オムニアム

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

オムニアム(ラテン語らてんご: Omnium)は、自転車じてんしゃトラックレースふくあい競技きょうぎであり、1日間にちかんに4つの種目しゅもくおこない、その成績せいせきをポイントにえて順位じゅんい決定けっていする[1]。2016ねんあきのルール改正かいせい以前いぜんは2日間にちかんに6種目しゅもくおこなわれた[2]

ラテン語らてんごで「全部ぜんぶ」を意味いみするomnium発音はつおんは「オムニウム」)が由来ゆらいで、現代げんだい英語えいごみでは「ムニアム [ˈɒmnɪəm][3]」と発音はつおんされる(アクセントあたまの"O"にある)。その英語えいごけん各国かっこくではそれぞれ各国かっこくかたばれる。

歴史れきし[編集へんしゅう]

オムニアムは世界せかい選手権せんしゅけん自転車じてんしゃ競技きょうぎ大会たいかいでは男子だんしが2007ねんから、女子じょしは2009ねんから実施じっしされている。当初とうしょは5種目しゅもく(200 mフライングラップ、5 kmスクラッチ、3 km個人こじんつい、15 km / 10 kmポイントレース、1 km / 500 mタイムトライアル)で実施じっしされていたが、2010ねんからエリミネーションがくわわって6種目しゅもくとなり、またスクラッチおよびポイントレースの距離きょり延長えんちょうされ(男子だんし場合ばあいそれぞれ5 kmから15 kmへ、15 kmから30 kmへ)、長距離ちょうきょり得意とくいとする選手せんしゅ有利ゆうりとなった[4]。オリンピックでは2012ねんロンドン大会たいかいから採用さいようされたが、わって個別こべつ種目しゅもくとしての個人こじんつい抜、ポイントレースおよびマディソンが廃止はいしされた。2014ねん改定かいていでは競技きょうぎ実施じっしじゅん変更へんこうされ、さらにポイントレースの距離きょり延長えんちょうされた(男子だんしで30 kmから40 kmへ)。 2016ねんあきふたたびルールが改正かいせいされ、1 km(500 m)タイムトライアル、フライングラップ、個人こじんつい抜がなくなり、あらたにテンポレースがくわわり1日間にちかん4種目しゅもくとなった。また、スクラッチおよびポイントレースの距離きょりはそれぞれ短縮たんしゅくされた[1]

日本人にっぽんじん選手せんしゅでは、梶原かじはらゆうが2017ねんUCIトラックワールドカップだい3せんにて、女子じょしオムニアムをぜん4種目しゅもく1完全かんぜん優勝ゆうしょうたし、きんメダルを獲得かくとくした。このきんメダル獲得かくとくは、日本にっぽん女子じょし自転車じてんしゃ選手せんしゅとして、オリンピック・世界せかい選手権せんしゅけん・ワールドカップにおけるすべての種目しゅもくつうじてはつ出来事できごとである。さらに、梶原かじはらは2020ねんにはベルリン開催かいさいされた世界せかい選手権せんしゅけん女子じょしオムニアムで優勝ゆうしょうし、日本にっぽん女子じょし自転車じてんしゃ選手せんしゅとしてはすべての種目しゅもくつうじてはつアルカンシエル獲得かくとくしゃとなった。また2021ねん開催かいさい2020ねん東京とうきょうオリンピックにおいてはぎんメダルを獲得かくとくした。

現行げんこう種目しゅもく[編集へんしゅう]

1日間にちかん以下いかの4つの種目しゅもくおこない、その成績せいせきをポイントにえて順位じゅんい決定けっていする。だい1種目しゅもくからだい3種目しゅもくまでは1に40ポイント、2に38ポイント、以下いかちゃくじゅんによって2ポイントずつ減点げんてんされ、21以下いかには1ポイントがあたえられる。最終さいしゅう種目しゅもくはポイントレースであり、獲得かくとくしたポイントが加算かさんされる。合計ごうけいポイントがおなじの場合ばあいは、ポイントレースのフィニッシュのちゃくじゅん総合そうごう順位じゅんいまる。

だい1種目しゅもく・スクラッチ[編集へんしゅう]

