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光年こうねん

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光年こうねん
光年
外側そとがわ球面きゅうめん太陽たいようから1光年こうねん位置いちあらわし、内側うちがわちいさいたまが1光月こうづき位置いちあらわす。ひだり黄色おうしょくせん1がつだい彗星すいせい(1910ねん軌道きどう
記号きごう ly
けい SI単位たんい法定ほうてい計量けいりょう単位たんい
りょう なが
SI 9460730472580800 m(正確せいかくに)
定義ていぎ ひかり自由じゆう空間くうかんを1年間ねんかん (365.25 d) に通過つうかするなが
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光年こうねん(こうねん、えい: light-yearどく: Lichtjahr記号きごう ly[1][2])はながSI単位たんいおも天文学てんもんがく分野ぶんやもちいられ、やく9.5ちょうキロメートル(正確せいかく9460730472580800 m)だが、SI併用へいよう単位たんいではなく[注釈ちゅうしゃく 1]日本にっぽん法定ほうてい計量けいりょう単位たんいでもないので取引とりひき証明しょうめいもちいることはできない。「とし」がくが時間じかん単位たんいではない。

概要がいよう

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1光年こうねんは、ひかり自由じゆう空間くうかんかつ重力じゅうりょくじょうおよ磁場じば影響えいきょうけない空間くうかんユリウスねん365.25  = 31557600 びょう[3]あいだ通過つうかするながさである[4]真空しんくうちゅうひかり速度そくど正確せいかく299792458 m/s であるので、1光年こうねん正確せいかく9460730472580800 m である[5]概数がいすうとしては、やく9.46×1015 メートルやく9.46 ペタメートル)である。

光年こうねん換算かんさん

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  • 光年こうねん
  • = 9460730472580800 m
  • = 9460730472580.8 km
  • = やく63241.077084266280 au
  • = やく0.306601 pc(パーセク

歴史れきしてきおよび不正確ふせいかく

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距離きょり単位たんいとして、「光年こうねん」をはじめて使用しようしたのは、ドイツじんオットー・エドゥアルト・ヴィンツェンツ・ウレである。ウレは1851ねん著作ちょさく、Deutsches Museum: Zeitschrift für Literatur, Kunst u. Öffentliches ..., Volume 1[6]なかで、はじめて「光年こうねん」(ドイツではlichtjahre)を距離きょり単位たんいとしてもちいた。なお、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセル1838ねんはくちょう61ばんほしまでの距離きょりを、「ひかりが1年間ねんかん通過つうかする距離きょり」の10.3ばい最新さいしん観測かんそくでは11.4光年こうねん)であることをいだしたが、「光年こうねん」という単位たんいもちいたわけではない。

国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう (IAU) は1964ねんさだめた太陽年たいようねん(ユリウスねんとはことなる)と光速こうそく実測じっそく定義ていぎではない)を天文てんもん定数ていすう体系たいけいふくめており、それを1968ねんから1983ねんまで使用しようしていた[7]サイモン・ニューカムは、J1900.0平均へいきん太陽年たいようねん 31556925.9747 こよみひょうびょうひかり速度そくど 299792.5 km/s から1光年こうねん9.460530×1015 m計算けいさんした(光速こうそく有効ゆうこう数字すうじ7けたまるめている)。このがいくつかの最近さいきん文献ぶんけんにも記載きさいされているが[8][9][10]、おそらく1973ねん有名ゆうめいほん[11]参照さんしょうしたものとおもわれ、この文献ぶんけんは2000ねんまで改版かいはんされていなかった[12]

こう精度せいど一貫いっかんしたIAU体系たいけいのみからでは導出どうしゅつできない。9.460536207×1015 m という不正確ふせいかくがいくつかの現代げんだい文献ぶんけんられるが[13][14]平均へいきんグレゴリオねん365.2425 にち31556952 びょう)と光速こうそく定義ていぎ299792458 m/s)を使つかって計算けいさんしたものであろう。9.460528405×1015 m という不正確ふせいかくもあるが[15][16]、これはJ1900.0の平均へいきん太陽年たいようねん光速こうそく定義ていぎ使つかってもとめたものであろう。

