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エレクトリックアコースティックギター

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
Fender DG-41SCE

エレクトリックアコースティックギター通称つうしょうエレアコ)は、アコースティック・ギターピックアップアンプひとしからだい音量おんりょう演奏えんそうすること可能かのうにしたギターである。ポピュラー音楽おんがくのコンサートのだい音量おんりょうながれのなかで、アコースティックギター本来ほんらいおとをそのまま増幅ぞうふくできるように開発かいはつされた。音色ねいろ使つかいやすさを調整ちょうせいするために、部分ぶぶんてき従来じゅうらいのアコースティックギターとは構造こうぞうちがうところもあるが、生音なまおとでの使用しよう可能かのうもの主流しゅりゅうである。

アメリカでは"Electric-Acoustic Guitar"は、かつて「セミ/フル・アコースティック・ギター(ボディない空洞くうどうもうけたエレクトリック・ギター)」を言葉ことばだったため、日本にっぽんばれる「エレアコ」はアメリカではAcoustic-Electric Guitarばれることもおおい。

歴史れきし[編集へんしゅう]

エレアコの誕生たんじょう[編集へんしゅう]

現在げんざいのエレアコの原型げんけいとなったのは1969ねん発売はつばいされたオベーションしゃのギターである。ヘリコプターの製造せいぞう会社かいしゃカーマン・コーポレーションの社長しゃちょう、チャールズ・カーマンは有名ゆうめいなギタリストでもあった。1966ねんにカーマン・コーポレーションの子会社こがいしゃとしてオベーションしゃ設立せつりつし、3ねん発売はつばいされたものが航空機こうくうき技術ぎじゅつをギターにかしたエレアコであった。発売はつばい当初とうしょはあまりにも画期的かっきてきなものでれられなかったが、1970年代ねんだいには保守ほしゅてきなミュージシャンのあいだにも浸透しんとうしていくこととなった。

オベーション以前いぜんも、ギブソンJ-160Eひとしのようなエレクトリック・ギターようのピックアップを装備そうびしたアコースティック・ギターは存在そんざいしたが、エレクトリックようピックアップ増幅ぞうふくするおとは、アコースティック・ギター本来ほんらいおととはことなるものであった。オベーションしゃのギターはエレクトリック・ギターようマグネティックピックアップではなくピエゾピックアップ搭載とうさいしており、よりアコースティック・ギター本来ほんらいおとちかおと出力しゅつりょくすること成功せいこうした。またボディのバックには、従来じゅうらい木材もくざいわりに「リラコード」とばれるグラスファイバーを半球はんきゅうじょう加工かこうしたものを使用しようし、おと振動しんどう集中しゅうちゅうする構造こうぞうになっていた。現在げんざいでもオベーションしゃをはじめとしたいくつかのメーカーがこの構造こうぞう採用さいようしている。

その改良かいりょう[編集へんしゅう]

1975ねん、オベーションしゃあらたなブランド「Adamas」を発売はつばいする。Adamasでは、カーボンファイバーあいだかばざいはさまれた「ファイブロニック・サウンドボード」がボディトップに使用しようされ、従来じゅうらいのアコースティックにられるようなつる真下ました位置いちする1個いっこおおきなサウンドホールではなく、ボディトップ上部じょうぶ多数たすうちいさなサウンドホールをけるデザインがられた。

そのおおくのメーカーが追随ついずいし、エレアコを製造せいぞうするようになる。日本にっぽんではタカミネ1979ねんにエレアコの発売はつばい開始かいし。そのモーリス1981ねんにトルネードシリーズ、ヤマハ1983ねんにCWEシリーズを発売はつばいした。

現在げんざいではマーティンギブソンテイラーなど、主要しゅようなほとんどのアコースティック・ギター・メーカーが、エレアコのモデルをカタログにそろえている。

構造こうぞう[編集へんしゅう]

基本きほんてき構造こうぞう[編集へんしゅう]

基本きほんてき構造こうぞう一般いっぱんてきなアコースティック・ギターと類似るいじしている。

ハウリングをおさえるためにあえて「なまり」をおさえている場合ばあいおおい。以下いかれいげる。

  • ボディをうすくする
  • サウンドホール特殊とくしゅなものにする
  • ソリッドボディ(内部ないぶ空洞くうどうのない構造こうぞう)を採用さいよう
  • たんいたではなく、合板ごうはん(プライ)を使用しようする

また、従来じゅうらいのアコースティック・ギターにから装着そうちゃくするための単体たんたいピックアップも、各社かくしゃから数多かずおお発売はつばいされている。これらの製品せいひんは、「出来合できあいのエレアコではなく、自分じぶんあいをステージで使用しようしたい」というミュージシャンにおお使用しようされる。

