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コフィン・テキスト

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ちゅう王国おうこく時代じだい製作せいさくされたかんとそこにきざまれたコフィン・テキスト。

コフィン・テキスト(Coffin Texts)またかんひつぎぶん(かんきゅうぶん)は、古代こだいエジプトにおいてだい1ちゅうあいだ紀元前きげんぜん22世紀せいきごろ以降いこうつくられた、かん(コフィン)にきざまれた葬礼そうれい文書ぶんしょのこと[1][2]前代ぜんだいにおける王族おうぞくのための葬礼そうれい文書ぶんしょである「ピラミッド・テキスト」から発展はってんしたものだが、王族おうぞくかぎらず、かんうことができた富裕ふゆうそうあいだでもひろもちいられた。その内容ないようも、ピラミッド・テキストではられなかった日常にちじょう願望がんぼうかんするものもふくまれている[3][4]。その内容ないようはやがてパピルスしるされる様式ようしきの「死者ししゃしょ」に発展はってんし、よりひろ古代こだいエジプト社会しゃかいもちいられるようになった[4]

内容ないよう

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コフィン・テキストは、古代こだいエジプトでもちいられた葬礼そうれい文書ぶんしょ葬送そうそう儀礼ぎれい)の歴史れきしにおいて王国おうこく時代じだいぜん27-22世紀せいき)のピラミッド・テキストから、しん王国おうこく時代じだいぜん16世紀せいき以降いこうもちいられるようになった死者ししゃしょ中間ちゅうかん位置いちするものである。

前代ぜんだいのピラミッド・テキストは、ファラオ王族おうぞく)がもちいるものであり、かみ化身けしんたる故人こじんが、太陽たいようしんラーいただ天空てんくうかみ々のれつくわわることを目的もくてきとしたものであった。たいして、コフィン・テキストの時代じだいは、死後しご世界せかい天空てんくうではなく、地下ちかにあるとかんがえられていた。オシリスしん支配しはいするこの冥界めいかいは「ドゥアト」とばれ、王族おうぞく一般いっぱん民衆みんしゅう賤なく、すべての人々ひとびと死後しご場所ばしょとされていた。ドゥアトには怪物かいぶつ存在そんざいおそろしいわななど、様々さまざま危険きけん試練しれん)があり、これらからまも呪文じゅもんとしての葬礼そうれい文書ぶんしょ必要ひつようとされて、コフィン・テキストが作成さくせいされるようになった。そしてこの葬礼そうれい文書ぶんしょかんうことができた富裕ふゆうそうあいだでもひろもちいられるものであり、王族おうぞく限定げんていされなかった。

コフィン・テキストの登場とうじょうあたらしくまれた概念がいねんが、死者ししゃ生前せいぜんおこないについて、オシリスとその配下はいかかみ々によって審判しんぱんけるというものである。この審判しんぱんでは天秤てんびん使用しようすることを示唆しさしており、の「死者ししゃしょ」で有名ゆうめいな「心臓しんぞう計量けいりょう」につながったとかんがえられている。そのに、死後しご世界せかいにおいても肉体にくたい労働ろうどうをする必要ひつようせいがあることなど、一般いっぱん生者しょうじゃ忌避きひするような事柄ことがらと、それを回避かいひするための呪文じゅもんかれている。

出典しゅってん

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  1. ^ 10 Oldest Religious Texts in the World” (2017ねん11月28にち). 2023ねん11月4にち閲覧えつらん
  2. ^ コトバンク, 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん旧版きゅうばん)「死者ししゃしょ」より.
  3. ^ Lichtheim, Miriam (1975). Ancient Egyptian Literature, vol 1. London, England: University of California Press. ISBN 0-520-02899-6 
  4. ^ a b Goelet, Dr. Ogden (1994). The Egyptian Book of the Dead: The Book of Going Forth by Day. San Francisco: Chronicle Books 

外部がいぶリンク

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