現在げんざいでは1光年こうねん天文てんもん定数ていすうからは除外じょがいされている[17]

光年こうねんスケールの実際じっさい

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光年こうねんは、銀河ぎんが恒星こうせいなどの天体てんたいまでの距離きょりひょうするのによくもちいられる。キロメートル単位たんいあらわすと文字通もじどおり「天文学てんもんがくてき数字すうじ」になるからである。

現在げんざい天文学てんもんがくでは、恒星こうせいまでの距離きょりしめすときにはパーセクもちいられる。パーセクは、1天文てんもん単位たんいうごいたときの視差しさが1びょうとなる距離きょりのことで、1パーセクはやく3.26光年こうねんとなる[4]。パーセクは観測かんそくデータから簡単かんたんもとめることができ、相互そうご参照さんしょうできることからよくもちいられている。しかし、科学かがくしゃ以外いがい一般いっぱん大衆たいしゅうあいだでは、直感ちょっかんてき理解りかいしやすい「光年こうねん」のほうひろ使つかわれている。

1光年こうねんやく63241 天文てんもん単位たんいである。光年こうねんしめされることのおお距離きょりのものについては記事きじ1 E15 m」を参照さんしょうのこと。

光年こうねん関連かんれんして、ひかりが1週間しゅうかん・1日間にちかん・1あいだ・1分間ふんかん・1秒間びょうかんすす距離きょりとしひかりしゅうひかりひかりひかりぶんひかりびょうという単位たんい定義ていぎできる。

  • 1ひかりしゅう1813144785984000 m
  • 1ひかり25902068371200 m
  • 1こう1079252848800 m
  • 1ひかりぶん17987547480 m
  • 1ひかりびょう299792458 m

おおまかな距離きょりあらわすのに1光年こうねんの12ぶんの1の光月こうづきという単位たんい時折ときおり使つかわれている[18][19]。ただし、光月こうづきつき時間じかん間隔かんかくさだめていないので厳密げんみつ定義ていぎ存在そんざいしない[注釈ちゅうしゃく 2]

光年こうねんあつかいに注意ちゅういすべきこと

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光年こうねんは、かならず時間じかん経過けいか考慮こうりょする必要ひつようがある[注釈ちゅうしゃく 3]ことには注意ちゅういすべきである。たとえば地球ちきゅうからの距離きょりが1光年こうねんほし場合ばあいているひかりはそのほしから1ねんまえはっせられたものであるため、1ねんまえに1光年こうねん距離きょりにあったそのほしをいま地球ちきゅうていることになる。かりに、たったいまそのほしなんらかの原因げんいん消滅しょうめつしたとしても、地球ちきゅうからはそのほしの1ねんまえひかりしかることができないため、かけじょう今後こんご1年間ねんかんほしがまだ存在そんざいしているように“え”、1ねんにやっとほし消滅しょうめつしたように“える”。

おおきなあか方偏かたへんうつり観測かんそくされるような非常ひじょう遠方えんぽう天体てんたい場合ばあいたとえば2014ねん現在げんざいもっととお天体てんたいであるMACS0647-JDあか方偏かたへんうつり z = 10.7 のち、距離きょりは 133 おく 9200 まん光年こうねんハッブルの法則ほうそくにより地球ちきゅうからは光速こうそくの 98.5% にあたる 295,444 km/s で後退こうたいしているように“える”と計算けいさんされる[注釈ちゅうしゃく 4]。しかし、これはこの天体てんたいから133 おく 9200 まんねんまえはっせられたひかりもと計算けいさんされたみかけじょう(このような距離きょり光行みつゆき距離きょり英語えいごばんえい: Light-travel distance という)であり、実際じっさいはいま時点じてんでは 319 おく 3900 まん光年こうねん距離きょり(このような距離きょりきょうどう距離きょり固有こゆう距離きょりえい: Comoving Distance という)[注釈ちゅうしゃく 5]にあり、後退こうたい速度そくどじつ光速こうそくの2ばい以上いじょうにもなる 695,115 km/s である。このようなスケールでの後退こうたい速度そくど実際じっさい計量けいりょう自体じたい拡大かくだい速度そくどであり、光年こうねんひかり自由じゆう空間くうかんかつ重力じゅうりょくじょうおよ磁場じば影響えいきょうけない空間くうかん定義ていぎであるので光速こうそく不変ふへん原理げんりとは矛盾むじゅんしない。

