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カウドウイルス

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カウドウイルスから転送てんそう
カウドウイルス
左から、マイオウイルス、ポドウイルス、サイフォウイルス
分類ぶんるい
ぐん : だい1ぐん(2ほんくさりDNA)
: カウドウイルス
学名がくめい
Caudovirales

カウドウイルス(Caudovirales)は、バクテリオファージとしてられるウイルスの分類ぶんるいである[1]caudaは、ラテン語らてんごで「」の意味いみである。ボルティモア分類ぶんるいでは、2ほんくさりDNAのゲノムをだい1ぐん分類ぶんるいされる。ゲノムちょうは18–50まん塩基えんきたいほどである[2]。ウイルス粒子りゅうし各々おのおのビリオンは、ゲノムふくじゅう面体めんてい頭部とうぶと、接続せつぞくタンパク質たんぱくしつかいして接続せつぞくするしなやかなという、明確めいかく形状けいじょう[2]。この広範囲こうはんいのウイルスをふくみ、そのおおくは類似るいじしたヌクレオチド配列はいれつおよ機能きのう遺伝子いでんしふくむ。しかし、つバクテリオファージの一部いちぶは、同属どうぞくあいだであってもゲノム配列はいれつおおきくことなる場合ばあいがある。特徴とくちょうてき構造こうぞうやホモログとかんがえられる遺伝子いでんしつことから、これらも共通きょうつう起源きげんから分岐ぶんきしたものであるとかんがえられている[2]

すくなくとも350のたねられている[2]

感染かんせん[編集へんしゅう]

宿主しゅくしゅとなる細菌さいきん出会であうと、ビリオンの細胞さいぼう表面ひょうめん受容じゅようたい結合けつごうし、インジェクチソームIIIがた分泌ぶんぴつ装置そうちタンパク質たんぱくしつはこナノマシン)に機構きこうでDNAを細胞さいぼうないおくむ。ウイルスの細菌さいきん細胞さいぼうかべ細胞さいぼうまくあなけ、かいして細胞さいぼうないにウイルスゲノムをおくる。遺伝子いでんし一旦いったん細胞さいぼう内側うちがわはいると、宿主しゅくしゅ装置そうち利用りようしてつくられた転写てんしゃ産物さんぶつから宿主しゅくしゅリボソームもちいた遺伝子いでんし発現はつげんおこなわれる。通常つうじょう、ゲノムはコンカテマー利用りようして複製ふくせいされる。重複じゅうふくしたDNA断片だんぺん形成けいせいされ、そのそれらがあつめられてゲノム全体ぜんたい構築こうちくされる[2]

組立くみたてと成熟せいじゅく[編集へんしゅう]

ウイルスのカプシドタンパク質たんぱくしつは、あつまって頭部とうぶ前駆ぜんくたい形成けいせいする。頭部とうぶ前駆ぜんくたいにウイルスゲノムがはいると、頭部とうぶ前駆ぜんくたいはカプシドサブユニットの切断せつだんによって成熟せいじゅくし、かい対称たいしょうじゅう面体めんていファージ頭部とうぶ形成けいせいされる。頭部とうぶ成熟せいじゅくのちべつつくられてコネクタによって接続せつぞくされるか、ファージ頭部とうぶ直接ちょくせつつくられるか、どちらかの方法ほうほう形成けいせいされる。は、おもにヘリックスからなるろくかい対称たいしょうタンパク質たんぱくしつによって構成こうせいされる。ウイルス粒子りゅうし成熟せいじゅく細胞さいぼうは、リシンホリンのどちらか、または両方りょうほうによって溶解ようかいされる[2]

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

この分類ぶんるいのウイルスではアミノ酸あみのさん配列はいれつやDNA配列はいれつあい同性どうせい欠如けつじょしているため、生物せいぶつ一般いっぱんてきであるようにカプシドタンパクしつなどを分類ぶんるいがくてきマーカーとして使用しようすることはできない。形態けいたいもとづいて、3つの分類ぶんるいされる。この分類ぶんるいスキームは、1969ねんにBradleyがはじめたもので、それ以降いこう拡張かくちょうされてきた[2]

このすべてのウイルスはじゅう面体めんていまたはひらた球形きゅうけい頭部とうぶつが、ながさと収縮しゅうしゅくのうことなる。ミオウイルス収縮しゅうしゅくするながポドウイルス収縮しゅうしゅくしないみじかシホウイルス収縮しゅうしゅくしないなが[3]。シホウイルスは、既知きちのウイルスのだい部分ぶぶんめる[2][4]

Bradleyは、今日きょうミオウイルスとしてられているものをAがた、シホウイルスとしてられているものをBがた、ポドウイルスとしてられているものをCがたんだ。かれはこれを頭部とうぶ形状けいじょうもとづいてさらに分類ぶんるいした。Aがたなかちいさくひとしじく頭部とうぶつものをA1がたひらたちょう頭部とうぶつものをA2がた細長ほそなが頭部とうぶつものをA3がたとした。BかたおよびCがたでも、ちいさくひとしじく頭部とうぶつものをB1がたおよびC1がたひらたちょう頭部とうぶつものをB2がたおよびC2がた細長ほそなが頭部とうぶつものをB3がたおよびC3がたとした。

バクテリオファージの進化しんか[編集へんしゅう]

バクテリオファージは、細菌さいきん細菌さいきんの195以上いじょうぞく存在そんざいする。ことなる宿主しゅくしゅかえ発生はっせいし、すくなくとも11のことなる系統けいとうがある。1959ねん以降いこう、6300以上いじょうのバクテリオファージが電子でんし顕微鏡けんびきょう観察かんさつされた。これらのなかで96%以上いじょうっており、やく57%が収縮しゅうしゅくしないなが(シホウイルス)である。つファージはおそらくたん系統けいとうぐんで、既知きちもっとふるいウイルスのグループである[4][5]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Tailed bacteriophages: the order caudovirales. 51. (1998). 135-201. doi:10.1016/S0065-3527(08)60785-X. ISBN 9780120398515. PMID 9891587 
  2. ^ a b c d e f g h Double-Stranded DNA Bacteriophages”. kolibri.teacherinabox.org.au. 2020ねん5がつ3にち閲覧えつらん
  3. ^ Maniloff, J.; Ackermann, H.W. (1998). “Taxonomy of bacterial viruses: establishment of tailed virus genera and the other Caudovirales”. Archives of Virology 143 (10): 2051-2063. doi:10.1007/s007050050442. PMID 9856093. 
  4. ^ a b Ackermann, H.W. (2003). “Bacteriophage observations and evolution”. Research in Microbiology 154 (4): 245-251. doi:10.1016/S0923-2508(03)00067-6. PMID 12798228. 
  5. ^ Ackermann, HW; Prangishvili, D (October 2012). “Prokaryote viruses studied by electron microscopy.”. Archives of Virology 157 (10): 1843-9. doi:10.1007/s00705-012-1383-y. PMID 22752841. 

関連かんれん文献ぶんけん[編集へんしゅう]