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オーストラリア首都特別地域(オーストラリアしゅととくべつちいき、英: Australian Capital Territory、略称: ACT)は、オーストラリアの特別地域の1つ。首都・キャンベラおよびその周辺地域から構成される。
同地域の標準時 (東部オーストラリア標準時: (A)EST) はUTC+10時間(日本標準時+1時間)である。夏時間 ((A)EDT = UTC+11時間、日本標準時+2時間) の開始は10月の第1日曜日早朝、終了は翌年4月の第1日曜日早朝である。同地域とシドニー、メルボルンは一年中時差がない。
またACTは、ニューサウスウェールズ州のサウスイースタン地域に周囲を囲まれる形で存在する。
首都キャンベラの他、ホール地区(Hall)などの各地区から構成される。
以下の自治体と主なサバーブ(区・地区)で構成されている。
- キャンベラ首都地域
- その他の地域
キャンベラ首都地域では、計画的に副都心や衛星地区の開発がされている。
しかし他の地域は街といえる集落がない。また、隣接するNSW州南東地域のシティ・オブ・クイーンビアンがACT外の衛星都市となっている。
ACTに関連し、海へ出るための連邦直轄区域ジャービス湾特別地域が設けられているが、ACTには属さず、別の特別地域となっている。
- 参照:Australian Capital Territory Legislative Assembly
ACTは地域内の自治権を持っているが、憲法上はノーザンテリトリーと同格の準州であり、自治権は制限されている。このため、オーストラリア連邦政府の直轄地の性格が強い。
他の州、準州、自治領域(ノーフォーク島、クリスマス島、およびココス諸島)と異なり、ACTは総督 (Governer) に相当するオーストラリア国王の代理人、行政官 (administrator) に相当する連邦総督の代理人はおかれていない。キャンベラに駐在している連邦総督がその役割を担っている[3]。
オーストラリア首都特別地域(ACT)は地方自治および国政において、ジャービス湾特別地域(JBT)と一体的に扱われている。
オーストラリア首都特別地域立法議会(Australian Capital Territory Legislative Assembly)と首相 (chief minister) はACTだけでなくJBTも管轄範囲とする。
ACT立法議会はキャンベラ市議会の役割を兼ね、地域内の立法権を有する。2011年まで、連邦総督(事実上は連邦政府)はACT立法議会が可決した法令に対し拒否権を行使することができた。現在は、連邦政府がオーストラリア首都特別地域立法議会の決定を却下するにはオーストラリア連邦議会両院の承認(それぞれ過半数)が必要である。
ACT立法議会は、議会の多数派からACTおよびJBTの行政の長、ACT首相 (ACT chief minister) を指名する。先述の通り、ACTには総督・行政官に相当する国王・連邦総督の代理人は存在しないため、議会の指名がすなわち首相の任命となる。chief minister は他州の premier(州首相)に相当し、またキャンベラ市長の役割を兼ねる。
オーストラリア連邦議会には、ACTおよびJBTから4人の議員を選出している(2人の上院議員、および2人の下院議員)。
大学はいずれもキャンベラとその衛星地区にある。
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