インフォグラム

インフォグラム・エンターテインメント
Infogrames Entertainment SA
種類しゅるい	公開こうかい会社かいしゃ
市場いちば情報じょうほう	Euronext: ATA
本社ほんしゃ所在地しょざいち	フランス; リヨン
設立せつりつ	1983年ねん6月がつ
業種ぎょうしゅ	情報じょうほう・通信つうしん業ぎょう
事業じぎょう内容ないよう	テレビゲーム開発かいはつ
代表だいひょう者しゃ	Frank Dangeard（会長かいちょう） ; David Gardner（CEO）; Phil Harrison（社長しゃちょう）; Jeff Lapin（COO）
売上うりあげ高だか	3億おく530万まんユーロ（2007年ねん）
純じゅん利益りえき	-1億おく310万まんユーロ（2007年ねん）
	特記とっき事項じこう：子会社こがいしゃとしてアタリ (Atari, Inc, Atari Interactive) がある。
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インフォグラム・エンターテインメント（英えい: Infogrames Entertainment SA、IESA）は、フランスのリヨンを本拠地ほんきょちとする持株もちかぶ会社かいしゃ。ニューヨーク市しを本拠地ほんきょちとするアタリ（Atari, Inc.）とアタリ・ヨーロッパの親会社おやがいしゃ。1983年ねん、Bruno Bonnell と Christophe Sapet がコンピューター入門にゅうもん書しょの収益しゅうえきを元手もとでに創業そうぎょうした。傘下さんかの子会社こがいしゃを通とおして、主おもなゲーム機きやパソコンなどを対象たいしょうとしてコンピュータゲームを開発かいはつ販売はんばいしている。

2009年ねんの株主かぶぬし総会そうかいで、「インフォグラム」と「アタリ」の二に重じゅうブランドによる混乱こんらんを解消かいしょうするため、アタリ（Atari SA）へと改称かいしょうすることを決定けっていした。

創業そうぎょう期き[編集へんしゅう]

創業そうぎょう者しゃは社名しゃめいを Zboub Système（zboub とはフランス語ふらんすごで「ペニス」の意い）にしようとしていたが、法律ほうりつ家かが説得せっとくして思おもいとどまらせた^[4]。創立そうりつ者しゃの一人ひとりボーネルがテレビのインタビューで語かたったところによると、彼かれらは異質いしつな言葉ことばを組くみ合あわせて新語しんごを作つくるコンピュータープログラムを使つかい、それで出でてきた言葉ことばの1つが "Infogramme" だったという。これはフランス語ふらんすごの単語たんごである "informatique"（情報じょうほう技術ぎじゅつ）と "programme"（プログラム）を組くみ合あわせたかばん語ごである。これを若干じゃっかん修正しゅうせいした "Infogrames" が最終さいしゅう的てきに社名しゃめいとして採用さいようとなった。

ロゴはアルマジロをデザインしたもので、現在げんざいの本拠地ほんきょちに移転いてんした際さいに使つかうようになった。ボーネルはこれについて、「この恐竜きょうりゅう（原文げんぶんでは dinosaure）は我々われわれのシンボルだ。アルマジロは氷河ひょうがが溶とけ出だし砂漠さばく化かする最悪さいあくの事態じたいまで、環境かんきょうの変化へんかに適応てきおうして生いき延のびてきた」と述のべている^[4]。

1980年代ねんだい末まつごろには、インフォグラムはフランスのコンピューターゲームメーカーとして知しられるようになった。ゲームのアイデアが独創どくそう的てきで、内容ないようがユーモラスという特徴とくちょうがあった。タンタン、アステリックス、Les Tuniques Bleuesといった人気にんきのあるバンド・デシネのゲーム化か権けんを獲得かくとくした。

1992年ねん、3D ホラーアドベンチャーゲーム『アローン・イン・ザ・ダーク』をリリースし国際こくさい的てきに注目ちゅうもくを集あつめた。

1996年ねん-2002年ねん買収ばいしゅうによる成長せいちょう[編集へんしゅう]

1996年ねん、Bruno Bonnell率ひきいるインフォグラムは、7年ねんの月日つきひと5億おくドルの資金しきんを費ついやし、一連いちれんの企業きぎょう買収ばいしゅうを開始かいしした。これはインフォグラムをゲーム業界ぎょうかいの国際こくさい的てきトップ企業きぎょうにするという決意けついに基もとづいている^[5]。1999年ねんには5500万まんドルだった債務さいむが2002年ねんには4億おく9300万まんドルに膨ふくらんだが、売上うりあげ高だかも2億おく4600万まんドルから6億おく5000万まんドルに成長せいちょうした^[6]。

