サトラップ大だい反乱はんらん

サトラップ大だい反乱はんらん
サトラップ大だい反乱はんらんの指導しどう者しゃの一人ひとりペリクレスの墓はかに描えがかれたファランクス
場所ばしょ 小しょうアジア 結果けっか アケメネス朝あさの勝利しょうり
衝突しょうとつした勢力せいりょく
サトラップ反乱はんらん軍ぐん	アケメネス朝あさ
指揮しき官かん
ダタメース アリオバルザネース オロンテス	アルタクセルクセス2世せい

サトラップ大だい反乱はんらん (サトラップだいはんらん) または三さんサトラップの乱らんは、紀元前きげんぜん4世紀せいき後半こうはん、アケメネス朝あさのサトラップ（太守たいしゅ）たちがアルタクセルクセス2世せいに対たいして起おこした反乱はんらんである。反乱はんらん側がわの主要しゅよう人物じんぶつはカッパドキア太守たいしゅダタメース、フリュギア太守たいしゅアリオバルザネース、アルメニア太守たいしゅオロンテス1世せいらである。またカリアの王おうマウソロスも、基本きほん的てきには名目めいもく上じょうの宗主そうしゅアルタクセルクセス2世せいに従したがいつつ、時ときには反乱はんらん側がわに寝返ねがえることもあった。

エジプトのファラオであるネクタネボ1世せいやネクタネボ2世せいは、反乱はんらん軍ぐんから派遣はけんされてきた将軍しょうぐんレオミトレスに50隻せきの軍船ぐんせんと500タレントを与あたえ、これらは反乱はんらん軍ぐんのために使つかわれた。

ダタメースの反乱はんらん (紀元前きげんぜん372年ねん-紀元前きげんぜん362年ねん)

ダタメース

カッパドキア太守たいしゅダタメースは優すぐれた軍ぐん才ざいを持もつ人物じんぶつで、紀元前きげんぜん384年ねん以降いこうに父ちちカミサレスからサトラップ職しょくを継承けいしょうした。しかしアケメネス朝あさの宮廷きゅうていにおける問題もんだいがもとで、彼かれは紀元前きげんぜん372年ねんに反乱はんらんを起おこした。宮廷きゅうていは近隣きんりんのリュディア太守たいしゅアウトフラダテス やリュキア太守たいしゅアルトゥンパラらに反乱はんらん鎮圧ちんあつを命めいじたが、ダタメースはこれに耐たえ続つづけた。

紀元前きげんぜん362年ねん、ダタメースは反乱はんらんの味方みかたと偽いつわる義理ぎりの息子むすこミトロバルザネースに暗殺あんさつされた。

アリオバルザネースの反乱はんらん (紀元前きげんぜん366年ねん-紀元前きげんぜん363年ねん)

フリュギア太守たいしゅアリオバルザネースは、ポントスの支配しはい者しゃの息子むすこで、ヘレスポントス・フリュギアのサトラップ職しょくの正統せいとうな継承けいしょう者しゃアルタバゾスが成長せいちょうするまでの代理だいりサトラップを務つとめていた。しかしアルタバゾスが任にんに就つけるまでになった時とき、アリオバルザネースは地位ちいを譲ゆずり渡わたすのを拒否きょひし、紀元前きげんぜん366年ねんにダタメースの反乱はんらんに合流ごうりゅうした。

アリオバルザネースはスパルタ王おうアゲシラオス2世せいの支援しえんを獲得かくとくした。紀元前きげんぜん366年ねんカリアのマウソロスとリュディアのアウトフラダテスにアドラミティオンを包囲ほういされたが、アリオバルザネースはここを守まもり抜ぬき、アゲシラオス2世せいの交渉こうしょうもあって包囲ほうい軍ぐんは撤退てったいした。アテナイもアリオバルザネースに同調どうちょうする意図いとから、彼かれとその3人にんの息子むすこにアテナイ市民しみん権けんを与あたえた。しかし最後さいごには、アリオバルザネースは息子むすこのミトリダテスに裏切うらぎられ、アルタクセルクセス２世せいにより一族いちぞくもろとも磔刑たっけいに処しょされた。

オロンテスの反乱はんらん (紀元前きげんぜん362年ねん)

オロンテス1世せいが発行はっこうした硬貨こうかに刻きざまれた肖像しょうぞう。サトラップの被かぶり物ものを着用ちゃくようしている。

紀元前きげんぜん362年ねん、アルメニア太守たいしゅオロンテス1世せいはアルタクセルクセス2世せいにミュシアへの国替くにがえを命めいじられたのに反発はんぱつし、反乱はんらんを起おこした。高貴こうきな生うまれである彼かれは反乱はんらん諸侯しょこうから指導しどう者しゃに担かつぎ上あげられたが、間まもなく当とうのオロンテス1世せいがアルタクセルクセス2世せいと妥協だきょうして他たのサトラップたちを裏切うらぎったため、反乱はんらん軍ぐんは急速きゅうそくに崩壊ほうかいしていった。オロンテス1世せいがエえーゲ海げかい沿岸えんがんの広範囲こうはんいを与あたえられたのに対たいし、ダタメースは義理ぎりの息子むすこミトロバルザネースに裏切うらぎられて殺ころされ、アリオバルザネースは処刑しょけいされた。しかしその他たの反乱はんらん軍ぐんに味方みかたしたサトラップたちは赦免しゃめんされ、ここに大だい反乱はんらんは終結しゅうけつした。

参考さんこう文献ぶんけん

• Brosius, Maria (2006). The Persians: an introduction. Taylor & Francis. ISBN 9780415320894. https://books.google.com/books?id=9vnCeA_Z73cC 
• Gershevitch, Ilya (1985). The Cambridge history of Iran: The Median and Achaemenian periods. Cambridge University Press. ISBN 9780521246996. https://books.google.com/books?id=kMLKgzj5afMC  p386
• Heskel, Julia (1997). The North Aegean wars, 371-360 B.C. Franz Steiner Verlag. ISBN 9783515069175. https://books.google.com/books?id=djGmzkjbyGUC  p94
• Nelson Frye, Richard (1984). The history of ancient Iran. Vol 3. C.H.Beck. ISBN 9783406093975. https://books.google.com/books?id=0y1jeSqbHLwC 
• 三津みつづ間あいだ康幸やすゆき「セレウコス朝あさおよびアルシャク朝あさ時代じだいの王権おうけんの展開てんかいと都市としバビロン : 『日誌にっし』を主要しゅよう資料しりょうとした研究けんきゅう」2009年ねん、doi:10.15083/00005618。