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栗栖くりす浩ひろし二郎じろう

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栗栖くりす浩ひろし二郎じろう（くりす　こうじろう、1937年ねん5月5日にち-）、広島ひろしま県けん可部かべ町まち出身しゅっしんの解剖かいぼう学者がくしゃ、発生はっせい学者がくしゃ。九州大学きゅうしゅうだいがく歯学部しがくぶ教授きょうじゅと大阪大学おおさかだいがく歯学部しがくぶ教授きょうじゅを歴任れきにん[1]。

人物じんぶつ

学位がくい取得しゅとくで行おこなったテーマは形質けいしつ人類じんるい学がくであったが、インドネシアのサラワクではフィールドワークを行おこない、かつ当時とうじでは珍めずらしかった多た変量へんりょう解析かいせきによって結果けっか分析ぶんせきをした[2][3]。計算けいさんには東京大学とうきょうだいがくにしかなかった大型おおがた計算けいさん機きを用もちい、自分じぶんで書かいたプログラムをパンチカードに打うち込こんで郵送ゆうそうし、結果けっかを送おくり返かえしてもらうというやりとりをしながら進すすめたという[4]。

こうした一連いちれんの研究けんきゅうが認みとめられて、1972年ねん、米国べいこくNIHに留学りゅうがくする機会きかいを得えたが、帰国きこく後ごは、歯はの発生はっせいを追究ついきゅうするために、電子でんし顕微鏡けんびきょう観察かんさつ、免疫めんえき学がく、発生はっせい学がく、組織そしき培養ばいようなどの手法しゅほうを取とり入いれた研究けんきゅうを行おこなった[1]。九州大学きゅうしゅうだいがく時代じだい(1971年ねん～1991年ねん)は久ひさし木田きだ敏夫としお、稲井いない哲あきら一郎いちろう、原田はらだ英光ひでみつらを育そだて、大阪大学おおさかだいがく時代じだい（1991年ねん～2001年ねん）は脇坂わきさか聡さとし、岩本いわもと容ひろし泰たい、田畑たばた純じゅん、松村まつむら達志たつしらを育そだてた。

歯学部しがくぶの基礎きそ教室きょうしつは歯はに関かんするテーマをやるべきだという信念しんねんのもと、さまざまな技法ぎほうをとりいれ、人材じんざいを集あつめて、研究けんきゅうを行おこなった[4]。特とくに大阪大学おおさかだいがく時代じだいは歯は胚はい発生はっせいの研究けんきゅうを精力せいりょく的てきに行おこない、器官きかん培養ばいようとアンチセンス法ほうを組くみ合あわせて[5]、HGF[6][7]、PTHrP[8]、BMP4[9]、Lhx8[10] などの機能きのう研究けんきゅうで業績ぎょうせきをあげた。

経歴けいれき

広島ひろしま市しの私立しりつ修道しゅうどう中学ちゅうがく、修道しゅうどう高校こうこうを経へて、大阪大学おおさかだいがく歯学部しがくぶに進すすむ

1963年ねん3月がつ　大阪大学おおさかだいがく歯学部しがくぶ卒業そつぎょう（10回生かいせい）

1963年ねん4月がつ　大阪大学おおさかだいがく大学院だいがくいん医学いがく研究けんきゅう科か入学にゅうがく（解剖かいぼう学がく第だい二に講座こうざ：小しょう濱はま基次もとつぐ教授きょうじゅ）

1967年ねん3月がつ　「北海道ほっかいどう有珠うす遺跡いせき出土しゅつど人骨じんこつの人類じんるい学がく的てき研究けんきゅう」[11]で学位がくい取得しゅとく（医学いがく博士はかせ）

1967年ねん4月がつ　大阪大学おおさかだいがく医学部いがくぶ助手じょしゅ（解剖かいぼう学がく第だい二に講座こうざ）

1968年ねん12月　大阪大学おおさかだいがく歯学部しがくぶ助手じょしゅ（口腔こうくう解剖かいぼう学がく第だい二に講座こうざ）

1971年ねん2月がつ　九州大学きゅうしゅうだいがく歯学部しがくぶ助教授じょきょうじゅ（口腔こうくう解剖かいぼう学がく第だい二に講座こうざ：赤井あかい三千夫みちお教授きょうじゅ）

1972年ねん11月～1974年ねん2月がつ　米国べいこくNIH客員きゃくいん研究けんきゅう員いん

1977年ねん4月がつ　九州大学きゅうしゅうだいがく歯学部しがくぶ教授きょうじゅ（口腔こうくう解剖かいぼう学がく第だい二に講座こうざ）

1991年ねん11月　大阪大学おおさかだいがく歯学部しがくぶ教授きょうじゅ（口腔こうくう解剖かいぼう学がく第だい一いち講座こうざ）

1993年ねん5月がつ～1995年ねん4月がつ　大阪大学おおさかだいがく評議ひょうぎ員いん

1998年ねん3月がつ～2000年ねん3月がつ　大阪大学おおさかだいがく歯学部しがくぶ附属ふぞく歯科しか技工ぎこう士し学校がっこう校長こうちょう（兼任けんにん）

2000年ねん4月がつ　大学院だいがくいん部局ぶきょく化かによる配置はいち換かえで大阪大学おおさかだいがく大学院だいがくいん医い歯学しがく総合そうごう研究けんきゅう科か教授きょうじゅ（口腔こうくう分化ぶんか発育はついく情報じょうほう学がく講座こうざ）

