ウラニウム・ワン

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ウラニウム・ワン
Uranium One Inc.
種類しゅるい
子会社こがいしゃ
業種ぎょうしゅ 鉱業こうぎょう (ウランきむ)
設立せつりつ 1997ねん
本社ほんしゃ カナダ オンタリオしゅう トロント
主要しゅよう人物じんぶつ
クリス・サトラー(CEO)
(Chris Sattler)
ヴァディム・ツィヴォフ(会長かいちょう)
(Vadim Zhivov)
従業じゅうぎょう員数いんずう
2,220めい[1]
親会社おやがいしゃ ARMZ ウラニウム・ホールディング
ウェブサイト www.uranium1.com

ウラニウム・ワン (Uranium One) はロシア政府せいふ所有しょゆうし、トロント本社ほんしゃウラン採掘さいくつ企業きぎょうである。オーストラリアカナダカザフスタンみなみアフリカアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく操業そうぎょうしている。カナダの企業きぎょうであるが、2013ねん1がつにロシア国有こくゆう企業きぎょうロスアトム子会社こがいしゃARMZ ウラニウム・ホールディングつうじて出資しゅっし比率ひりつ100%を確保かくほして経営けいえいけん掌握しょうあくしている[2]

沿革えんかく[編集へんしゅう]

1997ねん1がつ2にちにサザンクロス・リソーシズという社名しゃめい設立せつりつされた。

2005ねん7がつ5にちにはサザンクロス・リソーシズとみなみアフリカの資源しげん企業きぎょうアフリーズ・ゴールド・アンド・ウラニウム・リソーシズが合併がっぺいして SXR ウラニウム・ワン となることが発表はっぴょうされた[3]

2007ねんにはバンクーバー本拠ほんきょとするユーラシア・エナジー(UrAsia Energy)の経営けいえいけんフランク・ギアストラ英語えいごばんから買収ばいしゅうした[4]。ユーラシア・エナジーはカザフスタンのウラン権益けんえき保有ほゆうしており[5]、これは2005ねんにギアストラがビル・クリントンもとべい大統領だいとうりょうアルマトイ訪問ほうもんしてナザルバエフ大統領だいとうりょう面会めんかいしたさいカザトムプロムから購入こうにゅうしたものであった。このさい、ギアストラはクリントン財団ざいだん多額たがく寄付きふおこなっている[4][6][7]

2009ねん2がつ10日とおかには東京電力とうきょうでんりょく東芝とうしば国際こくさい協力きょうりょく銀行ぎんこうとともにウラニウム・ワンに202おくえん出資しゅっしし、保有ほゆうかぶ比率ひりつ19.95%を確保かくほすると発表はっぴょうした[8]

一方いっぽう、2009ねん6がつにロシアのウラン採掘さいくつ大手おおて ARMZ ウラニウム・ホールディング(ロシア国有こくゆう企業きぎょうロスアトム傘下さんか)がカザフスタンのカラタウ鉱山こうざん権益けんえきの50%とえに、ウラニウム・ワンの株式かぶしき取得しゅとくして保有ほゆうかぶ比率ひりつ16.6%を確保かくほした[9]。2010ねん6がつにはカザフスタンのアクバスタウ鉱山こうざんおよびザレーチノエ鉱山こうざん権益けんえきのそれぞれ50%、49%をARMZから買収ばいしゅうした。わりにARMZはウラニウム・ワンへの出資しゅっし比率ひりつを51%にげた。これによってウラニウム・ワンの年間ねんかんウラン採掘さいくつりょうは60%ぞうとなり、1,000まんポンド(4,536トン)から1,600まんポンド(7,257トン)になった[10][11]。この取引とりひき独占どくせん禁止きんしほうなどのさだめによりカザフスタン当局とうきょくやカナダ当局とうきょくたいべい外国がいこく投資とうし委員いいんかいトロント証券しょうけん取引とりひきしょおよびヨハネスブルグ証券しょうけん取引とりひきしょからの承認しょうにんて2010ねんわりに完了かんりょうした[11]同時どうじにウラニウム・ワンは少数しょうすう株主かぶぬしに1.06ドルの配当はいとうおこなった。 このあいだ東京電力とうきょうでんりょくらはARMZがウラニウム・ワンの株式かぶしき過半数かはんすう取得しゅとくする見通みとおしとなったことをけて2010ねん8がつにウラニウム・ワンとの協力きょうりょく関係かんけい見直みなおしを発表はっぴょうした。結局けっきょく日本にっぽんがわは2014ねんから2025ねんまでのあいだ 最大さいだい250まんポンド(1134トン)/としのウランせいこう引取ひきとけん確保かくほしたうえで、ウラニウム・ワンから転換てんかん社債しゃさいもどしをけて投資とうし関係かんけい解消かいしょうすることになった[12]

