オーニソプター
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/41/Skybird.gif)
オーニソプター(
概要
しかしながら、
用語
"Ornithopter" の
はばたき
年表
18世紀 以前
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d4/Design_for_a_Flying_Machine.jpg/200px-Design_for_a_Flying_Machine.jpg)
- 1490
年 にレオナルド・ダ・ヴィンチがオーニソプターの設計 図 を描 く。ダ・ヴィンチのそれは単 なる空想 ではなく、トビなどの鳥 をつぶさに観察 し、羽 ばたきの仕組 みや骨格 などを詳 しく調 べた結果 のものであった。いくつかのタイプがあるがどれも主 に脚力 を利用 して羽 ばたく構造 で、実際 に製作 されたという説 もある[3]。 - 1678
年 : フランスの錠前 師 ベスニエ(Besnier)が、羽 ばたき式 飛行 具 (両 端 に翼 面 のある棒 二 本 を両 肩 に担 ぎ、前 の方 を握 り、それぞれの後端 と両足 を結 んでバタ足 の要領 で羽 ばたく形式 )を作 る。屋上 から飛 び降 りて無事 に着地 したと言 われる。[4][5] - 1742
年 : フランスでド・バックヴィル侯爵 (de Bacqueville)が昆虫 の羽 を参考 に作 った4枚 の翼 を四肢 に取 り付 け、飛行 を試 みるがセーヌ川 に墜落 。[4][5][6] - 1781
年 : バーデン大公 国 (南 ドイツ)のカルル・フリードリヒ・メールヴァインが、鳥 の翼 面 荷重 を検討 した結果 として翼 面積 126平方 フィート(約 12m2)の人力 オーニソプターを製作 。翼 は主 に腕 の力 で動 かされた。一回 目 の飛行 試験 は失敗 。1784年 8月 4日 、改良 型 による二 度目 の試験 では150mを飛 んだとも伝 えられるが、出発 点 は高所 であったと思 われ[6]、また短 い滑空 をしただけという説 もある[7]。 - 1781
年 :三河 国 の戸田 太郎 太夫 が飛行 実験 を行 ったとされる。 - (1783
年 : モンゴルフィエ兄弟 が熱 気球 を、ジャック・シャルルが水素 気球 を発明 。人類 が現実 に、確実 に飛行 できるようになる。) - 1785
年 (天明 5年 ):備前 の表具 師 浮田 幸吉 が鳩 の翼 と体重 を検討 して翼 を作 り、橋 の欄干 から飛 び降 りて軟着陸 (羽 ばたいたとも滑空 したとも。[8] - 1780
年代 :琉球 の花火 師 飛 び安里 が竹 の弾力 を利用 した人力 オーニソプターを作 る(グライダーだったとも)。
19世紀
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/01/J_Degans_ornithopter_1812.gif/366px-J_Degans_ornithopter_1812.gif)
- 1801
年 : フランスのギヨーム・レスニエ(Gillaume Resnier)、翼 長 6mの人力 オーニソプターで飛行 を試 みる。少 なくとも高所 からの滑空 には成功 した。 - 1809
年 : ウィーンの時計 職人 ヤーコプ・デーゲン(Jakob Degen、スイス人 )が、小型 の気球 で重量 の大半 を支 える形式 の人力 オーニソプターを製作 。1810年 12月6日 、ルクセンブルクで公開 飛行 。1812年 7月 7日 にはパリで(半時 間 で数 kmの)公開 飛行 。[7][9][10] - 1810
年 : イギリス人 トーマス・ウォーカー、尾翼 のある一人 乗 りオーニソプター(動力 式 ?)を考案 。[9] - 1811
年 : “ウルムの仕立 て屋 ”アルプレヒト・ベルブリンガー、デーゲンの影響 を受 けて人力 オーニソプターを作 る。5月31日 、ウルムにて公開 飛行 に失敗 (ドナウ川 に墜落 )。[7] - (19
世紀 前半 にはジョージ・ケイリー卿 が揚力 と推力 を分離 する方法 を考案 。固定 翼 機 への道 を開 く。)ケイリーは1817年 、羽 ばたき翼 により推進 される飛行船 (蒸気 機関 を動力 とする)も構想 している。 - 1852
年 : フランス人 ルイ・ルトゥールがパラシュートと組 み合 わされた人力 オーニソプターを製作 。1854(?)年 、気球 から落 とされる実験 で、木 にひっかかり死亡 [9]。(※[5]によると「フランコ・ラトゥール」が1853年 6月 22日 、ロンドンで墜死 ) - 1854
年 : ブレアン、蝶 のような形 の翼 を持 った人力 オーニソプターを製作 (未 製作 ?)。腕力 で打 ち下 ろし、ゴムの張力 で引 き上 げる構造 だった。[11][12][13] - 1860
年 : スミシーズ、動力 (蒸気 機関 )オーニソプターを設計 (製作 ?)。[12][13] - 1865(4?)
