(Translated by https://www.hiragana.jp/)
中編小説 - Wikipedia コンテンツにスキップ

中編ちゅうへん小説しょうせつ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

中編ちゅうへん小説しょうせつ中篇ちゅうへん小説しょうせつ(ちゅうへんしょうせつ、英語えいご: novella)は、文学ぶんがく形式けいしきひとつ。長編ちょうへん小説しょうせつ短編たんぺん小説しょうせつたいしてもちいられるかたりであり、短編たんぺん小説しょうせつよりなが長編ちょうへん小説しょうせつほどながくはない作品さくひん[1]日本にっぽんではおおよそ原稿げんこう用紙ようし100まい以上いじょう300まい未満みまんながさを[1]米国べいこくではたとえばInternational Association of Professional Writers & Editorsが17,500文字もじから40,000文字もじまでと定義ていぎしている[2]。ただし、公式こうしき定義ていぎではなく、『ライターでは2021ねん10月の記事きじで「やく2まんから5まん文字もじまで」としている[3]

明確めいかく基準きじゅんがなく[1]長編ちょうへん小説しょうせつ短編たんぺん小説しょうせつとの境界きょうかいせん曖昧あいまいである。いちへんで1さつ以上いじょう分量ぶんりょうとなる場合ばあいはおおむね長編ちょうへん小説しょうせつばれるが、これもレイアウトや文字もじサイズ、ページすうによって分量ぶんりょう大幅おおはばわるため、基準きじゅんべるほどたしかなものではない。たとえば村上むらかみ春樹はるきのデビューさくである『ふううた』は、分量ぶんりょうてきには中編ちゅうへんであるが、単独たんどく単行たんこうほんされ、長編ちょうへん小説しょうせつあつかわれることもある。また、中公ちゅうこう文庫ぶんこ単独たんどく刊行かんこうされているきた杜夫もりお少年しょうねん』にいたっては、むしろ短編たんぺんんでもおかしくない分量ぶんりょうである。通常つうじょうみで200ぺーじ原稿げんこう用紙ようし350まい程度ていど)であれば単独たんどくまたは短編たんぺん1へんくわえ、フィルアップして単行本たんこうぼんされるケースがおおいため、ひとつの境界きょうかいせんともかんがえうるが、これをえながら短編たんぺん4つとわせて単行本たんこうぼんされた安東あんどうのうあきらしょせず』は、文庫ぶんこ解説かいせつ中篇ちゅうへんしょうされている。一方いっぽうで、どうさくより若干じゃっかんみじかいが200ぺーじえている横溝よこみぞ正史せいし本陣ほんじん殺人さつじん事件じけん』は、おおむね長編ちょうへんばれつづけている。短編たんぺんとの区別くべつはさらにむずかしく、かつては400つめ原稿げんこう用紙ようし100まい境界きょうかいせんとするかんがかたもあったようだが(これだと3~4へん単行たんこうほん1さつつくれる)、近年きんねん単行本たんこうぼん長大ちょうだいにともなってこれが一般いっぱんてき上方かみがた移動いどう傾向けいこうにあるとおもわれる。長編ちょうへん中編ちゅうへん境界きょうかいせん微妙びみょう作家さっか代表だいひょうれい江戸川えどがわ乱歩らんぽであり、おなぐみ文庫本ぶんこぼんで『パノラマとう奇談きだん』が116ぺーじ、『かげじゅう』が119ぺーじ、『ペテン師ぺてんし空気くうきおとこ』が123ぺーじ、『地獄じごく道化師どうけし』が133ぺーじであるが、最後さいごのものだけを長編ちょうへんかたちせんかれることが一般いっぱんてきである。

芥川賞あくたがわしょう短編たんぺんのみならず、中編ちゅうへん対象たいしょうとしている[4]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c "中編ちゅうへん小説しょうせつ". 精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん. コトバンクより2021ねん11月5にち閲覧えつらん
  2. ^ "Word Count Separates Short Stories from Novelettes and Novellas". International Association of Professional Writers & Editors (英語えいご). 12 November 2018. 2021ねん11月5にち閲覧えつらん
  3. ^ Smith, Jack (8 October 2021). "The novella: Stepping stone to success or waste of time?". The Writer (英語えいご). 2021ねん11月5にち閲覧えつらん
  4. ^ 塚本つかもとかおりへん)「MEANING OF THE PRIZE」『Harper's BAZAAR』、ハースト婦人画報社ふじんがほうしゃ、2019ねん12月、231ぺーじ 

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]