウトの侵入日本水産学会誌, Vol. 74, pp.432-434 (2008)
- ^ 多田克己 『幻想世界の住人たち IV 日本編』 新紀元社、1990年、149頁。
- ^ 草野巧 『幻想動物事典』 新紀元社、1997年、59頁。
関連項目