オークランド博物館はくぶつかん

オークランド博物館はくぶつかん Auckland War Memorial Museum
施設しせつ情報じょうほう
愛称あいしょう	Tāmaki Paenga Hira
専門せんもん分野ぶんや	ニュージーランド史し、自然しぜん科学かがく史し、軍事ぐんじ史し
収蔵しゅうぞう作品さくひん数すう	450万まん点てん
来館らいかん者しゃ数すう	85万まん9779人にん（2016 - 2017年度ねんど）
開館かいかん	1852年ねん10月がつ25日にち (1852-10-25)
位置いち	南緯なんい36度ど51分ふん37.1秒びょう 東経とうけい174度ど46分ふん41.1秒びょう
最寄駅もよりえき	パーネル駅えき グラフトン駅えき
外部がいぶリンク	Home - Auckland War Memorial Museum
プロジェクト:GLAM

オークランド博物館はくぶつかん（オークランドはくぶつかん、英えい：Auckland Museum）は、ニュージーランドの博物館はくぶつかん、戦争せんそう記念きねん施設しせつ。施設しせつの建物たてものは1920年代ねんだいおよび1950年代ねんだいに、オークランド市街しがい近郊きんこうのオークランドドメインの休火山きゅうかざんの跡あとの展望てんぼう台だいとなっている丘おかに建設けんせつされたもので、新しん古典こてん主義しゅぎ的てきな様式ようしきとなっている。特とくにオークランド地方ちほうを中心ちゅうしんとしたニュージーランド史しや、自然しぜん科学かがく史し、軍事ぐんじ史しに関連かんれんした収蔵しゅうぞう品ひんが多おおい。「オークランド戦争せんそう記念きねん博物館はくぶつかん（Auckland War Memorial Museum）」、マオリ語ごでは「Tāmaki Paenga Hira」と呼称こしょうされる。

オークランド博物館はくぶつかんの収集しゅうしゅうおよび展示てんじ活動かつどうは、1852年ねんに開始かいしされた。その後ご1868年ねんに、オークランド学術がくじゅつ協会きょうかいを前身ぜんしんとするオークランド研究所けんきゅうじょに、管理かんりが移管いかんされた。1996年ねん以降いこう施設しせつ全体ぜんたいの通称つうしょうとして用もちいられるようになってくる「戦争せんそう記念きねん博物館はくぶつかん」の名前なまえは、元来がんらいは1929年ねんに開館かいかんした戦争せんそう記念きねん施設しせつを指さす名称めいしょうだった。1991年ねんから2003年ねんまでの博物館はくぶつかんのマオリ語ご名めいは「Te Papa Whakahiku」。

設立せつりつ

オークランド博物館はくぶつかんの設備せつびは、1852年ねん設立せつりつ当初とうしょ、シモンズ・ストリートとグラフトン・ロードとの交差点こうさてんの近ちかくにある「オールド・ガバメント・ファームハウス」もしくは「ザ・ガバナーズ・デアリー」と呼よばれる小ちいさなの施設しせつの中なかに入居にゅうきょしていた。現在げんざいはこの地区ちくはオークランド大学だいがくの一部いちぶとなっている。

同年どうねん10月がつ24日にち（日曜日にちようび）に一般いっぱんの入場にゅうじょうが初はじめて許可きょかされ、以降いこう毎週まいしゅう水曜日すいようびと土曜日どようびに施設しせつへの一般いっぱん入場にゅうじょうが許ゆるされた。名誉めいよ事務じむ局長きょくちょうのジョン・アレクサンダー・スミスは、同月どうげつ29日にちの新聞しんぶんで、博物館はくぶつかんが一般いっぱんに公開こうかいされることを以下いかのように告知こくちしている。

この博物館はくぶつかんの目的もくてきは、ニュージーランドの自然しぜん史し、特とくにその地質ちしつ学がく、鉱物こうぶつ学がく、昆虫こんちゅう学がく、そして鳥類ちょうるい学がくに関かんする例証れいしょうをするための標本ひょうほんを収集しゅうしゅうすることにある。