光年こうねん」を使つかった距離きょり表現ひょうげん事例じれい

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光年こうねん恒星こうせいあいだ距離きょり以上いじょうもちいる。

1000光年こうねんやく306.6パーセク)は "kly"(Kilo Light Year)と略記りゃっきされ、銀河ぎんが構造こうぞう寸法すんぽうなどを表記ひょうきするのにもちいる場合ばあいがある。

100まん光年こうねんやく30まん6600パーセク)は "Mly"(Mega Light Year)と略記りゃっきされ、銀河ぎんが銀河ぎんがだんまでの距離きょり表記ひょうきするのにもちいる場合ばあいがある。

距離きょり一覧いちらん
尺度しゃくど (ly) べきじょう 具体ぐたいれい
10−9 40.4×10−9 ly 0.0000000404 ly 太陽光たいようこうつき表面ひょうめん反射はんしゃして地球ちきゅう地表ちひょうとどくまでに1.2びょうから1.3びょうかかる。月表げっぴょうめん地球ちきゅう表面ひょうめん距離きょり平均へいきんするとやく376300 kmである。やく376300 km ÷ 299792458 m/s光速こうそく) ≈ 1.255 ひかりびょうとなる。
10−6 15.8×10−6 ly 0.0000158 ly 1天文てんもん単位たんい(au)(太陽たいよう地球ちきゅう距離きょり)。ひかり太陽たいようから地球ちきゅうまですすむには、8.3ふんかかる。つまり、太陽たいようから地球ちきゅうまでの距離きょり(1天文てんもん単位たんい)は8.3ひかりぶんである[20]
10−3 3.2×10−3 ly 0.0032 ly 地球ちきゅうからもっととおくにある宇宙うちゅう探査たんさであるボイジャー1ごうは、2009ねん7がつ12にち現在げんざい地球ちきゅうから15.22こう距離きょりにあり[21]つぎとおパイオニア10ごうは13.79こう距離きょりにある[22]。ボイジャー1ごう現在げんざい速度そくど維持いじするなら、1光年こうねん距離きょりまでくには18000 としかかる計算けいさんになる。
100 1.6×100 ly 1.6 ly オールトのくも直径ちょっけいやく2光年こうねんである。内側うちがわ境界きょうかい50000 au外側そとがわ境界きょうかい100000 au推定すいていされている。
2.0×100 ly 2 ly 太陽たいよう重力じゅうりょくてき支配しはいしている領域りょういきヒルだま)のさい外縁がいえんまでの距離きょり125000 au。これよりさきしん恒星こうせいあいだ空間くうかんである。
4.22×100 ly 4.22 ly 太陽系たいようけいからもっとちか恒星こうせいであるプロキシマ・ケンタウリは、太陽たいようから4.22光年こうねん距離きょりにある[23][24]
20×100 ly 20 ly うみ平均へいきん気温きおんなど、生命せいめい存在そんざいしうる環境かんきょうがある可能かのうせいグリーゼ581cは、地球ちきゅうから20光年こうねん距離きょりにある。
103 26×103 ly 26000 ly 銀河系ぎんがけい銀河ぎんがかくまでの距離きょりやく26000 光年こうねんである[25]
100×103 ly 100000 ly 銀河系ぎんがけい直径ちょっけいやく10まん光年こうねんである。
106 2.5×106 ly 2500000 ly アンドロメダ銀河ぎんがまでの距離きょりやく250まん光年こうねんである。
3.14×106 ly 3140000 ly さんかく銀河ぎんが(M33)までの距離きょりやく314まん光年こうねんで、裸眼らがん確認かくにんできるもっととお天体てんたいである。
59×106 ly 59000000 ly もっとちか銀河ぎんがだんであるおとめ銀河ぎんがだんまでの距離きょりやく5900まん光年こうねんである。
(150–250)×106 ly 150000000–250000000 ly グレートウォールは1おく5せんまん光年こうねんから2おく5せんまん光年こうねん距離きょりにある(とおほう最近さいきん推定すいてい)。
109 1×109 ly 1000000000 ly スローン・グレートウォールグレートウォールとは別物べつもの)はやく10おく光年こうねん距離きょりにあると推定すいていされている。
45.7×109 ly 45700000000 ly 地球ちきゅうから観測かんそく可能かのう宇宙うちゅうてまでのきょうどう距離きょりやく457おく光年こうねんである。詳細しょうさい下記かき、および観測かんそく可能かのう宇宙うちゅう参照さんしょう