1996年ねん、IESAは約やく1億おくドルでOcean Softwareを買収ばいしゅうし^[7]、Infogrames UKに改称かいしょうした^[8]。1997年ねんにはPhilips Media BVを買収ばいしゅう。

1998年ねん、IESAはゲーム販売はんばい業ぎょうのOziSoftの株式かぶしきを62.5%取得しゅとくしてInfogrames Australiaとし^[9]、残のこる株式かぶしきもセガなどから買かい取とって2002年ねんに完全かんぜん子会社こがいしゃ化かした^[10]（総額そうがく370万まんドル^[6]）。同年どうねん、ABS Multimedia、Arcadia、Swiss Gamecity GmbH といったゲーム販売はんばい業者ぎょうしゃも買収ばいしゅうした^[11]。

1999年ねん、IESAはGremlin Interactiveを4000万まんドルで買収ばいしゅうしInfogrames Sheffield Houseとしたが^[12]、2003年ねんには閉鎖へいさした。同年どうねんAccoladeを6000万まんドルで買収ばいしゅう^[13]^[14]。Beam Softwareも買収ばいしゅうしInfogrames Melbourne House Pty Ltdと改称かいしょうした^[15]。

GTインタラクティブの買収ばいしゅう[編集へんしゅう]

1999年ねん12月、IESAはそれまでで最高さいこう額がくの企業きぎょう買収ばいしゅうを行おこなった。インフォグラムはGTインタラクティブの70%の株式かぶしきを1億おく3500万まんドルで取得しゅとくし、うち7500万まんドルを新しん子会社こがいしゃの債務さいむに設定せっていした。2000年ねん6月がつまでにインフォグラムはGTインタラクティブにさらに3000万まんドルを出資しゅっしした^[11]^[16]。IESAは、GTインタラクティブはインフォグラムに全米ぜんべい販売はんばい網もうとゲーム資産しさん（Driver、Oddworld、Unreal Tournamentなど）をもたらしたとして、この買収ばいしゅうを正当せいとう化かした^[11]。

GTインタラクティブの買収ばいしゅうと同時どうじに、傘下さんかの開発かいはつスタジオ群ぐんとしてHumongous Entertainment^[17]、Legend Entertainment^[18]、Reflections Interactive^[19]も入手にゅうしゅした。

GTインタラクティブはInfogrames, Inc.と改称かいしょうした^[20]。

2000年ねん、ゲームメーカーのParadigm Entertainmentを1950万まんドルで買収ばいしゅう。また、Den-o-Tech Int.（DTI）を560万まんドルで買収ばいしゅうしInfogrames DTIと改称かいしょうした^[8]^[11]。

ハズブロ・インタラクティブの買収ばいしゅう[編集へんしゅう]

2001年ねん1月がつ、IESAはハズブロ・インタラクティブとハズブロが所有しょゆうしていた携帯けいたい型がたゲーム機きgame.comの権利けんりを1億おくドルで取得しゅとく。このうち9500万まんドルはインフォグラムの株式かぶしき450万まん株かぶで支払しはらい、残のこり500万まんドルを現金げんきんで支払しはらった^[21]^[22]。

ハズブロ・インタラクティブは買収ばいしゅうに伴ともなってInfogrames Interactive, Inc.と改称かいしょうした^[23]^[24]。IESAはこれにより、以下いかのブランドや資産しさんを所有しょゆうすることとなった。

マイクロプローズのブランドとゲーム資産しさん。『シヴィライゼーション』、『ファルコン』、『ローラーコースタータイクーン』などがある。
アタリのブランドとゲーム資産しさん。『ミサイルコマンド』や『ポン』などがある。

マイクロプローズのイギリスのスタジオは2002年ねん9月がつ20日はつかに閉鎖へいさされた^[25]。

またハズブロとの提携ていけい契約けいやくにより、ハズブロの資産しさん（ダンジョンズ&ドラゴンズ、Mr.ポテトヘッド、マイリトルポニーなど）に基もとづいたゲームの独占どくせん的てきな開発かいはつ販売はんばい権けんを得えた。この独占どくせん権けんは15年間ねんかんの契約けいやくで、さらに状況じょうきょうによっては5年間ねんかん延長えんちょうできる^[22]。

Eden GamesとShiny Entertainment[編集へんしゅう]