ニュージーランドと太平洋たいへいようの島々しまじまの武器ぶき、衣類いるい、道具どうぐなども収集しゅうしゅうの対象たいしょうに含ふくまれる。 また、キャプテン・クックとその航海こうかいに関かんする品しなも頂戴ちょうだいするつもりだ。 貨幣かへいやメダル（古代こだい、そして近代きんだいのもの）も含ふくまれる。 上記じょうきのことに関連かんれんして、産業さんぎょう博物館はくぶつかんは、以下いかの標本ひょうほんを展示てんじする：

建造けんぞう物ぶつと装飾そうしょく用ようの石材せきざい

様々さまざまな用途ようとに用もちいられる木材もくざい

粘土ねんど、砂すななど

なめし剤ざいなどの染料せんりょう

ゴム、樹脂じゅしなど

亜麻あま、麻あさ、体毛たいもうなど

ニュージーランドの羊毛ようもうのサンプルを展示てんじしたいので、寄贈きぞう者しゃは、羊ひつじの個体こたい、飼育しいく場所ばしょ、羊ひつじ種しゅ、年齢ねんれい、寄贈きぞう者しゃ名めいを明記めいきしたサンプルを、できるだけ早はやく送付そうふしていただきたい。寄贈きぞう者しゃには、開館かいかん日びではない日ひに、博物館はくぶつかんで名誉めいよ事務じむ局長きょくちょう宛あてに、寄贈きぞう者しゃの名前なまえ、どこから寄贈きぞうしたのか、誰だれが寄贈きぞうしたのか、日付ひづけ、そして必要ひつようとされる事柄ことがらを書かいて提出ていしゅつするように求もとめる。 — J・A・スミス、

設立せつりつ初年度しょねんどの来館らいかん者しゃ数すうは708人にんであった。しかしその後ごは、収蔵しゅうぞう品数しなかずも増加ぞうかしたのにもかかわらず、人々ひとびとの博物館はくぶつかんへの関心かんしんは減退げんたいし、そして1869年ねんに博物館はくぶつかんの管理かんりは、その2年ねん前まえに設立せつりつされた学術がくじゅつ団体だんたいであるオークランド研究所けんきゅうじょに移管いかんされることとなった。そして、新あらたに博物館はくぶつかんに供きょうするためのイタリア風ふう建築けんちくの建物たてものが、総督そうとく官邸かんてい近ちかくの、ノーザン・クラブの道路どうろを挟はさんだ向むかいのプリンシズ・ストリートに建設けんせつされた。新館しんかんは1876年ねん6月がつ5日にちにニュージーランド総督そうとくジョージ・フィップス侯爵こうしゃくによって開館かいかんされた。施設しせつ内ないには、金属きんぞく製せい窓まど格子こうしの天窓てんまど付つきの広ひろい回廊かいろうがあったが、冬季とうきは影響えいきょうがないものの、夏季かきに天窓てんまどを通とおして、日差ひざしにより過熱かねつしてしまうという問題もんだいがその後ご判明はんめいした。そのため、日射にっしゃから屋内おくないを保護ほごするために帆布ほぬの製せいの日ひよけが使用しようされたが、却かえって回廊かいろう内ないは薄暗うすぐらくなり、展示てんじ品ひんが見みえにくくなってしまった。その後ご、本館ほんかんの隣となりに新あらたにいくつかの展示てんじホールが増設ぞうせつされた 。

1890年代ねんだいに博物館はくぶつかんを訪おとずれたフランスの画家がかポール・ゴーギャンは、館内かんないのマオリ族ぞくに関かんする展示てんじ品ひんをいくつか写生しゃせいした。その後ごこれらのスケッチは、彼かれのタヒチ時代じだいの作品さくひんに取とり入いれられることとなる。