宇宙うちゅうおおきさと光年こうねん理解りかいとの関係かんけい

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観測かんそく可能かのう宇宙うちゅう”のおおきさは、このきょうどう距離きょり理解りかいからおよそ 457 おく光年こうねん(14 ギガパーセク)[26]とされているが、これは 宇宙うちゅうマイクロ背景はいけい放射ほうしゃえい: cosmic microwave background radiation、CMB)のあか方偏かたへんうつり観測かんそく z = 1090 から計算けいさんされるきょうどう距離きょりで、誕生たんじょうしてからおよそ 38 まんねん[27]宇宙うちゅう膨張ぼうちょうにより移動いどうして現在げんざいる」場所ばしょから、それを観測かんそくしている現在げんざい我々われわれまでの距離きょりをいう(つまり、457 おくねんまえひかりをいま観察かんさつしているのでもないし、457 おく光年こうねんはなれた距離きょり計測けいそくできているわけでもない。観測かんそくできる宇宙うちゅう過去かこ宇宙うちゅう誕生たんじょうした138おくねんまえ限界げんかいである。{138 おくねん - 38 まんねん}まえひかりはっした空間くうかんが「現在げんざい」は 457 おく光年こうねんさきにまですすんでいるという説明せつめいにすぎず、「457おくねんまえ」から「現在げんざい」までに「457おく光年こうねんさきのその空間くうかん」でなにきたかを我々われわれじゅつもない)。宇宙うちゅうはもっとさきにまでひろがっているかもしれないが[注釈ちゅうしゃく 6]、「(理論りろん検証けんしょうのための)観測かんそくができない以上いじょうかんがえても意味いみい(=理論りろん証明しょうめいできない)」とするのが現在げんざい宇宙うちゅうろん立場たちばである。“観測かんそく可能かのう宇宙うちゅう”は宇宙うちゅうろん立場たちばでは我々われわれ中心ちゅうしんいたこの半径はんけい 457 おく光年こうねん球体きゅうたいないとなり、この球面きゅうめん宇宙うちゅうろん立場たちばでの「宇宙うちゅうて」「宇宙うちゅうおおきさ」ということになる。CMB の観察かんさつ結果けっかよりも過去かこ宇宙うちゅう情報じょうほう手段しゅだん観測かんそくできるのであれば、“観測かんそく可能かのう宇宙うちゅう”はさらにおおきくなる[注釈ちゅうしゃく 7]

