(Translated by https://www.hiragana.jp/)
アカゲザル - Wikipedia コンテンツにスキップ

アカゲザル

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アカゲザル
アカゲザル Macaca mulatta
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約じょうやく附属ふぞくしょII[2]
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 哺乳ほにゅうつな Mammalia
: 霊長れいちょう Primate
: オナガザル Cercopithecidae
: オナガザル Cercopithecinae
ぞく : マカクぞく Macaca
たね : アカゲザル M. mulatta
学名がくめい
Macaca mulatta
(Zimmermann1780)[3]
和名わみょう
アカゲザル[3]
英名えいめい
Rhesus macaque[3]
Rhesus monkey[3]
アカゲザルの生息分布(アジア)
在来ざいらい分布ぶんぷいき

アカゲザル赤毛猿あかげざるMacaca mulatta)は、哺乳ほにゅうつな霊長れいちょうオナガザルマカクぞく分類ぶんるいされるサルの一種いっしゅ実験じっけん動物どうぶつとして利用りようされるほか、日本にっぽんでは野生やせいしている外来がいらいしゅである[4]

形態けいたい

[編集へんしゅう]
アカゲザルの映像えいぞう

あたまどうちょう47-64cm、尾長おなが19-30cm、体重たいじゅう5-9kg[5][6]体毛たいもう褐色かっしょくで、上半身じょうはんしんはより灰色はいいろがかり、下半身かはんしん赤色あかいろまたは黄色おうしょくがかる[3]たね小名しょうみょう''mulattaは「混血こんけつの」の[3]ふとく、あたまどうちょう半分はんぶん程度ていどながさがある[3]

分布ぶんぷ

[編集へんしゅう]

アフガニスタン東部とうぶからインド北部ほくぶ中国ちゅうごく南部なんぶ海南かいなんしょうみなみわん猿島さしま自然しぜん保護ほごなど)にかけて分布ぶんぷする。原産地げんさんちでは、森林しんりん湿地しっちりん標高ひょうこう3000mちかくのやまなど幅広はばひろ環境かんきょう生息せいそくしている[6]

日本にっぽんでは千葉ちばけん房総半島ぼうそうはんとう外来がいらいしゅとして定着ていちゃくしている[5][6]

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのフロリダしゅうのシルバースプリングス州立しゅうりつ公園こうえん生息せいそくしている[7]

生態せいたい

[編集へんしゅう]

ひるぎょうせいで、10-50とうれで生活せいかつする。おも地上ちじょう活動かつどうするが、じょう利用りようする。雑食ざっしょくせい果実かじつ樹皮じゅひとりたまごなどをべる[6]

野生やせいでの寿命じゅみょう平均へいきんしてやく15ねん飼育しいくでは26ねんから30ねん程度ていどとされる[8]長寿ちょうじゅ記録きろく京都きょうと動物どうぶつえん飼育しいくされていたイソコで、43さい4かげつである[9]

天敵てんてきとしてトラヒョウウンピョウドールクロコダイルぞくニシキヘビがいる。

人間にんげんとの関係かんけい

[編集へんしゅう]

ヒンドゥーきょうではアカゲザルは神聖しんせい動物どうぶつとされている。Rhしき血液けつえきがたの「Rh」は、アカゲザルの英名えいめい rhesus macaque に由来ゆらいしている。

英名えいめいふつめいなどのrhesusは、かつて利用りようされていたたね小名しょうみょう一般いっぱんめいとして定着ていちゃくしたものであり、ギリシア神話しんわレソス由来ゆらいする[3]

まご悟空ごくうのモデルとするせつもある[10]

実験じっけん動物どうぶつ

[編集へんしゅう]
1960ねんにリトル・ジョー1Bロケットにせられるミス・サムと名付なづけられたアカゲザル

ほんしゅ実験じっけん動物どうぶつとしてひろ利用りようされている動物どうぶつである。はじめて宇宙うちゅう飛行ひこうおこなった霊長れいちょうるいはアカゲザルであり、そのなんかアカゲザルがげられている(宇宙うちゅうったサル参照さんしょう)。また2017ねんには中国ちゅうごく研究けんきゅうグループが霊長れいちょうるいとしてはじめてアカゲザルのクローン作成さくせいした[11]

[いつ?][だれ?][どこ?]部屋へやをガラスで区切くぎ各々おのおの1ひきずつアカゲザルをれて、片方かたがた食事しょくじるがもう片方かたがたのアカゲザルに電気でんきショックがながれるレバーを設置せっちした実験じっけんでは、ほぼぜん個体こたいがすぐにレバーをくのをやめて絶食ぜっしょくえらんだ[12]

日本にっぽんでの野生やせい

[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは、1960年代ねんだい千葉ちばけん県南けんなん地域ちいき私営しえい観光かんこう施設しせつ飼育しいくされていたほんしゅ施設しせつ閉鎖へいさともなし、野生やせいしたものが1995ねんから千葉ちばけん房総半島ぼうそうはんとう確認かくにんされている[5][13]。2005年度ねんど調査ちょうさでは、350-380とう生息せいそく推定すいていされている[14]。これにともない、ほんたねきんえんなニホンザルとの交雑こうざつが2004ねん確認かくにんされ[15]遺伝子いでんし汚染おせん問題もんだいひろがりつつある[5][14][16]。また、かきなどの農業のうぎょう被害ひがい報告ほうこくされている[5]。そのため、外来がいらい生物せいぶつほうにより特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ指定していされており、飼育しいくには特別とくべつ許可きょか必要ひつようとなる[5][4]同様どうよう問題もんだいは、和歌山わかやまけん定着ていちゃくしたタイワンザルでも発生はっせいしており、根絶こんぜつけて一定いってい成果せいかげた[5][17]千葉ちばけん在来ざいらいしゅのニホンザルの消滅しょうめつ危機ききとして[18]市町村しちょうそん環境省かんきょうしょう学会がっかいらと連携れんけいしての対策たいさくすすめている[4]

