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アイバニーズ・アイスマン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アイバニーズ・アイスマン
メーカー/ブランド アイバニーズ
製造せいぞう時期じき 1975ねん -
構造こうぞう
ボディタイプ ソリッド
テンプレート | カテゴリ

アイバニーズ・アイスマンは、星野ほしの楽器がっきアイバニーズブランドで販売はんばいするエレクトリック・ギター名称めいしょうである。

歴史れきし[編集へんしゅう]

星野ほしの楽器がっき1950年代ねんだいにアメリカせいのエレクトリック・ギターやアコースティック・ギターのコピー製品せいひんをアメリカに輸出ゆしゅつしていた。1970年代ねんだい中期ちゅうきになると、アイバニーズブランドのギターの外観がいかんはコピーもと製品せいひん酷似こくじする出来でき製品せいひんとなった。くわえて当時とうじ日本にっぽん安価あんか労働ろうどうりょくと$/えん為替かわせ差額さがくのおかげで、ギブソン・レスポールフェンダー・ストラトキャスターといったギターの半額はんがく程度ていど、もしくはそれ以下いかでの販売はんばい可能かのうになっていた。

その1970年代ねんだい中期ちゅうきに、ギブソンやフェンダーのコピー製品せいひんからの脱却だっきゃくはかるべく、アイバニーズとしての魅力みりょくてきなオリジナルデザインのギター製造せいぞう開始かいしすることとなり、星野ほしの楽器がっき神田かんだ商会しょうかい富士ふじ弦楽器げんがっき製造せいぞうげんフジゲンあいだおこなわれた会議かいぎ商品しょうひん開発かいはつおこなわれた。富士ふじ弦楽器げんがっき製造せいぞうつくられたこのギターは、日本にっぽん国外こくがいでは星野ほしの楽器がっきが「アイスマン」の名前なまえでアイバニーズブランドで販売はんばい日本にっぽん国内こくないでは「ミラージュ」という商品しょうひんめい神田かんだ商会しょうかいグレコブランドで販売はんばいすることになった。

アイバニーズ・アイスマンとグレコ・ミラージュは基本きほんてきおなじモデルではあるが操作そうさけいのレイアウトや振動しんどうけいパーツのデザインはおおきくことなる。1975ねんから1983ねんあいだ製造せいぞうされ、セットネックタイプやボルトオンタイプなどの様々さまざまなモデルと価格かかく設定せっていされた。初期しょきのアイスマンはアイバニーズ・アーティスト・モデルのひとつであったが、1978ねんにアイスマンという名称めいしょうわった。この経緯けいいには後述こうじゅつするアメリカのロックバンドキッスのボーカリストポール・スタンレーのシグネチャーモデルとしてのかかわりがおおきい。1982ねん - 1983ねんになるとアイスマンIIが製造せいぞう販売はんばいされたが、これはオリジナルモデルとことなるヘッドをち、同列どうれつに6のペグをつデザインとなり、そのの1990年代ねんだいにも継続けいぞくてき初期しょきモデルのリイシューや形状けいじょうのみ流用りゅうようされたシグネチャーモデルなどが製造せいぞう販売はんばいされている。

世界せかいてき販売はんばい成功せいこうをおさめた1980ねん前後ぜんこうには、アイスマンのコピーモデルが国内外こくないがいメーカー複数ふくすうしゃから製造せいぞう販売はんばいされていたことが確認かくにんされている。

アイバニーズ・アーティスト・モデル[編集へんしゅう]

1975ねんのアイバニーズカタログには、ピックアップをはじめとするかくスペックはことなるが形状けいじょうはアイスマンと同一どういつのギターが記載きさいされている。これにはアイバニーズ・アーティスト・モデルのひとつとして「2663」というモデルナンバーがあたえられていた。

キッス、ポール・スタンレーとアイスマン[編集へんしゅう]

