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「3つのコラール (フランク)」のはんあいだ差分さぶん

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れい2<score> \relative c {\clef bass \key b \minor \time 3/4 \tempo "Maestoso" b2 b4 b2 d4 cis b d fis2. fis2 d4 cis2 fis4 b, cis2 fis2. d2 d4 a2. fis'2 fis4 cis2. d2 d4 d2 cis8 a a4 gis4. fis8 fis2.}</score>
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3れんともなだい3変奏へんそうまで厳粛げんしゅくすすめられたのち、オスティナート主題しゅだいから派生はせいしたあたらしい主題しゅだいともなって自由じゆう展開てんかいされていく{{sfn|矢代やしろ|p=42}}。[[強弱きょうじゃくほう|ピアニッシモ]]の和音わおんを[[フェルマータ]]でながばして一段落いちだんらくつくと、突如とつじょラルガメンテ・[[wikt:con|コン]]・ファンタジア、4/4拍子ひょうしとなり[[ロ (おとめい)|ロおん]]のつよそうによって[[レチタティーヴォ]]をおもわせるはげしい間奏かんそうとなる<ref name=score2 />。その、3/4拍子ひょうし、[[ト短調とたんちょう]]にてんじてオスティナート主題しゅだい前半ぜんはんもちいた[[フガート]]が開始かいしされる。展開てんかいすすむにつれてこれまでにあらわれた様々さまざま要素ようそ複雑ふくざつわされて再現さいげんされ、[[強弱きょうじゃくほう|クレッシェンド]]をてオスティナート主題しゅだいたからかに再現さいげんされる{{sfn|矢代やしろ|p=45}}。これがわるときゅうおだやかになり、[[ロ長調ちょうちょう]]のひびきのなかやすらかにわりをむかえる<ref name=score2>{{Cite web|url=http://javanese.imslp.info/files/imglnks/usimg/6/67/IMSLP03935-Choral_No.2_in_B_Minor_Franck.pdf |title=Score, ''Choral No.2 in B minor'' |publisher=デュランしゃ |year=1909 |format=PDF |accessdate=2013-12-15}}</ref>。
3れんともなだい3変奏へんそうまで厳粛げんしゅくすすめられたのち、オスティナート主題しゅだいから派生はせいしたあたらしい主題しゅだいともなって自由じゆう展開てんかいされていく{{sfn|矢代やしろ|p=42}}。[[強弱きょうじゃくほう|ピアニッシモ]]の和音わおんを[[フェルマータ]]でながばして一段落いちだんらくすると、突如とつじょラルガメンテ・[[wikt:con|コン]]・ファンタジア、4/4拍子ひょうしとなり[[ロ (おとめい)|ロおん]]のつよそうによって[[レチタティーヴォ]]をおもわせるはげしい間奏かんそうとなる<ref name=score2 />。その、3/4拍子ひょうし、[[ト短調とたんちょう]]にてんじてオスティナート主題しゅだい前半ぜんはんもちいた[[フガート]]が開始かいしされる。展開てんかいすすむにつれてこれまでにあらわれた様々さまざま要素ようそ複雑ふくざつわされて再現さいげんされ、[[強弱きょうじゃくほう|クレッシェンド]]をてオスティナート主題しゅだいたからかに再現さいげんされる{{sfn|矢代やしろ|p=45}}。これがわるときゅうおだやかになり、[[ロ長調ちょうちょう]]のひびきのなかやすらかにわりをむかえる<ref name=score2>{{Cite web|url=http://javanese.imslp.info/files/imglnks/usimg/6/67/IMSLP03935-Choral_No.2_in_B_Minor_Franck.pdf |title=Score, ''Choral No.2 in B minor'' |publisher=デュランしゃ |year=1909 |format=PDF |accessdate=2013-12-15}}</ref>。


=== だい3きょく ===
=== だい3きょく ===

2014ねん12月17にち (水)すい 17:29時点じてんにおけるはん

3つのコラールTrois chorals)はセザール・フランク1890ねん作曲さっきょくしたオルガンきょく。フランクが完成かんせいさせた最後さいご作品さくひんとなった。

概要がいよう

サント・クロチルド聖堂せいどうのパイプオルガン

1890ねん初夏しょか交通こうつう事故じこったフランクはその後遺症こういしょうくるしみつつ、同年どうねん11月18にち呼吸こきゅう感染かんせんによりこのる。悪化あっかする体調たいちょうなかかれたこのきょくは、フランク最後さいご完成かんせい作品さくひんとなった[1]。フランクは1860ねんからパリサント・クロチルド聖堂せいどうオルガニストつとめており、この教会きょうかい建造けんぞうされたアリスティド・カヴァイエ=コル製作せいさく鍵盤けんばん3だんようするさい新鋭しんえいのオルガンからゆたかな着想ちゃくそうていた[2]れいとして強弱きょうじゃくはばひろがりがおおきく、多彩たさい音色ねいろ変化へんか可能かのうなレシ鍵盤けんばん(récit)の使用しようげることができ、この『3つのコラール』だい3きょくにおいても効果こうかてきもちいられている[3]。フランクは作曲さっきょくさいしておとせん決定けっていのためにこの教会きょうかいのオルガンへふたたかうことを熱望ねつぼうしたが、かれ病状びょうじょうがそれをゆるすことはなかった[1]

