アヴァクーム

アヴァクームの火刑かけいを描えがいた、19世紀せいき末まつのイコン

火刑かけいに処しょされるアヴァクーム（1682年ねん）

アヴァクーム（ロシア語ご: Петрович Аввакум, Petrovich Avvakum, 1620年ねんか1621年ねん - 1682年ねん4月がつ24日にち）は、ロシアの司祭しさいで、古こ儀式ぎしき派はの最初さいしょ期きの指導しどう者しゃ。

略歴りゃくれき

ニージニ・ノヴゴロドの東南とうなんに位置いちするグリゴロヴォ村むらで生うまれる。1638年ねん頃ごろに結婚けっこん。その後ご村むらを追おわれて、1641年ねんに輔祭となり、2年ねん後ごに司祭しさいとなる。1651年ねんに長ちょう司祭しさいに任にんじられた。

モスクワのカザン聖堂せいどうに勤つとめていた際さい、総そう主教しゅきょうニーコンの教会きょうかい改革かいかくに強つよく反対はんたいし、1653年ねんシベリアに流刑りゅうけいされた。はじめツァーリのアレクセイはアヴァクームをモスクワに呼よび返がえし和解わかいさせようとしたが、彼かれは拒否きょひし、逆ぎゃくにニーコンを異端いたんと宣言せんげんした。1666年ねんの東方とうほう教会きょうかい会議かいぎにおいて定さだめられた、ニーコン以前いぜんの礼拝れいはいを廃はいするという方針ほうしんに従したがわず、1667年ねん6月17日にちについに破門はもんされ、ヨーロッパ・ロシアの最北端さいほくたんプストジョルスクの砦とりでに流刑りゅうけいされた。15年間ねんかんこの地ちに幽閉ゆうへいされたが節ふしを曲まげず、『アヴァクームとエピファニイの生涯しょうがい』（Жизнеописания Аввакума и Епифания, 1672年ねん - 1675年ねん）を信仰しんこうを同おなじくする者もの達たちへの励はげましとして書かき送おくった。この間あいだ、彼かれにしたがって正教会せいきょうかいに抵抗ていこうする古こ儀式ぎしき派はが広ひろがったため、1682年ねんにツァーリの勅みことのり令れいをもってアヴァクームは焚刑ふんけいに処しょせられた。

自伝じでん

彼かれの自伝じでんは当時とうじの文語ぶんごである教会きょうかいスラヴ語ごによらず、〈わがロシア固有こゆうの言葉ことば〉である口語こうご（ロシア語ご）が用もちいられ、飾かざり気けがなく力強ちからづよい筆致ひっちと人間味にんげんみ豊ゆたかな内容ないようによって知しられ、トルストイ、ドストエフスキー、ツルゲーネフなどの近代きんだい作家さっかによって高たかい評価ひょうかを受うけることになった。

関連かんれん項目こうもく

• キーテジ（ロシアにおけるユートピア）
• 古こ儀式ぎしき派は（ロシア正教せいきょうにおける旧きゅう教徒きょうと）