エルバートさん

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エルバートさん
Mount Elbert
エルバートさん
最高さいこう地点ちてん
標高ひょうこう14,440 ft (4,400 m) [1]
プロミネンス9,073 ft (2,765 m) [2]
座標ざひょう北緯ほくい3907ふん04びょう 西経せいけい10626ふん43びょう / 北緯ほくい39.1177508 西経せいけい106.4453584 / 39.1177508; -106.4453584座標ざひょう: 北緯ほくい3907ふん04びょう 西経せいけい10626ふん43びょう / 北緯ほくい39.1177508 西経せいけい106.4453584 / 39.1177508; -106.4453584[1]
地形ちけい
エルバート山 Mount Elbertの位置(コロラド州内)
エルバート山 Mount Elbert
エルバートさん
Mount Elbert
コロラドしゅう
所在地しょざいちコロラドしゅうレイクぐん
所属しょぞく山脈さんみゃくサワッチ山脈さんみゃく
地形ちけいUSGS Mount Elbert
登山とざん
はつ登頂とうちょう1874ねん、ヘンリー・W・スタックル
さい容易ようい
ルート
ハイキング クラス2
プロジェクト やま

エルバートさん(エルバートさん、えい: Mount Elbert)は、きたアメリカロッキー山脈さんみゃく最高峰さいこうほうである。標高ひょうこうは14,440フィート (4,401 m) あり、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく本土ほんどではカリフォルニアしゅうホイットニーさん (4,418 m) にいでだい2コロラドしゅう高峰こうほうぐんフォーティーナー(標高ひょうこう14,000フィート以上いじょうやま)のなかだい1アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく全体ぜんたいではだい14、サワッチ山脈さんみゃくではだい1たかさである。コロラドしゅうレイクぐんにあり、レッドビルからは南西なんせいやく10マイル (16 km)、サンイザベル国有こくゆうりんなかにあり、コロラドしゅう中央ちゅうおうにあるツインみずうみちかい。

コロラドしゅう生成せいせい活躍かつやくし、1873ねんコロラドじゅんしゅう知事ちじつとめた政治せいじサミュエル・ヒット・エルバートから、そのられた。1874ねん、ヘイデン・サーベイのヘンリー・W・スタックルがはつ登頂とうちょう記録きろくした。地形ちけいはクラス2レベルあるいはA+に分類ぶんるいされている。エルバートさんはロッキー山脈さんみゃくすべてのみねうえる「おだやかな巨人きょじん」とばれる。

地理ちり[編集へんしゅう]

エルバートさんはロッキー山脈さんみゃく最高峰さいこうほう、コロラドしゅうのフォーティーナーのなかだい1[3]、サワッチ山脈さんみゃくだい1やまである。コロラドしゅうレイクぐんにあり、もっとちかおおきなまちであるレッドビルからは南西なんせいやく10マイル (16 km)[4]、このまちからみなみゆきいただいた頂上ちょうじょうることができる[5]隣接りんせつするマッシブやまがロッキー山脈さんみゃくだい2みねであり、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく本土ほんどではだい3になっている。ツインみずうみちかく、デンバーひがしやく130マイル (209 km)、ベイルはきたに50マイル (80 km)、アスペン西にしに40マイル (64 km) に位置いちしている。サンイザベル国有こくゆうりんなかにある。地理ちりてききたのマッシブやまからみなみのラプラタほうまでをふくむフォーティーナーにはいる。おやピークはカリフォルニアしゅうのホイットニーやまである[6]

標高ひょうこう当初とうしょ14,433フィート (4,399 m) と計測けいそくされたが、地図ちずするときにさい評価ひょうかされ14,440フィート (4,401 m) となったが、これが抗議こうぎをうむことになった。実際じっさい変更へんこうは1988ねんきたアメリカ標高ひょうこうデータの結果けっかとしておこなわれた。最初さいしょ数字すうじは1929ねん海抜かいばつデータからられたとかんがえられる[4][7][3]アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくなかではだい14たかさである[注釈ちゅうしゃく 1]地元じもとひとちかくにあるマッシブさん頂上ちょうじょういしケルンげ、コロラドしゅう最高峰さいこうほうにしようというこころみがおこなわれたが成功せいこうしなかった[4]登録とうろくされた標高ひょうこうは12フィート (3.6 m) である。

気象きしょうわりやすく、なつ午後ごごには雷雨らいうおおい。雹やゆき年間ねんかんつうじてる。山頂さんちょうはげしい雷雨らいうは、雑誌ざっし「サイエンス」1894ねん7がつごう報告ほうこくされるほど、注目ちゅうもくすべきものとかんがえられた[9]