逆説ぎゃくせつてきだが、我々われわれ現在げんざい観測かんそくしている CMB のひかりは、あか方偏かたへんうつりから逆算ぎゃくさんするとともどう距離きょりで 3600 まん光年こうねんしかすすんでいないことになる(これも、3600 まんねんまえくろたい放射ほうしゃ観測かんそくしているのではないし、3600 まん光年こうねん距離きょり実測じっそくできているわけでもない)。過去かこのそれよりちいさい距離きょりきょうどう距離きょり)できた事象じしょう我々われわれ観測かんそくできていない[注釈ちゅうしゃく 8]

このように矛盾むじゅんおもえるような光年こうねんスケールでの解釈かいしゃくは、宇宙うちゅう計量けいりょう拡大かくだいしているという事実じじつと、有限ゆうげんである光速こうそく使つかった光年こうねん距離きょり単位たんい使つかうという事実じじつ両方りょうほうからくる日常にちじょうさゆえに理解りかいむずかしいとされることがある[注釈ちゅうしゃく 9][注釈ちゅうしゃく 10]

時間じかん単位たんいであるとの誤解ごかい

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とし」がついているが時間じかん単位たんいではなく距離きょり単位たんいである。

人類じんるい古代こだいより移動いどう手段しゅだんがどれほど時間じかん消費しょうひするかで距離きょりはかってきた。たとえばこころざし倭人わじんでん登場とうじょうするくろこくまでの距離きょりは「船行ふなゆきいちねん」、つまりせん航行こうこうした場合ばあいで1年間ねんかん時間じかん必要ひつよう、と表現ひょうげんされていた。 そのほかにも散文さんぶんてきに「距離きょり」と移動いどうに(最低限さいていげん必要ひつような「時間じかん」を明確めいかく区別くべつしないれい見受みうけられる。

現代げんだいでも、山口やまぐち百恵ももえの「さよならのむこがわ」(作詞さくし阿木あぎ燿子)、THE YELLOW MONKEYの「BRILLIANT WORLD」(作詞さくし吉井よしい和哉かずや)などのように、時間じかんあらわ表現ひょうげんとして「光年こうねん」をもちいている楽曲がっきょくがある。