2013ねん1がつにARMZはたいべい外国がいこく投資とうし委員いいんかいのレビューをけたうえ[6]ウラニウム・ワンの経営けいえいけん掌握しょうあくした[2]同年どうねん12がつにはロスアトム内部ないぶ組織そしき改正かいせいによりウラニウム・ワンはロスアトムの完全かんぜん所有しょゆう間接かんせつ子会社こがいしゃとなった[3]

ロシア国有こくゆう企業きぎょうによる米国べいこくないウラン資源しげん買収ばいしゅう手続てつづきの承認しょうにんは、ヒラリー・クリントン国務こくむ長官ちょうかん在任ざいにんちゅうおこなわれた。このとき、ウラニウム・ワンの会長かいちょうクリントン財団ざいだん多額たがく寄付きふおこなっていた[13]。さらに、どう時期じきにビル・クリントンもとべい大統領だいとうりょうがロシアとのあいだで50まんドルの資金しきん拠出きょしゅつ約束やくそくしていた[6][14]。クリントン買収ばいしゅう手続てつづきの承認しょうにん便宜べんぎはかったかどうかたしかな証拠しょうこはないが、報道ほうどうでは倫理りんりてき問題もんだいだとしている[13]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Company Profile for Uranium One Inc (CA;UUU)”. 2008ねん10がつ10日とおか閲覧えつらん
  2. ^ a b FP: "Uranium One bought by top Russian shareholder ARMZ for $1.3-billion" (Koven) January 14, 2013
  3. ^ a b WISE Uranium Project "Following the completion of the Going Private Transaction, and an internal reorganization by ARMZ's parent corporation, Russia's State Atomic Energy Company 'Rosatom' in December 2013, Uranium One is now a wholly owned indirect subsidiary of Rosatom and is no longer controlled by ARMZ." updated April 1, 2015, accessed April 23, 2015
  4. ^ a b An Ex-President, a Mining Deal and a Big Donor, by Jo Becker and Don Van Natta Jr., The New York Times: January 31, 2008
  5. ^ "UrAsia Energy Ltd." updated 21 April 2007, accessed 23 April 2015
  6. ^ a b c Jo Becker and Mike Mcintire (2015ねん4がつ23にち). “Cash Flowed to Clinton Foundation as Russians Pressed for Control of Uranium Company”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2015/04/24/us/cash-flowed-to-clinton-foundation-as-russians-pressed-for-control-of-uranium-company.html 2015ねん4がつ23にち閲覧えつらん. "Canadian mining financier Frank Giustra orchestrated his first big uranium deal, with Mr. Clinton at his side." 
  7. ^ Jo Becker and Don Van Natta Jr. (2008ねん1がつ31にち). “After Mining Deal, Financier Donated to Clinton”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2008/01/31/us/politics/31donor.html 2015ねん4がつ23にち閲覧えつらん. "The monster deal stunned the mining industry, turning an unknown shell company into one of the world’s largest uranium producers in a transaction ultimately worth tens of millions of dollars to Mr. Giustra, analysts said." 
  8. ^ 東電とうでん東芝とうしば国際こくさい協力きょうりょくぎんとカナダのウラン鉱山こうざん出資しゅっし総額そうがく200おくえん”. ブルームバーグ (2009ねん2がつ10日とおか). 2016ねん1がつ14にち閲覧えつらん
  9. ^ “Kazakh tie-in for Uranium One and ARMZ”. World Nuclear News. (2009ねん6がつ15にち). http://www.world-nuclear-news.org/newsarticle.aspx?id=25418&terms=ARMZ+ 2009ねん6がつ24にち閲覧えつらん 
  10. ^ Uranium One to Acquire Two More Kazakh Mines from ARMZ and To Pay Special Dividend to Minority Shareholders of at least US$ 1.06 per Share
  11. ^ a b “ARMZ takes hold of Uranium One”. World Nuclear News. (2010ねん6がつ9にち). http://www.world-nuclear-news.org/C-ARMZ_takes_hold_of_Uranium_One-0906107.html 2010ねん6がつ9にち閲覧えつらん 
  12. ^ 東京電力とうきょうでんりょく東芝とうしば・JBIC、ウラニウム・ワンしゃとの協力きょうりょく関係かんけい見直みなお”. ロイター (2010ねん8がつ9にち). 2016ねん1がつ14にち閲覧えつらん
  13. ^ a b クリントン財団ざいだん巨額きょがく寄付きふ ロシア原子力げんしりょく企業きぎょう べい報道ほうどう”. 朝日新聞あさひしんぶん (2015ねん4がつ24にち). 2016ねん1がつ14にち閲覧えつらん
  14. ^ http://video.foxnews.com/v/4192951425001/how-clinton-foundation-is-connected-to-russian-uranium-deal/?playlist_id=2114913880001#sp=show-clips/primetime

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]