エネルギー収支しゅうし

エネルギー収支しゅうし（エネルギーしゅうし、英えい: energy balance）または熱ねつ収支しゅうし（ねつしゅうし）とは、ある系けいに入はいり込こんだエネルギー量りょうと出でていったエネルギー量りょう、および系けいの内部ないぶでの発熱はつねつ、吸熱の総和そうわを指さす。エネルギー保存ほぞんの法則ほうそくにより、これらの量りょうは

(系けいがもつ熱量ねつりょうの変化へんか) = (系けいに入はいる熱量ねつりょう) - (系けいから出でる熱量ねつりょう) + (系けい内部ないぶの発熱はつねつ量りょう) - (系けい内部ないぶの吸熱量りょう)

という関係かんけいを持もつ。系けいが定常ていじょう状態じょうたいにある場合ばあいは左辺さへんが 0 であるため、右辺うへんは差さし引ひきのバランスを保たもつ。この考かんがえ方かたは、基本きほん的てきに物質ぶっしつ収支しゅうしと同様どうようであるが、エネルギー収支しゅうしを考かんがえる場合ばあいは特とくに基準きじゅん温度おんどのとり方かたに注意ちゅういを要ようする。

化学かがく工学こうがくでエネルギー収支しゅうしを考かんがえる場合ばあいには、運動うんどうエネルギー1/2u² 、位置いちエネルギーgz 、エンタルピーH および外部がいぶからの仕事しごとW や熱ねつQ を考かんがえなくてはならない。収支しゅうし式しきは

$gz_{1}+{\frac {1}{2}}u_{1}^{2}+H_{1}+W+Q=gz_{2}+{\frac {1}{2}}u_{2}^{2}+H_{2}$

で表あらわされる。しかし、化学かがくプロセスでは、位置いちエネルギー、運動うんどうエネルギーおよび仕事しごとなどによるエネルギー変化へんか量りょうが、エンタルピーや熱ねつエネルギーの変化へんか量りょうに比くらべて極きわめて小ちいさいことが多おおい。この場合ばあい、単たんに次つぎ式しきに示しめすようなエネルギー収支しゅうしを考かんがえれば十分じゅうぶんとなる。

$H_{2}-H_{1}=Q$

参考さんこう文献ぶんけん

• 山本やまもと恒雄つねお『化学かがく工学こうがく』（3版はん）槇まき書店しょてん、22頁ぺーじ。ISBN 4-8375-0690-9。 

関連かんれん項目こうもく

• エネルギー収支しゅうし比ひ
• 地球ちきゅうのエネルギー収支しゅうし