エドワード・モンタギュー (初代しょだいサンドウィッチ伯爵はくしゃく)

初代しょだいサンドウィッチ伯はくエドワード・モンタギュー（ピーター・レリー画が、1666年ねん）

初代しょだいサンドウィッチ伯爵はくしゃくエドワード・モンタギュー（Edward Montagu, 1st Earl of Sandwich, KG, 1625年ねん7月がつ27日にち - 1672年ねん5月28日にち）は、イングランドの貴族きぞく、軍人ぐんじん。清教徒せいきょうと革命かくめい（イングランド内戦ないせん）から王政おうせい復古ふっこへと至いたる一連いちれんの政変せいへんを乗のり切きり、サンドウィッチ伯爵はくしゃく家かの祖そとなった。

生涯しょうがい

イングランド議会ぎかいの下院かいん議員ぎいんサー・シドニー・モンタギューとポーリーナ・ピープスの1人ひとり息子むすことして誕生たんじょう、ハンティンドンシャー（現在げんざいはケンブリッジシャーの一部いちぶ）のヒンチンブルック・ハウスで育そだてられた。初代しょだいマンチェスター伯爵はくしゃくヘンリー・モンタギューは父方ちちかたの伯父おじで、清教徒せいきょうと革命かくめいで議会ぎかい派はの司令しれい官かんに就任しゅうにんした第だい2代だいマンチェスター伯爵はくしゃくエドワード・モンタギューは父方ちちかたの従兄じゅうけいであり、詩人しじんで第だい一いち大蔵おおくら卿きょうのハリファックス伯爵はくしゃくチャールズ・モンタギューは父方ちちかたの従したがえ甥おいに当あたる。また、日記にっき作家さっかとしても知しられるサミュエル・ピープスは母方ははかたの従したがえ甥おいに当あたり、モンタギューの秘書ひしょから海軍かいぐん官僚かんりょうとなり、海軍かいぐんの改革かいかくに貢献こうけんした。

1643年ねんに歩兵ほへい連隊れんたいに所属しょぞく、1645年ねんにハンティンドンシャーから選出せんしゅつされ長期ちょうき議会ぎかいの下院かいん議員ぎいんとなった。第だい一いち次じイングランド内戦ないせんでは議会ぎかい派はに属ぞくしてオリバー・クロムウェルの下したでマーストン・ムーアの戦たたかいとネイズビーの戦たたかいに参戦さんせん、イングランド共和きょうわ国こく成立せいりつ後ごも議席ぎせきを確保かくほしつつ軍ぐんに身みを置おき、1656年ねんにイングランド海軍かいぐん指揮しき官かんたる陸軍りくぐん軍人ぐんじん（ゼネラル・アット・シー）に任命にんめいされ、フランス・スペイン戦争せんそうでは1658年ねんにフランスと協力きょうりょくして海上かいじょうからダンケルクの港みなとを封鎖ふうさ、1659年ねんにはカール・グスタフ戦争せんそうで不穏ふおんになっていたバルト海ばるとかいに艦隊かんたいを率ひきいてオランダ海軍かいぐんと共ともにスウェーデンを牽制けんせいしたが、年末ねんまつにイングランドで政変せいへんが起おこったため急遽きゅうきょ帰国きこくした。

1660年ねん4月がつに共和きょうわ政せいを瓦解がかいさせたジョージ・マンクが召集しょうしゅうした仮かり議会ぎかいでドーバーとウェイマス・メルカム・レジスから選出せんしゅつ、5月にマンクの命令めいれいで亡命ぼうめい中ちゅうのチャールズ2世せいを艦隊かんたいを挙あげてオランダから迎むかえ入いれ、即位そくいしたチャールズ2世せいから恩賞おんしょうとして7月がつ12日にちにサンドウィッチ伯爵はくしゃくに叙爵じょしゃくされた。遠縁とおえんで秘書ひしょのサミュエル・ピープスもネービー・ボード長官ちょうかんに登用とうようされ、その後ご海軍かいぐん本部ほんぶ書記官しょきかん長ちょう（事務次官じむじかん相当そうとう）としてチャールズ2世せいの弟おとうとで海軍かいぐん卿きょうのヨーク公こうジェームズ（後ごのジェームズ2世せい）と共ともに海軍かいぐん育成いくせいに邁進まいしんしていった。

