(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ケプラー12b - Wikipedia コンテンツにスキップ

ケプラー12b

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケプラー12b
Kepler-12b
ケプラー12とケプラー12bの想像図
ケプラー12とケプラー12bの想像そうぞう
星座せいざ りゅう
分類ぶんるい 太陽系たいようけいがい惑星わくせい
ホット・ジュピター
発見はっけん
発見はっけん 2011ねん9がつ8にち(公表こうひょう)[1]
発見はっけんしゃ Fortney ら[1]
発見はっけん場所ばしょ ケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう
発見はっけん方法ほうほう トランジットほう[1]
現況げんきょう 公表こうひょう
軌道きどう要素ようそ性質せいしつ
もと:J2000.0
軌道きどうちょう半径はんけい (a) 0.0556±0.0007 au[1][2]
はなれしんりつ (e) < 0.01[1][2]
公転こうてん周期しゅうき (P) 4.4379637 ± 0.0007 にち[1][2]
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 88.76 ± 0.08 °[1][2]
きんてん引数ひきすう (ωおめが) 182+97
−98
°[1]
通過つうか時刻じこく JD 24555004.0835 ± 0.00002[1]
じゅん振幅しんぷく (K) 48.2+4.4
−4.3
m/s[1]
ケプラー12惑星わくせい
恒星こうせい
等級とうきゅう 13.438
スペクトル分類ぶんるい FまたはG
質量しつりょう 1.166+0.051
−0.054
M[1]
半径はんけい 1.483+0.025
−0.029
R[1]
平均へいきん密度みつど 0.354+0.017
−0.008
g/cm3[1]
表面ひょうめん重力じゅうりょく 149.6m/s2[1][ちゅう 1]
有効ゆうこう温度おんど 5947 ± 100 K[1]
自転じてん速度そくど V sini 0.8 ± 0.5 km/s[1]
金属きんぞくりょう [Fe/H] 0.07 ± 0.04[1]
年齢ねんれい 40おく+3おく
−4おく
とし[1]
位置いち
あかけい (RA, αあるふぁ)  19h 04m 58.44s
あかぬき (Dec, δでるた) +41° 02′ 25″
距離きょり 2947 光年こうねん
(904 pc[3][ちゅう 2])
物理ぶつりてき性質せいしつ
半径はんけい 1.695+0.028
−0.032
RJ[1][2]
質量しつりょう 0.431+0.041
−0.040
MJ[1][2]
表面ひょうめん重力じゅうりょく 3.715 m/s2[1][ちゅう 3]
0.379 g[ちゅう 4]
平衡へいこう温度おんど 1480 ± 30 K[4]
カタログでの名称めいしょう
KOI-20b[5], KOI-20.01[5], KIC-11804465b[5], GSC 03549-00844 b[5], 2MASS J19045842+5002253 b[5]
Template (ノート 解説かいせつ■Project

ケプラー12b英語えいご: Kepler-12b)とは地球ちきゅうからりゅう方向ほうこうに900パーセクさきにある太陽たいようよりややおおきい恒星こうせいケプラー12公転こうてんしている太陽系たいようけいがい惑星わくせいである。質量しつりょう木星もくせいの0.4ばいであるのに半径はんけい木星もくせいの1.7ばいちかくある異例いれいホット・ジュピターである。2011ねんケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう観測かんそくによりトランジットほう発見はっけんされた。発見はっけん成果せいか同年どうねん9月8にち公表こうひょうされた[1]

発見はっけん

[編集へんしゅう]

この惑星わくせい発見はっけんしたNASAのケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうはトランジット惑星わくせい発見はっけんするために継続けいぞくてき宇宙うちゅういち地域ちいき観測かんそくした。恒星こうせいめん惑星わくせい通過つうかすると恒星こうせいがわずかにげんひからしたことが検出けんしゅつされ、それが周期しゅうきてきこるため惑星わくせいによるげんこうかを判断はんだんした結果けっか惑星わくせいのトランジットが原因げんいんであるという証拠しょうこた。発見はっけん当時とうじ恒星こうせいはケプラー12とはばれておらず、KIC 11804665やKOI-20とばれていた[5]

ケック天文台てんもんだいはケプラー12の光度こうど変化へんかれんぼしによるものではないと証明しょうめいした。

ケプラー12bの存在そんざい確実かくじつなものとするためKepler Follow-up Program英語えいごばん(KFOP)においてW・M・ケック天文台てんもんだいはケックI望遠鏡ぼうえんきょうもちいてしょくれんぼしでないことを証明しょうめいした。WIYN天文台てんもんだい英語えいごばんスペックル・イメージング使つかった調査ちょうさでケック天文台てんもんだいによる証明しょうめい補助ほじょし、恒星こうせいからの影響えいきょうでもないことを証明しょうめいした。2009ねん9がつ9にちにはパロマー天文台てんもんだいヘール望遠鏡ぼうえんきょう搭載とうさいされたPHAROカメラでられた近赤外線きんせきがいせん画像がぞうによりケック天文台てんもんだいとWIYN天文台てんもんだい証明しょうめいさい確認かくにんした[1]

