キリル・メレツコフ

キリル・アファナシエヴィチ・メレツコフ Кирилл Афанасьевич Мерецков
生誕せいたん	(1897-06-07) 1897年ねん6月7日にち ロシア帝国ていこく、リャザン県けん サライスク郡ぐん ナザルイェヴォ
死没しぼつ	(1968-12-30) 1968年ねん12月30日にち（71歳さい没ぼつ） ソビエト連邦れんぽう ロシア・ソビエト連邦れんぽう社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく、モスクワ
所属しょぞく組織そしき	赤軍せきぐん
軍ぐん歴れき	1917年ねん - 1964年ねん
最終さいしゅう階級かいきゅう	ソ連邦それんぽう元帥げんすい

キリル・アファナシエヴィチ・メレツコフ（ロシア語ご: Кири́лл Афана́сьевич Мерецко́в、1897年ねん6月7日にち ‐ 1968年ねん12月30日にち）は、ソビエト連邦れんぽうの軍人ぐんじん。最終さいしゅう階級かいきゅうはソ連邦それんぽう元帥げんすい。

生おい立たち

リャザン県けんサライスク郡ぐんナザルイェヴォの貧農ひんのうの家庭かていに生うまれる。15歳さいまで学校がっこうに通かよう傍かたわら両親りょうしんの農作業のうさぎょうを手伝てつだった。卒業そつぎょう後ごの1912年ねんに機械きかい工こうの徒弟とていとなり、モスクワの夜間やかん学校がっこうに通かよう。1915年ねんに修業しゅうぎょうを終おえると、ズドグダで機械きかい工こうとして働はたらき始はじめるが、高等こうとう教育きょういくを受うける準備じゅんびのため夜間やかん学校がっこうに通かよい続つづけた。この頃ころからツァーリズムと第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせんに反対はんたいするボリシェヴィキの地下ちか活動かつどうに加くわわるようになる。

1917年ねん、ロシア社会民主労働党しゃかいみんしゅろうどうとうに加入かにゅうし、赤あか衛まもる軍ぐんに参加さんか。大隊だいたい参謀さんぼうとなりムーロムでの反はん革命かくめい蜂起ほうき鎮圧ちんあつに従事じゅうじ。ロシア内戦ないせんの最前線さいぜんせんで戦たたかい、第だい5軍ぐん第だい227連隊れんたいの大隊だいたい政治せいじ委員いいんの当時とうじには負傷ふしょう。1918年ねん10月がつに参謀さんぼう教育きょういくを修了しゅうりょうした。1919年ねん10月がつから南部なんぶ戦線せんせんの第だい9軍ぐん第だい14師団しだんで参謀さんぼう及および旅団りょだん参謀さんぼう長ちょうを務つとめる。1920年ねん‐1921年ねん、アレクサンドル・エゴロフ率ひきいる第だい1騎兵きへい軍ぐんの第だい4騎兵きへい師団しだん（司令しれい官かんセミョーン・ブジョーンヌイ）で参謀さんぼう。1921年ねんに陸軍りくぐん大学だいがくを修了しゅうりょう後ご、旅団りょだん長ちょう及およびベラルーシに駐屯ちゅうとんする第だい1トムスクシベリア騎兵きへい師団しだん参謀さんぼう長ちょう。

内戦ないせん終結しゅうけつ後ご、1923年ねんにカフカスの第だい15狙撃そげき軍団ぐんだん参謀さんぼう及および第だい9ドン狙撃そげき師団しだん参謀さんぼう長ちょう。翌年よくねん、モスクワ軍ぐん管区かんく動員どういん局長きょくちょう。1925年ねん、モスクワ軍ぐん管区かんく第だい1副ふく参謀さんぼう長ちょう及および副ふく政治せいじ委員いいん長ちょう。次ついで第だい14狙撃そげき師し団長だんちょう及およびモスクワ軍ぐん管区かんく参謀さんぼう長ちょう。1932年ねん‐1935年ねん、ベラルーシ軍ぐん管区かんく参謀さんぼう長ちょう、次ついで特別とくべつ極東きょくとう赤旗あかはた軍ぐん司令しれい官かんヴァシーリー・ブリュヘルの下したで参謀さんぼう長ちょう。スペイン内戦ないせん中なかの1936年ねん‐1937年ねん、共和きょうわ国こく政府せいふの軍事ぐんじ顧問こもんとしてスペインに派遣はけん。次ついで参謀さんぼう総長そうちょうボリス・シャポシニコフの代理だいりとなる。1938年ねん9月がつ、ヴォルガ軍ぐん管区かんく司令しれい官かん、次ついでレニングラード軍ぐん管区かんく司令しれい官かん。第だい18回かい党とう大会たいかいで党とう中央ちゅうおう委員いいん会かい候補こうほに選出せんしゅつされる。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん初期しょきの1939年ねん‐1940年ねん、冬ふゆ戦争せんそうで第だい7軍ぐん司令しれい官かんを務つとめ、マンネルハイム線せんを突破とっぱした。1940年ねん6月がつ、国防こくぼう担当たんとう人民じんみん委員いいん（大臣だいじん）セミョーン・チモシェンコの代理だいりとなり、同どう時期じきに上級じょうきゅう大将たいしょうの階級かいきゅうを授与じゅよされる。2ヶ月かげつ後ご、参謀さんぼう総長そうちょうに就任しゅうにん。1941年ねん前半ぜんはん、国防こくぼう担当たんとう人民じんみん委員いいんの教育きょういく担当たんとう代理だいりを務つとめる。1941年ねん6月がつ22日にちに独どくソ戦せんが始はじまると、軍ぐん最高さいこう司令しれい部ぶ（スタフカ）顧問こもんとなった。しかし直後ちょくごに内務ないむ人民じんみん委員いいん部ぶ（NKVD）により逮捕たいほされ、厳きびしい拷問ごうもんを受うけた。