2002年ねん、IESAはゲーム開発かいはつスタジオEden Games^[26] を410万まんドル^[6]、Shiny Entertainment を4700万まんドルで買収ばいしゅうした。Eden Games 取得しゅとくにより『テストドライブアンリミテッド』などの権利けんりを獲得かくとくし、Shiny Entertainment 取得しゅとくにより『ENTER THE MATRIX』の権利けんりを獲得かくとくした。特とくに後者こうしゃは映画えいが『マトリックス』を基もとにした最初さいしょのゲームであり、500万まん本ほん以上いじょうを売うり上あげたゲームである^[27]。

アタリグループ[編集へんしゅう]

2001年ねん10月がつ、IESAはAtari InteractiveをInfogrames Interactiveの完全かんぜん子会社こがいしゃとして創設そうせつし、アタリのブランドを復活ふっかつさせ、MXriderをリリースした^[28]^[23]。2003年ねん5月がつ7日にち、IESAはグループの公式こうしきな再編さいへんを行おこなった^[29]。北米ほくべい部門ぶもんはアタリ（Atari, Inc.）となってNASDAQに独自どくじに上場じょうじょうし、ヨーロッパ部門ぶもんはAtari Europeとし、Infogrames Interactive, Inc.はAtari Interactive, Inc.に改称かいしょうした^[23]（IESAの完全かんぜん子会社こがいしゃ）^[30]。Infogrames Australia Pty LtdはAtari Australia Pty Ltd^[9]、Infogrames Melbourne House Pty LtdはAtari Melbourne House Pty Ltd^[15]、Infogrames UKはAtari UKとし^[8]、IESA自身じしんは持株もちかぶ会社かいしゃとなった^[31]。つまり、グループ企業きぎょうのほとんどは「アタリ」を名乗なのるようになり、持株もちかぶ会社かいしゃのみインフォグラムの名なを残のこした。

Atari, Inc.は公開こうかい会社かいしゃだが、2007年ねん現在げんざいの筆頭ひっとう株主かぶぬしは California U.S. Holdings, Inc. であり、この会社かいしゃはIESAの完全かんぜん子会社こがいしゃである^[32]。アタリの商標しょうひょうは Atari Interactive, Inc. が所有しょゆうし Atari, Inc. はそこからライセンス供与きょうよされている形かたちになっている（ライセンス期間きかんは2013年ねんまで）^[30]。Atari, Inc. は、IESAおよびその子会社こがいしゃである Atari Interactive, Inc. などの知的ちてき資産しさんを北米ほくべいで販売はんばいまたはサブライセンス提供ていきょうする権利けんりを有ゆうする^[30]。

オーストラリアのアタリはコナミ・ヨーロッパ、Codemasters UK、Eidos Interactive、SCiなどのゲームの販売はんばいも手てがけている。コナミはオーストラリア支社ししゃを持もっているが、そちらはアーケードゲーム機きなどを専門せんもんとしている。

財政ざいせい問題もんだい[編集へんしゅう]

2002年度ねんど、IESAは売上うりあげ高だか6億おく5000万まんドルで670万まんドルの純じゅん損失そんしつを計上けいじょうし、2003年度ねんどには純じゅん損失そんしつが890万まんドルに増大ぞうだいした^[8]。2006年度ねんどには売上うりあげ高だか5億おく2500万まんドルで2億おく100万まんドルの純じゅん損失そんしつ、約やく2億おく9000万まんドルの債務さいむがあるとした^[6]。1999年ねんから2006年ねんまでの損失そんしつを累計るいけいすると5億おくユーロになる^[6]。

2004年ねん、インフォグラムは『シヴィライゼーション』の権利けんりをテイクツー・インタラクティブに2230万まんドルで売却ばいきゃくし^[33]、Legend Entertainmentのスタジオを閉鎖へいさした^[34]。また同年どうねん、Epic Gamesがミッドウェイゲームズと契約けいやくしたため、インフォグラムは人気にんきの高たかいUnrealシリーズの権利けんりを失うしなった^[35]。2005年ねん6月がつ、インフォグラムはダンジョンズ&ドラゴンズを除のぞくハズブロの資産しさん（トランスフォーマー、マイリトルポニー、四よん目もく並ならべなど）のゲーム化か権けんをハズブロに650万まんドルで返却へんきゃくした^[20]^[36]。

2006年ねん4月がつ、創業そうぎょう者しゃのBruno Bonnellがインフォグラムを退職たいしょくし、同時どうじに財政ざいせい再建さいけんのために自身じしんの所有しょゆうしていたIESAの株式かぶしき24%の権利けんりを会社かいしゃに譲渡じょうとした^[37]。その後ごもインフォグラムは知的ちてき資産しさんや開発かいはつスタジオの切きり売うりなどを行おこない、破産はさんの危機ききを乗のり越こえた^[38]。