日本にっぽん漫画まんがやゲーム作品さくひんでは、時間じかん単位たんい勘違かんちがいした誤用ごようわらいのたねとしてもちいるれいがある[注釈ちゅうしゃく 11]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 国際こくさい単位たんいけい国際こくさい文書ぶんしょより。パーセクは1970ねんだい1はん)、1973ねんだい2はん)、1977ねんだい3はん)でSI併用へいよう単位たんい実験じっけんてきられるもの)
  2. ^ ユリウスれきでは1かげつ平均へいきん30.4375にちであり、ユリウスねん(365.25にち)を12でったひとしい。ただグレゴリオれきでは30.436875にちとなるので、どちらのこよみ由来ゆらい使つかうかを指定していしないかぎり「光月こうづき」は定義ていぎできない
  3. ^ これは光年こうねんかぎったことではなく、距離きょりはか尺度しゃくど有限ゆうげんである光速こうそく使つかうには、時間じかんとのせきをとったスケールが必要ひつようとなることによる要請ようせいである。
  4. ^ この「後退こうたいしているようにえる」をおおくの書籍しょせきやメディアで「後退こうたいしている」「とおざかっている」と断定だんていてきかれていることがあり、すると「“そのような運動うんどう”をしている」と誤解ごかいされる懸念けねんがある。実際じっさいはこの速度そくどで「運動うんどう」しているわけではなく「運動うんどうしているようにえる」のである。
  5. ^ たとえば、はしっているくるま位置いちはかるのに、さきくるま後尾こうび位置いちはかり、時間じかんいてからくるま先頭せんとう位置いちはかってくるまながさをすのとおなじである。くるま速度そくど時刻じこく考慮こうりょせずに位置いちだけではかると、くるますすんでしまっているのでくるまながさは実際じっさいよりながいと結論けつろんしてしまう。
  6. ^ 宇宙うちゅう原理げんりしたがえば、宇宙うちゅうはどこまでもてしなくひろがっている。ただし完全かんぜんひとしかたてきであるとはまだ証明しょうめいされていない。宇宙うちゅうきょくりつ参照さんしょう
  7. ^ たとえば宇宙うちゅうニュートリノ背景はいけい(CνにゅーB、えい: Cosmic neutrino background)を考慮こうりょした理論りろん計算けいさんでは、観測かんそく可能かのう宇宙うちゅう半径はんけい 466 おく光年こうねん、14.3 ギガパーセクとさらに 2% ほどおおきくなる。重力じゅうりょくもちいる理論りろんでさらに過去かこようとするこころみもある。宇宙うちゅう年齢ねんれいのすべてを見通みとおせるとすれば、無限むげんとお宇宙うちゅう観測かんそく可能かのうとなる。
  8. ^ これはその事象じしょう我々われわれをすでにとおりすぎてしまったから観測かんそくできないのではない。宇宙うちゅう原理げんりにより、過去かこ事象じしょうはそのひかり円錐えんすいうちぜん宇宙うちゅう観測かんそくできるはずだが、まだ我々われわれは CMB より以前いぜんひかりとらえる手段しゅだんがないのである。
  9. ^ 日常にちじょう生活せいかつでは光速こうそく有限ゆうげんであることさえもかんじとれる場面ばめんがほとんどないが、近年きんねんでは放送ほうそう衛星えいせい中継ちゅうけい惑星わくせい探査たんさ映像えいぞう中継ちゅうけいGPS計測けいそくなどでこれは徐々じょじょ認識にんしきされつつある。
  10. ^ 一部いちぶ観測かんそくできるちょう光速こうそく事象じしょうについても同様どうようのことがえる。詳細しょうさい光速こうそく参照さんしょう
  11. ^ 漫画まんがでは新声社しんせいしやかん『ゲーメストワールドVol5』66ぺーじから70ぺーじ掲載けいさいされた漫画まんがのキャラクターにこれをもちいてあたまわるさを表現ひょうげんしている。ゲームボーイソフト『ポケットモンスター あかみどり』のポケモントレーナーにこれを台詞せりふもちいたキャラクターがいる。アニメ『ドキドキ!プリキュア』のエンディングテーマ「このそらこう」には誤用ごようだと理解りかいしているという趣旨しゅし歌詞かし存在そんざいする。

出典しゅってん

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  2. ^ Measuring the Universe,The IAUえーゆー and astronomical units IAU
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  6. ^ [1] p.728 p.734
  7. ^ P. Kenneth Seidelmann, ed., Explanatory Supplement to the Astronomical Almanac (Mill Valey, California: University Science Books, 1992) 656. ISBN 0-935702-68-7
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  10. ^ Robert A. Braeunig, Basic Constants
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  12. ^ Arthur N. Cox, ed., Allen's Astrophysical Quantities (fourth edition, New York: Springer-Valeg, 2000) 12. ISBN 0-387-98746-0
  13. ^ Nick Strobel, Astronomical Constants
  14. ^ KEKB Astronomical Constants
  15. ^ Thomas Szirtes, Applied dimensional analysis and modeling (New York: McGraw-Hill, 1997) 60.
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  17. ^ K6 ASTRONOMICAL CONSTANTS 2014 このひょう光年こうねん (light-year) はふくまれていない。
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  24. ^ Proxima Centauri (Gliese 551), Encyclopedia of Astrobiology, Astronomy, and Spaceflight
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関連かんれん項目こうもく

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天文学てんもんがくながさの単位たんい[編集へんしゅう]
メートルSI単位たんい 天文てんもん単位たんい 光年こうねん パーセク
1 m = 1 6.68459×10−12 1.05700×10−16 3.24078×10−17
1 au 1.49598×1011 = 1 1.58125×10−5 4.84814×10−6
1 ly 9.46073×1015 6.32411×104 = 1 3.06601×10−1
1 pc 3.08568×1016 2.06265×105 3.26156 = 1