戦争せんそう記念きねん館かん

20世紀せいき初頭しょとう、博物館はくぶつかんの学芸がくげい員いんであったトーマス・チーズマンにより、これまで非ひ体系たいけい的てきな方法ほうほうで展示てんじされていた自然しぜん史し、古代こだい彫刻ちょうこく、人類じんるい学がくに関かんする展示てんじ品ひんが分野ぶんやごとに整理せいりされた。そのなかで、より良好りょうこうな展示てんじ環境かんきょうと展示てんじ場所ばしょの拡張かくちょうが求もとめられ、博物館はくぶつかんはプリンシズ・ストリートの敷地しきちからの移転いてんが必要ひつようとなった。最終さいしゅう的てきにこの計画けいかくは、第だい一いち次じ大戦たいせんの戦没せんぼつ兵士へいしの追悼ついとう施設しせつを建設けんせつする計画けいかくと統合とうごうされることとなった。

市長しちょうのジェームス・ガンソン卿きょうとチーズマンとの間あいだで広範こうはんに行おこなわれた協議きょうぎの結果けっか、新しん博物館はくぶつかんの移転いてん先さきは、ワイテマタ港こうを眺望ちょうぼうできる市し所有しょゆう地ちの丘おかが選定せんていされた。1918年ねんにオークランド市議会しぎかいは建設けんせつの許可きょかを与あたえ、また市議会しぎかいは博物館はくぶつかんの協議きょうぎ会かいに3議席ぎせきを充あてられた。さらに市議会しぎかいは、当初とうしょの1万まんポンド（2021年ねんにおける約やく43万まんポンドに相当そうとう）の寄付きふに加くわえ、施設しせつ維持いじ予算よさんから補助ほじょ金きんを支出ししゅつすることにも同意どういし、さらに他たの周辺しゅうへんの自治体じちたいを説得せっとくし、施設しせつ維持いじ費ひのために年間ねんかん6000ポンドの法定ほうてい賦課ふか金きんを課かす方針ほうしんを立たてるようにした。

新館しんかんの建築けんちくにあたり、王立おうりつ英国えいこく建築けんちく家か協会きょうかいの資金しきん提供ていきょうのもと、採用さいようされた場合ばあいの賞金しょうきんを1000ポンド（2021年ねん現在げんざいの約やく4万まんポンドに相当そうとう）として世界せかい的てきな設計せっけい競技きょうぎが行おこなわれ、70以上いじょうのデザイン案あんの応募おうぼがされた。その結果けっか、グリアソン、エマー、ドラフィンの社しゃの応募おうぼした、古代こだいギリシア＝ローマの神殿しんでんを彷彿ほうふつとさせるような新しん古典こてん主義しゅぎ的てきなデザインが採用さいようされた。1920年ねんに現在げんざいの博物館はくぶつかんのある場所ばしょが、新あらたなオークランド戦争せんそう記念きねん博物館はくぶつかんの本館ほんかん建設けんせつ地ちとして決定けっていされ、1925年ねん8月がつに、ガンソン卿きょう主導しゅどうによる資金しきん調達ちょうたつが完了かんりょうし、着工ちゃっこうした。1929年ねんに竣工しゅんこうし、総督そうとくチャールズ・ファーガソン卿きょうの手てにより開館かいかんが宣言せんげんされた。

博物館はくぶつかんの設計せっけい者しゃは、クイーン・ストリートの宝石ほうせき細工ざいく店てんのコーンズ・ジュエラーズに、博物館はくぶつかんの建物たてものを模もった銀製ぎんせいの精巧せいこう模型もけいの制作せいさくを依頼いらいした。この模型もけいは博物館はくぶつかんの完成かんせい時じに、プロジェクトを主導しゅどうした広範こうはんな功績こうせきを讃たたえて、ガンソン卿きょうに贈呈ぞうていされた。彼かれの死後しご、模型もけいは子このウォレス・ガンソンによって博物館はくぶつかんに贈おくられ、今日きょうも展示てんじされている。

