サイダ

サイダ صيدا
位置いち
位置いち
サイダ サイダ (レバノン) サイダ サイダ (地中海ちちゅうかい東海岸ひがしかいがん) サイダ サイダ (中東ちゅうとう)
座標ざひょう : 北緯ほくい33度ど33分ふん38秒びょう 東経とうけい35度ど23分ふん53秒びょう
行政ぎょうせい
国くに	レバノン
県けん	南みなみレバノン県けん
市し	サイダ
地理ちり
面積めんせき
市域しいき	7.86 km2 (3.03 mi2)
人口じんこう
人口じんこう	（現在げんざい）
市域しいき	163.554人にん
人口じんこう密度みつど	22,970人にん/km2
市街地しがいち	200,000人にん
備考びこう	2005年ねん
その他た
等ひとし時とき帯おび	東ひがしヨーロッパ時間じかん (UTC+2)
夏時間なつじかん	東ひがしヨーロッパ夏時間なつじかん (UTC+3)

サイダ、サイダー（Saida）＝シドン（Sidon）は、レバノン第だい3の都市としで、南みなみレバノン県けんの県けん都とである。シドンはアラビア語ごで「漁場ぎょじょう」「漁師りょうし」を意味いみする。ギリシャ人じんは「花はなに富とむ街まち」と呼よんだ。

レバノン内戦ないせん時ときには、首都しゅとベイルート同様どうよう、イスラエル軍ぐんによる攻撃こうげきにさらされて、市街しがいは荒廃こうはいした。内戦ないせん終結しゅうけつ後ごは、急速きゅうそくに復興ふっこうして、ベイルート、トリポリと共ともに国立こくりつサイダ競技きょうぎ場じょうを会場かいじょうに2000年ねんのアジアカップを開催かいさいし、日本にっぽんにもその名なを広ひろめた。首相しゅしょうを務つとめたラフィーク・ハリーリーの生地きじ。

古ふるくはフェニキアの主要しゅよう都市とし国家こっかシドンとして繁栄はんえいしており、遺跡いせきも発掘はっくつされている。紀元前きげんぜん5世紀せいきにフェニキア人じんが建たてたエシュムーン神殿しんでん遺跡いせきがある。この遺跡いせきの帯状おびじょう彫刻ちょうこくには、酔よった男おとこ達たちの姿すがた、薄着うすぎをまとった神かみ々の様子ようすが生いき生いきと描えがかれており、フェニキア時代じだいの人々ひとびとの生活せいかつを知しることができる。アレクサンドロス石棺せっかんや他たの王おうの石棺せっかんにある彫刻ちょうこくは、いずれもシドンで発見はっけんされたものである。

歴史れきし

紀元前きげんぜん19、18世紀せいき頃ごろ、古代こだいエジプト王朝おうちょうの支配しはい下かで最盛さいせい期きを迎むかえた。

創世そうせい記きでイスラエルが獲得かくとくすべき領域りょういきの北限ほくげんとしてシドンが設定せっていされる(創世そうせい記き49:13)。しかし現実げんじつにはシドン人じんを駆逐くちくできずイスラエル人じんは他たの偶像ぐうぞうと共ともにシドンの神かみを崇あがめた(士し師し記き1:13、士し師し記き10:6)。列れつ王おう記き上うえ16:32では北きたイスラエル王おうアハブにシドン王おうの娘むすめイゼベルが嫁とつぎ、イスラエルが堕落だらくに陥おちいる描写びょうしゃがある。

1110年ねん12月4日にち、シドンは第だい1回かい十字軍じゅうじぐんに占領せんりょうされ、エルサレム王国おうこくの重要じゅうような領地りょうちであるシドン地方ちほうの支配しはいの中心ちゅうしん地ちとなった。その後ごも十字軍じゅうじぐんにより何なん度どか占領せんりょうされ、1249年ねんにサラセンによって街まちは破壊はかいされた。1260年ねんにはモンゴル人じんによって再度さいど破壊はかいされた。17世紀せいきのオスマン帝国ていこくによる支配しはいを経へて、商業しょうぎょう的てきに重要じゅうような街まちとなった。

ギャラリー

• 
  旧きゅう市街しがい
• 
  新しん市街しがい
• 
  Sidon Sea Castle

参考さんこう文献ぶんけん

• 堀口ほりぐち松城まつしろ『レバノンの歴史れきし　－フェニキア人じんの時代じだいからハリーリ暗殺あんさつまで－』明石書店あかししょてん、2005年ねん。ISBN 978-4-7503-2231-5。 

関連かんれん項目こうもく

シドン・シナゴーグ　レバノン内戦ないせん以来いらい荒廃こうはいしている世界せかい最古さいこのシナゴーグのひとつであるここで、「土地とちの日ひ」を記念きねんする行進こうしんに参加さんかしたナートレー＝カルタのラビ２名めいが、礼拝れいはいを執とり行おこなった。