参加さんかしゃ全員ぜんいんがコースの上下じょうげかれて縦列じゅうれつ整列せいれつし、ホイッスルとともにニュートラルラップが開始かいしされ、1しゅうまわったのち号砲ごうほうたれて正式せいしきスタートする。男子だんし10 km、女子じょし7.5 ㎞の距離きょりちゃくじゅんきそ[1]周回しゅうかいおくれの選手せんしゅはトラックの外側そとがわはなれないといけない[5]。スクラッチ単独たんどくとしては、2002ねんからワールドカップ、2003ねんから世界せかい選手権せんしゅけん種目しゅもく採用さいようされている。

だい2種目しゅもく・テンポレース[編集へんしゅう]

ポイントレースているが、男子だんし10 km、女子じょし7.5 kmでおこなわれ、まい周回しゅうかいごとに先頭せんとう選手せんしゅにのみ1てんあたえられる[1]周回しゅうかいおくれの選手せんしゅいつくと20てんあたえられる。

だい3種目しゅもく・エリミネーション[編集へんしゅう]

スクラッチ同様どうように1しゅうのニュートラルラップののち、スターターの号砲ごうほうでスタートする。333.3 m以下いかのトラックではスタートから2しゅうごと、それよりながいトラックでは周回しゅうかいごとに最下位さいかいこうはし判定はんてい)の選手せんしゅ脱落だつらくし、最後さいご2人ふたりになったところで、のこり1しゅうのマッチレースで勝敗しょうはいめる[6]

だい4種目しゅもく・ポイントレース[編集へんしゅう]

1しゅうのニュートラルラップののちスターターが号砲ごうほうち、そこから男子だんし25 ㎞、女子じょし20 ㎞を走破そうはする[1]。250 mトラックでは10しゅうごと、それよりながいトラックでは2 ㎞ごとにスプリントをおこないポイントを獲得かくとくし、その合計ごうけい得点とくてんきそ[7]

  • 通過つうかポイントの順位じゅんいは15てん、23てん、32てん、41てん、5以下いかは0てん。ゴール地点ちてんのポイントは2ばいとなる。
  • 集団しゅうだんからしてその周回しゅうかいって集団しゅうだんさい後尾こうびいついた場合ばあいは20てんる。
  • 集団しゅうだんからおくれそのしゅうまわってきた集団しゅうだんいつかれた場合ばあいは20てんうしなう。

2016ねんのルール改正かいせい以前いぜん競技きょうぎ種目しゅもく[編集へんしゅう]

2016ねんのルール改正かいせい以前いぜんの2日間にちかんおこなわれた6種目しゅもく以下いかとおり。リオデジャネイロオリンピックまでのきゅうルール。

  • だい1種目しゅもく・スクラッチ

男子だんし15 km、女子じょし10 ㎞でおこなわれた。

  • だい2種目しゅもく個人こじんつい

2人ふたり選手せんしゅがホームストレッチとバックストレッチから静止せいし状態じょうたいからスターティングブロックをもちいてスタートし、男子だんし4 ㎞、女子じょし3 ㎞を走破そうはするタイムをきそ[8]単独たんどく種目しゅもくとして実施じっしされる場合ばあいは、名前なまえのとおり相手あいていた時点じてん勝利しょうりとなるが、オムニアムで実施じっしする場合ばあい単純たんじゅんにタイムきそうことになるので、実質じっしつはタイムトライアルである。

  • だい3種目しゅもく・エリミネーション
  • だい4種目しゅもく・タイムトライアル

スターティングブロックをもちいて静止せいし状態じょうたいからスタートし、男子だんし1 ㎞、女子じょし500 mを走破そうはしたタイムでちゃくじゅん決定けっていする[9]単独たんどく種目しゅもくとして実施じっしされる場合ばあい独走どくそう基本きほんであるが、オムニアムの場合ばあい個人こじんきとおな要領ようりょうで、ホームストレッチとバックストレッチから同時どうじに2めいがスタートする。

  • だい5種目しゅもく・フライングラップ

オムニアム独自どくじ競技きょうぎである。250 mトラックではを3しゅうはん、333.33 mトラックは2しゅうはん、400 mトラックでは2しゅうはしるが、助走じょそう(フライング)をつけ最後さいごの1しゅう走破そうはタイムをきそ[10]

  • だい6種目しゅもく・ポイントレース

男子だんし40 ㎞、女子じょし25 ㎞でおこなわれた。

出典しゅってん[編集へんしゅう]