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システムプログラミング言語げんご

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』

システムプログラミング言語げんごとは、システムプログラミングでよく使用しようされるプログラミング言語げんごのことである。このような言語げんごは、システムソフトウェアを書かくために設計せっけいされており、アプリケーションソフトウェアを書かく場合ばあいとは異ことなる設計せっけいアプローチが求もとめられる。

システムソフトウェアとは、コンピューターのハードウェアの操作そうさ・制御せいぎょのために設計せっけいされたコンピューターのソフトウェアであり、アプリケーションソフトウェアを実行じっこうするためのプラットフォームを提供ていきょうする。システムソフトウェアのカテゴリーとしては、オペレーティングシステム、ユーティリティソフトウェア、デバイスドライバ、コンパイラ、リンカなどがある。

機能きのう

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アプリケーション向むけの言語げんごとは違ちがい、システムプログラミング言語げんごは、典型てんけい的てきには、物理ぶつり的てきなハードウェアへのより直接的ちょくせつてきなアクセス手段しゅだんを提供ていきょうする。BCPLは、この意味いみでの典型てんけい的てきなシステムプログラミング言語げんごだった。システムプログラミング言語げんごはしばしばビルトインの入出力にゅうしゅつりょく（input/output; I/O）機能きのうを欠かいていた。かつては、システムソフトウェアが独自どくじの基本きほん的てきな入出力にゅうしゅつりょくメカニズムを開発かいはつしたり、基本きほん的てきなモニタ入出力にゅうしゅつりょくやスクリーン管理かんり機能きのうの上うえに作つくられることが普通ふつうだったためである。PL/I、C、Pascalなどの言語げんごが広ひろく普及ふきゅうするにつれ、システムプログラミング向むけ言語げんごとアプリケーションプログラミング向むけの言語げんごの境界きょうかいはぼやけていった。

歴史れきし

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コンピュータの黎明れいめい期きのシステムソフトウェアは、他たのプログラミング言語げんごが存在そんざいしなかったため、アセンブリ言語げんごで書かかれていた。同時どうじに、効率こうりつ的てきなオブジェクトコードの存在そんざい、コンパイル時間じかんの短縮たんしゅく、デバッグのしやすさなどの理由りゆうもあった。FORTRANなどのアプリケーション向むけ言語げんごもシステムプログラミングのために使用しようされることがあったが、アセンブリ言語げんごとして書かき出だすために追加ついかのルーチンが必要ひつようだった[1]。

中ちゅうレベル言語げんご

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中ちゅうレベル言語げんごは「高こうレベル言語げんごのような多おおくの構文こうぶんと機能きのうを持もつが、言語げんご内ないで（アセンブリ言語げんごと同様どうように）機械きかいの機能きのうへの直接ちょくせつアクセスも提供ていきょうするもの」である。最初さいしょ期きの中なかレベル言語げんごは1960年ねん頃ごろにBurroughsメインフレームで使用しようされたESPOLである。次つぎに現あらわれたのがNiklaus WirthのPL360であった（もともとBurroughsシステム上じょうでクロスコンパイラとして実装じっそうされたものである）。PL360は、ALGOL 60の一般いっぱん的てきな文法ぶんぽうを持もっていたが、各かくステートメントはCPUレジスタやメモリを直接ちょくせつ操作そうさするものだった。その他たには、MOL-360やPL/Sがある。

一いち例れいとして、よくあるPL360のR9 := R8 and R7 shll 8 or R6というステートメントを挙あげる。このステートメントの意味いみは、「レジスタ8とレジスタ7をandし、その結果けっかを8ビット左ひだりシフトした後のち、レジスタ6の中身なかみとorし、さらにその結果けっかをレジスタ9に格納かくのうせよ」という意味いみになる[2]。

高こうレベル言語げんご

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PL360は、構文こうぶんレベルではアセンブリ言語げんごと同等どうとうであったが、より高たかいレベルの構文こうぶんを持もつプログラミング言語げんごでも、システムプログラミングに適てきした特定とくていの拡張かくちょうを行おこなえるものもあった。その種たねの言語げんごの初期しょきの一いち例れいとしては、LRLTRANがある[3]。この言語げんごは、Fortranに、文字もじとビットの操作そうさ、ポインタ、アドレスの直接ちょくせつ指定していによるジャンプテーブルの機能きのうを追加ついかしたものである。

