カシン

カシン（ロシア語ご: Ка́шин, ラテン文字もじ転写てんしゃ: Kashin）は、ロシア連邦れんぽうのトヴェリ州しゅうにある町まち。人口じんこうは1万まん4113人にん（2021年ねん）^[1]。モスクワから北きたに204km、カリャージンからは25km。トヴェリ州しゅう・モスクワ州しゅう・ヤロスラヴリ州しゅうの州しゅう境さかい近ちかくに位置いちする。ヴォルガ川がわ支流しりゅうのカシンカ川がわ流域りゅういきの農村のうそん地帯ちたいにあり、ロシアの古都ことのひとつである。

歴史れきし

カシンの町まちは1238年ねんのモンゴルのルーシ侵攻しんこうの際さいに略奪りゃくだつを受うけたことが年代ねんだい記きに記しるされており、これが文献ぶんけん上じょうの初出しょしゅつである。トヴェリのトヴェリ公国こうこく大公たいこうミハイル・ヤロスラヴィチは息子むすこヴァシリーに領地りょうちとしてカシンを与あたえ、彼かれは短命たんめいに終おわったカシン公国こうこくの祖そとなった。ミハイル・ヤロスラヴィチの妻つまカシンのアンナ（ロシア語ご版ばん）はカシンの女子じょし修道院しゅうどういんを開ひらき、殺ころされた夫おっとや息子むすこらのために祈いのりながら1368年ねん10月がつ2日にちにこの女子じょし修道院しゅうどういんで没ぼっするまで過すごした。ロシア正教会せいきょうかいにより1650年ねん列聖れっせいされ、身内みうちの喪失そうしつに苦くるしむすべての女性じょせいの守護しゅご聖人せいじんとなった。彼女かのじょの奇跡きせきが働はたらいた遺物いぶつは、現在げんざいもカシンの主あるじの昇天しょうてん聖堂せいどうに保存ほぞんされている。

1382年ねん、カシンはトヴェリ公国こうこくに併合へいごうされたが、1399年ねんから1426年ねんにかけては第だい二に次じカシン公国こうこくが成立せいりつし、ホルムの公おおやけとトヴェリ大公たいこう家かの主導しゅどう権けんをめぐり争あらそった。15世紀せいき前半ぜんはんのモスクワ大公たいこう国こくの内戦ないせん時代じだいにトヴェリ公国こうこくも介入かいにゅうを行おこなっているが、1452年ねん、カシンはドミトリー・シェミャーカ軍ぐんの攻おさむ城しろ戦せんに耐たえ抜ぬいた。1486年ねん、イヴァン3世せい（イヴァン大帝たいてい）によりトヴェリ公国こうこくの残のこりとともにモスクワ大公たいこう国こくに併合へいごうされた。

1708年ねん、カシンはインゲルマンランド県けんに編入へんにゅうされ、後のちに県けんは改名かいめいしてサンクトペテルブルク県けんとなった。サンクトペテルブルクに近ちかいこの地ちでは盛さかんに修道院しゅうどういん、聖堂せいどう、教会きょうかいなどの建築けんちくがこの時期じきに行おこなわれ、その中なかでも最もっとも古ふるい1646年ねんの木造もくぞうの教会きょうかいが近年きんねんまで残のこっていたが1998年ねんに焼失しょうしつした。

経済けいざい

カシンスキー地区ちくの中心ちゅうしん都市としとして、トヴェリ州しゅうの主要しゅよう都市としとして経済けいざい的てきにも重要じゅうようである。主おもな産業さんぎょうは農業のうぎょうと畜産ちくさん業ぎょう。この地方ちほうで最大さいだい級きゅうの酒造しゅぞうメーカー・ヴェレスク（Veresk）の本社ほんしゃや、「カシンスカヤ」ブランドのミネラルウォーターを製造せいぞうするERA社しゃもカシンにある。こうした飲料いんりょうのほかにも食肉しょくにくや牛乳ぎゅうにゅうなどの食品しょくひん工業こうぎょうが盛さかんで、電機でんき工場こうじょう、繊維せんい工場こうじょうも稼働かどうしている。