『3つのコラール』と銘打めいうたれているものの、だい3きょくがかろうじてフランクのオリジナルのコラールであることをのぞいて、きょく変奏曲へんそうきょくとして仕上しあげられている。作曲さっきょく矢代やしろ秋雄あきおはこの事実じじつたいし、プロテスタントではなくカトリックであったフランクにとってのコラールとは「かれ自身じしんかみたたえ、信仰しんこう告白こくはくするためのしんうたであった」とかんがえている[4]。また、フランク門下もんかヴァンサン・ダンディは、言葉ことば引用いんようして「全曲ぜんきょくつうじて、コラールは形成けいせいされる」と解説かいせつした[4]

きょく1892ねんデュランしゃから出版しゅっぱんされており、出版しゅっぱんではだい1きょくウジェーヌ・ジグーだい2きょくオーギュスト・デュラン英語えいごばんだい3きょくオーギュスタ・オルメス献呈けんていされたことになっている。しかし、草稿そうこう段階だんかいでは献呈けんていしゃ明示めいじされておらず[5]、ダンディによれば作曲さっきょくしゃ自身じしんだい1きょくアレクサンドル・ギルマンだい2きょくテオドール・デュボアだい3きょくをジグーへ献呈けんていするつもりだったようである[6]。この献呈けんていかんする混乱こんらんについてはデュランが故意こい[4]、もしくはあやまってったとするせつ[5]、フランクの息子むすこ原因げんいんだとするせつなどがある[5]。なお、ブランシュ・セルヴァ英語えいごばんハロルド・バウアーによるピアノ編曲へんきょくばんもデュランしゃから出版しゅっぱんされた[4]

ダンディはこのきょくが「これに比肩ひけんるものは、だいバッハ傑作けっさく以外いがいにない」と激賞げきしょうする言葉ことばのこしている[1]矢代やしろはフランクに心酔しんすいするダンディの言葉ことば鵜呑うのみにはできないとしつつも、フランクの創作そうさく最後さいごめくくる『3つのコラール』がかれ最高さいこう傑作けっさくならびにオルガン音楽おんがくかがや金字塔きんじとうの1つにかぞえられると評価ひょうかしている[1]

演奏えんそう時間じかん

やく42-43ふんだい1ばん:15ふんだい2ばん:14ふんだい3ばん:13ふん[7]

楽曲がっきょく構成こうせい

だい1きょく

モデラート 3/4拍子ひょうし 長調ちょうちょう

主題しゅだいぐんと2つの変奏へんそうおよコーダからなる自由じゆう変奏曲へんそうきょくきょくれい1にしめふかおもむきつフレーズにはじまり、7つのフレーズの連結れんけつによって構成こうせいされる[8]

れい1

 \relative c' {\key e \major \time 3/4 \tempo "Moderato" r8 gis' ( fis e a4~ a8 gis fis e b'4~ b8 [ cis gis a gis8. fis16 ] fis4 gis) }

主題しゅだい提示ていじ完了かんりょうするとカンタービレ指示しじした[9]、16ふん音符おんぷ主体しゅたいだい1変奏へんそうはいる。このおとがた変奏へんそうわるとすこあいだって4/4拍子ひょうしマエストーソとなり、フォルテッシモ堂々どうどうとした間奏かんそうあらわれる。ここではすう小節しょうせつごとに緩急かんきゅうわり[9]即興そっきょうてき印象いんしょうあたえる。つぎに3/4拍子ひょうし短調たんちょうとなってだい2変奏へんそう開始かいしされる。ここではめまぐるしく転調てんちょうおこなわれるなか対位法たいいほうてき主題しゅだいわされるなどの作曲さっきょく技法ぎほう展開てんかいされ、がりつつコーダにいたる。コーダではホ長調ちょうちょうもどって堂々どうどうたるクライマックスをきずき、そのまま終結しゅうけつする。

だい2きょく

マエストーソ 3/4拍子ひょうし 短調たんちょう

れい2でしめオスティナート主題しゅだいによってパッサカリアふう開始かいしされる[10]

れい2

 \relative c {\clef bass \key b \minor \time 3/4 \tempo "Maestoso" b2 b4 b2 d4 cis b d fis2. fis2 d4 cis2 fis4 b, cis2 fis2. d2 d4 a2. fis'2 fis4 cis2. d2 d4 d2 cis8 a a4 gis4. fis8 fis2.}