9月に釈放しゃくほうされると第だい7独立どくりつ軍ぐん司令しれい官かんに任命にんめいされ、スヴィリ川がわを挟はさんでフィンランド軍ぐんと対峙たいじし、フィンランドとの継続けいぞく戦争せんそうの最前線さいぜんせんに立たった。メレツコフはフィンランド軍ぐんの攻勢こうせいをよく凌しのいだが、左翼さよくの第だい4軍ぐんが敗やぶれたため退却たいきゃくを余儀よぎなくされた。11月8日にちにティフヴィンが陥落かんらくしてドイツ軍ぐんの北方ほっぽう軍ぐん集団しゅうだんに背後はいごを衝つかれる恐おそれが出でてきたため、最高さいこう司令しれい部ぶはメレツコフに第だい4軍ぐんの指揮しきも委ゆだねた。12月9日にちにティフヴィンを奪還だっかんしてこの危機ききは去さり、最高さいこう司令しれい部ぶはドイツ北方ほっぽう軍ぐん集団しゅうだんの包囲ほうい下かにあるレニングラードを救出きゅうしゅつするためメレツコフに四よん個こ軍ぐんの指揮しきを委ゆだねた。しかしドイツ軍ぐんの包囲ほういを破やぶることには失敗しっぱいした。

1942年ねん1月がつから4月がつまで、メレツコフ指揮しき下かの部隊ぶたいは反攻はんこうに転てんじた。しかし最高さいこう司令しれい部ぶがレニングラード北方ほっぽうの指揮しき権けんをレニングラード戦線せんせんに統一とういつさせ、メレツコフはゲオルギー・ジューコフの代理だいり及および第だい33軍ぐん司令しれい官かんに転出てんしゅつした。しかしこの措置そちにより組織そしき上じょうの混乱こんらんが生しょうじ、レニングラード方面ほうめんでの攻勢こうせいは頓挫とんざした。このため1942年ねん6月がつにメレツコフにレニングラード北方ほっぽうでの指揮しき権けんが戻もどった。1944年ねん1月がつから3月がつの冬季とうき攻勢こうせいにより、ドイツ中央ちゅうおう軍ぐん集団しゅうだんはバルト三さん国こくまでの後退こうたいを余儀よぎなくされた。戦線せんせんが縮小しゅくしょうしたため方面ほうめん軍ぐんの改組かいそが行おこなわれ、メレツコフはカレリア地方ちほうでのフィンランド軍ぐんとの戦闘せんとうを指揮しきした。メレツコフの指揮しきするソ連それん軍ぐんの攻勢こうせいにより、フィンランドは9月にソ連それんと停戦ていせん協定きょうていを結むすんだ。戦功せんこうを賞しょうされ、1944年ねん10月がつにソ連邦それんぽう元帥げんすいに列れっせられる。1945年ねん3月がつ、第だい1極きょく東ひがし戦線せんせん司令しれい官かんに転てんじ、8月がつのソ連それん対たい日にち参戦さんせんの際さいは沿海えんかい地方ちほうから満州まんしゅう国こくに侵攻しんこうして日本にっぽん軍ぐんを破やぶった。太平洋戦争たいへいようせんそうの終結しゅうけつにより、9月にこの方面ほうめん軍ぐんは解散かいさんした。

戦後せんご

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんでの戦功せんこうにより勝利しょうり勲章くんしょうを受章じゅしょう。戦後せんごは各地かくちの軍ぐん管区かんく司令しれい官かんを務つとめたのち、1955年ねんから1964年ねんまで国防こくぼう相しょう参謀さんぼうを務つとめた。同時どうじにソ連それん退役たいえき軍人ぐんじん委員いいん会かい代表だいひょうを務つとめる。1964年ねんからソ連それん国防こくぼう相しょう総監そうかんグループの一員いちいんとなった。

1968年ねん12月30日にちにモスクワで死去しきょ。遺骨いこつはクレムリンの壁かべ墓所はかしょに埋葬まいそうされた。

参考さんこう文献ぶんけん

• Petr J. Egorov: Marsal Mereckov, Voen. Izd. Min. Oborony SSSR, Moskva 1974.
• K. A. Merezkow: Im Dienste des Volkes (1. Auflage), Militärverlag der DDR, Berlin (Ost) 1972.

先代せんだい ボリス・シャポシニコフ

赤軍せきぐん参謀さんぼう総長そうちょう 1940年ねん - 1941年ねん

次代じだい ゲオルギー・ジューコフ