ストックキャラクター

ストックキャラクターは、Damsel in distressやプリンス・チャーミング（画像がぞうは『眠ねむれる森もりの美女びじょ』）などのストックキャラクターを使用しようするおとぎ話ばなしを含ふくむ、フィクションにおいて重要じゅうような役割やくわりを果はたします。

ストックキャラクターとは、文化ぶんか的てき類型るいけい（またはステレオタイプ）に強つよい基盤きばんを持もった個性こせい、しゃべり方かた、その他たの特徴とくちょうを持もつ、架空かくうの人格じんかくである。

概要がいよう

ストックキャラクターは、ある特定とくていの文化ぶんかに属ぞくする人ひとにはただちに理解りかいできる。そのため、喜劇きげきやパロディーの道具どうぐとして、型かたにはまった姿すがたを大幅おおはばに誇張こちょうして用もちいられる。

西洋せいようの伝統でんとう的てきストックキャラクターは、古代こだいギリシア・ローマの演劇えんげきにその起源きげんを持もつ。近年きんねんのものでは、イタリアのコンメディア・デッラルテの影響えいきょうも受うけている。

日本にっぽんにおけるストックキャラクター

能面のうめん「増ぞう女おんな（ぞうおんな）」江戸えど時代じだい、東京とうきょう国立こくりつ博物館はくぶつかん蔵ぞう（金春こんぱる宗家そうけ伝来でんらい）、重要じゅうよう文化財ぶんかざい。

日本にっぽんの伝統でんとう芸能げいのうでは、能のうならば能面のうめん、歌舞伎かぶきならば化粧けしょうと服装ふくそうによって演えんじる役やくがどのようなキャラクターであるかが一目いちもくでわかるようになっている。文楽ぶんらくでも人形にんぎょうの頭部とうぶは男女だんじょのほか、年齢ねんれい・身分みぶん・性格せいかくによって異ことなる物ものを使用しようする。

狂言きょうげんや落語らくごといった喜劇きげき的てきなものは、観客かんきゃくである庶民しょみんの代弁だいべん者しゃ（狂言きょうげんなら太郎たろう冠者かんじゃ・次郎じろう冠者かんじゃ、落語らくごなら「熊くまさん、八はちっぁん」、ご隠居いんきょ、与太郎よたろうなど）と、彼かれらを取とり巻まくさまざまなストックキャラクターの会話かいわによってストーリーが演えんじられる。

ザ・ドリフターズや吉本よしもと新しん喜劇きげきなどのコメディでは、シチュエーションが変かわっても各かくメンバーはほぼ一定いっていの役柄やくがらを演えんじる。これは、役者やくしゃ自身じしんがストックキャラクター化かしていると言いえるかもしれない。同おなじようなことは、手塚てづか治虫おさむをはじめとした漫画まんが・アニメ・声優せいゆうなどのスターシステムにも一部いちぶ当あてはまる。他たに時代じだい劇げき・特撮とくさつ・漫画まんが・アニメなどでは、日本にっぽん特有とくゆうのストックキャラクターが多おおく登場とうじょうする。

役割やくわり語ご

作中さくちゅうで特徴とくちょう的てきな言葉ことばをしゃべることについては金かね水すい敏さとしによる分析ぶんせきがあり、この現象げんしょうを「役割やくわり語ご」と名なづけて考察こうさつを行おこなっている。例たとえば、老人ろうじんの学者がくしゃは一人称いちにんしょうに「わし」を用もちいて語尾ごびに「じゃ」をつける（老人ろうじん語ご、または広島ひろしま弁べん）、中国人ちゅうごくじんは語尾ごびに「アルヨ」をつける、欧米おうべい人じんや西洋せいようかぶれは一人称いちにんしょうに「ミー」を用もちいる、などがある。

参考さんこう書籍しょせき

• 『ヴァーチャル日本語にほんご 役割やくわり語ごの謎なぞ』岩波書店いわなみしょてん 金きん水すい敏さとし ISBN 978-4000068277

関連かんれん項目こうもく

• フラグ (ストーリー)
• コンメディア・デッラルテ
• ステレオタイプ
• ファイナル・ガール
• マニック・ピクシー・ドリーム・ガール
• マジカル・ニグロ
• 白人はくじんの救世主きゅうせいしゅ
• 決きまり文句もんく
• クリシェ
• ストック
• 記号きごう