この建物たてものは、南半球みなみはんきゅうで最もっとも優すぐれたギリシア＝ローマ建築けんちくの一ひとつだと考かんがえられている。ニュージーランド史跡しせきトラストのA分類ぶんるいに指定していされており、最もっとも保存ほぞんが不可欠ふかけつな建築けんちく物ぶつとしての指定していを受うけている。そのうち、新しんギリシア様式ようしきとアール・デコ様式ようしきとの融合ゆうごうに更さらにマオリの要素ようそを加くわえた内装ないそうの漆喰しっくい細工ざいくや、20世紀せいきの軍隊ぐんたいを描えがいたリチャード・グロスによる外装がいそうの浮うき彫ぼり細工ざいくは、特とくに重要じゅうよう視しされている。

1878年ねんにオークランドに住すむ富豪ふごうトーマス・ラッセルによって博物館はくぶつかんに寄贈きぞうされた33体たいの彫像ちょうぞうのうち、19世紀せいきに漆喰しっくい彫刻ちょうこくとして復元ふくげんされた3体たいのギリシア彫像ちょうぞう、すなわち『瀕死ひんしのガリア人じん』『ラオコーン像ぞう』『ディスコボラス像ぞう』は、博物館はくぶつかんの建物たてものがギリシア・リバイバル様式ようしきに基もとづいていることを示しめしており、そして芸術げいじゅつの歴史れきし的てき重要じゅうよう性せいと、ヨーロッパからニュージーランドに輸入ゆにゅうされた古代こだいの遺物いぶつに対たいする学習がくしゅうとへの認知にんちだと考かんがえられている。

建物たてものの大だい部分ぶぶんはイングランド産さんのポートランド石せきで、細部さいぶはニュージーランドコーラマンデル産さんの花崗岩かこうがんが使つかわれている。玄関げんかんポーチには、ギリシアの政治せいじ家かペリクレスの言葉ことばだとされている「地球ちきゅう全体ぜんたいが偉人いじんの墓はかである（The whole earth is the sepulchre of famous men）」から始はじまる銘文めいぶんがあり、その体裁ていさいは戦争せんそう記念きねん施設しせつとしての博物館はくぶつかんの役割やくわりに基もとづいているものである。銘文めいぶんの全文ぜんぶんは以下いかの通とおり。

MCMXIV – MCMXVIII
The whole earth is the sepulchre of famous men
They are commemorated not only by columns and inscriptions in their own country
But in foreign lands also by memorials graven not on stone
but on the hearts of men

増築ぞうちく

建物たてものは、建設けんせつされた1929年ねんの時点じてんで、既すでに将来しょうらいの増築ぞうちくを見据みすえて設計せっけいされており、実際じっさいにその後ご2度どの増築ぞうちくが行おこなわれた。1950年代ねんだい後半こうはんに行おこなわれた1度目どめの増築ぞうちくでは、第だい二に次じ大戦たいせんを記念きねんして、大おおきな半円はんえん型がたの中庭なかにわを備そなえた管理かんり用ようの別館べっかんが南側みなみがわに追加ついかされた。この増築ぞうちくでは、元もとの建物たてものの主要しゅような建設けんせつ材ざいであるポートランド石せきとの調和ちょうわを図はかるために、セメント膏あぶらでレンダリングされたコンクリートブロックの構造こうぞうが用もちいられた。また、設計せっけいは、1920年代ねんだいの建設けんせつに当初とうしょ関かかわったM・K・ドラフィンと、その子こR・F・ドラフィンとが担になった。