ケック天文台てんもんだい分光ぶんこうHIRESをもちいてケプラー12の視線しせん速度そくどをケプラー12bの特徴とくちょうをより詳細しょうさいるために測定そくていした。視線しせん速度そくど測定そくていからケプラー12bの存在そんざい確定かくていし、1ねんはんおよぶデータの処理しょり解析かいせきから質量しつりょう半径はんけい密度みつどもとまった[1]

スピッツァー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうによるさい調査ちょうさおこなわれ、ケプラーにより発見はっけんされた巨大きょだいけいがい惑星わくせいによる恒星こうせいめん通過つうか観測かんそくする"プログラム#60028"が実行じっこうされた。その結果けっか逆転ぎゃくてんそう」とばれる現象げんしょうこっていないとかり結論けつろんづけられた。

恒星こうせい

[編集へんしゅう]

恒星こうせいケプラー12はKepler Input CatalogにおいてはKIC 11804465とばれる。スペクトルがた早期そうきのGあるいは晩期ばんきのFと分類ぶんるいされる。また、太陽たいようており、しゅ系列けいれつぼしとしてはわりをむかえる矮星赤色あかいろ巨星きょせい進化しんかするだろうとかんがえられている[1]地球ちきゅうからの距離きょりは904pcあり[3][ちゅう 2]単位たんい光年こうねん換算かんさんするとやく2947光年こうねんである。等級とうきゅうは13.4[2]肉眼にくがんではえない。

太陽たいようとはているもののわずかに太陽たいようよりも質量しつりょうおおきくイオンにんでおり温度おんどたかい。しかし、半径はんけい太陽たいようやく1.5ばいもある[1]

特徴とくちょう

[編集へんしゅう]
おおきさの比較ひかく
木星もくせい ケプラー12b
木星 Exoplanet

ケプラー12bは木星もくせいの0.431ばい質量しつりょう、1.695ばい半径はんけい[1][2]木星もくせい半分はんぶん質量しつりょうしかないにもかかわらず木星もくせいやく1.7ばいおおきさをつことから密度みつどは0.110g/cm3非常ひじょうひくく、半径はんけい異常いじょうこっている。現在げんざいはまだ半径はんけい異常いじょう詳細しょうさい科学かがくモデルは明確めいかくになっていないが、惑星わくせい初期しょき活動かつどう起因きいんとするものだとかんがえられている[1]。ケプラー12bは比較ひかく対象たいしょうとなることもある。たとえばHD 209458 bとはエネルギーの放出ほうしゅつりょう類似るいじしていることから比較ひかくされることがあり、TrES-4とは半径はんけい類似るいじしていることから比較ひかくされることがある[1]

ケプラー12bは軌道きどうちょう半径はんけいが0.556 auで、平均へいきん軌道きどう距離きょり地球ちきゅう太陽たいようあいだ距離きょりの5%に相当そうとうする。その軌道きどうを4.4379637 にち公転こうてんする。軌道きどう傾斜けいしゃかくは88.86°[1]基準きじゅんめんとは直交ちょっこうしている。密度みつどは0.111g/cm3[1]みずやく10ぶんの1である。平衡へいこう温度おんどは1480 K[4]木星もくせいよりも5.8ばいたかい。また、軌道きどうはなれしんりつは0.01未満みまん[1]とされ、ほとんど円軌道えんきどうである。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ log g=4.175+0.015
    −0.011
    cm/s2より
    g[cm/s2]≒104.175≒14962 cm→mに換算かんさんすると149.6m/s2
  2. ^ a b 出典しゅってんよりとししゅう視差しさ1.1057×10−3びょう距離きょり=1÷とししゅう視差しさ[びょう]。よって1÷1.1057×10−3=904.4...
  3. ^ log g=2.57 ± 0.04 cm/s2より
    g[cm/s2]≒102.57=371.5。単位たんいをcm→mに換算かんさんして3.715 m/s2
  4. ^ 3.715÷9.8≒0.379

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af Fortney, Jonathan J. et al. (2011ねん9がつ8にち). “Discovery and Atmospheric Characterization of Giant Planet Kepler-12b:An Inflated Radius Outlier”. The Astrophysical Journal 197 (1): 12. arXiv:1109.1611. doi:10.1088/0067-0049/197/1/9. 
    公表こうひょうについてはarXivの提出ていしゅつ参照さんしょう
  2. ^ a b c d e f g h Notes for Planet Kepler-12 b”. Extrasolar Planets Encyclopaedia (2015ねん2がつ26にち). 2019ねん6がつ19にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2020ねん4がつ30にち閲覧えつらん
  3. ^ a b KOI-20 -- Eruptive variable Star”. SIMBAD. ストラスブール天文てんもんデータセンター. 2020ねん4がつ30にち閲覧えつらん
  4. ^ a b Esteves, Lisa J. et al. (2015ねん5がつ7にち). “Changing Phases of Alien Worlds: Probing Atmospheres of Kepler Planets with High-precision Photometry”. The Astrophysical Journal 804 (2): 28. arXiv:1407.2245. doi:10.1088/0004-637X/804/2/150. 
  5. ^ a b c d e f Kepler-12 b - NASA EXOPLANET ARCHIVE”. NASA Exoplanet Science Institute. 2020ねん4がつ30にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]