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アロキサン

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アロキサン[1]
識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 50-71-5 チェック2244-11-3 (Monohydrate)
PubChem 5781
ChemSpider 5577 チェック
UNII 6SW5YHA5NG チェック
MeSH Alloxan
ChEMBL CHEMBL1096009 ×
特性とくせい
化学かがくしき C4H2N2O4
モル質量しつりょう 142.07 g/mol
融点ゆうてん

256 °C(分解ぶんかい)

みずへの溶解ようかい えき
危険きけんせい
安全あんぜんデータシート(外部がいぶリンク) MSDS
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

アロキサン(alloxan)は、ピリミジン酸化さんか誘導体ゆうどうたいである。水溶液すいようえきちゅうではみず和物あえものとして存在そんざいする。2,4,5,6-テトラオキシピリミジン(2,4,5,6-tetraoxypyrimidine)、2,4,5,6-ピリミジンテトロン(2,4,5,6-pyrimidinetetrone)とも。

歴史れきし

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アロキサンはBrugnatelliによって1818ねんはじめてたんはなされ、WöhlerLiebigにより1838ねん命名めいめいされた。Allantoin(アラントイン)とOxalsäure(シュウさん)が名称めいしょう由来ゆらいである。

合成ごうせい

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アロキサンは硝酸しょうさんによる尿にょうさん酸化さんか合成ごうせいされ、いちみず和物あえものさん酸化さんかクロムによるバルビツールさん酸化さんかによりられる[2]

生物せいぶつがくてき効果こうか

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アロキサンは毒性どくせいをもつグルコース類縁るいえんたいである。かじ動物どうぶつ動物どうぶつ投与とうよすると膵臓すいぞうインスリン合成ごうせい細胞さいぼうβべーた細胞さいぼう)を選択せんたくてき破壊はかいする。これはヒト1がた糖尿とうにょうびょう特徴とくちょうており、これらの動物どうぶつでインスリン依存いぞんがた糖尿とうにょうびょう(いわゆるアロキサン糖尿とうにょうびょう)がこされている。アロキサンがGLUT2グルコース輸送ゆそうたいによってβべーた細胞さいぼう選択せんたくてき蓄積ちくせきされるのが原因げんいんである。アロキサンは細胞さいぼうないチオール存在そんざいにより、その還元かんげんたいであるジアルルさんとのあいだでサイクル反応はんのうこし、活性かっせい酸素さんそしゅ(ROS)を生成せいせいする。アロキサンのβべーた細胞さいぼう毒性どくせい作用さよう酸化さんか還元かんげん反応はんのうによって生成せいせいしたフリーラジカルによってはじめられる[3]

出典しゅってん

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  1. ^ Merck Index, 11th Edition, 281.
  2. ^ Alloxan monohydrate Submitted by A. V. Holmgren and Wilhelm Wenner1. Checked by T. L. Cairns and R. W. Upson. Organic Syntheses, Coll. Vol. 4, p.23 (1963); Vol. 32, p.6 (1952).Link[リンク]
  3. ^ 桜井さくらい光一こういち, 三浦みうら俊明としあき, 小木曾おぎそけんじん活性かっせい酸素さんそによる生体せいたい障害しょうがいかんする研究けんきゅう(だい1ほう) : アロキサン糖尿とうにょうびょう発症はっしょうたいする種々しゅじゅハイドロキシル・ラジカル消去しょうきょざい防御ぼうぎょ作用さよう(生物せいぶつがくおよ生化学せいかがく)」『藥學やくがく雜誌ざっしだい106かんだい11ごう日本にっぽんやく学会がっかい、1986ねん、1034-1039ぺーじdoi:10.1248/yakushi1947.106.11_1034ISSN 0031-6903NAID 110003648566