アルフレート・フォン・ヴァルダーゼー

アルフレート・フォン・ヴァルダーゼー Alfred von Waldersee
生誕せいたん	1832年ねん4月がつ8日にち プロイセン王国おうこく ポツダム
死没しぼつ	(1904-03-05) 1904年ねん3月5日にち（71歳さい没ぼつ） ドイツ帝国ていこく プロイセン王国おうこく ハノーファー
所属しょぞく組織そしき	プロイセン王国おうこく陸軍りくぐん ドイツ帝国ていこく陸軍りくぐん
軍ぐん歴れき	1850年ねん - 1904年ねん
最終さいしゅう階級かいきゅう	陸軍りくぐん元帥げんすい

アルフレート・フォン・ヴァルダーゼー Alfred von Waldersee
ドイツ帝国ていこく陸軍りくぐん 第だい2代だい陸軍りくぐん参謀さんぼう本部ほんぶ総長そうちょう
在任ざいにん期間きかん	1888年ねん8月がつ10日とおか - 1891年ねん2月がつ7日にち

アルフレート・ハインリヒ・カール・ルートヴィヒ・フォン・ヴァルダーゼー伯爵はくしゃく（Alfred Heinrich Karl Ludwig Graf von Waldersee、1832年ねん4月がつ8日にち - 1904年ねん3月5日にち）は、ドイツ帝国ていこくの軍人ぐんじん。陸軍りくぐん元帥げんすい。ドイツ帝国ていこくの陸軍りくぐん参謀さんぼう総長そうちょうを務つとめた。義和よしかず団だんの乱らん後のちに清国きよくにに駐屯ちゅうとんした8ヶ国かこく連合れんごう軍ぐんの総そう司令しれい官かんとして知しられる。

生涯しょうがい

• プロイセン王国おうこくのポツダム出身しゅっしん。父親ちちおやは騎兵きへい大将たいしょうで、ヴァルダーゼー家かはアンハルト＝デッサウ公おおやけレオポルト3世せいの庶子しょしフランツに始はじまる貴族きぞくの家系かけいである。6人にん兄弟きょうだいの5番目ばんめの息子むすこ。
• 1850年ねん2月がつ28日にち　士官しかん学校がっこう卒業そつぎょう後ご、少尉しょういとして仕官しかん。その後ご砲兵ほうへい及および工兵こうへいとしての教育きょういくを受うけた。
• 1866年ねん　普ひろし墺おう戦争せんそうでプロイセン参謀さんぼう本部ほんぶ付づけとなる。
• 1870年ねん　大使館たいしかん付づけ武官ぶかんとしてパリへ赴任ふにん。まもなく普ひろし仏ふつ戦争せんそうが起おきるが、ヴァルダーゼーの集あつめた軍事ぐんじ・地形ちけい情報じょうほうがドイツ軍ぐんのフランス侵攻しんこうに役立やくだったといわれる。戦後せんごの1871年ねん、交渉こうしょうのため再ふたたびパリに赴おもむく。
• 1873年ねん　ハノーファーの第だい10軍団ぐんだん司令しれい官かんとなる。
• 1874年ねん　ノアー侯こうフレゼリクの未亡人みぼうじん（アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく出身しゅっしん）と結婚けっこん。
• 1882年ねん　参謀さんぼう次長じちょう（Generalquartiermeister）に就任しゅうにん。高齢こうれいの大だいモルトケに代かわって実質じっしつ的てきに参謀さんぼう本部ほんぶを取とり仕切しきる。
• 1885年ねん　仮想かそう敵国てきこくであるロシア帝国ていこくとフランスに対たいする作戦さくせん計画けいかくを策定さくていし、皇太子こうたいしヴィルヘルムと共ともにビスマルク首相しゅしょうの外交がいこう政策せいさくを批判ひはんする。
• 1888年ねん　ヴィルヘルム（2世せい）の即位そくいに伴ともない、依願いがん辞職じしょくした大だいモルトケの後任こうにんとして陸軍りくぐん参謀さんぼう総長そうちょうとなる。
• 1890年ねん　ビスマルク首相しゅしょう辞任じにん（事実じじつ上じょうの更迭こうてつ）に関与かんよし、後継こうけいの首相しゅしょう候補こうほとして取とりざたされた。本人ほんにんが希望きぼうしなかったために就任しゅうにんしなかったとされている。
• 1891年ねん　軍事ぐんじ演習えんしゅうの際さいに皇帝こうていヴィルヘルムに対たいし軍事ぐんじ戦略せんりゃくに関かんする無知むちを指摘してきしたため不興ふきょうを買かい、参謀さんぼう総長そうちょうの座ざをアルフレート・フォン・シュリーフェンに譲ゆずり、第だい9軍団ぐんだん司令しれい官かんに任命にんめいされた。
• 1897年ねん　社会しゃかい民主党みんしゅとうの弾圧だんあつに従事じゅうじ。常々つねづね皇帝こうていの忠実ちゅうじつな臣下しんかを自認じにんし、社会しゃかい主義しゅぎを帝国ていこくを脅おびやかすものとして警戒けいかいしていた。
• 1898年ねん　第だい3軍ぐん総監そうかん。