3れんともなだい3変奏へんそうまで厳粛げんしゅくすすめられたのち、オスティナート主題しゅだいから派生はせいしたあたらしい主題しゅだいともなって自由じゆう展開てんかいされていく[10]ピアニッシモ和音わおんフェルマータながばして一段落いちだんらくすると、突如とつじょラルガメンテ・コン・ファンタジア、4/4拍子ひょうしとなりおんつよそうによってレチタティーヴォおもわせるはげしい間奏かんそうとなる[11]。その、3/4拍子ひょうしト短調とたんちょうてんじてオスティナート主題しゅだい前半ぜんはんもちいたフガート開始かいしされる。展開てんかいすすむにつれてこれまでにあらわれた様々さまざま要素ようそ複雑ふくざつわされて再現さいげんされ、クレッシェンドてオスティナート主題しゅだいたからかに再現さいげんされる[12]。これがわるときゅうおだやかになり、長調ちょうちょうひびきのなかやすらかにわりをむかえる[11]

だい3きょく

クアジアレグロ 4/4拍子ひょうし 短調たんちょう

トッカータ、コラール、アダージョの3つの要素ようそからなる。ぜん3きょくちゅうもっともよくられている[12]きょくれい3によりトッカータふうはじまる。この楽想がくそう交代こうたいするかたちでコラール主題しゅだいが2つにかれて提示ていじされる。

れい3


\new StaffGroup
 \with { 
   systemStartDelimiter = #'SystemStartBar
 }
 <<
   \new GrandStaff <<
    \new Staff \relative c'
               {
                \override DynamicLineSpanner #'staff-padding = #2.0
                \override TextScript #'Y-extent = #'(-1.5 . 1.5)
                \tempo "Quasi Allegro"
                r16\ff
                a'^\markup { \italic { sempre con 8 \underline va }
                   }
                [ c a] e'[ c f d] r gis,[ b gis] d'[ b e c] |
                r16 fis,[ a fis] r c'[ a f] r e[ g e] r bes'[ g es] |
                r16 d[ fis a] r f[ d b] r c[ e g] r es[ c a] |
               }
    \new Staff {
                \clef bass 
                a8 r8 r4 a8 r8 r4 |
                a8 r8 a,4( a8) r8 a,4( |
                a8) r gis r g r fis r |
    }
   >>
    \new Staff {\clef bass s4.. r1 | r1 | r1 |
    }
 >>

つぎイ長調いちょうちょうとなり、アダージョ部分ぶぶんとなる。アダージョ主題しゅだいおもに2つのフレーズから構成こうせいされており、音色ねいろ音域おんいきかえされ、コラール主題しゅだいわされるなどしていた進行しんこうをみせる[12]最後さいごにコラール主題しゅだい半分はんぶんおと再現さいげんされると、きゅうながばしていち呼吸こきゅうく。つづいてこれまでの2ばい速度そくどとなってトッカータ主題しゅだい回帰かいき[ちゅう 1]、16ふん音符おんぷ急速きゅうそくうごきがえずひろげられるなかコラール主題しゅだいかおをのぞかせてくる。クレッシェンドののち頂点ちょうてんたっすると、16ふん音符おんぷおとがた伴奏ばんそうにイ短調たんちょうでコラール主題しゅだい姿すがたあらわす。これによって荘厳そうごんなクライマックスを形成けいせいし、最後さいごイ長調いちょうちょうしゅ和音わおん全曲ぜんきょくまくじる[14]

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ 直前ちょくぜんの2ばいとなった結果けっか、トッカータ主題しゅだいきょく冒頭ぼうとうおなじテンポでそうされる(Le double plus vite(Mouvt du commencement))よう指示しじされている[13][14]

出典しゅってん

  1. ^ a b c d 矢代やしろ, p. 38.
  2. ^ 矢代やしろ, p. 25-26.
  3. ^ 矢代やしろ, p. 25.
  4. ^ a b c d 矢代やしろ, p. 39.
  5. ^ a b c IMSLP: Franck 3 Chorals for Organ”. 2013ねん12月15にち閲覧えつらん
  6. ^ 矢代やしろ, p. 39-40.
  7. ^ 矢代やしろ, p. 41.
  8. ^ 矢代やしろ, p. 41-42.
  9. ^ a b Score, Choral No.1 in E major” (PDF). デュランしゃ (1909ねん). 2013ねん12月15にち閲覧えつらん
  10. ^ a b 矢代やしろ, p. 42.
  11. ^ a b Score, Choral No.2 in B minor” (PDF). デュランしゃ (1909ねん). 2013ねん12月15にち閲覧えつらん
  12. ^ a b c 矢代やしろ, p. 45.
  13. ^ 矢代やしろ, p. 47.
  14. ^ a b Score, Choral No.3 in A minor” (PDF). デュランしゃ (1909ねん). 2013ねん12月15にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

  • 矢代やしろ, 秋雄あきお最新さいしん名曲めいきょく解説かいせつ全集ぜんしゅう だい16かん 独奏どくそうきょくIII』音楽之友社おんがくのともしゃ、1981ねん 
  • 楽譜がくふ Franck Trois Chorals, Durand, Paris, 1909.

外部がいぶリンク