2006年ねん5月がつ、IESAはスタントマンの権利けんりをTHQに売却ばいきゃくし、Timeshiftの権利けんりをSaber Interactiveに売却ばいきゃくした。これにより1300万まんドルの収入しゅうにゅうを得えている。THQはIESAから開発かいはつスタジオParadigm Entertainmentも取得しゅとくした^[39]。2006年ねん6月がつ、開発かいはつスタジオReflections InteractiveとDriverというゲームの権利けんりを2160万まんドルでユービーアイソフトに売却ばいきゃくした^[40]。同年どうねん10月がつには160万まんドルでShiny EntertainmentをFoundation 9 Entertainmentに売却ばいきゃくした^[40]^[41]。同年どうねん11月がつ、Atari Melbourne HouseがKrome Studiosに売却ばいきゃくされ、Krome Studios Melbourneと改称かいしょうされた^[15]。

2007年ねん、インフォグラムはアタリの経営けいえい陣じんの20%を解雇かいこした。2006から2007年度ねんど、アタリは700万まんドルの純じゅん損失そんしつを計上けいじょうした^[42]。

Atari, Inc.の完全かんぜん子会社こがいしゃ化か[編集へんしゅう]

2008年ねん3月がつ6日にち、インフォグラムはAtari, Inc.の残のこりの公開こうかい株かぶを1株かぶ1.68ドル、合計ごうけい1100万まんドルで取得しゅとくすることを提案ていあんした。これによりAtari, Inc.はインフォグラムの完全かんぜん子会社こがいしゃとなる。2008年ねん4月がつ30日にち、Atari, Inc.はインフォグラムの提案ていあんを受うけ入いれた。

2008年ねん10月がつ9日にち、インフォグラムはAtari, Inc.の完全かんぜん子会社こがいしゃ化かを完了かんりょうした^[43]。これにより「アタリ」のブランドは再ふたたびインフォグラムが独占どくせんすることになった^[44]。インフォグラムは、これによって経営けいえいコストが低減ていげんされ、オンラインゲームに注力ちゅうりょくできるようになるとした^[45]。

バンダイナムコによるAtari EuropeとDistribution Partnersの子会社こがいしゃ化か[編集へんしゅう]

2008年ねん12月、インフォグラムは2670万まんドルでCryptic Studiosを買収ばいしゅうした。同社どうしゃはMMORPGを開発かいはつしており、オンラインゲーム関連かんれんを強化きょうかする方針ほうしんに則のっとった買収ばいしゅうだった^[46]。

2009年ねん5月がつ、バンダイナムコホールディングスはインフォグラムからAtari Europeを取得しゅとくした^[47]。インフォグラムのヨーロッパでの販売はんばいとマーケティングはDistribution Partnersが行おこなうことになった。Distribution Partners は2008年ねん9月がつ、バイダイナムコとインフォグラムが合弁ごうべん事業じぎょうとして立たち上あげた会社かいしゃである^[48]。インフォグラムは同社どうしゃを「ヨーロッパ、アジア、南みなみアメリカでのインフォグラムの販売はんばい流通りゅうつう網もう」の再編さいへんであるとした^[49]。これはPAL採用さいよう地域ちいきに対応たいおうした流通りゅうつう網もうにほぼ相当そうとうする^[50]。Distribution Partnersの株式かぶしきのうち、34%はバンダイナムコが所有しょゆうし、66%はアタリが所有しょゆうしていた。

2009年ねん3月がつ、インフォグラムは同社どうしゃが所有しょゆうするDistribution Partnersの66%の株式かぶしきを手放てばなすことを発表はっぴょうした^[48]。同年どうねん6月がつ、Distribution Partnersの66%の株かぶはバンダイナムコに売却ばいきゃくされた^[51]（Atari Europeとの前後ぜんご関係かんけいに注意ちゅうい）。インフォグラムは一連いちれんの動うごきについて「アタリがオンラインゲームの開発かいはつ・製造せいぞうに集中しゅうちゅうするため」としている^[52]。

取引とりひきが完了かんりょうするとDistribution PartnersはNamco Bandai Partnersと改称かいしょうした。この時点じてんで同社どうしゃは17の支社ししゃがあり、50カ国かこくで活動かつどうしていた^[53]。

以上いじょうのようなリストラ後ごもインフォグラムは黒字くろじ化かを目指めざして苦闘くとうしている。2008年度ねんどの純じゅん損失そんしつは5110万まんユーロ（7217万まんドル）、2009年度ねんど（3月がつ末まつ）の純じゅん損失そんしつは2億おく2610万まんユーロ（3億おく1933万まんドル）となっている^[54]。