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ Singh, M., Kumar, A. & Kumara, H.N. 2020. Macaca mulatta. The IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T12554A17950825. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2020-2.RLTS.T12554A17950825.en. Accessed on 02 August 2023.
  2. ^ CITES, 2023. Appendices I, II and III valid from 21 May 2023. Accessed on 02 August 2023.
  3. ^ a b c d e f g h 岩本いわもと光雄みつおサルの分類ぶんるいめい(その1:マカク)」『霊長れいちょうるい研究けんきゅうだい1かん 1ごう日本にっぽん霊長れいちょうるい学会がっかい、1987ねん、45-54ぺーじ
  4. ^ a b c 房総ぼうそうのニホンザル まも外来がいらいしゅとの交雑こうざつ対策たいさく けん本腰ほんごし. 東京とうきょう新聞しんぶん. (2017ねん4がつ22にち). https://archive.today/2018.04.21-114205/http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201704/CK2017042202000153.html 2018ねん4がつ21にち閲覧えつらん 
  5. ^ a b c d e f g きの保彦やすひこ監修かんしゅう)、財団ざいだん法人ほうじん自然しぜん環境かんきょう研究けんきゅうセンター編著へんちょ)『決定けっていばん 日本にっぽん外来がいらい生物せいぶつ平凡社へいぼんしゃ、2008ねん4がつ21にちISBN 978-4-582-54241-7 
  6. ^ a b c d 財団ざいだん法人ほうじん自然しぜん環境かんきょう研究けんきゅうセンター編著へんちょ最新さいしん 日本にっぽん外来がいらい生物せいぶつ』、平凡社へいぼんしゃ2019ねん、39ぺーじISBN 978-4-582-54260-8
  7. ^ 危険きけんウイルスもつ外来がいらいサルが勢力せいりょく拡大かくだい、フロリダ”. (2018ねん11月15にち). https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/111400494/ 2020ねん3がつ7にち閲覧えつらん 
  8. ^ 特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ特定とくてい危険きけん動物どうぶつへのマイクロチップ埋込うめこ技術ぎじゅつマニュアル” (PDF). 環境省かんきょうしょう. p. 7 (2006ねん4がつ). 2023ねん7がつ26にち閲覧えつらん
  9. ^ アカゲザル(イソコ)の死亡しぼうについて”. 京都きょうと動物どうぶつえん (2021ねん9がつ12にち). 2023ねん7がつ26にち閲覧えつらん
  10. ^ あら俣宏『普及ふきゅうばん 世界せかいだい博物はくぶつ図鑑ずかん 5 哺乳類ほにゅうるい平凡社へいぼんしゃ、2021ねん原著げんちょ1988ねん)、61ぺーじ
  11. ^ 中国ちゅうごく研究所けんきゅうじょ、クローンざる作成さくせいはつ成功せいこう. BBC. (2018ねん1がつ26にち). http://www.bbc.com/japanese/42829580 2018ねん4がつ21にち閲覧えつらん 
  12. ^ ヘルムート・F・カプラン『死体したい晩餐ばんさんどう時代じだいしゃ、2005ねん 
  13. ^ 外来がいらいザルと交雑こうざつ3わり DNA鑑定かんてい、57とう処分しょぶん 老朽ろうきゅうフェンス損傷そんしょう富津ふっつ高宕山たかごやま動物どうぶつえん. 千葉ちば日報にっぽう. (2017ねん2がつ21にち). https://archive.today/2018.04.21-120509/https://www.chibanippo.co.jp/news/national/388087 2018ねん4がつ21にち閲覧えつらん 
  14. ^ a b 川本かわもとかおる川本かわもとさきこう川合かわいしずほか「房総半島ぼうそうはんとう定着ていちゃくしたアカゲザル集団しゅうだんにおけるニホンザルとの交雑こうざつ進行しんこう」『霊長れいちょうるい研究けんきゅうだい23かんだい2ごう、2007ねん、81-89ぺーじdoi:10.2354/psj.33.017 
  15. ^ 川本かわもとかおる萩原はぎはらひかり相澤あいざわ敬吾けいご房総半島ぼうそうはんとうにおけるニホンザルとアカゲザルの交雑こうざつ」『霊長れいちょうるい研究けんきゅうだい20かん 2ごう日本にっぽん霊長れいちょうるい学会がっかい、2004ねん、89-95ぺーじ
  16. ^ “ニホンザル3わり交雑こうざつしゅ 千葉ちば富津ふっつ、57とう駆除くじょ. 産経新聞さんけいしんぶん. (2017ねん2がつ22にち). https://www.sankei.com/photo/daily/news/170222/dly1702220012-n1.html 2018ねん4がつ21にち閲覧えつらん 
  17. ^ 特定とくてい外来がいらい生物せいぶつ「タイワンザル」、和歌山わかやま根絶こんぜつ宣言せんげんへ”. 朝日新聞あさひしんぶん. (2017ねん11月24にち). https://archive.today/2018.04.20-020744/https://www.asahi.com/articles/ASKC955TJKC9PLBJ00C.html 2018ねん4がつ21にち閲覧えつらん 
  18. ^ 交雑こうざつ浸透しんとう消滅しょうめつおそ房総ぼうそう純粋じゅんすい”ニホンザル 外来がいらいしゅアカゲザルと”. 千葉ちば日報にっぽう. (2013ねん3がつ3にち). https://www.chibanippo.co.jp/news/national/125533 2018ねん4がつ21にち閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]