2001年ねん3月がつ　大阪大学おおさかだいがく歯学部しがくぶ　定年ていねん退職たいしょく

2001年ねん4月がつ　大阪おおさか行ゆき岡おか医療いりょう大学だいがく理学りがく療法りょうほう学科がっか教授きょうじゅ

2018年ねん3月がつ　大阪おおさか行ゆき岡おか医療大いりょうだい学がく　退職たいしょく

2020年ねん5月がつ　瑞みず宝たから中ちゅう綬章じゅしょうを褒賞ほうしょうされる

[1][12]

主おもな研究けんきゅう業績ぎょうせき

＜大阪大学おおさかだいがく医学部いがくぶ＞

  • インドネシア・サラワクにおける形質けいしつ人類じんるい学がく
  • 有珠うす遺跡いせき出土しゅつど人骨じんこつの形質けいしつ人類じんるい学がく

＜九州大学きゅうしゅうだいがく歯学部しがくぶ＞

  • 口蓋こうがい裂きれ発生はっせい機き序じょの解析かいせき
  • 歯はの発生はっせいに関かんする免疫めんえき組織そしき化学かがく的てき研究けんきゅう
  • エナメル芽め細胞さいぼうの初代しょだい培養ばいよう系けいの確立かくりつ

＜大阪大学おおさかだいがく歯学部しがくぶ＞

  • 歯は胚はいに発現はつげんする遺伝子いでんしの機能きのう解析かいせき

[1]

著書ちょしょ

  • 分担ぶんたん執筆しっぴつ『歯科しか医学いがく大だい事典じてん』医歯薬出版いしやくしゅっぱん 1987
  • 分担ぶんたん執筆しっぴつ『口腔こうくうの発生はっせいと組織そしき』南山みなみやま堂どう 1989
  • 分担ぶんたん執筆しっぴつ『歯はの解剖かいぼう学がく入門にゅうもん』医歯薬出版いしやくしゅっぱん 1990
  • 分担ぶんたん執筆しっぴつ『歯科しか医学いがく・歯科しか医療いりょう総論そうろんI』医歯薬出版いしやくしゅっぱん 1990
  • 分担ぶんたん執筆しっぴつ『簡明かんめい口腔こうくう組織そしき学がく』医歯薬出版いしやくしゅっぱん 1993
  • 分担ぶんたん執筆しっぴつ『ノックアウトマウス・データブック』中山なかやま書店しょてん 1997
  • 分担ぶんたん執筆しっぴつ『口腔こうくうの発生はっせいと組織そしき　第だい2版はん』南山みなみやま堂どう 1998
  • 分担ぶんたん執筆しっぴつ『歯科しかインプラント』先端せんたん医療いりょう技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ 2000

[1]

参考さんこう

  1. ^ a b c d e 栗栖くりす浩二こうじ郎ろう教授きょうじゅ退官たいかん記念きねん業績ぎょうせき集しゅう (2001)
  2. ^ 栗栖くりす浩ひろし二郎じろう：サラワクの人類じんるい学がく的てき研究けんきゅう．日本人にっぽんじん類るい学会がっかい誌し 22: 17-22 (1967)
  3. ^ 栗栖くりす浩ひろし二郎じろう：ロング・ハウスの住人じゅうにんたち. 日本にっぽん熱帯ねったい医い学会がっかい雑誌ざっし 4(2): 10-11 (1969)
  4. ^ a b 栗栖くりす浩ひろし二郎じろう:解剖かいぼう学がく研究けんきゅう38年ねんを顧かえりみて. 栗栖くりす浩二こうじ郎ろう教授きょうじゅ退官たいかん業績ぎょうせき集しゅう p7-13 (2001)
  5. ^ 田畑たばた純じゅん, 栗栖くりす浩ひろし二郎じろう: アンチセンス法ほうと器官きかん培養ばいよう法ほうによる歯は胚はい発生はっせいの研究けんきゅうへのアプローチ. Arch. Comp. Biol. Tooth Enamel, 6: 19 - 33 (1999)
  6. ^ Tabata MJ, Kim K, Liu JG, Yamashita K, Matsumura T, Kato J, Iwamoto M, Wakisaka S, Matsumoto K, Nakamura T, Kumegawa M and Kurisu K: Hepatocyte growth factor is involved in the morphogenesis of tooth germ in murine molars. Development, 122: 1243 - 1251 (1996)
  7. ^ Tabata MJ, Matsumura T, Liu JG, Wakisaka S and Kurisu K. Expression of cytokeratin 14 in ameloblasts-lineage cells of developing tooth of rat tooth both in vivo and in vitro. Arch. Oral Biol, 41: 1019 - 1027 (1996)
  8. ^ Liu JG, Tabata MJ, Yamashita K, Matsumura T, Iwamoto M and Kurisu K. Developmental role of PTHrP in murine molars. Eur J Oral Sci, 106(s1): 143 - 146 (1998)
  9. ^ Tabata MJ, Fujii T, Liu J-G, Ohmori T, Abe M, Wakisaka S, Iwamoto M, and Kurisu K: Bone morphogenetic protein 4 is involved in cusp formation in molar tooth germ of mice. Eur. J. Oral Sci. 110: 114-120 (2002)
  10. ^ Shibaguchi T, Kato J, Abe M, Tamamura Y, Tabata MJ, Liu J-G, Iwamoto M, Wakisaka S, Wanaka A, and Kurisu K: Expression and role of Lhx8 in murine tooth development. Arch. Histol. Cytol. 66:95-108 (2003)
  11. ^ 栗栖くりす浩ひろし二郎じろう:北海道ほっかいどう有珠うす遺跡いせき出土しゅつど人骨じんこつの人類じんるい学がく的てき研究けんきゅう. 大阪大学おおさかだいがく医学部いがくぶ博士はかせ論文ろんぶん(1967)
  12. ^ 私信ししん
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