年 : ストリューヴェ(シュトルーフェ)とテレシェフ、多 翼 (数 対 の翼 を備 えた)オーニソプターを設計 。[12][13] - 1867
年 : オットー・リリエンタールと弟 のグスターフ、実験 により人力 オーニソプターを見捨 てる[14]。(※重量 の一 割 程度 の揚力 しか得 られないことが判明 したため) - 1868(9?)
年 : イギリス人 ジョゼフ・カウフマンが翼 長 21m、重量 2.4トン、蒸気 機関 を動力 とする羽 ばたき機 を計画 。実際 に作 られた重量 18kgの動力 模型 は離陸 できず。[9][15]
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/48/Flying_machine_of_de_Groof.jpg/200px-Flying_machine_of_de_Groof.jpg)
- 1874
年 : ベルギーの靴 屋 デ・グルーフ(Vincent de Groof、フローフとも表記 )が翼 長 10m以上 で尾翼 のある人力 オーニソプターを製作 。ブリュッセルで一 度目 の実験 (飛行 できず?)。7月9日 、ロンドンで二 度目 の実験 。気球 に吊 られて高度 数 百 mまで運 ばれた後 、宙 に放 たれるが飛行 できず墜落 死 した。[4][7][15][16] - 1870
年代 : フランスで、相次 いで動力 式 の模型 オーニソプターが作 られる。これらは飛行 した。- ギュスターヴ・トルーヴェは1870
年 、火薬 の爆発 で動 く模型 オーニソプターをフランス科学 アカデミーにて70m飛行 させた。ジョベール(Jobert)は1871年 に、ド・ヴィルヌーヴ(Hureau de Villeneuve)は1872年 にゴム動力 の模型 を飛 ばした。航空 の父 アルフォンス・ペノーや、1879年 の固定 翼 動力 模型 機 で有名 になるヴィクトル・タタンもゴム動力 の模型 オーニソプターを作 っていた。[9][12][13][14]
- ギュスターヴ・トルーヴェは1870
- 1883
年 : ペテルスブルクのブラノフスキー教授 、プロペラと羽 ばたきを併用 する動力 模型 機 を作 る。[13] - 1880
年代 - 90年代 : フランス科学 アカデミーのE・J・マレーが、「連続 記録 写真 箱 」によって鳥 の運動 を分析 する。
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/76/Lilienthalgleiter_modelle.jpg/250px-Lilienthalgleiter_modelle.jpg)
- 1893
年 : リリエンタールが動力 (圧縮 空気 エンジン)式 オーニソプターの特許 を取得 。主翼 本体 ではなく、翼 端 に取 り付 けた小 翼 を動 かす形式 だった。1894年 に小型 機 (No.16)を、1896年 に大型 機 (No.17)を製作 。[7][14] - 1890
年 ごろ:箱 凧 で知 られるローレンス・ハーグレイヴ、数 機 の動力 式 オーニソプターを製作 。リリエンタールのものと同様 に小 翼 が羽 ばたいて推力 を生 む機構 だった。
20世紀
- (1903
年 : ライト兄弟 が、固定 翼 機 による動力 飛行 を成功 させる。) - 1929
年 : アレクサンダー・リピッシュ設計 の人力 オーニソプターが(カタパルトで発射 された後 )約 300mを飛行 した。 - 1933
年 : グスターフ・リリエンタール(オットーの弟 )、動力 オーニソプターの研究 を続 けていたが成果 の得 られないまま病死 。[7] - 1942
年 : アダルベルト・シュミット(Adalbert Schmid)が動力 オーニソプター(固定 翼 の後 ろに羽 ばたき翼 を持 つ)を15分間 飛 ばす。
21世紀
- 2006
年 : トロント大学 航空 宇宙 研究所 (UTIAS)が24馬力 のオーニソプター"UTIAS Ornithopter No.1"を300メートルほど飛行 させる。ただしジェットエンジンの補助 による離陸 であった。[17] - 2010
年 8月 2日 :トロント大学 の学生 チームが国際 航空 連盟 の立会 いの下 19.3秒間 の世界 初 の人力 オーニソプターによる持続 飛行 に成功 。[18]
フィクション
- 『
世界 の支配 者 』(SF小説 、ジュール・ヴェルヌ著 、榊原 晃 三 訳 、集英社 文庫 ) - 『
獣 の数字 』(SF小説 、ロバート・A・ハインライン著 、矢野 徹 訳 、早川書房 ) - 『デューン』(SF
小説 、フランク・ハーバート著 、矢野 徹 訳 、ハヤカワ文庫 SF) - 『ホークムーン』(ファンタジー