1976ねん公演こうえんのために訪日ほうにちしたキッスは、アイバニーズよりポール・スタンレーのシグネチャーモデルの開発かいはつふく契約けいやく依頼いらいけた。アイバニーズ・アーティスト・モデルのひとつである2663の形状けいじょうったスタンレーは、このモデルにかれのアイデアをむようにもうた。そのカタログモデルが1978ねんからのアイスマンである。実際じっさいにスタンレー自身じしんもそのやく4年間ねんかん頻繁ひんぱんにアイスマンを使用しようしており、アルバム『KISS ALIVE II』の写真しゃしんや、そのおおくのライブ写真しゃしん映像えいぞう確認かくにんすることができる。

1978ねんのカタログには、該当がいとうする項目こうもくに「アイバニーズ・アーティスト・モデル」「アイスマンシリーズ」の併記へいきや「アイスマンシリーズ」単独たんどく表記ひょうきがある。アイバニーズ・アーティスト・モデル記載きさいページにさきの2663かアイスマンか特定とくていできないギターをトム・ペティ写真しゃしん存在そんざいする。しかし、アイスマンを世界せかいてき有名ゆうめいにしたのは、PS10(PS-10、ポール・スタンレーモデルとも表記ひょうきされる)とばれるモデルである。カタログにはこのモデルをつスタンレーの写真しゃしん掲載けいさいされている。また、PS10以外いがいほかのアイスマンの型番かたばんはIC100、IC200などICではじまっており、モデルナンバーからもPS10はアイスマンシリーズのなか特別とくべつなモデルとされていた。

2663とアイスマン[編集へんしゅう]

前述ぜんじゅつとおりアイスマンシリーズにはIC100、IC200、PS10などのモデルナンバーがいていた。ポール・スタンレー使用しよう同時どうじはじまったアイスマンの名称めいしょうであるが、1978ねん以降いこうに2663の名称めいしょう消失しょうしつしたというわけではない。

当時とうじ資料しりょう[なんの?]によると、一般いっぱんユーザーがるモデルナンバーとはべつにIDナンバーというものもあり、IC100には「2662」、IC200には「2663」というIDナンバーがそれぞれいていた。PS10にはIDナンバーは存在そんざいしていなかった。1981ねんにはIC100、IC200ははいばんになりほかのアイスマンシリーズはPS10をふくむ5種類しゅるいほどになった。このときになってはじめてアイスマンシリーズからIDナンバーがなくなっている。

スペック[編集へんしゅう]

アイバニーズ・アイスマン・IC200 (1978ねんアイバニーズカタログから引用いんよう

  • BODY: Mahogany
  • NECK: 3 piece Maple (Thru Neck)
  • FINGERBOARD: Rosewood
  • PICKUPS: Super 80
  • CONTROLS: 2 Volume & 2 Tone, 3 way switch
  • TUNERS: Velvetune II
  • BRIDGE & TAILPIECE: Gibraltar & Quik-Change (r)
  • HARDWARE: Chrome

過去かこ販売はんばいされたカタログモデル[編集へんしゅう]

  • 1978ねん:IC400、IC300、IC210、IC200、IC100BK、IC100WH、PS10
  • 1996ねん:IC300BK、ICJ100WZ (J.model)、PS10CL、PS10II

シリアルナンバー[編集へんしゅう]

形式けいしきは「MYYPPPP」となる。1987ねんまで富士ふじ弦楽器げんがっき製造せいぞうのアイバニーズブランドはこの形式けいしき使用しようされた。

  • M = 製造せいぞうがつ(A=1がつ、B=2がつ、……K=11月、L=12月)
  • YY = 製造せいぞうねん (79=1979)
  • PPPP = 製造せいぞう番号ばんごう

おも使用しようしゃ[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

  • スティーブ・ミラー:1975ねんごろにアイバニーズと契約けいやくしたプロミュージシャンの一人ひとり2663モデルとおもわれるギター[よう出典しゅってん]をフォトセッションだけではなくアルバム録音ろくおん使用しようした。