1662年ねんにはチャールズ2世せいの結婚けっこん相手あいてキャサリン・オブ・ブラガンザをポルトガルから迎むかえ入いれる役目やくめを果はたし、1665年ねんに第だい二に次じ英えい蘭らん戦争せんそうが始はじまるとヨーク公こう・カンバーランド公こうルパートと共ともに海軍かいぐんを率ひきいてローストフトの海戦かいせんとベルゲンの海戦かいせんでオランダ海軍かいぐんと交戦こうせんしたが、拿捕だほしたオランダ商船しょうせんの戦利せんり品ひんの処分しょぶんで不正ふせいがあったとの疑惑ぎわくがかけられ、翌よく1666年ねんにスペイン大使たいしに左遷させんされた。1672年ねんに第だい三さん次じ英えい蘭らん戦争せんそうが勃発ぼっぱつすると海軍かいぐんに復帰ふっきしてオランダ海軍かいぐんと再度さいど戦たたかうことになり、ソールベイの海戦かいせんでロイヤル・ジェイムズに乗のり込こみ先頭せんとうに立たったが、ミヒール・デ・ロイテル率ひきいるオランダ海軍かいぐんの奇襲きしゅうを受うけて混乱こんらん、火ひ船せんの突撃とつげきを受うけてロイヤル・ジェイムズが炎上えんじょう、別べつの船ふねに移うつろうとして乗のったボートが転覆てんぷくして死亡しぼうした。

遺体いたいは衣服いふくの残骸ざんがいから身元みもとが確認かくにんされ、引ひき上あげられてウェストミンスター寺院じいんに埋葬まいそうされた。爵位しゃくいは同名どうめいの息子むすこエドワードが継承けいしょうした。18世紀せいきに3度ど海軍かいぐん卿きょうを務つとめ、ジェームズ・クックの航海こうかいを援助えんじょし、サンドイッチの名前なまえの由来ゆらいと言いわれている第だい4代だいサンドウィッチ伯爵はくしゃくジョン・モンタギューは玄孫げんそんに当あたる。

子女しじょ

1642年ねんにジェマイマ・クルーと結婚けっこん、10人にんの子こを儲もうけた。

1. エドワード（1648年ねん - 1688年ねん） - 第だい2代だいサンドウィッチ伯爵はくしゃく
2. シドニー（1650年ねん - 1727年ねん）
3. オリバー（1655年ねん - 1689年ねん）
4. ジョン（1655年ねん - 1729年ねん）
5. チャールズ（1658年ねん - 1721年ねん）
6. ジェマイマ（? - 1671年ねん） - サー・フィリップ・カートレットと結婚けっこん、第だい2代だいグランヴィル伯爵はくしゃくジョン・カートレットの祖母そぼ
7. アン（? - 1729年ねん） - リチャード・エッジカムと結婚けっこん、クリストファー・モンタギューと再婚さいこん
8. キャサリン（1660年ねん - 1757年ねん） - ニコラス・ベーコンと結婚けっこん、バルタザール・ガードマンと再婚さいこん
9. ジェームズ（? - ?）
10. ポーリーナ（? - ?）

参考さんこう文献ぶんけん

• 森もり護まもる『英国えいこく王室おうしつ史し事典じてん』P415 - P416。大修館書店たいしゅうかんしょてん、1994年ねん。
• 友清ともきよ理り士し『イギリス革命かくめい史し（上うえ）』研究けんきゅう社しゃ、2004年ねん。
• 小林こばやし幸雄ゆきお『図説ずせつイングランド海軍かいぐんの歴史れきし』原はら書房しょぼう、2007年ねん。

関連かんれん項目こうもく

• 砂丘さきゅうの戦たたかい (1658年ねん)
• マドリード条約じょうやく (1667年ねん)

名誉めいよ職しょく
空位くうい	ハンティンドンシャー統監とうかん 同期どうき：第だい2代だいマンチェスター伯はく 1660年ねん - 1671年ねん 第だい3代だいマンチェスター伯はく 1671年ねん - 1672年ねん	次代じだい マンチェスター伯はく
	ハンティンドンシャー治安ちあん判事はんじ 1660年ねん - 1672年ねん
外交がいこう職しょく
先代せんだい リチャード・ファンショー	駐ちゅう西にし大使たいし 1666年ねん	次代じだい サンダーランド伯はく
イングランドの爵位しゃくい
先代せんだい 新設しんせつ	サンドウィッチ伯爵はくしゃく 1660年ねん - 1672年ねん	次代じだい エドワード・モンタギュー