ピックアップ[編集へんしゅう]

ピックアップはギター内部ないぶ設置せっちされるおとひろ装置そうちである。上記じょうきのとおり、エレアコにはピエゾピックアップがおお使用しようされている。

マグネティックピックアップ
エレクトリック・ギターでおお使用しようされている。永久えいきゅう磁石じしゃくをコイルでいたもので、つる真下ました装備そうびする。つる振動しんどうのみを、電磁でんじ誘導ゆうどう電流でんりゅう変換へんかんし、シールドをとおしてアンプなどにおくる。
ピエゾピックアップ
特殊とくしゅセラミックスピエゾ素子そし」の、ちからくわえると電圧でんあつ発生はっせいする性質せいしつ利用りようしたものである。エレアコはボディ内部ないぶおおくの場合ばあいブリッジサドルにピエゾピックアップを設置せっちし、つるとギター本体ほんたい振動しんどうによってピエゾに電圧でんあつ発生はっせいさせ、その信号しんごうをアンプにおくっている。

つまり、マグネティックピックアップがつる一本いっぽん一本いっぽん振動しんどうのみをひろうのにたいし、ピエゾピックアップはつる振動しんどうかぎらず、ギターの振動しんどうそのものをひろうことになる。このような理由りゆうからアコースティック・ギターの音色ねいろ表現ひょうげんすることにおいてはピエゾピックアップのほうすぐれているとされている。一方いっぽう、ピエゾピックアップでハウリングきやすいのは、このようにつる以外いがいの「振動しんどう」をひろ構造こうぞうのためである。エレアコの「り」をわるくする、つまり振動しんどうさせにくくすることによってピックアップがアンプのおと振動しんどうひろいにくくなりハウリングがきにくくなる。

なお、マグネティックピックアップはアコースティック・ギターの音色ねいろ表現ひょうげんできないとして、敬遠けいえんされがちだったが、最近さいきんではアコースティック・ギターよう高性能こうせいのうなものも発売はつばいされている。

ハイ・インピーダンスなので、Public Address(ロー・インピーダンスがおおい)につなさい考慮こうりょすること。

プリアンプ・イコライザー[編集へんしゅう]

ボディサイドにまれた、音量おんりょう音質おんしつなどを変換へんかんする装置そうち一般いっぱんてきなものは9Vの電池でんちれる構造こうぞうになっている。そとけの単体たんたい製品せいひんもある。

エレアコの種類しゅるい[編集へんしゅう]

エレクトリックフォークギター[編集へんしゅう]

通常つうじょうのフォークギター(スティールつるアコースティックギター)と同様どうようつるはスティールでネックもほそくなっている。

一般いっぱんてきなフォークギターがアコースティック・ギターとばれることがあるのと同様どうように、エレクトリックフォークギターも「エレクトリックアコースティックギター(エレアコ)」とばれることがおおい。

エレクトリッククラシックギター(Classical electric guitar)[編集へんしゅう]

一般いっぱんてきクラシック・ギター同様どうように、つるはナイロン(ガットつる)でネックもふとい。「エレガット」と場合ばあいおおい。

専用せんよう機器きき[編集へんしゅう]

エフェクター[編集へんしゅう]

だい音量おんりょうでエレアコを演奏えんそうするとアコースティック・ギター本来ほんらいひびきがうしなわれてしまうため、アコースティック・ギターのひびきをつくすシミュレーターを搭載とうさいしたエフェクター発売はつばいされている。また、エレアコの演奏えんそうではハウリングがこることがおおいため、ハウリングのきている周波数しゅうはすう検出けんしゅつし、それをおさえる機能きのうったエフェクターもある。

アンプ[編集へんしゅう]

上記じょうきのエフェクターとはべつに、アンプそのものがエレアコ専用せんよう仕様しようになっており、アコースティックギター本来ほんらい音色ねいろかなでることが可能かのうなものがある。代表だいひょうてきなものはローランドのAC-60など。

おもなメーカー[編集へんしゅう]

その[編集へんしゅう]

エレクトリック・ギターにも「フルアコースティックギター(フルアコ)」、「セミアコースティックギター(セミアコ)」とばれる種類しゅるい存在そんざいするが、これらは「エレクトリックアコースティックギター(エレアコ)」とはべつのものである。

詳細しょうさいは「エレクトリック・ギター#種類しゅるい」を参照さんしょう

詳細しょうさいは「 すべてのタイプのギター 」を参照さんしょう

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]