小説 、マイケル・ムアコック著 、創 元 推理 文庫 ) - 『オーニソプター
開発 秘史 』(短編 SF小説 、ジャン・ラース・ジャンセン、嶋田 洋一 訳 、SFマガジン2001年 (平成 13年 )8月 号 ) - 『
天空 の城 ラピュタ』(長編 アニメ映画 )-フラップターという名 の羽 ばたき機 が登場 するほか、主人公 パズーが製作 中 の機体 や、彼 が所有 するゴム動力 模型 なども登場 する。 - 『
空想 の空 飛 ぶ機械 達 』(短編 アニメ映画 ) - 『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』(SF
映画 ) - 『パタパタ
飛行船 の冒険 』(TVアニメ)-飛行機 ではなく飛行船 。推進 力 は羽根 。 - 『
甲 鉄 傳 紀 シリーズ』(Flashアニメ、弥栄 堂 )-『オーニソプター』では飛行 させられる玩具 として登場 。『通勤 大戦 争 』では、旋回 機銃 を装備 した軍用 偵察 オーニソプターが登場 する。 - 『ハウルの
動 く城 』(長編 アニメ映画 ) - 『マジック:ザ・ギャザリング』(トレーディングカードゲーム、
小説 、漫画 )-日本語 版 では「羽 ばたき飛行 機械 」 - 『ヤング・シャーロック / ピラミッドの
謎 』(映画 、1985年 スピルバーグ製作 ) - 『そらのおとしもの』(TVアニメ)-
作中 に羽撃 いて飛 ぶ「空 飛 ぶパンツ」達 (作中 では渡 り鳥 を模 した生 き物 のようなものとして描写 されている。SR-71を追 い越 すときには翼 を固定 し着用 時 股間 に当 たる部分 からジェットを噴射 )が登場 、野尻 抱 介 監修 の元 模型 飛行機 化 された。
出典
- ^ a b "ornithopter". Merriam-Webster Dictionary.
- ^ Delany, Samuel R. (Nov 1990). “On "Triton" and Other Matters: An Interview with Samuel R. Delany”. Science Fiction Studies 17 (3): 295 .
- ^ アレン・アンドルーズ『
空 飛 ぶ機械 に賭 けた男 たち』草 思 社 、1979年 (昭和 54年 ) - ^ a b c
有川 英夫 『講談社 カラー大 図鑑 飛行機 』講談社 、1980年 (昭和 55年 ) - ^ a b c
山本 忠敬 『飛行機 の歴史 』福音館書店 、1999年 (平成 11年 )、ISBN 4-8340-1585-8 - ^ a b John D Anderson, Jr. "A History of Aerodynamcs" Cambridge University Press, 1998
- ^ a b c d e f ロルフ・シュトレール『
航空 発達 物語 (上 ) -空 飛 ぶ夢 の実現 』白水 社 、1965年 (昭和 40年 ) - ^
竹内 正 虎 『日本航空 發達 史 』相模 書房 、1940年 (昭和 15年 )など - ^ a b c d e C・H・ギブズ=スミス『ライト
兄弟 と初期 の飛行 』東京 図書 、1979年 - ^ アンソニー・ウィルソン『
交通 の歴史 :写真 でたどる人類 の創造 の歴史 』学習研究社 、1996年 、ISBN 4-05-200534-1 - ^ スティーブ・パーカー『
航空機 - その種類 と発達 のようす』評論 社 、1996年 (平成 8年 )、ISBN 4-566-02029-0 - ^ a b c d エンツォ・アンジェルッチ『
図説 飛行機 大 事典 』講談社 、1974年 (昭和 49年 ) - ^ a b c d e チャールズ・シンガー
他 『技術 の歴史 (9) -鉄 の時代 (上 )』筑摩書房 、1979年 (昭和 54年 ) - ^ a b c
根本 智 『パイオニア飛行機 ものがたり』オ ーム社 、1996年 (平成 8年 )、ISBN 4-274-02314-1 - ^ a b レオナルド・デ・フェリス『
図説 創造 の魔術 師 たち - [19世紀 ]発明 家 列伝 』工学 図書 株式会社 、2002年 (平成 14年 )、ISBN 4-7692-0432-9 - ^ Vincent De Groof de vliegende plafoneur
- ^ Hein, Treena (2006
年 10月 12日 ). “The world's first flying ornithopter” - ^ Dowd, Allan (2010
年 9月 23日 ). “Canadian ornithopter achieves Da Vinci's dream”