2006年ねんには、南側みなみがわ入口いりくちに中庭なかにわを囲かこむ「グランドアトリウム」が造つくられた。

改修かいしゅう・拡張かくちょう

1990年代ねんだい以降いこう、博物館はくぶつかんは2度どにわたって改修かいしゅう・拡張かくちょうのための工事こうじを受うけた。1990年代ねんだいの第だい1次じ改修かいしゅうでは、既存きそんの建物たてものの修復しゅうふくと展示てんじ品ひんの交換こうかんに4300万まんニュージーランド・ドルが費ついやされた。その後ごの第だい2次じ改修かいしゅうでは、中庭なかにわのドームならびにアトリウムの建設けんせつに6450万まんドルが費ついやされた。これにより建物たてものの床ゆか面積めんせきが、9600平方へいほうメートル、率りつにして60パーセント増加ぞうかした。改修かいしゅう費用ひようのうち2700万まんドルは公金こうきんで、1290万まんドルはASB信託しんたくで、残のこりは寄付きふ金きんによって賄まかなわれた。第だい2次じ改修かいしゅうは2007年ねんに完了かんりょうした。

この銅どう・ガラス製せいのドームと、その下したの展望てんぼう台だい、そしてイベントセンターは、一部いちぶの人々ひとびとから「萎しぼんだスフレのようだ」と批判ひはんを受うけたが、その後ごすぐに、「その波打なみうつラインは、オークランド周辺しゅうへんの火山かざんの風景ふうけいや丘おかの稜線りょうせんを表現ひょうげんしている」などと、批評ひひょう家かや一般いっぱんの賞賛しょうさんを得えるようになった。また、ドームの下したのイベントセンターにいることは、「街まちの地平線ちへいせんを覆おおう巨大きょだいなアカエイの淡あわ黄色きいろの腹部ふくぶ」の下したにいるようだと評ひょうされた。2007年ねん6月がつ、この改修かいしゅうプロジェクトは、複雑ふくざつなデザインと伝統でんとうの要求ようきゅうを両立りょうりつさせた取とり組くみであったと評価ひょうかされ、ニュージーランド不動産ふどうさん協会きょうかいの最高さいこう賞しょうを受賞じゅしょうした。また、ニュージーランド工学こうがくコンサルティング協会きょうかいの金賞きんしょう（構造こうぞう工学こうがく部門ぶもん）も受賞じゅしょうした。

ドームの下したには、直径ちょっけい約やく30mのナギモドキ製せいの球体きゅうたいに囲かこまれた部屋へやが設置せっちされている。他ほかにも、900平方へいほうメートルの展示てんじスペースや、フリースパン48mの幅はばを持もつイベントセンター、球体きゅうたいの部屋へや内ないにある収容しゅうよう人数にんずう200人にんの講堂こうどうなどを含ふくむ、ツアーや校外こうがい学習がくしゅうに供きょうするための新規しんきエリアが増築ぞうちく・追加ついかされた。今次こんじの拡張かくちょう工事こうじの中核ちゅうかくをなしたこの球状きゅうじょうの部屋へやの重量じゅうりょうは700トンで、周囲しゅういの4本ほんのエレベーターシャフトから架かかるトラスにぶら下さげられている構造こうぞうになっている。更さらには、ドメイン内ないの駐車ちゅうしゃ需要じゅように対応たいおうするために、新あらたに204台だいを駐車ちゅうしゃできる駐車ちゅうしゃ場じょうが建設けんせつされた。