地質ちしつ[編集へんしゅう]

6月のエルバートさん

エルバートさんはサワッチ山脈さんみゃくぞくしている。ララミー変動へんどう一部いちぶとして隆起りゅうきし、やく2,800まんねんまえひがしのモスキート山脈さんみゃく分離ぶんりした[10]。この山脈さんみゃくいただきつよ氷河ひょうが作用さようけており、とがったみねなどの特徴とくちょうのこした。たとえば東側ひがしがわふもとは、氷河ひょうが退しりぞいたときにのこした火成岩かせいがん変成岩へんせいがんおおく、がわ堆石たいせきになっている。東側ひがしがわ上部じょうぶにはちいさなみずうみのあるおおきなけんたにがある[11]北側きたがわ南側みなみがわにもターコイズとツインというみずうみがあり、おわり堆石たいせき自然しぜんダムでつくられたものである[11]。ただしターコイズはシュガーローフ・ダムによってつくられた。

岩石がんせき大半たいはん珪岩である[12]。しかしいただき稜線りょうせん変成へんせい基盤きばんがんであり、先カンブリア時代せんかんぶりあじだいやく17おくねんまえつくられたものである[11]ペグマタイトかたあさがん結晶けっしょう片岩かたいわおびなど火山かざんせい貫入かんにゅうがある[11]たようなたかさのやまとはことなり、根雪ねゆききたきのけんたにい。これはたようなたかさのやまかこまれ、比較的ひかくてき降水こうすいりょうすくないことが原因げんいんかんがえられる[12]

歴史れきし[編集へんしゅう]

サミュエル・ヒット・エルバート、エルバートさん名前なまえ由来ゆらい

エルバートさんはコロラドじゅんしゅう知事ちじサミュエル・ヒット・エルバートの栄誉えいよとなえ、鉱山こうざん名付なづけた。エルバートはユトぞくインディアンと1873ねん9がつ条約じょうやくむすび、インディアン居留きょりゅうの300まんエーカー (12,000 km2) 以上いじょう鉱業こうぎょう鉄道てつどうのために使つかえるようにした[13]最初さいしょ登頂とうちょうしたのは1874ねんのヘンリー・W・スタックルであり、ヘイデン・サーベイの一部いちぶとして山地さんち測量そくりょうおこなった[3]

世界せかい恐慌きょうこうのちで、エルバートさんちかくのマッシブさんたかさ(12フィート、3.6 m しかちがわない)について論争ろんそうこった。論争ろんそう長引ながびき、マッシブさん支持しじしゃがそのたかさをげるために、頂上ちょうじょうおおきな石積いしつみをつくったが、結局けっきょくはエルバートさん支持しじしゃがそれをこわしただけになった[14]くるま使つかった登頂とうちょうは1949ねんのことであり、1だいのジープが頂上ちょうじょうまでった。これはスキーじょうとしての可能かのうせい判断はんだんするためだった[14]

2014ねん1がつ29にちしゅう知事ちじジョン・ヒッケンルーパーが、NFLデンバー・ブロンコススーパーボウル進出しんしゅつとなえ、一時いちじてきにエルバートやまペイトン・マニングやま改名かいめいした[15]

植物しょくぶつしょう動物どうぶつしょう[編集へんしゅう]

プラタンテラ・ハイパボリア

エルバート山頂さんちょう山岳さんがく環境かんきょうにあり、ファセリア・セリシア(スカイパイロット)、ヒメノクシス・グランディフロラ(オールドマン・オブ・ザ・マウンテン)、ジェウム・ロッシー(アルパイン・アベンス)などの植物しょくぶつ自生じせいしている[3]にカレクス・アトラタ学名がくめいプラタ、サリクス・デザートラム、プラタンテラ・ハイパボリア、タリクトラム・フェンドレリ、アキレジア・カナデンシス、チェノポディウム・アルバム、ゲンティアナ・デトンサ学名がくめいハリー、ビゲロビア・パリーなどがえている[16]森林しんりん限界げんかいよりしたふかもりとなり、標高ひょうこうひく斜面しゃめんはロッジポールマツ、トウヒ、アスペン、モミ混合こんごうりんになっている[17]

いただきまでのぼることが報告ほうこくされている動物どうぶつとしては、グリズリー(ハイイログマ[18]マーモットミュールジカナキウサギホリネズミがおり、またおおくの鳥類ちょうるいもいる[19]エルクライチョウシチメンチョウマウンテンシープなつられる[17]