その後ご、C言語げんごのようなプログラミング言語げんごが開発かいはつされると、システムソフトウェアを書かくのに十分じゅうぶんな機能きのうのセットが開発かいはつされ、適切てきせつなハードウェア上じょうで効率こうりつよく実行じっこうできるオブジェクトプログラムを生成せいせいできるコンパイラが作つくられるようになった。一般いっぱんに、こうした言語げんごでは、効率こうりつよく実装じっそうできない少数しょうすうの機能きのうを直接ちょくせつは書かかず、ハードウェアの特定とくていの機能きのうにアクセスする必要ひつようがあるマシン依存いぞんの機能きのうを使用しようするために、インラインのアセンブリコードが埋うめ込こまれる。C言語げんごのasm文ぶんなどは、この目的もくてきでよく使用しようされる。同様どうようの言語げんごが数多かずおおく開発かいはつされてきたが[4]、現在げんざいまで生いき残のこっているのはC言語げんごとC++である。

System Programming Language（SPL）という名前なまえのHP 3000コンピュータシリーズ上じょうのプログラミング言語げんごもあった。この言語げんごは、オペレーティング・システムHP Multi-Programming Executiveや、その他たのシステム・ソフトウェアのパーツを作つくるために使つかわれていた。

主おもなプログラミング言語げんご

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言語げんご 設計せっけい者しゃ 誕生たんじょう年ねん 影響えいきょうを受うけた言語げんご 用途ようと
ESPOL Burroughs Corporation 1961 Algol 60 MCP
PL/I IBM, SHARE 1964 Algol, FORTRAN, some COBOL Multics
PL360（英語えいご版ばん） Niklaus Wirth 1968 Algol 60 Algol W
C言語げんご Dennis Ritchie 1969 BCPL Most operating system kernels, including Windows NT and most Unix-like systems
PL/S（英語えいご版ばん） IBM 196x PL/I OS/360
BLISS Carnegie Mellon University 1970 Algol-PL/I[5] VMS (portions)
PL/8 IBM 197x PL/I AIX
PL-6 Honeywell, Inc. 197x PL/I CP-6
SYMPL（英語えいご版ばん） CDC 197x JOVIAL NOS subsystems, most compilers, FSE editor
C++ Bjarne Stroustrup 1979 C, Simula See C++ Applications[6]
Ada Jean Ichbiah, S. Tucker Taft 1983 Algol 68, Pascal, C++, Java, Eiffel Embedded systems, OS kernels, compilers, games, simulations, CubeSat, air traffic control, and avionics
D言語げんご Digital Mars 2001 C++ Multiple domains
Nim Andreas Rumpf 2008 Ada, Modula-3, Lisp, C++, Object Pascal, Python, Oberon OS kernels, compilers, games
Rust Mozilla Research[7] 2010 C++, Haskell, Erlang, Ruby Servo layout engine, Redox OS
Swift Apple 2014 C、Objective-C、Rust macOS、iOS向むけアプリ開発かいはつ[注釈ちゅうしゃく 1]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ Swift uses automatic reference counting

参考さんこう文献ぶんけん

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  1. ^ Sammet, Jean (October 1971). “Brief Survey of Languages Used for Systems Implementation”. SCM SIGPLAN Notices 6 (9): 1–19. doi:10.1145/942596.807055. http://dl.acm.org/citation.cfm?id=807055. 
  2. ^ Wirth, Niklaus. PL360, A Programming Language for the 360 Computers. Journal of the ACM, 15(1): 37-74.
  3. ^ Mendicino, Sam F., Robert A. Hughes, Jeanne T. Martin, Frank H. McMahon, John E. Ranelletti, and Richard G. Zwakenberg. The LRLTRAN Compiler. C. ACM 11(11): 747-755.
  4. ^ Poel, W. L. van der, and Maarssen, L. A. Machine oriented higher level languages: proceedings of the IFIP Working Conference on Machine Oriented Higher Level Languages, Trondheim, Norway, August 27–31, 1973. International Federation for Information Processing, 1974.
  5. ^ Wulf, W.A.; Russell, D.B.; Haberman, A.N. (December 1971). “BLISS: A Language for Systems Programming”. Communications of the ACM 14 (12): 780–790. http://dl.acm.org/citation.cfm?doid=362919.362936 January 11, 2014閲覧えつらん。. 
  6. ^ “C++ Applications”. 2018年ねん10月がつ2日にち閲覧えつらん。
  7. ^ “Mozilla Research”. 2020年ねん6月がつ2日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

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関連かんれん項目こうもく

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この記事きじは2008年ねん11月1日にち以前いぜんにFree On-line Dictionary of Computingから取得しゅとくした項目こうもくの資料しりょうを元もとに、GFDL バージョン1.3以降いこうの「RELICENSING」(再さいライセンス) 条件じょうけんに基もとづいて組くみ込こまれている。

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