アンジェーヌ

アンジェーヌ（ingénue、[ˈɑːnʒeɪnuː]）は、文学ぶんがく、映画えいがのストックキャラクター、演劇えんげきの類型るいけい的てきな役柄やくがらのひとつで、純情じゅんじょうな少女しょうじょ・娘むすめ役やくのこと^[1]。また、そういった役やくを得意とくいとする女優じょゆうに使つかうこともある^[1]。

語かたりの由来ゆらいはフランス語ふらんすごのingénu（無邪気むじゃき、うぶ、貞淑ていしゅく）。

特徴とくちょうとしては、美人びじんで優やさしく純潔じゅんけつでナイーブ。精神せいしん的てき・肉体にくたい的てきには未熟みじゅくで、彼女かのじょを狙ねらう「卑劣ひれつ漢かん（cad）」を「英雄えいゆう（hero）」と間違まちがえて餌食えじきとなりかける。父親ちちおや、夫おっとといった父性ふせい的てき役柄やくがら（father figure）と一緒いっしょに住すんでいる。「ヴァンプ」（ファム・ファタール）は「アンジェーヌ」（またはDamsel in distress）の引ひき立たて役やくである場合ばあいが多おおい。

アンジェーヌは恋愛れんあいの脇わき筋すじを持もっていることが多おおい。その恋愛れんあいはピュアで相手あいてを傷きずつけるものではない。相手あいての男おとこもアンジェーヌと同おなじく無垢むくである。アンジェーヌに似にたストックキャラクターに「隣となりの女おんなの子こ（girl next door）」がある。

オペラやミュージカルではソプラノが担当たんとうする^[2]。

アンジェーヌは子鹿こじかのように無邪気むじゃきだが、多少たしょうの性的せいてき魅力みりょくも有ゆうしている。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

^ ^a ^b “ingénueの英語えいご”. weblio英和えいわ辞典じてん・和英かずひで辞典じてん. ウェブリオ. 2020年ねん4月がつ29日にち閲覧えつらん。
^ Hoch, Matthew (2014). A Dictionary for the Modern Singer. Rowman & Littlefield Publishers. p. 169. ISBN 978-0810886551

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

Child, Ben (2015年ねん1月がつ5日にち). “Russell Crowe: Female Actors Should Act Their Age”. The Guardian. 2015年ねん1月がつ5日にち閲覧えつらん。
Silver, Elizabeth L. (2013年ねん8月がつ19日にち). “The Death of the Ingénue”. The Millions. 2015年ねん1月がつ5日にち閲覧えつらん。