この博物館はくぶつかんの入いれ子こ構造こうぞうになった新規しんき拡張かくちょう部分ぶぶんは、しばしばマトリョーシカ人形にんぎょうに例たとえられている。

2020年ねん、博物館はくぶつかんは「タマキ・ヘレンガ・ワカ―オークランドの物語ものがたり」という、陸地りくち、海洋かいよう、都市としにおける人々ひとびとの行動こうどうやデータの視覚しかく化かに焦点しょうてんを置おいた新あらたな展示てんじ企画きかくを開始かいしした。「リビングシティ―ララウ・マイ」と題だいされたこのデータビジュアルセクションでは、大だい規模きぼなディスプレイを使用しようして、人ひと、環境かんきょう、しくみという3つのテーマに焦点しょうてんを当あて、地域ちいきの住民じゅうみんの民族みんぞく的てきな多様たよう性せいについて探求たんきゅうしている。この企画きかくはデータ視覚しかく化かデザインコンサルタント会社かいしゃOom Creativeとの提携ていけいにより作成さくせいされ、INaturalist、ニュージーランド国立こくりつ水質すいしつ大気たいき研究所けんきゅうじょ、国勢調査こくせいちょうさのデータを含ふくむ様々さまざまなデータベースが活用かつようされている。また、展示てんじにあたってはマルコ・シェール＝ジバード制作せいさくのサウンドスケープも用もちいられている。

また同年どうねんには、南側みなみがわの入口いりくちが「テ・アオ・マーラマ」として新あらたに改築かいちくされてオープンした。これはオークランドの建築けんちく家かノエル・レーンが2006年ねんに考案こうあんしたデザインを原案げんあんとしており、その中心ちゅうしんにあるサモア風ふうの大おおきなタノアボウルを特徴とくちょうとしている。この新あらたなアトリウムは、オーストラリアの建築けんちく設計せっけい事務所じむしょであるJasmax、Francis-Jones Morehen Thorp、そしてdesignTRIBEによる共同きょうどう設計せっけいによるものである。タノアボウルの下したにはガーティ・ファトゥア・オラーケイ、ガーティ・パオア、そしてワイカト・タイヌイという3つのマオリ部族ぶぞくに関かんする物語ものがたりを放映ほうえいするビジョンが取とり付つけられている。

テ・アオ・マラーマにあるいくつかの作品さくひんは、制作せいさくを委託いたくされたものである。「テ・タタウ・カイティアキ」と題だいされた入場にゅうじょう門もんは、グラハム・ティピニにより制作せいさくされた。そこには2体たいのマナイアと、ティピニの祖母そぼ、そして2014年ねんに死去しきょした母親ははおやが描えがかれている。ティピニは制作せいさくを委託いたくされたことについて「大変たいへん光栄こうえいなこと」とした上うえで、「依頼いらいを受うけた時ときに最初さいしょに思おもったのは母親ははおやのことだった」と語かたった。アトリウムの中心ちゅうしんに置おかれている彫刻ちょうこくは、マヌルアと呼よばれる、トンガ人じん芸術げいじゅつ家かソポレマラマ・フィリペ・トヒによる作品さくひんである。これはララバというトンガの伝統でんとう的てきな縄なわ縛しばりの習慣しゅうかんを表現ひょうげんしており、「過去かこ、現在げんざい、そして未来みらいの全すべてのものの融合ゆうごう」を象徴しょうちょうしている。入口いりくちの外そとには、ブレット・グラハムによる彫刻ちょうこく「ファオフィア」があり、これは戦争せんそう記念きねん施設しせつと知識ちしきの集積しゅうせき者しゃとしての博物館はくぶつかんの目的もくてきを協賛きょうさんするものとなっている。また、クリス・ベイリーによって制作せいさくされたワヒ・ファカノアは、瓢箪ひょうたんの女神めがみであるヒネプテフエと、平和へいわの穀物こくもつの神かみであるロンゴマーターネからインスピレーションを得えている。

鉄道てつどうアクセス

2017年ねん3月がつ12日にち、パーネル郊外こうがいの博物館はくぶつかんのすぐ東ひがしにあたる地域ちいきに、パーネル駅えきが開業かいぎょうした。この駅えきは、隣となり駅えきであるニューマーケット駅えきの歴史れきし的てきな駅舎えきしゃを特徴とくちょうとしており、特とくに学生がくせいや学童がくどうを中心ちゅうしんとした博物館はくぶつかんの訪問ほうもん者しゃからの高たかい需要じゅようを得えられると見込みこまれていた。

外部がいぶリンク

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