登山とざん[編集へんしゅう]

北東ほくとう尾根おね

おも登山とざんどうは3ルートあり、どれも標高ひょうこうは4.100フィート (1,200 m) 以上いじょうある。標準ひょうじゅんてきなルートはひがしのコロラド・トレイルからはじまるものである。4.6マイル (7.4 km) あるきたエルバート・トレイルはエルバートクリーク・キャンプじょうちかくからはじまり、標高ひょうこうは4,500フィート (1,400 m) ある[20][21]。このみち乗馬じょうばしゃ、マウンテンバイク利用りようしゃぶしにより狩猟しゅりょうしゃ使つかっている[22]みなみエルバート・トレイルはらくだが5.5マイル (8.9 km) とながいルートであり、標高ひょうこうは4,600フィート (1,400 m)、きたルートより傾斜けいしゃらくであり、みなみから近付ちかづき、ひがし尾根おねのぼ[20]もっと大変たいへんなルートがブラッククラウド・トレイルであり、標高ひょうこうは5,300フィート (1,600 m)、10あいだないし14あいだようするクラス2のルートであり、標高ひょうこう14,134フィート (4,308 m) のサウス・エルバートもとおることになる[23]西にしめんからのサウス・ハーフムーン・クリーック・トレイルヘッド、南西なんせい尾根おねからのエコー・キャニオン・トレイルヘッドという登山とざんどうもある[23]

登山とざんにはそれなりの体力たいりょく必要ひつようとするものの、特別とくべつ技量ぎりょうようせず、ロッククライミングも必要ひつようとしない。危険きけんせいがあるとすれば高山病こうざんびょうである。これはやまれたひとでもこることがある。ひどい場合ばあい高山こうざんせいはい水腫すいしゅあるいはのう水腫すいしゅこし、呼吸こきゅう困難こんなん麻痺まひ、さらにいたることがある。登山とざんしゃ午前ごぜん6よりまえ出発しゅっぱつすることが推奨すいしょうされる。普通ふつう登山とざんスタイルはハイキングであるが、雄弁ゆうべんアンナ・エリザベス・ディキンソンは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく政府せいふから借用しゃくようしたラバのぼった[24]

原註げんちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ One source erroneously reports Mount Elbert as the third-highest in the United States.[8]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b "Mount Elbert". NGS data sheet. U.S. National Geodetic Survey. 2008ねん12月5にち閲覧えつらん
  2. ^ "Mount Elbert, Colorado". Peakbagger.com. 2008ねん12月5にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d Enright 2009, p. 12.
  4. ^ a b c Mount Elbert”. Summitpost Organization. 2013ねん5がつ14にち閲覧えつらん
  5. ^ Cate Starmer, ed. Colorado (9 ed.). Fodor's. p. 132. ISBN 978-1-4000-0415-7 
  6. ^ Helman 2005.
  7. ^ “No tall tale: State higher than thought”. Denverpost. http://www.skyrunner.com/story/coheights.htm 2013ねん9がつ4にち閲覧えつらん 
  8. ^ Pettem, Sylvia (1991). Colorado Mountains & Passes: Day Trips in the Rockies (2 ed.). American Traveler Press. p. 46. ISBN 978-1-55838-117-9. https://books.google.com.sg/books?id=Xd_cJhdUrMsC&pg=PA46 
  9. ^ Vetter 2011, p. 111.
  10. ^ Hopkins & Hopkins 2000, p. 107.
  11. ^ a b c d Hopkins & Hopkins 2000, p. 110.
  12. ^ a b Kelsey 2001, p. 956.
  13. ^ Samuel Hitt Elbert”. Colorado Governor's Index. 2013ねん9がつ4にち閲覧えつらん
  14. ^ a b Dziezynski 2012, p. 153.
  15. ^ Associated Press (2014ねん1がつ29にち). “Colorado Governor Renames Peaks for Broncos”. Denver Post. 2014ねん1がつ30にち閲覧えつらん
  16. ^ Porter & Coulter 1874, pp. 2, 4, 64, 83, 111, 116, 128, 132–.
  17. ^ a b Holmes 1990.
  18. ^ Dziezynski 2012, p. 49.
  19. ^ Holmes 1990, p. 189.
  20. ^ a b Mount Elbert Trails (Fourteener)”. US Dept. Agriculture. 2013ねん5がつ13にち閲覧えつらん
  21. ^ Dziezynski 2012, p. 151.
  22. ^ Gaug 2011, p. 124.
  23. ^ a b Roach 1999, pp. 93–8.
  24. ^ Gallman 2006, p. 129.

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]