紫むらさき禁城きんじょうで連合れんごう軍ぐん兵士へいしを閲兵えっぺいするヴァルダーゼー元帥げんすい

• 1900年ねん　陸軍りくぐん元帥げんすいに列れっせられる。9月、義和よしかず団だんの乱らん鎮圧ちんあつの8ヶ国かこく連合れんごう軍ぐん司令しれい官かんとなり清国きよくにに派遣はけんされる。略奪りゃくだつを続つづける連合れんごう軍ぐん兵士へいしに軍規ぐんきを徹底てっていし、また各国かっこく間あいだの調整ちょうせいにあたったが、共和きょうわ制せい国家こっかの軍隊ぐんたいであるアメリカ軍ぐんとフランス軍ぐんは決けっしてヴァルダーゼーの指揮しき下かに入はいろうとはしなかった。義和よしかず団だん残党ざんとうに対たいする懲罰ちょうばつ遠征えんせいを繰くり返かえす。
• 1901年ねん　清国きよくにから帰国きこくし第だい3軍ぐん総監そうかんに復帰ふっき。義和よしかず団だんの乱らん鎮圧ちんあつを評価ひょうかされ、プロテスタント教徒きょうととしては初はじめてカトリック教会きょうかいから「ピウス勲章くんしょう」を受章じゅしょうした。
• 1904年ねん3月がつ5日にち　ハノーファーで没ぼつ。

歴史れきし的てき評価ひょうか

ヴァルダーゼーはドイツ帝国ていこくで最初さいしょの「政治せいじ的てき」軍人ぐんじんとして知しられている。前任ぜんにん者しゃ大だいモルトケにも政治せいじ的てき意欲いよくはあったが、ビスマルク首相しゅしょうのイニシアチブに従したがっていた。ヴァルダーゼーはフランスがその軍事ぐんじ力りょくを再建さいけんする以前いぜんにロシアに対たいする予よ防戦ぼうせん争そうを行おこなうことを主張しゅちょうしており、そのためビスマルクと対立たいりつしてその倒閣とうかくに参加さんかすることになった。ヴァイマル共和きょうわ政せい時代じだいにヒンデンブルクやルーデンドルフが登場とうじょうする以前いぜんは、政界せいかいでもっとも成功せいこうした軍人ぐんじんといわれている。

日にち露ろ戦争せんそう勃発ぼっぱつの直後ちょくごに死去しきょしたが、死しの直前ちょくぜんにロシアに対たいする日本にっぽん軍ぐんの作戦さくせん計画けいかく私案しあんを立案りつあんしていた。のちにシュリーフェン参謀さんぼう総長そうちょうはヴァルダーゼーの従兄弟いとこに対たいし、日本にっぽん軍ぐんが実際じっさいに採とった作戦さくせん計画けいかくがヴァルダーゼー私案しあんと一致いっちしていたと述のべている。前任ぜんにん者しゃモルトケと後任こうにん者しゃシュリーフェンが高名こうみょうなため、評価ひょうかされることは少すくないが、作戦さくせん能力のうりょくはこの二人ふたりに劣おとらず優すぐれていたといわれる。ヴァルダーゼーの対たい露ろ・対たい仏ふつ戦略せんりゃくは後任こうにんのシュリーフェンに受うけ継つがれて「シュリーフェン・プラン」として結実けつじつし、第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん冒頭ぼうとうのドイツ軍ぐんの基本きほん戦略せんりゃくとなった。

外部がいぶリンク

• Deutsche Schutzgebiete.de 略歴りゃくれき紹介しょうかいと写真しゃしん（ドイツ語ご）

軍ぐん職しょく
先代せんだい ヘルムート・フォン・モルトケ	ドイツ帝国ていこく陸軍りくぐん参謀さんぼう総長そうちょう 1888年ねん - 1891年ねん	次代じだい アルフレート・フォン・シュリーフェン