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イガイダマシ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
イガイダマシ
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 軟体動物なんたいどうぶつもん Mollusca
つな : 二枚貝にまいがいつな Bivalvia
: オオノガイ Myida
: カワホトトギス Dreissenidae
ぞく : イガイダマシぞく Mytilopsis
たね : イガイダマシ M. sallei
学名がくめい
Mytilopsis sallei
(Recluz, 1849)[1]
和名わみょう
イガイダマシ
英名えいめい
Black-striped mussel

イガイダマシ学名がくめい Mytilopsis sallei)はオオノガイカワホトトギスぞくする二枚貝にまいがいの1しゅである。内湾ないわん河口かこう潮間しおまたい下部かぶから水深すいしんすうmに生息せいそくする汽水せい二枚貝にまいがい日本にっぽんには本来ほんらい分布ぶんぷしていない外来がいらいしゅイガイかいているためにこの和名わみょうがついた。

分布ぶんぷ

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メキシコわんカリブ海かりぶかい原産地げんさんちとする[2]

日本にっぽんでは東京とうきょう千葉ちばけん愛知あいちけん大阪おおさか静岡しずおかけん和歌山わかやまけん富山とやまけん福岡ふくおかけん移入いにゅう分布ぶんぷしている[2]海外かいがいでは、インドフィジーアフリカ西岸せいがんベトナム台湾たいわん香港ほんこんなどに外来がいらいしゅとして定着ていちゃくしている[2]

特徴とくちょう

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からちょう2.5cm。からしょくけがれ白色はくしょくからあわ褐色かっしょくからうすく、からひょう褐色かっしょくからがわおおわれる。からいただき内側うちがわへだたいたがあり、そのした三角形さんかっけい突起とっきがある[3]

護岸ごがん貝類かいるい固着こちゃくして群生ぐんせいする。水質すいしつ汚濁おだく塩分えんぶんにはつよいが、てい水温すいおんよわい。

外来がいらいしゅ問題もんだい

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日本にっぽんでは1974ねん静岡しずおかけん清水港しみずこうはじめて記録きろくされ[4]、そのも1983ねん東京とうきょうわん隅田川すみだがわ河口かこう[5]千葉ちばけん新浜にいはま、1984ねん福岡ふくおかけん洞海湾どうかいわん[6]、1991ねん大阪おおさか道頓堀どうとんぼりがわ、1994ねん大阪おおさか大阪おおさかこうさかい出島でじまこう岸和田きしわだ春木はるきこう、2000ねん以降いこう名古屋なごやこう和歌山港わかやまこうなど各地かくち次々つぎつぎ発見はっけんされた[2][3]船体せんたい付着ふちゃくしたり、バラストすい混入こんにゅうして侵入しんにゅう拡散かくさんしたものとかんがえられる[7]

ほんたねよりも外来がいらいしゅのイガイるいムラサキイガイミドリイガイカワヒバリガイコウロエンカワヒバリガイなど)のほうがゆううらないしており、またほんたねクロダイ捕食ほしょくされるため、あまり深刻しんこく定着ていちゃく発生はっせいしないとされる[7]。しかし、温暖おんだんにより定着ていちゃく促進そくしんされた場合ばあい在来ざいらい生物せいぶつ影響えいきょうあたえる危険きけんせいもある。また、日本にっぽん国内こくないでイガイダマシとして報告ほうこくされていたもののなかに、実際じっさい別種べっしゅアメリカイガイダマシM. leucophaeataである個体こたい混入こんにゅうしていた可能かのうせい指摘してきされており、たね同定どうていには注意ちゅういようすると指摘してきされている[3]

外来がいらい生物せいぶつほうにより要注意ようちゅうい外来がいらい生物せいぶつ指定していされている。

オーストラリアのダーウィンこうではヨットハーバーにイガイダマシの侵入しんにゅう確認かくにんされたさい、すぐに塩素えんそ硫酸りゅうさんどう散布さんぷして根絶こんぜつ成功せいこうしており[7]、これは海洋かいよう外来がいらい生物せいぶつ完全かんぜん駆除くじょ実現じつげんした唯一ゆいいつ事例じれいである[8]

参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ "Mytilopsis sallei (Récluz, 1849)". World Register of Marine Species. 2022ねん11月11にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d イガイダマシ 国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょ 侵入しんにゅう生物せいぶつDB
  3. ^ a b c 村上むらかみきょうただし鷲谷わしやいづみ(監修かんしゅう日本にっぽん生態せいたい学会がっかい編著へんちょ)『外来がいらいしゅハンドブック』じんしょかん、2002ねん9がつ30にちISBN 4-8052-0706-X 
  4. ^ 石橋いしばしこう、「情報じょうほう清水しみずわんおくはじめて発見はっけんされた二枚貝にまいがいイガイダマシ Mytilopsis sallei」, 『付着ふちゃく生物せいぶつ研究けんきゅう』 1980ねん 2かん 1ごう p.59-61(p.60), doi:10.4282/sosj1979.2.59
  5. ^ 古瀬ふるせ浩史こうじ, 長谷川はせがわ和範かずのり、「イガイダマシ東京とうきょうわんす」 『ちりぼたん』 15(1), 18, 1984-06-30、日本にっぽん貝類かいるい学会がっかい
  6. ^ 山西さんせい良平りょうへい、「洞海湾どうかいわんからつかったイガイダマシ」 『南紀なんき生物せいぶつ』 27, 64, 1985, NAID 10009319246
  7. ^ a b c きの保彦やすひこ監修かんしゅう財団ざいだん法人ほうじん自然しぜん環境かんきょう研究けんきゅうセンター編著へんちょ)『決定けっていばん 日本にっぽん外来がいらい生物せいぶつ平凡社へいぼんしゃ、2008ねん4がつ21にちISBN 978-4-582-54241-7 
  8. ^ 岩崎いわさき敬二けいじ日本にっぽん移入いにゅうされた外来がいらい海洋かいよう生物せいぶつ在来ざいらい生態せいたいけい産業さんぎょうたいする被害ひがいについて」『日本水産にっぽんすいさん学会がっかいだい73かんだい6ごう、2007ねん、p.p.1121-1124、doi:10.2331/suisan.73.11212019ねん7がつ11にち閲覧えつらん